1 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/27(土) 17:36:21.79 ID:qQ2tl9Nw0
Fateと落第騎士の英雄譚のコラボです
最近やっと落第騎士の原作を読み終わったので書いてみました
Fateはアニメと格闘ゲームをやりました
原作と設定が変わっているところもあるかもです…
2 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/27(土) 17:37:34.68 ID:qQ2tl9Nw0
1日目夜
~衛宮邸 土蔵~
ランサー「なんだ!?テメェが7人目だったのか!」
士郎「こ、これは…」
一輝「…う、僕はいったい…、ここはどこだ」
一輝(…そうだ、僕は準決勝の後に控え室で気を失って…ッ!?)
一輝(聖杯戦争…?こんな知識僕にはなかったはずだ。なんでこんな事を知ってるんだ)
ランサー「おい、混乱してるとこ悪いけどよ、うちの雇い主に言われててな」
ランサー「テメェと闘り合わねえといけねえらしい」
一輝(槍使い、ランサーか!?)
士郎「お、おい待ってくれ。なんで戦う必要があるんだよ!」
一輝「どうやら君が僕のマスターみたいだね。とにかく下がってて」
ランサー「そろそろいいか?とっとと構えねえと…」シュン!
一輝(疾い!)
ランサー「胸に風穴が開くぜ」ゴッ!
6 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/27(土) 23:52:01.44 ID:qQ2tl9Nw0
一輝「っ!来い 陰鉄!」ギィィン!
ランサー「は!日本刀ってことはセイバーか!すこしは楽しめそうだ!」ヒュン!
一輝「はあ!!」ギギギ!
ランサー「おらおらおらおらァ!!!」ガガガガガガガ!
一輝「くっ、おおおおおおお!!!」ギィンギギギ
ランサー「チッ、やるじゃねえか。だが遅ェ!」ビュッ!
一輝「…っっ!」シュン!
ランサー「なに!?消え…!?!?」ガキィン!
一輝「ぐっ!さっきのを初見で塞がれるとは思わなかったよ」
ランサー「へっ、悪ぃな。疾さには自信があってよ。この程度で負けてやるわけにはいかねえんだよ」キィン!
ランサー(こいつ…さっきの動き、それに剣技。ほとんど目で追えなかった)
ランサー(なにしやがった。俺が何かされたのか…いや、こいつの動きに何かあるな。まあいい)
7 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/28(日) 00:01:07.93 ID:ItzNRgZc0
ランサー「この聖杯戦争、ハズレと思っていたが面白え。次は俺の番だ!!」ブワッ
一輝「これは…」
一輝(何かとてつもない力の奔流…。全てあの槍へ収束していく)
一輝(まるで僕の一刀羅刹のように次の一撃に全て使うような…)
ランサー「いくぜ…」
一輝(これを撃たせるわけにはいかない!!)
一輝「一刀羅刹!!」ブオッ!!
8 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/28(日) 00:06:49.56 ID:ItzNRgZc0
ランサー「なに!?」ザン!
ランサー「か…はっ…、テメ…」ドサッ
一輝「はぁ…はぁ…痛っ…」フラフラ・・・
一輝(あのまま撃たれてたら確実に僕は死んでいた。危なかった)
士郎「やったのか…?」
凛「よし着いた!…って、これって」
アーチャー「気をつけろ凛、サーヴァントが2体いる」
アーチャー「あそこに倒れているのはランサーか。その横にいるのも恐らくサーヴァントだ」
アーチャー「あの得物は日本刀、セイバーか」
アーチャー「ちょうどいい、運が悪かったと諦めるんだな」ザッ
一輝「くっ、新手か…痛っ」
一輝(ここはマスターだけでも)
凛「ちょっと待ちなさいアーチャー!」
アーチャー「それはできない相談だ。セイバーは聖杯戦争において最優のサーヴァント。ここで討ちとる」
???「待てよ」ビュン!
9 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/28(日) 00:22:43.85 ID:ItzNRgZc0
アーチャー「何!?」ギィン!
アーチャー「…なるほど、生きていたのかランサー」
ランサー「はっ、この程度で死ねるなら英霊なんぞになってねえよ。ゲホッゴホッ」ビチャ
ランサー「そ、そいつは俺の獲物だ。手出しはさせねえよ」
アーチャー「その体では戦いにもなるまい。下手をすれば消えることになるぞ。…まあいい、まずは貴様からだ」
ランサー「仕方ねえ、さっきの続きといこうじゃねえ…か!?なっ!あの野郎!」シュン!!
凛「消えた…」
アーチャー「令呪による強制転移か。これ以上は追えそうもない」
アーチャー「ならば次は…」スッ
一輝「ぐ…」フラフラ
10 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/28(日) 00:28:28.46 ID:ItzNRgZc0
凛「待ちなさいって言ってるでしょアーチャー。また令呪を使われたいのかしら」
アーチャー「…仕方ない。しかし君は甘過ぎる」
凛「はいはい、わかったから。さっさとこの付近の見張りにでも行っておきなさい」
アーチャー「人使いも荒いものだ」スウウウ・・・
士郎「遠坂…これはいったい何なんだ」
凛「ほんとに何も知らないみたいね。ほらまずは中に入れてくれないかしら」
………
……
…
士郎「聖杯戦争…そんな殺し合いがこの街で始まるなんて…」
凛「信じられない?でも現にセイバーを召喚したしランサーに2回襲われた。これでも信じられないかしら?」
士郎「…」
12 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/28(日) 00:39:28.47 ID:ItzNRgZc0
凛「それでどうするの?聖杯戦争に参加するにしてもしないにしても教会に行くべきだけど」
士郎「…もし本当に万能の聖杯があるなら、悪い人に渡すわけにはいかない」
士郎「俺も参加するよ」
凛「そ、なら綺礼…教会には私から連絡入れとくわね。セイバー寝込んじゃってるし」
凛「ま、サーヴァントならあの程度の傷なら朝には動けるぐらいには治ってるわ」
士郎「ありがとう、遠坂」
凛「…あと私達はこれから敵同士なんだから妙な助け合いは期待しないでよね」
士郎「あ、ああ。それでもありがとう、今日は遠坂に助けられたよ」
士郎(今日みたいな事になる前に明日の朝にセイバーに相談してみよう)
13 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/28(日) 00:51:03.72 ID:ItzNRgZc0
1日目 深夜
~衛宮邸~
一輝「…あれ、ここは」
一輝「布団…そうか、マスターが運んでくれたのか」
一輝(…僕はあの準決勝のあとに死んだのか。だから聖杯戦争に参加してるのかも)
一輝(ごめん…ステラ…、もしかしたら君を悲しませてしまっているかもしれない)
一輝(僕が死んだということなら決勝の舞台には上がれそうにない。でも…)
一輝(聖杯の力があれば…)
一輝(待っててステラ…、僕は絶対に決勝の舞台に立つ)
14 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/28(日) 01:04:28.56 ID:ItzNRgZc0
2日目 朝
~衛宮邸 道場~
士郎「ふっ!」バッ
一輝「甘いよ士郎君」バキッ
士郎「うわっ!」ドサッ
一輝「剣の振り方や力の入れ方はまだいいけど全体的に動きがしっくりきてない感じがするね」
一輝「そこまで型が決まってないからかな」
士郎「昨日の今日でここまで動けるなんて驚くよ。サーヴァントはみんなこんな感じなのか」
一輝「僕もそのあたりはわからないよ。さあそろそろ朝御飯にしよう」
一輝「あと今日の学校は休んだ方がいいと思う。何があるかわからないしね」
士郎「桜と藤ねえにどうやって説明するか…」
一輝「僕は蔵の中で待ってるよ。誰かに見られすぎても良くないかもしれないから」
一輝「修行はまた後にしよう」
17 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/28(日) 01:31:00.59 ID:ItzNRgZc0
2日目 夜
~柳洞寺~
士郎「ここは…、俺は自分の部屋で寝てたはずじゃ」
???「こんにちわ、セイバーのマスター」
士郎「!?お前は…!?」グググ
士郎(体が動かない…なんだよこれ!?)
キャスター「ふふ、あなたのサーヴァント、私が使ってあげるわ」スッ
18 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/28(日) 01:42:03.32 ID:ItzNRgZc0
~山門付近~
一輝(油断してた!まさか家から連れ出すなんて!早く行かないとマスター…士郎君が殺される!)
???「そこを往くはセイバーか」
一輝「!…君は誰だ?」
アサシン「アサシンのサーヴァント、佐々木小次郎。探し人ならついさっきこの山門をくぐっていったぞ」
一輝「ならそこを通してもらうよ」
アサシン「今の某はここの門番、通りたければ」
一輝「戦うしかない…か、来い 陰鉄!」
アサシン「ほう、日本刀か。なるほど良い絵になりそうだ」スラァ
一輝(あれは日本刀…でも物凄く長い)
アサシン「いざ死合おうぞ、セイバー」
19 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/28(日) 02:08:51.16 ID:ItzNRgZc0
一輝(来る!)
アサシン「ふっ!」ビュン
一輝「っ!」キィン
アサシン「気を抜けばその首すぐに落ちることとなるぞ」ガガガガガガガガガガ
一輝(なんて速い剣戟だ!…けど!)ガガガガガガガガガガ
一輝(今だ!第一秘剣 犀撃!)グオッ
アサシン「ぬ!くっ!」ガギィン!
一輝(!!刀を逸らされ…)
アサシン「颪三連」ビュオッ
一輝「っ!」ギィンギンギギギギギ!
アサシン(三連撃、これを難なく防ぐとは)
一輝(三連星や神速反射の攻撃と同じくらい迅い!)ググッ
一輝(第二秘剣 裂甲!)ゴッ!
アサシン「ぬっ!?」スパッ
アサシン「…剣を受けた状態からの寸勁か。心技体全ての揃った見事な剣技だ。だが…」
アサシン「我が秘剣受け切れるか」
一輝(上段からの構え…なにを…!?)ピクッ
一輝(まずい!!)バッ
アサシン「秘剣 燕返し」
22 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/28(日) 23:21:52.24 ID:ItzNRgZc0
一輝「ごはっ!」ドシャ
アサシン「…我が秘剣を遮二無二避けたか。なるほど勘が良いのか」
アサシン(今の動き…妙だな。動きの速さに緩急がまるでない)
一輝(なんだ…今の技は…。疾い連撃なんてものじゃない。確かにあの時剣筋は三つ存在した)
アサシン「解せぬ顔をしているな。なに、別に隠す事でもない」
アサシン「これは戯れに燕を斬ろうとして編み出した技よ」
アサシン「奴らは素早くてな、普通に刀を振るうだけでは斬れぬ。これは奴らを斬るために自然と生まれた技だ」
アサシン「…生憎と他にやることもなかったのでな」
一輝(…今の技…、本当にこの人は技術だけであの技を編み出したんだ)
一輝「まさか修行だけで…本当に技術だけであんな技を編み出したなんて驚いたよ」
23 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/28(日) 23:24:38.79 ID:ItzNRgZc0
一輝「でも純粋な剣技で負けるわけにはいかないよ」スッ
アサシン「その構え…なにをするつもりだセイバー」
一輝(一刀羅刹を使えばあの技を出す前にアサシンを斬れる。でも士郎君を助けられない)
一輝「模倣剣技<ブレイドスティール>、相手の剣技を見切ってそれ以上の剣技を体得する」
一輝「僕も君と同じ、剣技だけを極めてきた。ただ僕には誰もなにも教えてくれなかった」
一輝「だから他人の剣を見て盗むことしかできなかった」
一輝「君の秘剣を破れる技は僕にはない…」
一輝「だから君自身の技で破らせてもらうよ!」
アサシン「くっ…くく、ははははは。いやすまない、まさか我が秘剣を秘剣自身で破ろうとは」
アサシン「なるほど…その殺気、自棄で言ったわけでもないか」
アサシン「いいだろう、次は先程のような不完全な秘剣ではないぞ」
一輝(落ち着け…あの秘剣は宝具の域まで高められた純粋な剣技。だったら僕の模倣剣技で使えるはずだ)
一輝(アサシンとは何度か刃を交わしたけど秘剣を受けたのはたった一度きり…。)
24 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/28(日) 23:25:10.45 ID:ItzNRgZc0
一輝(それでもあの秘剣の完全なものは想像できる。だったら想像の中で秘剣を破れ!考えろ!今までの剣戟から相手の心理を掴め!)
???「■■■■■■■■■■■!!!」
一輝•アサシン「!?」
???「蹴散らしなさいバーサーカー!」
???「■■■■■!!」
一輝「っ!?」バッ
アサシン「くっ!」ザッ
???「じゃあね、お兄ちゃんは持って帰るね」
一輝「…あれは…サーヴァントなのか。士郎君がまずい!」
アサシン「門を飛び越えて行くか。女狐め、相当焦っているに違いな…!」
???「キャアアアアアアアアア…」
一輝「山門から悲鳴が…早く行かないと!」
アサシン「…死んだか、女狐」
アサシン「行けセイバー、どの道今の状態で決着をつけても納得はいくまい。今は主の事で頭が一杯のようであるからな」
一輝「アサシン…決着は後で必ず!」バッ
アサシン「…そのような事、言うまでもなく表情を見ていれば分かるものよ」
アサシン「あの一時の狂気に浸った顔…、剣士として全力を出せる相手と戦うと皆ああなる。ましてやその決着がつかない状態なら必ず戻って来る事など考えるまでもない」
25 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/28(日) 23:25:37.39 ID:ItzNRgZc0
~柳洞寺~
イリヤ「さ、邪魔なキャスターはあっけなく死んじゃったし早くお兄ちゃんを連れて帰ろう、バーサーカー」
士郎「待ってくれ、急に言われても」
イリヤ「も~、せっかく助けてあげたのに我儘言っちゃダメだよ。お兄ちゃんが嫌がるならバーサーカーに無理矢理連れて行ってもらうよ」
イリヤ「2度と動かない体になっちゃうけど仕方ないよね」
???「ハア!」ブン!
バーサーカー「■■■!?」バッ
イリヤ「きゃあ!?ちょっと急になにするのよバーサーカー!」
士郎「セイバー!」
一輝「なんとか無事だったみたいだね」
イリヤ「ふふ、貴方がお兄ちゃんのサーヴァント?その刀、セイバーね」
イリヤ「でも全然魔力を感じないじゃない。ほんとにサーヴァントなの?」
イリヤ「まあいいわ、潰しなさいバーサーカー」
26 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/28(日) 23:30:42.15 ID:ItzNRgZc0
バーサーカー「■■■■■■!!!」ブン!
一輝「…ッ!?」バッ!
バーサーカー「■■■■!!!」
一輝(避けるだけで精一杯!一度でもあの剣を受ければ腕の骨が砕ける!)
一輝(こんな怪物が僕と同じサーヴァントなんて!)
イリヤ「まるで相手にならないわね。避けてばかりじゃなにもできないわよ」
バーサーカー「■■■!!」
???「偽•螺旋剣」ゴッ!
士郎「!!セイバー下がれ!!」
一輝「っ!」バッ!
ゴオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!
バーサーカー「■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!」
………
……
…
一輝「…なんとか助かったよ、ありがとう士郎君」
士郎「俺の方こそ情けないマスターでごめん」
一輝「そんなことないさ、それより今の攻撃は…!?」
アーチャー「ほう、生きていたかセイバー」
士郎「やっぱりお前だったか、俺達ごと倒そうとしたな」
アーチャー「不思議に思う事はないだろう。これは聖杯戦争だ。いつ誰に殺されても文句を言われる筋合いはない」
27 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/28(日) 23:31:10.62 ID:ItzNRgZc0
イリヤ「おしゃべりはもういいかしら?」
士郎「…!」
イリヤ「すごいじゃない、バーサーカーを殺しちゃうなんて」
イリヤ「今回はそれに免じて見逃してあげるわ。じゃあねお兄ちゃん」
バーサーカー「■■■…」
28 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/28(日) 23:51:08.42 ID:ItzNRgZc0
………
……
…
士郎「…なんとか生き残れた」ヘタッ
一輝「ふぅ…、さすがにあのバーサーカーを相手にするのは難しそうだ」
一輝(あのバーサーカーの膂力なら円で返せるはずだ。あの腕力は恐らくステラと互角かそれ以上かもしれない)
一輝(それでもバーサーカーに敵わないならどの道ステラの膂力にも敵わない…か)
アーチャー「ふっ!」ブン!
一輝「なっ!かっ!?」ザシュッ!
士郎「セイバー!アーチャーお前!」
アーチャー「なにを不思議がっている。昨日言ったはずだ、セイバーは聖杯戦争最優…ならば仕留められるときに仕留める必要がある」
一輝「…さっき加勢したのはこの一撃のためか」
アーチャー「両方だ。バーサーカーは厄介な敵、2対1で仕留め切れると思っていたが、案外セイバーが使えなくてね」
アーチャー「バーサーカーが退散してくれて助かった。これでセイバーは脱落だ!」ブン!
29 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/29(月) 01:18:02.08 ID:Rp14+sYb0
一輝「ぐっ…」ギィン
アーチャー「鈍い!」バッ!
一輝「おおおお!!」ガキィン!
アーチャー「ほう、まだ押し返すだけの力があったか。だが…」ギュィィ…
一輝「っ!剣がもう一本、…二刀使いか!」ガギッ!
アーチャー「柄で受けたか。なるほど、あの体勢からこの防御。さすがは剣の英霊だ」
一輝「裂甲!」
アーチャー「甘いぞセイバー!」スッ
一輝「くっ!」ザザザ
アーチャー(剣使いが距離を取っただと、何をする気だセイバー)
30 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/29(月) 01:18:38.54 ID:Rp14+sYb0
一輝「ふっ!」ダッ!
アーチャー「ただ向かってくるだけか。鶴翼三…なに!?」ブン!
アーチャー「セイバーが消えただと!?…上か!」
一輝「第四秘剣 蜃気狼!」
アーチャー(まずい、ここは距離を開ける必要があるか!)ザザッ
一輝「おおおおお!!!」ダッ!
一輝(第六秘剣 毒蛾ノ太刀!)
アーチャー「遮二無二突っ込むか。それで虚をついたつもりか!?」ギィン!
アーチャー「!?ぐっ!腕が痺れ…ちっ!」
一輝「士郎君!捕まれ!」バッ
士郎「うわっ!?」グイ
アーチャー「最初から逃げるつもりだったか。…なるほど、武器を通して衝撃波を流し相手の武器を落とさせる技ということか。だが忘れたかセイバー?」
アーチャー「俺はアーチャー、元より剣で戦う英霊などではない」
一輝「…っ!」ゾク
一輝「一気に山門から飛び降りるよ!」バッ
士郎「待っ!うわっ!」
アーチャー「わざわざ空中に飛び出すとは好都合。空中では身動きは取れまい」
一輝「あれはさっきの弓、しまった!」
アーチャー「偽•螺旋剣!」シュパッ!
一輝(空中じゃ避けられない!せめて士郎君だけでも…)
ヒュン!
一輝「ごふっ!」ドシャ
士郎「痛っ!」ドシャ
アーチャー「矢が外れた…だと…」
???「つい先刻に果たし合う取り決めをした相手がここで消えるなど許さぬぞセイバー」
32 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/29(月) 22:47:56.35 ID:Rp14+sYb0
アーチャー「アサシン、邪魔をするな」
アサシン「邪魔か…なに、昔燕を切り落としていた頃を思い出してな。すぐ横を何かが飛んで行くものだから思わず刀を出してしまった」
アーチャー「…刀の切っ先で矢の軌道を変えたか」
アーチャー「とにかくそこを退け。セイバーとそのマスターはここで斬り捨てる」
アサシン「こ奴らは某の獲物、お主に渡す義理はないはずだが?」
アーチャー「ほう、キャスターの傀儡ごときが…もうこの世に留まる霊力も尽きてきている身でよくそのような虚勢を張れるものだ」
アサシン「お主こそ連戦で消耗したセイバーの隙すらつけず切り捨てられぬとは」
アサシン「某が手を出す必要もなかったようだな」
アーチャー「…どうやらそこを退く気はないらしいなアサシン」
アサシン「お主ごときにこの山門は潜らせぬよ。帰りまで見逃すつもりもない」
33 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/29(月) 22:49:43.72 ID:Rp14+sYb0
アーチャー「キャスターが死んだ今、門を守る意味もないだろう」
アーチャー「まあいい、その山門ごと消えるがいい、アサシン!」バッ!
アサシン「ふっ!」ブン!ギィィン
アーチャー「ちっ!」ガギッ ギィィン ギギギギ
………
……
…
ギィンキンキンギギギガギッガガガ
アサシン「春雷!」シュン!
アーチャー「ぬっ!砕けたか」バギィ!
アサシン「石花!」
アーチャー「チッ!」ギィィン!
士郎「…」
一輝(剣筋はアサシンの方が鋭く疾い。アーチャーが少しずつ押されてきた。アーチャーのあの剣術は我流なのか?)
アサシン「いつまでほうけているつもりだセイバー!」
一輝「!行くよ士郎君!」
士郎「え、あ、ああ」
34 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/29(月) 22:51:25.98 ID:Rp14+sYb0
~衛宮邸~
遠坂「はあ…、キャスターに連れ去られて令呪を奪われそうなところをバーサーカーがキャスターを倒して助かったけどバーサーカーに誘拐されそうになったと思ったらアサシンと戦っていたセイバーが間一髪間に入ってバーサーカーと戦ってたらアーチャーが援護してバーサーカーを撃退したら今度は隙を見てアーチャーがセイバーに斬りかかってきたからセイバーと一緒に逃げようとして絶体絶命の瞬間アサシンの助けを借りてここに戻ってきたと」
一輝「…僕達よく生きて戻ってこれたね…」
士郎「セイバーには助けられてばかりだったよ」
遠坂「悪運だけは強いんだから。でもバーサーカーがあんなに強いなんてね」
遠坂「よし、これも何かの縁だし私達同盟組まない?その強力なバーサーカーに対抗するにはアーチャーだけじゃ厳しいことがわかったし」
遠坂「お互い損はないはずよ。アーチャーには今回の事はきつく言っておくわ。どうかしら?」
士郎「願っても無い話だよ、こっちこそよろしく頼む」
一輝「僕も同じだよ。正直少し不安なところはあったから聖杯戦争に詳しい人が味方になってくれるなら幸いだ」
一輝「アーチャーさえなんとかなればだけどね…」
遠坂「よし、なら決まりね!」
35 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/29(月) 22:56:36.57 ID:Rp14+sYb0
3日目 早朝
~道場~
士郎「おおおおお!」ブン!
一輝「ふっ」バキ
士郎「…くそっ。よし、次だセイバー!」ダッ ブン!
一輝「…っ!?」バギィ
一輝(今の型は…)
士郎「うわっ!痛たた…」
一輝「あ、ごめん、士郎君!怪我は大丈夫?」
士郎「ああ、急に弾かれたから転んだだけだよ」
一輝「今の…アーチャーの型だよね?」
士郎「え?やっぱりばれたか。ごめんセイバー。別にセイバーの教えてくれてる剣術が悪いわけじゃないんだ」
士郎「ただ…昨日アサシンと戦ってるアーチャーを長い間見ていたせいか妙に頭にアーチャーの動きが残っててそれを真似してみたんだ」
一輝(今の動き、まだぎこちないところはあるけどさっきまでの動きとは全く鋭さが違う)
一輝「いや、このままでもう一本だ士郎君」
一輝(一度試してみよう。昨日アーチャーと戦ってアーチャーの剣技は模倣剣技で使える)
36 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/29(月) 22:57:03.90 ID:Rp14+sYb0
士郎「行くぞセイバー!」
一輝「よし、いいよ士郎君!」
………
……
…
士郎「はぁ…はぁ…ふぅ…」
一輝「よし、朝はここまでにしておこう。あんまりやりすぎるとあとに響くからね」
一輝(それにしても僕がアーチャーの剣技を使うだけで士郎君の剣技が少しずつ良くなっている)
一輝(昨日の鍛錬からは大きく進歩した。でもどうしてアーチャーの剣技でここまで…)
一輝「そうだ、ここの道場に竹刀の予備はある?」
士郎「藤ねえの分と予備の分でいくつかあるけど」
一輝「ならこれで二刀流で練習ができそうだ」
一輝(僕自身も時間を見て修行しておかないと…。あの秘剣を破るためにも!)
37 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/29(月) 22:57:31.18 ID:Rp14+sYb0
~学校 放課後~
士郎「遠坂、こっちに1つあったぞ」
遠坂「へえ、やるじゃない。結界の起点探しなんてサーヴァントの方がそういうの得意そうなんだけど」
一輝「あはは…、僕はそういう異能っぽい事は苦手かな。小手先の器用さなら少しくらい自信はあるんだけどね」
遠坂「それにしてもセイバーって制服似合うわね。初めて見た時も制服っぽいの着てたし」
遠坂(それにしても霊体化できないないなんて。妙なサーヴァントね)
遠坂「士郎の制服、様になってるわよ。ちょっとサイズが小さめかもしれないけどね」
士郎「悪かったな遠坂」
一輝「別にそんなことないと思うけ「あ、士郎!」
38 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/29(月) 23:05:23.65 ID:Rp14+sYb0
士郎「藤ね…藤村先生…、おどかすなよ…」
藤村「む、なによそれー。ていうか士郎、遠坂さんと…えっと…誰かしら?」
藤村「ていうかそれ士郎の制服じゃない!その袖の傷めてるとこ、私が前にちょっと傷つけちゃって糸だしちゃったとこと同じよ」
一輝「え!?」
士郎「そんなこと聞いてないぞ藤村先生」
藤村「それはどうでもいいとして!君、見たことないけどどうして士郎の制服着てるのよ」
一輝「あー…えっと…」
遠坂「実は先生…彼イジメに合ってるんです」
一輝「!?」
士郎「遠坂!?」
遠坂「今日体育の後着替えに戻ってきたら彼の制服がなくてオロオロしているのを衛宮君が見つけて予備の制服を家に取りに行ってくれたらしいです」
藤村「そうなの士郎?」
士郎「あ、ああそうなんだ。今は制服を偶然会った遠坂と一緒に探してる最中なんだよ」
藤村「…ていうか今日体育のクラスあったかしら」
遠坂「…あ」
士郎「一クラスぐらいあってもおかしくないだろ」
藤村「うーん、やっぱり怪しいわね。君ちょっと職員室まで来なさい」
39 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/29(月) 23:05:58.72 ID:Rp14+sYb0
一輝「できればあとにして欲しいんですけど…」
藤村「問答無用!」ガシッ
一輝「うわっ、ちょ、ちょっと待ってください!」ズリズリズリズリ
藤村「観念しなさいー!」
一輝「士郎君!遠坂さん助けて!」
士郎「ごめんセイバー、そうなった藤ねえは止められそうにない」
遠坂「後で迎えに行くから頑張りなさい」
一輝「そんなに簡単に見捨てなくてもいいよね!」
40 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/29(月) 23:13:35.19 ID:Rp14+sYb0
………
……
…
遠坂「逝ったわね…」
士郎「後は任せてくれセイバー」
遠坂「私…彼の事は忘れないわ」
士郎「セイバーの犠牲は無駄にできない。遠坂、早く結界の起点を見つけて行こう」
遠坂「そうね、あと回ってないのは3階かしら。早く行きましょ」
士郎「…そうだ、待ってくれ遠坂。この宝石」ジャラ
遠坂「これって…」
士郎「ランサーに襲われて目が覚めたら置いてあったんだ。宝石魔術って遠坂の得意分野だろ?」
士郎「ならこの宝石って遠坂のだよな?」
遠坂「…そうね。士郎、この宝石は確かに私のもの。この世に1つしか無いものよ」
遠坂「でもね、私はもう返してもらってるのよ」ジャラ
士郎「この宝石と瓜二つじゃないか。2つあったってことか?」
遠坂「この宝石は最初に貴方の家から帰った後にアーチャーから渡されたものよ。てっきり貴方の家か学校から取ってきてくれたと思ってたけど」
士郎「アーチャーがその宝石を…これって…」
???「キャアアアアアアアアア!」
遠坂「!悲鳴じゃない今の!」
士郎「下の方からだ!」ダッ
遠坂「待ちなさい士郎!もう!」ダッ
41 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/29(月) 23:15:07.87 ID:Rp14+sYb0
~学校 校舎出口~
遠坂「大丈夫、気を失ってるだけ。でもこのまま放っておいたらまずいわね」
遠坂「ここは私がなんとかしておくわ。士郎は周りの警戒をお願い」
士郎「ああ、それなら任し…っ!!」バッ
遠坂「きゃあ!?」ドサッ ザクッ
遠坂「士郎!何する…ちょっと士郎!その肩!」
士郎「ぐ…、このぐらいなら大丈夫だ。遠坂はその子を頼む!」ダッ
遠坂「ちょっと待ちなさい士郎!」
42 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/29(月) 23:16:48.89 ID:Rp14+sYb0
~林~
士郎「くそっ、確かこっちの方から飛んできたはずだ」
???「よう、衛宮じゃないか」
士郎「慎二!お前なんでこんなところに…」
慎二「はあ?そんなの決まってるだろ。なあライダー!!」
ライダー「…」スウウウウウ
士郎(あれはサーヴァントか!)
士郎「慎二…お前もマスターだったのか!!まさか学校に結界を張ってるのも」
慎二「ははは、今更気づいても遅いんだよ!なんだよその顔、僕がマスターだってことが信じられない顔してるな」
慎二「その無様な顔のまま潰してやるよ!ライダー!結界を発動させろ!」
ライダー「…いいでしょう」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
士郎「慎二!てめぇ!」
慎二「ほらほら、早くなんとかしないと学校の連中はみんな食い尽くされちまうぜ~」
43 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/29(月) 23:20:49.72 ID:Rp14+sYb0
士郎(学校には遠坂も藤ねえも一成も…このままだとまたあの大災害のようなことになる)
士郎(そんなことは許されない。武器だ…何か武器がいる。あのライダーを倒せるような…あいつが持っていたような…)
士郎「トレース…オン!…ガ…アアアアアアアアアアアアアアアアア!」バリバリバリバリ
士郎「ハァ…ハァ…ぐっ!」
慎二「あれが衛宮の魔術だと!くそっ!衛宮のくせに生意気だ!ぶっ殺せライダー!」
ライダー「仕方ありません。あなたはここで終わりです」ブン!
士郎「させるかァ!!!」ガギィン!
ライダー「はぁ!」バッ!
士郎「ぐっ!ぎぎぎ!おおおおおお!」ブンブンブン!
ライダー「ふっ」キィンキィンキン
慎二「何やってんだよライダー!さっさと倒しちまえよ!」
士郎「はぁ!!!」ブン
ライダー「まだまだ甘いですね」スッ
士郎(疾っ!?)
ライダー「さよなら」ブン!
一輝「一刀修羅ァ!!」シュン!!ギィン!!!
44 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/29(月) 23:30:50.65 ID:Rp14+sYb0
ライダー「っ!?日本刀、あなたがセイバーですね」
一輝「ごめん士郎君、校舎を探してたら遅れた。君達がこの結界を張った犯人か」
慎二「サーヴァント…衛宮ァ…。やれ!ライダー!あいつらぐちゃぐちゃにしろ!」
ライダー「…」ジャキ
一輝「第七秘剣 雷光!」ギュオッ
ライダー「!?あっ!ぐっ…」スパッ
一輝(一刀修羅と比翼の体技を合わせた雷光を避けた!?このサーヴァントかなり疾い!)
ライダー(全速で動かなければ今ので胴が裂かれていましたね)
45 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/29(月) 23:35:10.31 ID:Rp14+sYb0
ライダー(それに今の動き…一瞬見失う程の加速…いえ、あれは…)
一輝「ふっ!」ブン!
ライダー「はぁ!」ガギッ
一輝「ッ!」シュン!
ライダー「消え…しまっ…!?」ドガァ!
慎二「ライダー!ちくしょう!なにくらってんだよ!」
ライダー「…仕方ありませんね」ダッ
慎二「ちょっ!何すんだよ!」ガシッ
ライダー「一旦校舎へ移ります」シュン!
士郎「待て慎二!!くそっ!あっちには遠坂が!」ダッ
一輝(一刀修羅は残り時間半分、もう時間がない!早く追いつかないと!)
一輝「士郎君、1人にして悪いけど先に行くよ!」シュン!
46 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/29(月) 23:40:32.61 ID:Rp14+sYb0
………
……
…
ライダー「…」
一輝「見つけた!」
アーチャー「遅かったなセイバー。もう少し遅ければ出番がなくなっていただろう」
アーチャー「そろそろ諦めて結界を解いたらどうだライダー」
慎二「2対1なんて卑怯だぞ!ライダー!早くなんとかしろォ!」
ライダー「いいでしょう。この狭い廊下に追い詰められたのは貴方達です」グサッ
一輝「自分の首を刺し…!?あれは魔法陣、何か来るみたいだアーチャー!」
遠坂「アーチャー!宝具が来るわ!」
アーチャー「I am the born of my sword…」
ライダー「騎英の手綱<ベルレフォーン>!」
アーチャー「熾天覆う七つの円環<ローアイアス>!!」
ガガガガガガガガガガガガガガ!!!!
アーチャー(一気に2枚を持っていくか!)パリィン!
ライダー「アーチャーの貴方が私の宝具を止められるような盾を持っているとは驚きました」
ライダー「でももう保たないようですね」パリィン!
アーチャー「なに、問題は無い。この盾はただの時間稼ぎだ」
ライダー(!?盾の向こうにセイバーがいません!まさか…)
47 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/29(月) 23:42:58.28 ID:Rp14+sYb0
一輝「第七秘剣 雷光!!!」ズバァッ
ライダー「かっ!?背後から…宝具ごと…」ドサッ
ライダー(なるほど…咄嗟に防御をアーチャーに任し上か下の階から背後に回り込んでいましたか…)シュウウウウウウウ
遠坂「死んだわねライダー。結界も解けたしとりあえず一件落着かしら。ねえ?間桐くん?」
慎二「え?あ…はははは…」
遠坂「さあ?魔術の秘匿も関係無しにこんなに騒ぎを大きくしちゃって。どうする気かしらね?」
慎二「ひっ!待て待て!待ってくれ!頼む見逃してブヘェア!」バキィ!
遠坂「とりあえず…あんたも学校のみんなと一緒に病院に送られてなさい」
慎二「」ピクピク
一輝「よかった…これで学校の人達は助かったみたいだ」フラフラ
アーチャー「…」スッ
遠坂「ダメよアーチャー。セイバーとはバーサーカーが片付くまでは同盟なんだから」
アーチャー「仕方ない。つくづく甘いな君は」
49 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/29(月) 23:44:42.88 ID:Rp14+sYb0
三日目 深夜
~道場~
士郎「うわっ!」ドサッ
士郎「もう体は大丈夫みたいだなセイバー」
一輝「動くには問題無いよ。でも一刀修羅は使えないしサーヴァントとはまだ戦えないかな」
士郎「確か1分間に全ての力を使い切る技だったよな?」
一輝「その代わりに1日1回限りだし使った後はフラフラになるから連戦する時には使いづらい」
士郎「あの柳洞寺の時に使ってなかったのはサーヴァントが他にもたくさんいたからかっ!」ダッ
一輝「ッ!」バシッ
士郎「がっ!?…やっぱり不意打ちでもダメか」
一輝「不意打ちならもっと目線や呼吸を意識しないとすぐバレるよ」
一輝「ただこの修行は自分の身を守るためだから相手を倒すことを考えるのは二の次」
士郎「そうだな、ごめんセイバー」
一輝「それでもかなり腕は上がってきてるよ。さあ、もう一回だ士郎君」
50 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/29(月) 23:45:17.58 ID:Rp14+sYb0
三日目 深夜
~衛宮邸 玄関~
士郎「こんな時間に呼び鈴なんて誰だ?」ガラ
イリヤ「こんばんわ、お兄ちゃん」
士郎「イリヤ?どうしてここに」
イリヤ「ねえ、一緒に来て」
51 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/29(月) 23:46:25.28 ID:Rp14+sYb0
………
……
…
凛「どうやら連れ去られたみたいね。ちょうど私が家に戻ってる隙を突かれたようね」
アーチャー「下手人は恐らくだがバーサーカーのマスターだろう」
アーチャー「まったく、キャスターの時から何も学んでいないのか」
一輝「とにかく早く士郎君を追おう」
凛「ええ、アインツベルンなら場所は一つしかないわ」
52 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/29(月) 23:46:57.98 ID:Rp14+sYb0
四日目 日の出前
~アインツベルン城 玄関ホール~
凛「…なによこれ…城中穴だらけじゃない」
一輝「たぶんバーサーカーと誰かが戦ったんだと思う」
アーチャー「この静けさ…ここまでの侵入を易々と許したという事はバーサーカーは敗れたのだろう」
一輝「ここに血の跡が…もしかしたらバーサーカーのマスターの女の子のかもしれない」
凛「出血から見てここで殺されたわけじゃないわね。連れ去られたってところね」
一輝「…」
凛「セイバー、今考えてる事は衛宮君を助けてから考えなさい」
一輝「…よくわかったね」
………
……
…
士郎「よし、なんとか立ち上がれた。…ドアの向こうは静かだな」
士郎「今なら逃げれブフォァ!?」バギィ!
凛「ちょっと衛宮君!?よし、息はあるわ!アインツベルンも酷いことするわね」
一輝「…どう考えても遠坂さんがドアを吹っ飛ばしたせいだと思うけど」
アーチャー「くだらん漫才は止めろ。とにかく今はこの城を出るぞ。あのバーサーカーを倒したサーヴァントに見つかったら厄介だ」
士郎「バーサーカーが倒されたのか!?まさか捕まってる時の破壊音って…」
凛「話はここから出てからよ。ほら、行きましょ」
53 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/01(火) 01:00:40.20 ID:U2tmB7V80
~アインツベルン城 玄関ホール~
士郎「すごいな、ここまで城をボロボロにするなんて」
一輝「でも結局バーサーカーを倒したサーヴァントって一体…」
???「よう、久しぶりだなセイバー」
士郎「2階の通路に誰かいるぞ!」
凛「!?あなた…ランサーね」
ランサー「よう、お前がいるって事はあの時の野郎もいるってことか。いいねぇ、殺し甲斐があるってもんだ」
一輝(…)
ランサー「よっ」シュタッ
ランサー「…と。っ」フラ・・・
アーチャー「ランサー、貴様セイバーに受けた傷が癒え切れていないのか」
ランサー「胴がほぼ真っ二つだったからな。俺も1日2日で治ると思ってたんだがよ」
ランサー「ったく、俺だってこんな状態で戦いなんざしたくねえけどな。だがマスターの命令だ」
凛「そんな状態でバーサーカーを討ち取ったなんて」
ランサー「あー、違う違う。バーサーカーに関しちゃ俺はなにもやってねえよ」
ランサー「さあ、問答は終わりだ。おしゃべりしに来たわけじゃねえんでな」スッ
54 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/01(火) 01:06:52.30 ID:U2tmB7V80
アーチャー「ここは俺がやろう。今のセイバーには少々荷が重いようだからな」
ランサー「いいぜ、あの時の続きといこうじゃねえか!」ダッ!
ランサー「ハァ!」シュバッ!
アーチャー「ふっ!」ギィン!
ランサー「また双剣か!前に砕かれたのを忘れたか!」バギィン!
アーチャー「貴様こそ忘れたか!砕いても無駄だということを」
アーチャー「トレース・オン!」キュイイイ
士郎(トレース・オン…柳洞寺の時のはやっぱり聞き間違いなんかじゃなかった…)
ランサー「次から次へと…面倒くせえ野郎だ!」
アーチャー「手負いといえども武器を破壊してくるか。ならば…」
アーチャー「I am the born of my sword」
ランサー「ああ?なんの真似だ?」
アーチャー「Steel is my body, and fire is my blood」
アーチャー「I have created over a thousand blades.」
アーチャー「Unknown to Death.」
アーチャー「Nor known to Life.」
アーチャー「Have withstood pain to create many weapons.」
アーチャー「Yet, those hands will never hold anything.」
アーチャー「So as I pray, unlimited blade works.」
ランサー「野郎、まさか!」
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!
士郎「これは…」
一輝「景色が変わった!?」
凛「固有結界…、アーチャーあなたまさか…」
アーチャー「そういうことだ、凛。俺は剣士でも弓兵でもない。生前はただの魔術師だった男だ」スッ
ランサー「野郎…周りの剣を俺に向けやがったか。全部叩き落としてやらァ!」
55 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/01(火) 01:08:23.08 ID:U2tmB7V80
アーチャー「手傷を負ったままの貴様にそれが出来るか?まあいい、これで終わりだランサー!」ヒュンヒュンヒュンヒュン!!!
ランサー「ううううおおおおおおオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」ガガガガガガガガガガ!!!!!
アーチャー「粘るな、だが…」ヒュンヒュンヒュンヒュン!!!
ランサー(なに!全方位からだと!)
ランサー(くそっ、野郎に向かう隙がねえ。致命傷以外は構わず飛び出すか…!?これは!)
ランサー「そういう腹かよ!」バッ!
ランサー(後ろからセイバーの刀が来やがる…この剣の雨の隙を縫ってセイバーがトドメを刺すってことかよ!)
ランサー「オラァ!」ブン!ギィン!
ランサー(なに!?刀だけ!アーチャーの野郎わざとセイバーの刀を見つけさせっ!?)グサッ
ランサー「ゴハッ!?ガッ…」
アーチャー「気付くのが遅れたなランサー」
ランサー「…セイバーの剣を発見させたのはわざとかよ…くそが…」ドサッ
アーチャー「…貴様が手負いでなければ負けていたな。このような戦法が破られるのは時間の問題だっただろう」
56 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/01(火) 01:08:57.57 ID:U2tmB7V80
ランサー「野郎に世辞なんぞ言われても嬉しくもなんともねえよ」シュウウウウウウウ・・・
一輝「…勝ったのか」
士郎「風景も元の城の中に戻っていく…」
凛「やれば出来るじゃないアーチャー!」
アーチャー「いや、まだだ凛」
凛「え?」
アーチャー「そうだろうセイバー」
一輝「アーチャー…!」
凛「駄目って言ってるでしょアーチャー。なんならここでもう一回令呪使われたいかしら?」
アーチャー「そんなもの何の脅しにもなりはしない。トレース・オン」
士郎「それは…キャスターの持ってた短剣!何を…」
アーチャー「覚えていたか小僧、そうだ、これはキャスターの宝具の短剣。能力は…まあ使った方が早いか」グサッ パリィン
凛「!?アーチャーと私の繋がりがなくなった!?そんな…」
アーチャー「契約破りの短剣。これで私を戒める者はなくなったわけだ。…さあ来い、セイバー」
一輝「…ぐっ」フラッ
士郎「駄目だセイバー、まだ昨日の夕方の反動が」
一輝「今ここにいるサーヴァントは僕だけだ。なら僕がなんとかする」
一輝「それに遠坂さんとの魔力の供給がないアーチャーなら…」
アーチャー「繋がりを切ったのは今先程だ、そう易々と倒せると思うなよセイバー!」ダッ!
一輝「来てくれ 陰鉄!!」ギィン!!
58 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/01(火) 21:39:31.43 ID:U2tmB7V80
アーチャー「太刀筋がえらく軽いなセイバー」ググッ
一輝「くっ!」バッ
アーチャー「逃がさん!」ブン!
一輝「くっ!」キィンキィン!
一輝(体がいつもより重い、まだ体が回復しきってない…。それでも!)
一輝「第六秘剣 毒蛾の太刀!」ギィン
アーチャー「!あの時の武器落としの技か!」ボトッ
アーチャー「俺の剣を落としたところで無駄だとわからないか、トレース・オン!」キュイイイ
アーチャー「ふっ!」ブン!
一輝「ぐぅっ!」ギギギ!
一輝「第二秘剣 烈甲!」ガッ
アーチャー「甘い!」スッ
アーチャー「舐められたものだ。一度出した技を出したところでどうにかなると思ったか?」
一輝「…柳洞寺でいくつか出したのは失敗だったか」
アーチャー「今更遅い、終わりだセイバー!」ブン!!
一輝「ッ!!」ギィン! バッ!
アーチャー「何!!ぐっ!?」ズバッ
一輝「第一秘剣 犀撃!」ザッ!
アーチャー「ぐあっ!!」ガガガ!!
士郎「セイバーがアーチャーを怯ませた…」
凛「セイバー…何をしたのよ」
59 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/01(火) 21:39:59.84 ID:U2tmB7V80
アーチャー(犀撃とやらの前の一撃、今迄の剣戟の強さではなかった…そうか)
アーチャー「成る程…こちらの斬撃を受けてそれを自身の斬撃の力へと変換したということか」
一輝「ご名答。第三秘剣 円。相手の攻撃の力を自身の攻撃へ転化する秘剣だよ」
アーチャー「さすがは剣の英霊だ。なら剣戟で対応しなければ問題ない」
アーチャー「霊力の供給が無い状態だが…まあ仕方あるまい」ズラァ
一輝「空中に剣を…」
アーチャー「さあ、そのふらつく体でどこまで防げるかな」シュンシュンシュンシュン
一輝「ぐ…うおおおおおおおお!!!」ギィンギンキィン!!
一輝「がっ!?くっ…ッ!」ギィンガギッ
凛「まずい…このままじゃセイバーが!」
アーチャー「どうしたセイバー、剣の速度が落ちているぞ。どうやらそろそろ終わりのようだ」
一輝「うわっ!しまっ!?」ギィン
60 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/01(火) 21:40:48.48 ID:U2tmB7V80
士郎「させるかァ!!」バギィ!
一輝「士郎君!来ちゃ駄目だ!」
凛「いくら霊力の供給がないからって無茶しちゃ駄目よ!」
アーチャー「…ほう、小僧、貴様が相手になるつもりか。まあその方が話が早く済む」
士郎「やっぱりお前の目的は…」
アーチャー「感づいていたか。そうだ、俺の目的は最初から聖杯などではない。貴様をここで殺すことだ」
一輝「…どういうことだ」
士郎「セイバー、こいつの真名は恐らく…英霊エミヤ」
一輝「エミヤって…まさか…」
凛「アーチャー…あなた…やっぱり未来の衛宮君ってわけね」
一輝「そんなことが…」
アーチャー「衛宮士郎、貴様は正義の味方を目指すべきではない」
アーチャー「トレース・オン」カンショウバクヤ
士郎「トレース・オン!」カンショウバクヤ
アーチャー「ふっ!」ブン!
士郎「おおおおお!!!」ギィン!
アーチャー「ちっ!」ギィンギン!
士郎「ぐっ!おおあああ!」ギィン!
アーチャー(こいつ…どういうことだ。双剣の使い方のレベルが高過ぎる)
一輝(道場でアーチャーの剣技で稽古をつけていたのは正解だったみたいだ)
一輝(…そうか、アーチャーの正体が未来自分自身。だからアーチャーの剣技は士郎君にとって最も体に合った剣技)
一輝(だから打ちあうたびに士郎君の剣技が格段に上がったのか!他の要因もあるかもしれないけど…これなら!)
士郎「うおおおお!!!」ブン!
アーチャー「図にのるな、衛宮士郎」バギィン!
一輝「剣が砕けた!?」
士郎「なっ…に…」
アーチャー「どうした衛宮士郎。ある程度の剣技だけで俺が倒せると思ったか?」
アーチャー「貴様の投影魔術など中身がまるで詰まっていない。ただの張りぼてだ」
アーチャー「その程度の力で曲がりなりにもサーヴァントに勝てると思うな!」ゴッ!
士郎「!!ぐぁっ!」バギィン!
アーチャー「ふっ!」ブン
士郎「ぎっ!はぁ…はぁ…」キュイイイ ギィン!
アーチャー「投影の速度が上がったか。だが無駄な足掻きだ」
61 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/01(火) 21:41:14.78 ID:U2tmB7V80
~アインツベルン城 玄関近く~
???「贋作者同士の潰し合いか。この我が目にするのも汚らわしい」
???「だが…このまま人形を持ち帰るだけではつまらん。ちょうど1つ興が欲しいと考えていたところだ」
???「人形を生かしたまま捕らえたのは正解だったな。おかげで腐る心配はない」
???「せいぜい我を興じさせるがよい。まあどの道両方生かしておく気はないがな」
???「我の眼前そのような贋作を出した罪を悔いながら消えるがいい、ククク…」
62 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/01(火) 21:42:00.82 ID:U2tmB7V80
~アインツベルン城 玄関ホール~
士郎「俺の勝ちだ…アーチャー。俺は正義の味方になる。この先に何があっても…俺は乗り越える」
アーチャー「…ああ、そうだったな」
一輝「やった!士郎君がアーチャーを!」
凛「ほんと、信じられない無茶をするんだから…」
???「実に楽しめたぞ。贋作者同士くだらない戦いだった」ヒュンヒュンヒュンヒュン!
一輝「っ!士郎君!おおお!!痛っ!」バッ! ギィンギン!スパッ!
一輝(駄目だ!全部は受けきれない!)
アーチャー「どけ!小僧!」バッ!
士郎「うわっ!」ドサッ
アーチャー「ぐっ!ガッ!」ドスドス!
凛「アーチャー!」
一輝「なんだ!?これは…アーチャーや士郎君と同じ技なのか…?」
ギル「なんだと、偽物と本物の区別すらつかぬか。英霊としての格が知れる」
アーチャー「ゴフッ…ぐ…貴様…」ガシッ
ギル「贋作者風情が我の剣に触れるなよ。…まあいい、これでわかっただろう。本物の重さというものがな」
士郎「あいつ!トレース…」
アーチャー「待て、ここは私がやる。お前達はこの城から離れろ。トレース・オン」バシュッ!
ギル「弓矢か。どこを狙って…」ガラガラガラガラ・・・
ギル「…なるほどな、天井を崩して雑種どもを逃がすつもりか」
凛「アーチャー!あなた…」
アーチャー「凛、私を頼む。不器用で頼りない奴だからな」
一輝「待ってくれ!アーチャー、君だけじゃあいつには勝てない!」
凛「昨日の反動でフラフラのあなたに魔力の供給の無いアーチャーが一緒になっても無駄よ!いいから行くわよ!」
凛「アーチャー…ありがとう…」
63 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/01(火) 21:43:01.65 ID:U2tmB7V80
………
……
…
アーチャー「追うそぶりすら無しか。えらく余裕だな英雄王」
ギル「贋作者ごときが我の真名を口にするか。不敬な」
ギル「あの様な者共、ここで殺さずとも問題あるまい」
アーチャー「その慢心が命取りになるぞ、英雄王」
ギル「…その度重なる無礼、貴様の命で償ってもらおうか。なに心配せずとも貴様の安い命でも償えるようにしてやる」
ギル「せいぜい苦しみ抜いて我を興じさせよ、贋作者!」ズラァ
アーチャー「I am the born of my sword」ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!
ギル「なに?…ほう、固有結界か。それで?このような無様な世界で何をするつもりだ?」
アーチャー「そう急ぐな。なに、すぐにわかる。貴様のその慢心、打ち砕く程度はさせてもらう!」
ギル「ふん、面白い。乗ってやろうではないか、贋作者!」
64 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/01(火) 21:43:29.62 ID:U2tmB7V80
四日目 夜
~衛宮邸~
一輝「じゃあバーサーカーのマスター自身が聖杯なのか!?」
凛「そういうこと。だからあの金色のサーヴァントは攫っていったのよ」
凛「とにかく聖杯戦争も大詰めね。残っているのはセイバーのあなたとあの金色のサーヴァントだけ」
士郎「じゃああいつを早く倒しに行かないと」
凛「ええ、わかってるわ。恐らく今回の聖杯降臨場所は柳洞寺」
凛「金色のサーヴァントのマスターは不明のままだからバラバラになるのは得策じゃない」
一輝「なら3人であの山門を正面突破するしかないってことだね」
凛「ええ、あのサーヴァントの相手はセイバー、私達はそのマスターよ」
凛「恐らくこれが最後の戦い。お互い生きて会えるように準備はしておきましょ」
凛「ちなみに私は宝石とこれを持って行くわ」ゴト
士郎「これは剣か?」
凛「アゾット剣よ。相手に刺して魔力を込めて呪文を唱えればそれで終わりになるはずよ」
一輝(柳洞寺…その山門にはまだあのサーヴァントがいるはず…)
士郎「そうだ、セイバーさっきあのサーヴァントの剣を捌いた時に怪我してたよな、ほら絆創膏」
凛「あんたね…その程度の傷サーヴァントならすぐ治るわよ」
一輝「あはは、折角だから使わせて貰うよ」
65 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/01(火) 21:44:06.76 ID:U2tmB7V80
四日目 深夜
~柳洞寺 山門~
アサシン「遅かったなセイバー、あと数刻遅ければ消えていたぞ」
凛「アサシン…あなた生きてたのね。キャスターに召喚されたって聞いてたけど」
アサシン「召喚の依り代にはこの山門が使われたようでな、女狐が消えようとも魔力が尽きぬ限り消滅はせぬ」
アサシン「さあ、あの夜の続きといこうぞ、セイバー」スラァ
一輝(あの構え…)
アサシン「この秘剣、見事破ってみるがいい」
一輝(同時に出てくる複数の斬撃、…それを全て止めるためにはこちらも同じだけの斬撃が必要だ)
一輝(ならやっぱりアサシンの秘剣自身をぶつけるしかない!)
一輝(このために道場で何度も稽古をしたけど、出せて二筋…なら)
一輝「一刀修羅!」ゴオオオオオ
一輝「行くよアサシン、僕の最弱をもって君の最強を打ち破る!」
66 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/01(火) 21:45:15.65 ID:U2tmB7V80
二日目の柳洞寺でアーチャーのトレース・オンって台詞が抜けてた…
67 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/01(火) 22:02:38.46 ID:U2tmB7V80
アサシン「いい殺気だ。来いセイバー、これが最後の魅せどころよなァ!」
一輝・アサシン「秘剣 燕返し!!!」ギィンギィンギィン!ズバッ!
アサシン「…秘剣を秘剣自身で打ち破るか。世迷言と思っていたが…まさか4つの斬撃を繰り出すとはな…」
一輝『模倣剣技<ブレイドスティール>、相手の剣技を見切ってそれ以上の剣技を体得する』
アサシン(あの時話していた通りとなったわけか。まさか生涯かけて生み出した秘剣のさらに上を繰り出すとは…)
アサシン「所詮は…まだまだ未熟者であったか…」シュウウウウウウウ
一輝「時間がない、士郎君、遠坂さん、先に行くよ!」バッ
士郎「うわっ!消えた!?」
凛「今更驚いてどうするのよ!ほら、早く行くわよ!」
68 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/01(火) 22:04:23.74 ID:U2tmB7V80
~柳洞寺 境内~
一輝「見つけた!」ザッ!
ギル「ほう、やはり来たか。だが貴様程度が我に届くとでも…」
一輝「おおおおおおお!!!」ダッ!
ギル「我を無視とは…無礼であるぞ!王の財宝<ゲートオブバビロン>!」ドンドンドン!
一輝(城の時の技か!なら…天衣無縫!)スッ
ギル「当たらぬか、ならばこれでどうだ!」ズラァ
ギル「全方位から潰されるがいい!終わりだ!」ドンドンドン
一輝「ッ!」シュン!
ギル「消えただと!?」
一輝「第四秘剣 蜃気狼!」ダッ
ギル「くっ…おのれ…」エアトリダシ
ギル「雑種風情が調子に…」
一輝「遅い!」ザッ!
ギル(目の前まで!?)
ギル「貴様ァ!!」
69 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/01(火) 22:05:13.87 ID:U2tmB7V80
一輝(これで終わ)バリバリバリバリ!!!
一輝「かっ!?はっ…」グラ…
ギル「…惜しかったな雑種」
ギル(言峰め、奴のくどい忠告に従って自動防御宝具<オートディフェンサー>を仕掛けておいて助かったか。奴がランサーとセイバーの戦いを見ていた賜物ということか)
ギル「我が雑種相手にここまで手間取るとは不愉快な」
一輝(何が起こった…、体が動かない…。僕は負けたのか)
一輝(自分がまだギリギリ立っていることぐらいしかわからない。駄目だ…体を支えることさえ…)
一輝(心臓の鼓動が聞こえない…まるで死に触れたあの時のように…体が重い…)
ギル「我を多少なりと苦戦させたこと、光栄に思い死ね」
一輝(…っ!駄目だ!死ねない…僕はまだ負けられない。ここで負けたら、あの決勝の頂きで待つ少女は絶望する)
一輝(約束したはずだ!黒鉄一輝!あの誇り高い騎士と決勝の舞台で己の全てを賭けて戦うと!)
一輝(だったらここで負けられない、負けられるはずがない!)
70 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/01(火) 23:29:05.06 ID:U2tmB7V80
一輝(心臓が止まった程度なら問題ないはずだ!雷撃から生き残った心筋だけを掻き集めて意識しろ!心拍をオートからマニュアルにすれば…あと1回の鼓動があれば一太刀を振るえる!)
ギル「…!こいつまさか!」
一輝(いける…はずだ!)
ドクン!
一輝(体が動く!これなら…、あとは身体中の残った力を全てをこの一太刀に!)
一輝(一刀修羅の残り時間は必要ない、1秒あれば十分だ!)
一輝(一刀羅刹!!!!)
ビュン!!!
ギル「!!セイバーが消えた…だと…」
ギル「!そこか、消えたと思えば吹っ飛ばされたように横たわるとは…何がしたい…??」グラ
ギル「…体が動かぬ…待て、なぜ我の下半身が目の前に…まさか!?」
ギル「我の胴を裂き落としていただと!?雑種…風情が…おのれええええええええええ!!!!」シュウウウウウウウ…
71 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/01(火) 23:31:58.62 ID:U2tmB7V80
一輝(倒した…のか…。刀を全力で振った勢いで自分の吹っ飛んでしまったみたいだ。全ての力を腕にかき集めた…から)
一輝(ぐっ、体がもうボロボロみたいだ)シュウ…
士郎「セイバー!!」
一輝(士郎君…無事だったみたいだね。聖杯はなんとかできたみたいだ。よかった…)
士郎「くそっ、体消えていく!セイバー、ごめん、俺セイバーに何もしてやれなかった。何度も助けてくれたのに」
一輝「あやま…る…ことな…てない。あり…とうしろうく…」シュウウウウウウウ…
士郎「セイバー…」
凛「やっと見つけた!ここにいたのねって…セイバー消えちゃったのね…」
士郎「ああ、最後にあのサーヴァントを倒してな」
凛「そう…彼黒鉄一輝だっけ。私ね…彼の名前なんて聞いたことない。そもそもこの聖杯戦争では西洋に関するサーヴァントが召喚されるのが普通なの」
凛「でも彼の名前は明らかに日本人。つまりはイレギュラーってわけ」
士郎「それって…どういう…」
凛「つまり!過去から名前も残ってないのにあの強さ…もしかしたら未来の英霊かもしれないわね。アーチャーの実例もあったんだし」
凛「だからきっと…また会えるわよ」
士郎「…そうだな。ならこんなところでくよくよなんてしてられない」
凛「ええ、さ、帰りましょ」
72 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/01(火) 23:32:27.73 ID:U2tmB7V80
エピローグ
~本屋~
士郎「えっと…慎二に頼まれてた漫画はこれだったかな。はぁ、入院の暇潰しに漫画買ってきて欲しいって急に言われても困るぞ」
士郎「これで言われたものは全部だな。早く持っていってやるか…、あれ?これは…」ヒョイ
士郎「この表紙の…これってまさかセイバー…なのか…」
士郎「いやいや、まさかそんな」ボトッ
士郎「やばっ!あ、裏にあらすじが書いてあるのか」
士郎(えっと七星剣武祭決勝当日。一輝は最愛の恋人にして最強のってえええ!!!)
士郎「一輝って…やっぱりセイバー。ははっ、イレギュラーどころじゃないぞ遠坂」
士郎「まさかこんなにすぐ再会できるなんてな。…折角だ、こういう本は読んだことないけど」バサッ
73 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/01(火) 23:33:14.61 ID:U2tmB7V80
………
……
…
レジのバイト「単行本が4点、小説が1点で合計3125円になります」
士郎(予定外の出費だけどセイバーの事を知るいい機会だ。慎二には馬鹿にされそうだけどそれでも…)
士郎(少しでも…あの背中に追いつけるかもしれない)
士郎(ありがとう…セイバー…)
74 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/01(火) 23:34:13.36 ID:U2tmB7V80
~???~
一輝「ん、うぅ…ここは…」
一輝(身体がやけに重い…、そうか、僕は準決勝の後の控え室で。それから…あれ?)
一輝(それから…僕は…どこかで誰かと戦っていた…ような…)
一輝「…この絆創膏…どこかで…、ああ、そうか、そうだったね…!!!」
一輝(時間が…夜の十時半、日付は決勝当日!)
一輝「ッッッ!!!」ガバッ!
一輝(メール…っ!)ダッ!
一輝(とにかく会場へ行かないと!)
………
……
…
イッキク-ン!!
ファイトデスヨー!
オモイッキリヤッタレヤー!
ワーワーギャーギャー!!!
一輝「これは…」
ステラ「あとは貴方の気持ちひとつよ、一輝!」
一輝「っ!」ガキィン!
海江田「試合開始は明日の午後7時丁度。双方心身のコンディションを最前に整え、悔いの残らない試合をするように!」
一輝(とうとうここまで来たんだ!みんな…それに士郎君、遠坂さん…ありがとう)
75 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/01(火) 23:35:48.93 ID:U2tmB7V80
これで終わりです
Fateの原作やらないと細かい設定がわからないな…
落第騎士の旬はやっぱり過ぎてたか…
HTML依頼をしておきます
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