【ハルヒSS・クロス】ハルヒ「ひぐらしのなく頃に」

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 07:44:51.80 ID:WKB0Y3CJ0
ハルヒ「っていうゲームを見つけたのよ!」

キョン「…なんだそれ?」

ハルヒが見つけてくるもんだから、ろくなもんじゃないのは言うまでもないだろう。
問題なのは、それがきっかけに面倒なことになるか、ならないかだ。

ハルヒ「本作品は人口2000人に満たない寂れた架空の村落、雛見沢村を舞台に、村に
まつわる古い因習「綿流し」を軸にして起こる連続怪死・失踪事件を扱った
連作式のミステリーである。読者に謎を提示する「出題編」4編と、事件の真
相と謎に対する解答、すなわち、事件の惨劇を回避するために人々は何をすべ
きだったのかが明らかになる「解答編」4編とで本編が構成される。
出題編では信頼できない語り手による手法が多用されていて、事件は一見不可解
に見えるが、徐々にその真相が明らかになっていく。大部分が登場人物の主k

キョン「長い」

ハルヒ「何よ!人の話は最後まで聞くって教わらなかったの!?」

はい、お前が言うな。
4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 07:48:17.97 ID:WKB0Y3CJ0
ハルヒ「というわけで、私はしばらくこのゲームするから」

ハルヒ「あんたたちは好きなことしてなさい」

何がというわけなんだ。ていうか、好きなことしてろっていつも通りじゃねぇか。

みくる「ひぐらしですかぁ。面白いですよねぇ」

ハルヒ「みくるちゃんやったことあるんだ!意外ね」

これにはハルヒに同意だ。確か、コンピ研とのゲーム対決の時に、操作で四苦八苦していたが。
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 07:50:46.37 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「あの、朝比奈さんはゲームが苦手なのかと思っていたんですが…」

みくる「これなら大丈夫ですよぉ。文章を読んでいくだけですので」

なるほどな。それなら、ゲーム音痴の朝比奈さんにもできるわけか。

キョン「聞いた感じ、ミステリーっぽいんですが大丈夫だったんですか?」

みくる「最初は怖かったんですけど、続きが気になっちゃって」

古泉 「僕もやったことありますよ。このゲーm

キョン「お前には聞いてない」
8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 07:54:26.29 ID:WKB0Y3CJ0
ハルヒの言った通り、ここ最近の団活は、ハルヒはディスプレイとにらめっこ。
朝比奈さんと長門まで一緒に見ていた。あんまり長門に悪影響が出なきゃいいが。
俺はというと、いつも通り古泉からの熱い視線をかわしつつ、ボードゲームをしていた。

キョン「なあ長門」

長門 「何?」

キョン「お前もあのゲームに興味あるのか?」

長門 「既にプレイした」

おまえもかよ。ていうことは、やってないのは俺だけってことになるのか。最近の流行なのか?

古泉 「あなたもやってみてはいかがですか?お貸しますよ」

キョン「いや、遠慮しておく」
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 07:58:11.16 ID:WKB0Y3CJ0
それからしばらくは、そんな感じで時間を過ごしていた。嵐の前の静けさという言葉があるように、
ハルヒが『ゲームを作るわよ!』なんて言わなきゃいいんだが…。本当にそうなりそうだから困る。

ハルヒ「終わっちゃった…」

みくる「グスッ…何回見ても感動します」

長門 「ユニーク」

どうやら終わったらしいな。何も起こりませんように何も起こりませんように。

ハルヒ「すごく面白かったわ!こんなに熱中したのは久しぶりね」

ハルヒ「みくるちゃんはこのゲームやってどう思った?」

みくる「やっぱり圭一が受けで、大石が攻めがいいですよねぇ」

ハルヒ「?」
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 08:04:00.00 ID:WKB0Y3CJ0
長門 「にわか乙。富田×岡村、海江田×小此木が至高」

みくる「…そんなマイナーの何がいいんですかぁ?」

みくる「大石×圭一が最高ですぅ!」

長門 「あなたは何も分かってない」

みくる「玄人ぶるのはやめてください!」

ハルヒ「…話しについてけないわ」

キョン「」

古泉 「んっふ」
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 08:08:59.90 ID:WKB0Y3CJ0
古泉 「おや?大丈夫ですか?顔色が悪いようですが」

大丈夫なもんか。あの可憐な朝比奈さんにそんな趣味があったとは。その上長門まで毒されていたなんて。

キョン「カマドウマの時にも言ったが、あの時以上に部室は魔窟と化してしまったな」

古泉 「最初は抵抗あるのかもしれませんが、慣れてくれば意外にすんなりと受け入れられるものです」

古泉 「僕もそうでしたから」

キョン「お前の体験談なんか聞いてないんだよ。これ以上いらん知識増やさせるな気色悪い」

古泉 「気色悪いとはひどいですね」

古泉 「そうだ。では、慣れるためにもまずは僕と試しに…」

キョン「うわぁ!こっち来るな!顔が近い!おいやめ……っあーーーー!!!」

ハルヒ「なによこれ…一体どうなってるのよ?」
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 08:13:24.18 ID:WKB0Y3CJ0
ごたごたが終了し、下校することになった。
俺は精神的、肉体的疲労でもうくたくただ。早く帰って寝たい。

ハルヒ「ねぇ、キョン」

キョン「ん、何だ?」

ハルヒ「あんたもひぐらしやってみなさいよ!面白いわよ」

キョン「拒否権を発動する」

朝比奈さんを邪悪な世界に誘い込んだゲームなど誰がやるものか。

ハルヒ「何でよ!理由を言いなさい。30行以上で!」

キョン「何だっていいだろ。どうしようが俺の勝手だ」

ハルヒ「あっそ!分かったわよ。もういいわ、じゃあね」
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 08:17:14.05 ID:WKB0Y3CJ0
古泉 「よろしかったのですか?あまり彼女を怒らせないほうがいいかと」

キョン「あまり俺に近づくな。半径100キロは近づくなよ」

古泉 「まあまあ、落ち着いてください。」

キョン「落ち着いてられるか」

さっき受けた辱めは絶対に忘れんぞ。お前の孫の代まで恨み続けてやる。

古泉 「例えばの話しです」

古泉 「涼宮さんはあのゲームをやらせたいあまり、あなたをあのゲームの世界に連れて行く…」

古泉 「なんてことになったらどうします?」

キョン「あいつはもうそんな子供じみたことはしねぇよ」

古泉 「と言いますと?」
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 08:21:11.55 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「確かに出会ったころは、はちゃめちゃなことをしていたさ。」

キョン「だがここ最近は、普段の日常を楽しんでるように思えるんだよ」

キョン「心に余裕でもできたんじゃねぇか。最近はクラスのやつと話しをするようにもなったし」

キョン「あいつは変わってきている。だからもう子供じみた真似はしないと思うんだよ」

古泉 「ふふっ」

キョン「何がおかしいんだ、気色悪い」

古泉 「失礼。あなたの言う通りでしたね。僕の杞憂でした」

古泉 「僕の言ったことは忘れてください」

キョン「言われんでもそのつもりだ」
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 08:25:20.62 ID:WKB0Y3CJ0
古泉 「僕も涼宮さんを信じましょう。…仲間ですからね」

キョン「……」

古泉 「では、僕はここで失礼します」

キョン「おう、また明日な」

仲間か…。最初は胡散臭い奴だとは思ってはいたが…。
あいつもSOS団に参加するのが楽しそうに見える。
朝比奈さんも、そして長門も。

キョン「…帰るか」
飯を食って、風呂入って、適当にTVを見ていたらもう寝る時間だ。
明日も学校だし早く寝よう。ハルヒに、またゲームを勧められるんだろうなと思いながらベッドにもぐりこんだ。
また勧められたら…まあちょっとくらいならいいだろう、なんてのんきなことを考えていた。
これから何が起こるのかも知らずに…。
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 08:30:13.37 ID:WKB0Y3CJ0
まだ気付きませんか?
その花瓶に花がないことに

まだ気付きませんか?
その花瓶に水が入っていないことに

まだ分かりませんか?
花瓶そのものが存在しないことに

今のあなたには気付きようがない
ただぼんやり眺めているだけのあなたには

Frederica Bernkastel
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 08:35:04.81 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「ふわぁ…ねむ…ってあれ!?」

瞼を開ければ、そこは見慣れた天井ではなかった。どこだここは?
それにいつの間にか制服に…。見たところ、学校の保健室みたいな感じだが…。北高の保健室ではないな。
どうなってやがる。実は夢遊病で、寝てる間に制服に着替えて、どっかの学校の保健室に寝に行ったか?
ケータイは…やっぱ圏外か。くそっ、何だってまたこんなけったいなことに。

?  「あ!目が覚めたんですね!」

キョン「え?」

そこには綺麗な女性が立っていた。…なんか息がカレーくさいな、この人。

?  「びっくりしましたよ。急に倒れるものですから」

俺にはここまでカレーの臭いが染みついてる口臭に驚きだよ。

キョン「あの…あなたは?それにここは…」
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 08:39:07.16 ID:WKB0Y3CJ0
知恵 「知恵留美子です。ここの学校の教師です」

キョン「教師?あの…ここはどこなんですか?」

知恵 「どこって…ここは雛見沢分校ですよ」

キョン「雛見沢…」
ハルヒ『本作品は人口2000人に満たない寂れた架空の村落、雛見沢村を舞台に…』
なんてこった…まさか本当に…。ハルヒ…お前なのか?

キョン「あの、今年は何年ですか?今日は何月何日です?」

知恵 「えっと、昭和58年の6月…あの、そんなことを聞いて何を?」

なぜかは分からんが、マジであのゲームの世界にとばされちまったらしい。
もうこうなりゃ、腹くくるしかねぇな。こんな異常事態は初めてのことでもないしな。
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 08:43:25.50 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「いえ、何でもありません。すみません」

知恵 「いいえ、転校初日でいろいろ緊張していることでしょうし」

転校初日…そういう設定か

キョン「あの…さっき俺は倒れてたって」

知恵 「ええ、教室に連れて行く途中に急に倒れたものですから。もう大丈夫ですか?」

キョン「はい、大丈夫です」

知恵 「良かった。では行きましょうか」

知恵先生に教室まで案内されている時、外からうるさい虫の鳴き声が耳に響いた。
セミじゃねぇな。これは…ヒグラシだな。
このヒグラシの鳴き声が、俺にこれから起こることを教えているような…そんな気がした。

キョン「…やれやれ」
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 08:49:02.27 ID:WKB0Y3CJ0
知恵先生が、ピョンっと身軽にジャンプをして、教室に入っていった。
俺も続けて入ったその時、足に何かが…

知恵 「あっ、気を付けt  ゴーン!!

キョン「いってぇなこの野郎!!」

上からたらいが落ちてきやがった。誰だ!いまどきこんな古い罠を仕掛けたやつは…

?  「おーっほっほっほ!引っかかりましたわね!」

?  「げっ!?おい、あれはやばいんじゃねぇのか…」

?  「お、おじさん知らないよー」

?  「お姉!?」

?  「みぃ、とっても痛そうなのです」

?  「あ、あの、大丈夫かな?かな?」

1人の女の子が駆けつけてくれた。なんて優しい子なんだ。
おっぱいは…ハルヒほどではないが、そこそこありそうだな。
無駄にでかいより、この方がバランス的にいいのかもしれん。
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 08:53:33.98 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「ああ、大丈夫だ」

?  「良かった~。沙都子ちゃん!ちゃんと謝って!」

沙都子「うぅ…、ご、ごめんなさいですわ…」

沙都子というのか。見たところ年齢的に妹と違いはなさそうだ。
やんちゃなところは妹以上だな。

キョン「ああ、もういいよ。これくらいの年なら、やんちゃなことの一つや二つ」

?  「本当にすみません。ほら、お姉も謝る!沙都子の罠作るの手伝ってたでしょう!」

?  「分かったよ…。あの…ほんとごめんね。」

キョン「いや、もう気にしてないから」

この二人、凄い似てるな…。双子か?それにしてもおっぱいでけぇな。
朝比奈さんに匹敵してる。
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 08:58:24.26 ID:WKB0Y3CJ0
?  「おい、大丈夫か?後で、俺がちゃんと沙都子にお仕置きしといてやるからよ」

沙都子「なっ!?圭一さんにお仕置きされる筋合いはございませんでしてよ!」

彼は圭一というのか。偶然にも、多丸氏と同じ名前だ。
元気のよさそうな少年が第一印象だ。おっぱいは…やっぱりなかった。

?  「かわいそかわいそなのです」

そう言いながら、少女が俺の頭をなでてくれた。この子も妹と同じくらいか。
あの沙都子とかいうガキんちょと違って、おとなしそうな感じだな。

知恵 「ごめんなさいね、もう少し早く言ってれば」

ほんとにその通りだな。教室入る前に言ってくれれば…ああ、いてぇ。

知恵 「さ、皆席についてください!彼の自己紹介をします」

キョン「…………」

なんだろう、この感じ…。
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 09:03:02.22 ID:WKB0Y3CJ0
自己紹介が終わり授業が始まった。ていうか、なんで自己紹介の部分を省略してやがる。
誰の陰謀だ。ええい、忌々しい。

自己紹介が終わった後、知恵先生から学校のことについて簡単な説明を聴いた。
この学校では人数が少ないため、学年合同らしい。
授業中はグループを作り、各々勉強をしている。
先生はあっちこっちのグループに教えまわって忙しそうだ。
?  「頭のほうは大丈夫?いや~、おじさんとしたことがとんだ失態だよ」

魅音 「私は園崎魅音、あっちが妹の詩音」

魅音 「優しくてか弱いのが私で、おっかないのが詩音だと覚えれば分かりやすいよ」

詩音 「逆ですよキョンさん、おっかないのがあっちですよ」

正直どっちでもいいし、訳が分からなくなる。…ていうかここでもそのあだ名かよ!
どうしてこうなった…。
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 09:08:04.77 ID:WKB0Y3CJ0
魅音 「で、あっちのぽけ~っとしてるのがレナ、あそこにいるかわいい子が梨花ちゃんだよ」

レナ 「はぅ!ぽけ~っとしてるはひどいんじゃないかな!かな!」

キョン「さっきは心配してくれてありがとな」

レナ 「ふぇっ!いえ…あの…その…どういたしまして…」

顔が真っ赤だ。この感じはなんとなく朝比奈さんに似てるな。

梨花 「よろしくお願いしますなのです。にぱ~☆」

2%?どうでもいいが、変わったしゃべり方をする奴が多いな。
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 09:12:34.42 ID:qOF0KBMX0
2%ww
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 09:12:29.54 ID:WKB0Y3CJ0
沙都子「おーっほっほっほっほ!わたくしは北条沙都子とm

キョン「げっ!さっきの生意気そうなガキんちょ!」

沙都子「ぬわぁんですってぇぇぇ!誰が生意気なんですの!?」

圭一 「お前以外誰がいるんだよ、べー」

沙都子「ムカッ、こうなったら…うわぁぁぁん、圭一さんとキョンさんがいじめるんですの~」

キョン「おいおい、俺はいじめてないし、そんなウソ泣きに…」

レナ 「はっ、はぅぅ~!沙都子ちゃんかぁいいよぉ~、おっ持ち帰りぃ~☆」

キョン「へっ?」
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 09:17:07.34 ID:WKB0Y3CJ0
瞼を開ければ、そこはさっき見た天井だった。なんでまた保健室に…。

レナ 「あ…キョン君」

そうだ、あの後レナの見えない攻撃により俺と圭一は…。あれはなんだったんだ?
まさかレナも、情報統合思念体の一味じゃないだろうな?人間業じゃないぞ。

レナ 「その…ごめんなさい。やり過ぎちゃったね」

キョン「いや、今は何ともないし」

魅音 「お、生きてたか」

キョン「勝手に殺すな」

魅音 「かぁいいモードに入ったレナは誰にも止められないからねぇ」

レナ 「はうぅ…」
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 09:21:15.95 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「気にしなくていい、俺はもう大丈夫だから」

レナ 「はぅ、でも何かお詫びしたいな」

キョン「気持ちだけ受け取っとくよ。今何時だ?」

魅音 「もう放課後だよ」

なんてこった。今までずっと気を失ってたのかよ。恐るべし、かぁいいモード…。

___________
雨が降り出してきたな。傘なんてないし、帰りどうしようかな。
などと考えながら教室についたら、圭一たちが待っていた。

圭一 「キョン大丈夫か?」

キョン「ああ、お前こそ大丈夫なのかよ」

沙都子「圭一さんの取柄は頑丈なところだけでございますからね、おーっほっほっほっほ!」

圭一 「沙都子てめぇーーー!!」
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 09:25:19.92 ID:WKB0Y3CJ0
詩音 「はい、ストップ!」 ドゴッ

圭一 「いってぇ!何しやがる!」

詩音 「沙都子を守るのが私の役割ですからね」

詩音 「…それに悟史君と約束しましたから」

さとし?レッドのことか?

圭一 「悟史って?」

詩音 「沙都子のお兄さんです。去年急に姿を消しちゃって…」

なんか急に空気が重くなったな。悟史とやらの話しはタブーだったみたいだ。
きっと今頃シロガネ山あたりで修行しているに違いない。
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 09:27:09.35 ID:lsdL5b7W0
サトシwwwwwwwww
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 09:29:22.16 ID:WKB0Y3CJ0
魅音 「そ、それにしてもキョンの声ってあれだよね」

魅音 「銀魂の銀さんの声にそっくりだよね」

キョン「そういうお前はお妙だろ」

梨花 「2人は主要キャラでうらやましいのです」

梨花 「ボクなんて鼻の穴なんてふざけた名前の脇役なのです」

沙都子「何のお話しですの?」

レナ 「なんだろうね!なんだろうね!」

圭一 「何も言わないぞ…」

詩音 「お姉より私のほうが近いと思うんですけどねぇ」
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 09:32:54.27 ID:KiMEN36l0
銀魂って昭和から放送してたのか・・・
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 09:33:31.97 ID:WKB0Y3CJ0
魅音 「さて!お喋りはここまでにして始めるよ!」

キョン「何を始めるんだ?」

魅音 「部活だよ部活!キョンは鈍いなぁ」

分かるわけねぇだろ…

キョン「で、何の部活なんだよ。もしかしてゲームで遊んだりするのか?」

魅音 「お!よく分かったね!おじさんは感心したよ。今時の若者は鋭いねぇ」

鈍いのか鋭いのかどっちなんだ。それに若者ってお前のほうが年下だろうに。

レナ 「でも、なんで分かったのかな?かな?」
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 09:37:47.72 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「…、外は雨降ってるから屋内でやるんだろうし、この学校は部活やるような機材も場所もなさそうだしな」

キョン「だから自分たちで教室にでも集まって、道具を用意して何かやるんだろうなと思ったわけだなんだが」

詩音 「へぇ、とんだ名探偵がいたもんですね」

キョン「そんなおおげさな」

沙都子「わたくし程ではないにしろ、そこそこできますわね!」

このガキ…長門並みの貧乳のくせに…。

魅音 「こりゃあ面白くなりそうだ!キョン!我が部の入部を許可する!」

圭一 「へっ、新人だからって手加減しねぇぜ!」

いや、誰も入るとは言ってないが…。この流れはおとなしく従うしかないか。
やれやれ。

梨花 「…………」
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 09:42:16.88 ID:WKB0Y3CJ0
こうして部活が始まった。入ったばかりの俺に考慮して、誰でもできるジジ抜きをやることになった。
それにしても相当傷がついてるな、このトランプ。もしかして、この傷で何のカードか分かるんじゃ…。
なーんてそんな訳ないか。

魅音 「あっがりー!」

レナ 「レナもあーがり!」

詩音 「私もあがりです!やったぁ!」

沙都子「おーっほっほっほっほ!あがりですわ!」

梨花 「あがりなのです、にぱ~☆」

圭一 「危ねえ、何とかビリは免れたぜ」

おかしい、何かがおかしい。俺以外の全員がカードの組を一発で揃えてやがる。まさか…。
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 09:46:27.05 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「いや~、このトランプ随分傷ついてるし、それで何のカードか分かってんのかな~」

キョン「アハハハハハハ…ハハ」

おいおい、なんで皆黙ってんだよ。お前ら本当に…。

魅音 「さすがだねぇ、見事な洞察力だよ」

圭一 「俺も初めてやった時見抜けたんだぜ!」

キョン「ふざけんなぁぁぁぁ!!こんなの無効だぁぁぁぁ!!」

詩音 「銀さん、怒らない怒らない」

キョン「誰が銀さんだ!!」
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 09:50:49.45 ID:WKB0Y3CJ0
魅音 「会則第一条!狙うは1位のみ!いい加減なプレイは許さない!! 」

キョン「楽しくやればいいじゃねぇか」

沙都子「会則第二条!勝利のためにあらゆる努力をしなければなりませんのよ!! 」

梨花 「会則第三条、ゲームは絶対に楽しく参加しなければならないのです」

キョン「楽しくできるかぁぁぁぁぁ!!」

レナ 「やっぱりこれじゃ、キョン君かわいそうだよ」

圭一 「いいんだレナ。俺だってやられたんだ。これは新人への洗礼なんだよ」

レナ 「でっ、でも!」

魅音 「圭ちゃんの言うとおりだよレナ。さ、続けるよ」

魅音 「まさか逃げるとは言わないよね?棄権した場合も、敗者とみなして罰ゲームを執行するよ」

キョン「くっ!上等だ。やってやる!」
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 09:55:10.95 ID:WKB0Y3CJ0
と、勢いで言ってみたものの、結局1勝することもできないままゲームは終了。
俺は罰ゲームを受けることとなってしまった。

魅音 「さぁて、敗者には罰ゲームを受けてもらうからねぇ~」

キョン「俺のターン、拒否権を発動する」

キョン「こんなゲーム、無効になってとうぜn

魅音 「みんな!キョンを押さえて!」

キョン「何をする!離せ!」

魅音 「会則第七条!罰ゲームの内容に逆らわない!!」

キョン「なんだそのペンは!?ちょっ、やめっ…っあーーーー!!!」
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 09:59:29.28 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「デコに何を書きやがった?肉ではないな」

梨花 「…おっぱいバカ?」

キョン「」

魅音 「気付いてたんだからね!キョンが私たちの胸をジロジロ見てたのを!」

レナ 「見損なったよ、キョン君」

詩音 「最低!」

沙都子「不潔ですわ!」

梨花 「み~☆キョンは変態さんなのですよ」

もういっそ殺してくれ…。
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 10:03:50.75 ID:WKB0Y3CJ0
圭一 「ええい!黙れ黙れぇ!!」

キョン「!?」

圭一 「男が変態で何が悪い!?」

圭一 「そうだ!男はみんな変態だ!狼なんだよ!」

圭一 「お前ら何にも分かってない!!男という生き物をな!!」

キョン「け…圭一…」

圭一 「ほら涙ふけよキョン」

キョン「あ…ありが…うっうっ…」

圭一 「俺たち仲間だろ?変態という名の」

キョン「いや、それは遠慮する」
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 10:08:13.69 ID:WKB0Y3CJ0
魅音 「キョン、家に帰るまでそれ消しちゃだめだからね」

キョン「そんな…」

魅音 「それじゃ、これにて解散!みんなまた明日ね!」

はあ、やれやれ。自分でまいた種とはいえ…。
村全体から、変態のレッテルを貼られるのは明白じゃないか。

圭一 「キョン、お前おっぱいが好きだってことは…」

キョン「いや、もう言わないで。頼むから」

圭一 「俺の胸までジロジロ見てたってことはないよな?」

キョン「見るわけないだろ。男のおっぱいを観察してどうする」
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 10:12:06.34 ID:WKB0Y3CJ0
魅音 「あっ!それとキョンは、トランプ片付けといてね!」

魅音 「これも罰ゲームだから!それじゃあね」

絶対付け足しただろ。こんないかさまトランプ使わなきゃ俺だって…。
いや、無理か。俺ババ抜き弱いからな。古泉に負けたのはショックだった。
それにしたってこれを使われちゃ敵わん。

沙都子『会則第二条!勝利のためにあらゆる努力をしなければなりませんのよ!! 』

ならば、このトランプを没収しておいて、新しいトランプを買ってこよう。
それなら、まだ何とかなるだろう。次の勝利を誓い、俺は糞トランプを胸ポケットの中にでも入れといた。
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 10:16:05.16 ID:WKB0Y3CJ0
圭一 「じゃあな!キョン!」

キョン「おう、またな」

レナ 「…それじゃ」

詩音 「ペッ」

そっけなさすぎる…。完全に嫌われたようだ。もう…号泣してもいいよね?
ここに来てからは散々だな。2回も痛い思いするは、変態呼ばわりされるし。
挙句の果てに、たった今つばまでかけられた。…これはご褒美か。

キョン「雨は止んだか。ちょっとくらいラッキーがないとな」

さて、帰るとするか…。
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 10:20:33.29 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「…どこに?」

なんでこんな大事なことに気づかなかった!?この世界に俺の家ないだろ!?
これはまずい。野宿するしかないのか?

梨花 「どうかしましたのですか?」

キョン「えっ、いや…あの」

帰る場所がないなんて言えねぇ。
アムロが、こんなに嬉しいことはないって言った気持ちが今なら分かる気がする。

キョン「これからどうしようかなぁと」

梨花 「それならボクの家に来ますですか?親睦を深める意味で、もっとキョンと話しをしたいのです」

キョン「え?」
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 10:24:10.69 ID:WKB0Y3CJ0
なんと幼女からの誘いではないか。これを断るなんてとんでもない!
売れないアイテムを売ろうとするのと同じくらいいけないことだ。

キョン「そうか。なら、お言葉に甘えてそうさせて貰うか」

梨花 「でもその前に…」

キョン「?」

梨花 「そのおでこの文字を消してほしいのです。今のままじゃ一緒に歩きたくないのですよ」

キョン「ですよね~」
71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 10:27:45.56 ID:WKB0Y3CJ0
忌々しい文字を消し、梨花と一緒に帰ることになった。
文字を消したことは内緒にしてくれるそうだ。
おかげで村全体から変態のレッテルを貼られずに済む。今度お礼にメイド服でも買ってやろう。

梨花 「キョンはさっき、部活の時にゲームをやると言い当てましたのです」

梨花 「本当はどうして分かったのですか?」

キョン「それは…」

内心動揺した。本当のところ、俺にもよく分からなかった。
直感でゲームやるのかと訊いたに過ぎない。

キョン「直感だよ。根拠はない」

梨花 「……」

梨花 「キョン、その直感を大事にしてほしいのです」

キョン「それはどういう意味だ?」

梨花 「み~☆深い意味はないのです。そのままの意味なのですよ」
72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 10:31:12.00 ID:WKB0Y3CJ0
意味深な会話が終わり、梨花の家にたどり着いた。
神社だったのか。お父さんは神主ということか?

梨花 「こっちなのです」

キョン「え?あ、ああ」

てっきりあの大きい家かと思ったんだが。
案内されたのは二階建ての、お世辞にも綺麗とは言えない家(倉庫?)に連れてこられた。

梨花 「ここがボクたちのお家なのですよ」

キョン「あっちの家は誰も住んでないのか?それにボクたちって…」

梨花 「…前はあっちに住んでいたのですが、今は使っていないのです」

梨花 「ここで沙都子と一緒に暮らしているのです」

キョン「えっ!?沙都子と!?」
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 10:34:34.37 ID:WKB0Y3CJ0
どういうことだ?なんか訳ありみたいな感じがするが…。

梨花 「ボクたちには両親がいないのです」

梨花 「それで身寄りのないボクたちが一緒に暮らしているのです」

ここまで重い話しになるとは思わなかった。この年で随分苦労をしているようだ。

梨花 「この話しをしたのは、沙都子の家庭についての話しをしてほしくないからなのです」

キョン「ああ、気を付けるよ」
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 10:37:40.08 ID:WKB0Y3CJ0
梨花 「ただいまなのです」

沙都子「お帰りなさいませ、梨花。遅かっ…な、なんであなたがここにいるんですの!?」

キョン「うぃ~っす、WAWAWA忘れ物~っと」

梨花 「ボクが連れてきたのです。親睦を深める意味で、もっとお話しをしてみたかったのです」

沙都子「い、嫌ですわ!こんな変態と一緒にいたら何をされるか分かりませんわ!」

キョン「人聞きの悪いことを言うな。何もしねぇよ、こんな貧乳相手に」

沙都子「なんですってぇ~!!」

梨花 「…キョン。それはボクにも喧嘩を売ってると解釈してもよいのですか?」

キョン「…やだなぁ~、冗談に決まってんだろ。ハハハハ…」
76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 10:41:03.16 ID:WKB0Y3CJ0
梨花から凄まじい負のオーラが放たれたのを感じ取り、
俺は山火事をいち早く察知した野ねずみのように緊急避難をした。
お前に言ってないのに。どうやら貧乳というワードに過敏に反応するようだ。
ハルヒに似たやつが、貧乳はステータスだって言ってたし、そんな気にすることないのに。

沙都子「冗談だったら、わたくしは襲われてしまいますわ!誰かぁー!助けてぇー!にーにー!」

キョン「ええい!やかましい!何もしない。俺はまだ前科は欲しくないぞ」

梨花 「落ち着くのです沙都子。だぶん大丈夫なのです」

キョン「たぶんじゃねぇよ、絶対だ」
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 10:44:45.68 ID:WKB0Y3CJ0
梨花 「キョン、せっかくですしご飯食べていきますか?」

キョン「え?ありがたいがいいのか?」

沙都子「しょうがないですわね。もう少しで出来上がりますので、もう少しお待ちくださいませ」

キョン「へぇ、お前が飯を作るのか。意外だな」

沙都子「意外は余計でしてよ」
80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 10:48:02.40 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「お!この野菜炒めうまいな」

沙都子の作った料理はなかなかうまかった。この年でこれだけ出来るんだから大したもんだ。

キョン「ごちそうさん、うまかったぜ」

沙都子「おーっほっほっほ!わたくしにかかれば、これくらい簡単なことですわ」

沙都子「…と言いたいところですけど、そんなに大したことではございませんのよ」

沙都子「ほとんどスーパーで買ったお惣菜だし、自分で作ったのは味噌汁と野菜炒めくらいですわ」

キョン「何言ってやがる。どう見たって立派な夕食じゃねぇか」

キョン「妹にも見習わせたいぜ」

梨花 「キョンに妹がいたのですか?」
82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 10:52:15.29 ID:WKB0Y3CJ0
その後は、世間話しをして、テレビを見ながら談笑をしたりと楽しい時間を過ごした。
妹が2人できた気分だな。

沙都子「キョンさん、時間は大丈夫なんですの?ご両親の方が心配なさっているのではございませんの?」

キョン「えーっとだな…」

さて、ここからが難問だな。帰る家がないし、どうしたもんか。
いつまでもいると迷惑だろうし、こりゃマジで野宿だな。

梨花 「キョンは興宮で1人暮らしをしているのです。だから何時まででも大丈夫なのですよ」

沙都子「あら、そうだったんですの」

一体どういうつもりだ?俺は1人暮らしをしてるだなんて言った覚えはないんだが。
84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 10:55:11.46 ID:WKB0Y3CJ0
梨花 「今日はもう遅いので、泊まっていくといいのです」

沙都子「そうですわね。まだ引っ越してきたばかりで、土地勘ないでしょうし、その方がいいですわ」

沙都子「あ!でも、お着替えする物とかいろいろないし、どうしましょう?」

梨花 「必要なものは一通り用意しておいたのです」

キョン「あ、ああ。ありがとな」

沙都子「いつの間に…」
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 10:57:31.99 ID:WKB0Y3CJ0
おかしい。準備が良すぎる。まるで最初から泊めようとしていたかのような…。
沙都子は風呂に入ってるし、ちょっと聞いてみるか。

キョン「なあ、梨花」

梨花 「どうしたのですか?」

キョン「どうして俺が1人暮らしをしてるなんて嘘を言ったんだ?」

梨花 「みぃ、違ったのですか?」

キョン「ハズレだ。じゃあ、何で1人暮らしをしているなんて思ったんだ?」

梨花 「直感なのです、にぱ~☆」

それはどうなんだよ…。どうして直感で、その結論に辿り着けんだ?
ウソップ並みに嘘をつくのが下手なようだ。
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 10:59:45.23 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「…そんなわけないだろ」

キョン「全て知っているかのような言動と行動、どう見ても怪しいだろ」

キョン「お前何者だ?情報統合思念体の手先か?」

梨花 「情報…キョンの言ってることがよく分からないのですよ」

これは本当に分からなさそうだな。宇宙人の手先でないとしたら本当に何者なんだ?
88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 11:02:04.41 ID:WKB0Y3CJ0
梨花 「何かの映画の組織の名前なのですか?ボクはあまり映画を見ないので、よく分からないのですよ」

キョン「なぜシラを切る?俺にはお前が敵のような気がしない」

キョン「何か知っているなら教えてくれないか?俺には何が何だか分かr

梨花 「あなたに出来ることは何もないわ。今までもそうだった」

キョン「!?」

梨花 「運命はもう決まっているの」

梨花 「この世界も運命の袋小路に過ぎないわ」

別人のような梨花がそこにいた。ただ者じゃねぇとは思っていたが…二重人格障害か?
千年パズルか千年ロッドでも持ってそうだな。
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 11:04:21.44 ID:WKB0Y3CJ0
梨花 「羽入…」

キョン「え?」

沙都子「梨花ー、上がりましたわよ…ってどうしたんですの?」

梨花 「みぃ、何でもないのですよ」

もう一人の梨花が相棒にバトンタッチしたようだ。なんつータヌキっぷりだ。

その後は、何事もなかったかのように梨花は俺に接した。
いろいろ聞きたかったんだが、あの様子じゃ何も語ってくれそうにないな。
風呂に入ったし、あとは寝るとしよう。
いろいろ分からないことだらけだが、梨花が鍵を握っていることは間違いない。
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 11:07:00.97 ID:WKB0Y3CJ0
___________
?  「ひっく…グスッ…」

キョン「んあ?」

なんだあ?今は…2時30分?こんな夜中まで起きてるのかよ。
せっかくいい気持ちで寝てたのに…。
台所をのぞいてみると梨花がいた。…泣いているのか?

梨花 「羽入…どこにいるのよ…羽入ぅ…」

さっきも言ってたな。羽生だっけ?将棋のプロ棋士みたいな名前のやつ。
すげえ知り合いがいたもんだ。

梨花 「こんなに姿を見せないなんて何があったのよ…」

声かけないでおくか…。明日も学校だし寝るとしよう。
梨花…お前はいったい何を知ってる?羽入って誰のことだ?
93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 11:09:09.74 ID:WKB0Y3CJ0
翌日、すっかり女性陣から嫌われたと思いきや、素敵な提案をされた。

レナ 「あのね!圭一君とキョン君は、まだここに来て間もないから、雛見沢を案内しようと思ってるの!」

魅音 「提案したのはおじさんなんだけどね」

圭一 「おお!そりゃ助かるぜ!な、キョン!」

キョン「…ああそうだな」

圭一 「何だよ、テンション低いな。寝不足か?」

キョン「まあな」

結局あの後、梨花のことが気がかりでろくに眠れなかったのだ。
梨花も眠そうにしている。目が真っ赤じゃねぇか。
94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 11:11:04.87 ID:WKB0Y3CJ0
レナ 「…迷惑だったかな?かな?」

レナ 「キョン君には昨日ひどいことしちゃったし、そのお詫びもかねて案内したいなと思っていたんだけど…」

キョン「そんなことか。別に気にせんでもいいのに」

キョン「ま、でもせっかくの申し入れだ。お願いするよ」

レナ 「わぁ!良かったぁ!じゃあ決まりだね!」

レナ 「明日お休みだし、明日案内するね」

圭一 「よし!決まりだな!」

キョン「じゃあ明日な」

魅音 「ちょっと!おじさんを置いて話しを進めない!」
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 11:13:15.84 ID:WKB0Y3CJ0
そして翌日、レナと魅音に連れられ、いろいろ案内をしてもらった。
こういう田舎もいいもんだな。都会と違っていいところがあるのもそうだが、
何十年も前の世界だし、いろいろ味がある。

魅音 「じゃあ、おじさんはバイトがあるからこの辺で。また学校で!」

圭一 「おう、今日はありがとな!」

キョン「またな」

魅音 「うん!…明日学校休んじゃ…嫌だよ」

圭一 「…、休まねぇよ!お前こそサボんなよ」

レナ 「魅ぃちゃんまたね!」

魅音が帰ったことだし、この辺でお開きかな?
97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 11:15:37.34 ID:WKB0Y3CJ0
レナ 「2人とも時間あるかな?かな?ちょっと付き合って欲しんだけど」

キョン「なかなか積極的でよろしいと褒めたいところだが、2人同時に告るのはどうかと思う」

キョン「俺は一途だから、そういうのはちょっと抵抗あr

レナ 「…最後に言い残したことあるなら聞いてあげるよ?るよ?」

キョン「冗談です。本当にすみませんでした」

キョン「ですから、その鉈をしまってくださいお願いします」

やばい、調子に乗り過ぎた。語尾が変になってるし、かなりキレてるな。
てか、その鉈はどっから取り出してきたんだ。ドラえもんからスペアポケットでも借りてきたのか?
98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 11:18:01.09 ID:WKB0Y3CJ0
レナ 「じゃあ行こ!」

レナに連れて行かれ、着いた場所はなんとごみ捨て場だった。
一体何をするつもりだ?ここに住もうなんて言いだすんじゃないだろうな?

レナ 「ここで待ってて。すぐ終わるから!」

そう言って、ゴミをあさりに行った。ありゃあ何してんだ?

圭一 「ここはレナのお宝探しをする場所だよ。ちょっと前にも連れてこられたことあるんだ」

キョン「お宝?このゴミが?」

圭一 「こうやって探して、かわいいものを見つけたらお持ち帰りをするんだよ。変わってるだろ?」

キョン「変わってるには変わってるが、俺はそれ以上に変わってるやつを知ってるから、そんなに気にならないね」

圭一 「へぇ、どういうやつなんだよ?」

キョン「そいつはn

?  「富竹フラッシュ!!!」  カシャッ
99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 11:20:15.55 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「うわぁっ!」

圭一 「な…何だ!?」

?  「うん、まあまあの威力だ」

キョン「何なんですかあんた!?」

?  「いやあ、ごめんごめん。カメラの威力を試してみたくてね。悪気はなかったんだ」

悪気あるじゃねぇか。ていうか、威力ってなんだよ。

圭一 「あなた誰なんですか?」

富竹 「僕は富竹。フリーのカメラマンさ。」

富竹 「趣味は野鳥の撮影、特技は富竹フラッシュだ」

その富竹フラッシュとやらは知らんが、とりあえず失礼なおっさんだ。
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 11:22:56.99 ID:WKB0Y3CJ0
富竹 「前持ってたカメラが壊れちゃったとき、ちょうど通りかかった人から、このカメラを譲り受けてもらったんだ」

聞いてねーよ。

富竹 「このカメラには不思議な力があってね。なんでも、成仏できてない幽霊の魂をこのカメラに封印できるらしいんだ」

富竹 「確か…射影機っていったかな?」

富竹 「この間なんか、角が生えてたかわいい女の子の霊をとることができたんだよ!あれはものすごい霊力だったな」

富竹 「貴重な90式フィルムまで使うハメになっちゃったし、かなり苦戦したよ」

富竹 「他にも、ナイフを持った女の子の霊とか、おとなしそうな感じの女の子もなかなか手強かったなあ」

圭一 「は、はぁ…」
103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 11:25:36.10 ID:WKB0Y3CJ0
富竹 「今、君たちの後ろに背後霊がいたから、それを除霊してあげたんだよ」

…そんなんで騙されると本気で思っているのだろうか。こんなのでひっかかる奴は、口座に金振り込まされたり、
消火器1本買わされたり、高い壺を買わされることなど簡単にやってのけるだろう。

キョン「そういうことにしておきますよ」

富竹 「ん?あそこにいるのはレナちゃんじゃないか。また宝探しかな?」

圭一 「レナを知っているんですか?」

富竹 「ああ、僕は半年に1度この雛見沢に来て、野鳥の撮影をしに来てるんだよ」

富竹 「それで彼女とは、何回か会ったことがあるんだ」

富竹 「この場所に来るのは彼女くらいだろうね」

キョン「まあ、誰も好きでゴミ捨て場には来ないでしょうね」

富竹 「それもそうだし、あの事件もあって誰も近寄りたがらないだろう」

圭一 「あの事件?」
105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 11:27:49.43 ID:WKB0Y3CJ0
富竹 「知らないのかい?あっ、そういえば君達見ない顔だけど、最近引っ越してきたのかな?」

圭一 「ええ、まあ」

富竹 「あちゃ~、迂闊だったよ。ごめんね。今のは忘れてくれていいよ」

キョン「何があったんですか?教えてください」

何か手掛かりになればいいんだが。

富竹 「う~ん、話してもいいけど、あんまり気持ちのいい話しじゃないよ」

富竹さんが言うには、毎年綿流しの祭りの日に1人が死に、1人が消えるという不可解な事件が起きているそうだ。
この村にダムの建設をする話しが持ち上がり、村人が抵抗運動を起こし、後にダム戦争と呼ばれた。
それがきっかけなのか、毎年決まった日に事件が起きるようになり、村人からはオヤシロ様の祟りだと囁かれるようになった。
1年目はダムの現場監督がバラバラに殺され、その首謀者が行方不明。
2年目には沙都子の両親が崖から転落、3年目は梨花のお父さんが原因不明の奇病で急死、お母さんが後を追うように入水自殺。
4年目は沙都子の叔母が撲殺され、兄の悟史が行方不明になったことを聞かされた。
なんてこった…。この世界にこんな背景があったとは。ハルヒが好きそうなシナリオだ。
106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 11:30:04.77 ID:WKB0Y3CJ0
圭一 「そんな恐ろしいことがあったなんて…」

富竹 「やっぱり話さないほうが良かったかな」

キョン「いえ、そんなことないです。それよりもっとk

レナ 「ごめーん、遅くなっちゃった!」

富竹 「やあ、レナちゃん!」

レナ 「あっ、富竹さん!こんにちは」

レナ 「野鳥の撮影のほうはどうですか?」

富竹 「あまりはかどってないなぁ。今は除霊をするのに忙しいからね」

レナ 「富竹さん除霊できるんですか!?すご~い!」

え!?信じるの?冗談だよな?
108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 11:32:35.68 ID:WKB0Y3CJ0
富竹 「おっと、そろそろ時間だね。それじゃあね」

レナ 「さようなら」

行ってしまったか。もっと詳しい話を聞きたかったんだが…。

レナ 「じゃ、帰ろうか」

圭一 「なあ、レナ」

レナ 「何かな?かな?」

圭一 「毎年綿流しの日に、殺人事件が起こるって本当なのか?」

レナ 「…誰から聞いたの?」

圭一 「さっきの富竹さんって人だよ」

レナ 「…ふーん。お喋りだなあ、富竹さんは」
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 11:35:02.08 ID:WKB0Y3CJ0
圭一 「それでどうなんだよ」

レナ 「…あったよ」

圭一 「レナは確か、去年からここにいたんだよな?」

圭一 「去年起こった事件のことについて何か詳しいこと知ってるか?」

レナ 「ごめん、あまり詳しいことは知らないの」

レナ 「あ!そうだ。お夕飯の材料買わなきゃ!」

レナ 「ごめんね。レナはもう行くね。それじゃあ」
110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 11:38:31.02 ID:WKB0Y3CJ0
逃げるように走って行っちまった。…一瞬凄く悲しそうな顔をしていた。
触れらたくない出来事が何かあったんだろうな。

キョン「俺たちも帰るか。…圭一?」

なんか様子が変だ。

圭一 「キョン…。俺たち仲間だよな?」

キョン「最近転校してきたばかりだが、俺はお前らを仲間だと思ってるよ」

圭一 「レナは何か隠してる。なぜ何も言ってくれないんだ!俺たち仲間じゃないのか!」

圭一 「仲間ってのは隠し事なんてなしだろ!?そうだろ!!」

圭一 「一体何を隠して…まさか事件に関わって…」

ブツブツ言いながら首をボリボリ掻いてる。…何だこの感覚は?
このまま放っておくと取り返しのつかない何かが…。

キョン「!」

その瞬間、俺の脳裏に恐ろしい光景が浮かんだ。
圭一が…レナと魅音をバットで殴り殺すところを。
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 11:42:22.90 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「…圭一には分からなかったのか?レナ、悲しい顔をしてたぜ」

キョン「何か事情があったはずだ」

圭一 「じゃあどうして何も言ってくれないんだよ?後ろめたいことがなければ、隠す必要だってないじゃないか!」

キョン「誰にだって言いたくない過去の一つや二つくらいある。お前には隠し事はないのか?」

圭一 「それは…」

キョン「…俺はレナを信じる、お前も皆も」

キョン「仲間ってのは、互いを信じあって初めて仲間って言えるんじゃないのか?」

圭一 「!」

キョン「信じてやれ。きっといつか真実を言ってくれる日が来る」

キョン「俺が例え祟りで死のうが、死ぬ最後の瞬間までレナを信じ続ける」

圭一 「死ぬ…瞬間まで…?」

キョン「仲間だからな」
113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 11:44:33.83 ID:WKB0Y3CJ0
圭一 「うわあああああああああああ!!!」

キョン「お、おい落ち着け!!」

圭一 「俺は…なんて取り返しのつかないことを…」

圭一 「ずっと前…いや、どこか違う世界なのか…俺はレナと魅音を殺してしまったんだ!」

キョン「なっ!」

さっきのビジョンはまさか…

圭一 「レナは、殺される最後の最後まで、俺を信じて手を差し伸べてくれたのに…また同じことをっ…」

キョン「…もういい。大事なのは今だ。同じ過ちを繰り返すな」

圭一 「約束する。もう2度と仲間を疑わない。俺も信じる、レナも皆を…」
?  「…………」
114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 11:47:47.29 ID:WKB0Y3CJ0
梨花の家に戻り、すぐに布団を敷いて寝ることにした。
疲労のせいか、すごく体がだるい。

沙都子「キョンさん、大丈夫なんですの?具合でも悪いんでございますの?」

梨花 「みぃ、きっと疲れているのですよ」

梨花 「ボクたちはご飯を食べるのです。おなかペコペコなのです」

沙都子「そうですわね」

キョン「…」
115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 11:49:44.24 ID:WKB0Y3CJ0
次の日、俺は風邪を引いた

梨花 「38.6…今日は学校をお休みしたほうがいいのですよ」

沙都子「監督のところに行ったほうがいいですわよ」

…監督?

梨花 「地図を書いておくのです。お金を置いておくので、ちゃんと行ってくるのですよ」

キョン「…すまん」

___________
梨花たちは学校に行き、俺は着替えをして病院に向かうことにした。
…入江診療所、ここか。

30分くらい待たされ、やっと呼ばれた。
本名が呼ばれたはずだが、よく聞こえなかった。もういいよ、これで。
116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 11:52:03.11 ID:WKB0Y3CJ0
?  「どうぞお掛けください。今日はどうなさいましたか?」

結果から言うと風邪だそうだ。点滴を打って薬をもらうことになった。

?  「鷹野さん、彼に点滴をお願いします」

鷹野 「分かりました。入江先生」

これはまた美人だ。体調が万全なら、恒例のおっぱいチェックをするところなのだが、
具合が悪くてそれどころではない。またの機会にしておこう。

鷹野 「こちらにどうぞ。立てます?」

そう言って彼女の手が俺に触れた瞬間。

キョン「!!!」 パシッ

鷹野 「きゃっ!」
117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 11:55:15.09 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「あ、すみません」

なぜか俺は手を振り払ってしまった。

入江 「どうかしましたか!?」

鷹野 「いえ、何でもありませんわ」

入江 「そうですか…。悲鳴が聞こえたものですから、何かあったのかと」

キョン「あの…本当にすみませんでした」

鷹野 「いいのよ、気にしてないから」

鷹野 「女性に免疫ないのかしら?今度手ほどきしてあげてもいいのよ、うふふ…」

普段なら勃起するところだが、風邪をひいてるのもあるが何より…。
なんだこの違和感…いや、怯えている…。朝倉以来だ、こんなに怖がるのは。
122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 11:58:23.71 ID:WKB0Y3CJ0
入江 「た、鷹野さん…。患者で遊ばないでください」

鷹野 「あら、ごめんなさいね。…申し訳ないけど、入江先生が彼に点滴打ってくださる?」

鷹野 「どうも嫌われちゃったみたいなの」

キョン「あ、いや…そんなことは」

入江 「分かりました。そういえば、鷹野さんはこのあと興宮に用事があるんでしたよね?」

入江 「今日はもう上がっても大丈夫ですよ」

鷹野 「そうさせてもらいますわね。…またね、キョン君」

キョン「えっ?」

なんで俺のあだ名知ってるんだ?
124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 12:01:37.18 ID:WKB0Y3CJ0
入江 「すみません、気分を害したのでしたら謝ります」

キョン「い、いえ、俺の方が悪かったんです。あの看護師の方には悪いことをしてしまいました」

入江 「看護師?」

げっ!この時はまだ看護師って言い方じゃなかったっけ?

キョン「言い間違えました。看護婦でした」

入江 「分かっていますよ。さ、腕を出してください」
126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 12:04:35.18 ID:WKB0Y3CJ0
入江先生の処置はとても丁寧だった。こんな田舎でもいい医者がいるもんだ。
家の近くにこの病院があればいいのに。

入江 「ところで見ない顔ですね。確か…前原君のすぐあとに引っ越してきたんですよね?」

キョン「はい、そうです」

入江 「ここには慣れましたか?何もないところですが、空気がいいでしょ?」

キョン「はい、都会にない良さがあって気に入りました」

入江 「そうですか。それは良かったです」
128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 12:07:31.42 ID:WKB0Y3CJ0
入江先生と話しをしていくうちに、彼が野球チームの監督をやっている話を聞いた。
監督…そういうことか。

入江 「あなたもどうです?体を動かすのはとてもいいことですよ」

キョン「そうですね…考えておきます」

入江 「いつでも歓迎しますよ」

入江 「では、私はこれで失礼します。お大事に」

人柄がよくて、感じのいい人だな。さて、帰るとするか。

___________
―ここで緊急のニュースです。先ほど、××県鹿骨市の興宮にて、男性と女性の死体が発見され、病院に搬送されましたが間もなく死亡しました。
どちらも刃物による物で、腹部を何度も刺されたことによる、出血死とみられています。男性の名前は北条鉄平さん無職、女性は…―

家に帰り、飯を食いながらニュースを見ていた。点滴を打ってから大分楽になってきた。
後は薬を飲んで寝れば何とかなるだろう。
129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 12:10:46.93 ID:WKB0Y3CJ0
梨花 「ただいまなのです。キョン、具合はどうなのですか?」

キョン「んあ?」

魅音 「何だ、思ってたより元気そうじゃん」

梨花たちが帰ってきたようだが、なんで皆まで…?見舞いにでも来てくれたのか。

キョン「まあな。明日にでも行けそうだよ」

レナ 「良かったぁ。心配してたんだよ」

キョン「すまんな」

詩音 「はいこれ、差し入れにおはぎを持ってきましたよ」

魅音 「本当は、学校でみんなと一緒に食べようかと思ってたんだけど、キョン休んじゃうしさ」

だから、学校休んじゃ嫌だって言ってたのか。魅音のことだ、どうせ中身に何か仕込んでいるんだろうな。
131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 12:13:39.37 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「で、おはぎの中に何を仕込んだよ?うんこでも入れたか?」 ドゴッ

殴らなくてもいいじゃねぇか…。俺は病人だぞ。

レナ 「し、詩ぃちゃん。キョン君病人なんだし、ちょっとは手加減したほうがいいと思うな」

詩音 「こんな減らず口叩けるんですから、もう十分元気ですよ」

あんまりだ。原作でもこんなひどい扱い受けたことないのに…。

魅音 「キョンの言う通り、一つだけハズレを入れといたよ!」

やっぱりな。これも部活の一貫だと思っているに違いない。

詩音 「私とレナさんも作ったんですよ」

沙都子「さ!いただきますですわよ!」

ハズレをひく確率は1/7。ここに来てからは、妙に直感が冴えてることだし、まあなんとかなるだろう。
132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 12:16:48.07 ID:WKB0Y3CJ0
圭一 「…」

レナ 「どうしたの圭一君?食べないの?」

圭一 「あ、食べるよ。」

魅音 「圭ちゃん、もしかしておはぎ嫌いだった?」

圭一 「いや、嫌いじゃないよ」

圭一 「俺は仲間を疑わない。針が入ってるなんてそんなこと…」

魅音 「は、針ぃ!?」

圭一 「俺がどうかしてるんだ…」 ぱくっ

圭一 「うん!うめぇな、これ!」

魅音 「もう驚かさないでよ~」

圭一 「わりぃ、冗談だって」

圭一…。もう大丈夫そうだな。
135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 12:19:10.18 ID:WKB0Y3CJ0
梨花 「おいしいのです」

沙都子「なかなかですわね!」

詩音 「お姉、腕をあげましたね」

などと、圭一たちのやり取りを見ているうちに、もう残り3つになってしまった。
まずいな、早めに選ぶつもりが後手に回ってしまった。

レナ 「うん!おいしいね!」

1/2…だと…?いや落ち着け、クールになれ俺。魅音が選ぶ前になんとか…。
138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 12:22:07.31 ID:WKB0Y3CJ0
魅音 「キョンから選んでいいよ」

魅音からの挑戦か?面白い、やってやる!綺麗に形が整っているのと大きいおはぎがあるな。
おそらく大きいのが魅音が作ったおはぎだと思うが…。

魅音 「どうしたの?選ばないの?選ばないならおじさんが選ぶよ~」

キョン「待ってくれ!今選ぶ」

こいつは答えを知っている。なぜなら、こいつがハズレを仕込んだからだ。
今選ばなきゃ、確実にハズレを食うことになる。
でも、何で答えを知っているのに、わざわざ俺に選ばせるんだ?これも何かの策か?
139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 12:25:49.77 ID:WKB0Y3CJ0
魅音 「あと10秒!…9…8…7…」

時間がない!ここは小さいほうに…。

キョン「こっちだ!」

魅音 「本当にそっちでいいんだ?」

キョン「はったりを仕掛けても無駄だぜ」

キョン「あの大きいおはぎを作ったのは、お前だってことは分かってる」

魅音 「…相変わらず察しがいいね」

キョン「つまり、お前がハズレを仕込むにはあのおはぎということになる」

魅音 「ふーん、じゃあ食べてみれば?」

なんだこの自信は!?はったりじゃないのか?まさかこのおはぎがハズレ…いや、そんなことは…。

魅音 「これが最後の選択だよ!さあ、運命を選択せよ!!」
141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 12:29:46.85 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「くっ…」

こいつ…。これが演技なのかどうかは分からない。…だが!

キョン「お…俺は…変更しない!これを食べる!」

キョン「俺の選んだ未来を信じる!!ドロー!!!」 ぱくっ

キョン「っあーーーーーー!!!」
142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 12:33:04.65 ID:WKB0Y3CJ0
魅音 「引っかかった引っかかった!」

キョン「み、水ーー!早く!!」

魅音 「いやはや、残念だったね~」 ぱくっ

キョン「くそ…。タバスコなんて入れやがって…」

キョン「しかし、どういうことだ?お前が大きいほうのおはぎを作ったってことは、そっちにしかタバスコを入れる機会が…」

魅音 「そこが間違ってるんだよ。誰がおじさんがタバスコを入れたなんて言ったの?」

…え?

詩音 「タバスコを入れたのは私なんです。ごめんね、キョンさん」

魅音 「キョンならおはぎの出来を見て、おじさんが作ったものがハズレだと思い込むのは読めてたよ」

なんてこった。そこまで計算してたのか。この心理戦を制するには、ニュータイプにでもなるしかないだろう。
今度、家族旅行に行く機会があれば、ぜひ宇宙に行くことを提案しよう。
144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 12:37:15.57 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「俺の負けだ。いつかリベンジ戦をしたいもんだね」

魅音 「じゃあさ、次の休みに大会やろうよ!興宮でさ」

大会だと?興宮とやらを舞台に、神のカードを巡って戦いを繰り広げるつもりか?

魅音 「おじさん、興宮のおもちゃ屋でバイトしてるんだ。店長と話しつけて貸し切りにしてもらうから、そこで決着つけようよ!」

圭一 「面白そうじゃねぇか!受けてたつぜ!で、何のゲームやるんだよ?」

魅音 「それは当日のお楽しみ!」

詩音 「ごめんなさい。私はその日、バイトがあって行けそうにないです」

魅音 「ああ、そうだったね。じゃあ、詩音以外の皆は午後1時に現地集合!」

皆が帰り、静けさが戻った。
お見舞いと呼べるのかどうかは分からんが、皆といるのは楽しかった。
おかげで熱が出てきたような気もする。主に口の中だが。
結局、翌日も熱が下がらず、治ったのはその次の日のことだった。
146:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 12:39:45.20 ID:WKB0Y3CJ0
そして休みの日、例の大会の日がやってきた。
場所が分からんので、梨花と沙都子と一緒に現地に行くことになった。
さすがに雛見沢とは違って、興宮にはいろいろ店があるな。

店につくと、そこにはあふれんばかりの子供たちがたくさんいた。
…いくら休みの日とはいえ、ちょっと多くないか?

着いたすぐ後、魅音たちがやってきた。挨拶もそこそこに、さっそく中に入ることにした。
魅音は店長と話しをし、もうすぐ始めると言っていたそうだ。聞けばここにいる子供たちも参加するらしい。
見れば同じクラスの子達もいた。やれやれ、一体何が始まることやら。
その時、年を取った大柄な人がこっちにやって来た。

?  「んっふっふっふ。どうもぉ、皆さんお揃いですかなぁ?」

誰だこのおっさん?また独特な口調だな。
148:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 12:42:25.62 ID:WKB0Y3CJ0
魅音 「…どうもこんにちは」

魅音の感じがいつもと違う。随分そっけないな。

圭一 「あ!大石さんじゃないですか!ちわっす!」

知り合いらしい。一体どういう関係だ?

大石 「前原さんじゃないですかぁ。相変わらずいい尻してますねぇ、んっふっふっふっふ」

圭一 「大石さん、こんなところで…」

キョン・魅音「」
149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 12:45:06.53 ID:WKB0Y3CJ0
魅音 「け…圭ちゃん!!あんた大石さんのこと知ってんの!?」

圭一 「大石さんとは雀荘で知り合ったんだよ。そこで気に入られて、いろいろ教えてもらってんだよ」

いろいろとは、下のことまで教えられてるとか言わないよな。勘弁してくれ。
朝比奈さんよかったですね。あなたの理想郷がここにありますよー。

魅音 「雀荘って…。圭ちゃん未成年でしょ。大石さんだって警察なのに…」

警察の人だったのかよ!黙認してて大丈夫なのかよ。ばれたら終わりだな。

大石 「まあまあ、落ち着いて。声が大きいですよ。嫉妬しなくても、奪い取るなんてことはしませんから。んっふっふっふっふ」

魅音 「し、嫉妬なんてしてません!誰が圭ちゃんなんか…」

圭一 「大石さん…奪い取ってくれないんですか…?」

もうやだ聞きたくない。
150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 12:47:56.06 ID:WKB0Y3CJ0
魅音 「……。大石さん、こんなところで油売ってていいんですか?」

大石 「ご心配なく。今日は非番ですから。ま、この後迎えに行く用事があるので、そろそろ失礼させてもらいますがね」

大石 「それでは良い時間を。前原さん今度また是非打ちましょう」

圭一 「はい…よろしくお願いします…」

魅音 「…………」

今はあまり圭一の顔を見たくない。魅音はものすごい形相になってるし。…やれやれ。

キョン「ん?」

梨花が元気なさそうだな?そういえば朝から元気がなかったな。よし、ここは俺が一肌脱ぐか。

キョン「よお、元気なさそうだな。生理か?」

梨花 「……」
155:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 12:50:48.04 ID:WKB0Y3CJ0
いてえ。こんな冗談に本気で殴らんでも。ここの連中は本当に短気だな。

梨花 「次くだらないこと言ったら殺すわよ」

キョン「へいへい、以後気を付けますよっと」

キョン「それで本当のところどうしたんだよ?」

梨花 「…なんでもないのです」

キョン「俺の前でそんな演技しなくてもいいんだぜ」

梨花 「みぃ、キョンの言ってることがよく分からないのです」

…やれやれ。

キョン「まあいいや。何か悩みがあるなら聞くぞ。仲間に遠慮することなんてねぇんだ」

梨花 「キョンにはどうすることもできないのです。運命は決まっているのですよ」

キョン「前にもそんなこと言ってたな。俺にできないかどうか試してみろよ」
157:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 12:53:02.78 ID:WKB0Y3CJ0
梨花 「…ボクは時々予言ができるのです。これからやる内容はもう知っているのです」

キョン「どんな内容なんだ?」

梨花 「かるたをするのです」

魅音 「全員集合ー!これから店長から説明があるのでよく聞くように!」

店長 「人生はゲームです!この国はすっかりダメになってしまいました。そこで今日は皆さんに…ちょっとかるたをしてもらいます」

キョン「…」

梨花 「分かりましたですか?運命は絶対なのです」

梨花 「決められたことをするのはつまらないのです」
158:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 12:54:30.36 ID:oJNoVrQh0
たけしwwww
159:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 12:56:12.71 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「くだらねぇな」

梨花 「え?」

キョン「くだらないって言ったんだよ」

キョン「何が運命だ。運命なんて言葉を盾にして、何もしてないだけじゃねぇかよ」

梨花 「…あんたに何がわかるのよ。私はずっと…」

キョン「要はかるたをしたくないんだろ?まあ見てろよ」

キョン「すみませーん、かるたじゃなくて別のにしてほしいんですけど」

店長 「バトルロワイヤル!」

キョン「聞けよ!!」
160:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 12:59:38.27 ID:WKB0Y3CJ0
魅音 「どうしたのさキョン」

キョン「俺、実はかるたが大得意でな。小学生のころ、全国大会で優勝したことあんだよ」

キョン「これやったら不公平だろ?だからもっと公平にしたほうがいいと思うんだよ」

魅音 「そんなこと言って、ほんとは苦手だから別のゲームにしたいって言いたいんじゃないの?」

キョン「本当だって。頼むよマジで」

魅音 「分かった。ちょっと待ってて。店長に相談してくるよ」

それから数分後。

魅音 「別のゲームにしてもいいってさ。でも急な変更だからトランプくらいしか用意できなくて」

魅音 「だから今日はジジ抜き大会に決定します!これなら不公平なくできるでしょ!」

キョン「」

梨花 「……」
162:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 13:02:04.66 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「ほら見ろ、お前の言う運命なんて簡単に変えられただろ」

お陰で、俺が不公平になった気がするが、まあいいだろう。

キョン「お前にどんな事情があるのかは知らん。だが、俺にできることならいつだって協力してやるよ」

キョン「仲間なんだからな」

梨花 「仲間…か」

梨花の顔が、ほんの少し元気になったような気がした。
こんなことくらいしか出来ないが、いつか話してくれるのを信じて地道にやっていくしかないな。

そんなこんなでババ抜き大会が始まった。6つのグループに分かれ、4回1位になった奴が勝ち、
それぞれのグループで1位になった6人が決勝をすることとなった。
俺は奇跡的にも、勝つことができ決勝まで進めた。日頃の行いが良かったからに違いない。
決勝戦は…必然というべきか、部活メンバー全員が勝ち上がってきたようだ。

魅音 「さあキョン!今日こそ雌雄を決しようではないか!」

キョン「望むところだ。今日は勝たせてもらうぜ」

カードが配られゲームスタートだ。今日は見た感じ、至って普通のトランプ。この間のようにはいかない。
…それにしてもなんか匂うな。香水か?
163:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 13:05:05.25 ID:WKB0Y3CJ0
魅音 「あがり!」

馬鹿な…。魅音がまたもやカードの組をストレートで揃えてあがりやがった。
今度はなんの策だ?早く何とかしないと速攻で終わっちまう。
そうこうしているうちに魅音が2回、圭一が3回も勝っている。
圭一の策は簡単に見破った。さっきから後ろで、ちょろちょろしているガキにでも、相手の手札を見させ報告させているんだろう。
対策は簡単。手札を見えないようにすればいい。
確かあの子たちは…富田君と岡村君だったか。ん?どっかで聞いたような名前だな…。

沙都子「おーっほっほっほ!あがりですわよ!」

圭一 「やるな沙都子!」

一体何の罠をしかけやがった…。くそ、目を閉じてクールになれ、俺!…ってこんなことしても大差だし、もうどうにも…ん?
この臭いさっきの香水…いや種類が違うな。考えてみれば、魅音かレナって香水つけてたっけ?

キョン「なあ魅音とレナって今日香水つけてたか?」

レナ 「ふぇ?つけてないよ」

魅音 「…実はおじさんがつけてるんだよ。アハハハ…」

嘘だな。…なるほど、そういうカラクリか。カードに香水をつけて何のカードか分かるようにしてたのか!
城之内も顔真っ青な戦術だ。ここから一気に反撃して、華麗な逆転劇を…
164:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 13:08:03.67 ID:WKB0Y3CJ0
魅音 「ストップ!今日はここまで!この勝負、園崎魅音に預からせてもらうよ」

キョン「何…だと…」

圭一 「っておい!逃げるのか!」

魅音 「ごめん、これからバイトなんだよ。もうちょい早く終わるかと思ってたんだけど、思った以上に長引いたね」

まあいいか。大分差をつけられてたし、むしろ助かったな。

店長 「じゃあ、現時点での勝利数が多かった人が優勝ということで…おめでとう前原君」

この人普通に喋れたのか。
166:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 13:11:08.06 ID:WKB0Y3CJ0
圭一 「どれどれ…人形?」

レナ 「わあ!かぁいいよ~!」

魅音 「圭ちゃんには一番似合わないものが出ちゃったね!」

圭一 「参ったな…どうしようかな」

キョン「乳酸菌が好きそうな人形でもないし、誰かにやればいいんじゃないか?」

圭一 「まあ、俺が持っててもしょうがないし…そうだな…」

キョン「!!!」

またこの感覚!
…………。
167:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 13:13:55.43 ID:WKB0Y3CJ0
圭一 「…………」

圭一 「じゃあ…」

キョン「なあ、圭一」

圭一 「なんだよ、キョン」

キョン「それ、魅音にあげたらどうだ?よだれが垂れるほど欲しそうな顔してたぜ」

梨花 「!」
170:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 13:16:45.84 ID:WKB0Y3CJ0
魅音 「そ、そんな顔してないよ!あ…あたしなんか持ったっても、人形がかわいそうだよ!」

魅音 「そうだ!レナにあげなよ!それがいいよ、うん」

レナ 「レナは遠慮しておくよ。魅ぃちゃんは、もう少し素直になったほうがいいと思うな!」

圭一 「キョンに言われなくたって、お前にやるつもりだよ。受け取れよ、魅音」

魅音 「でも…」

圭一 「いいから!仲間からのプレゼントだ!大切にしなかったら承知しないぞ!」

魅音 「圭ちゃん…その…ありがとう///」

魅音 「じゃ…じゃあ、あたし行くね。それじゃあ」

圭一 「おう、気を付けてな」

レナ 「魅ぃちゃん、とっても嬉しそうだったね!」

沙都子「お二方が女性の心情を察してあげられるなんて、主人公らしからぬことですわね!」

キョン・圭一「ほっとけ」
171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 13:20:07.88 ID:WKB0Y3CJ0
とても恐ろしいビジョンを見てしまった。詩音が皆を…。

間違いない。考えたくはなかったが、何回も見る既視感。今のではっきり確信に変わった。
俺は…この世界で何度も同じ時間を繰り返し過ごしているんだ。あの夏休みのように…。

梨花 「…………」

レナ 「そろそろ帰ろう!」

圭一 「俺、腹減っちまったな。どっか行って食っていかねぇか?」

レナ 「ごめん、そろそろお夕飯のお買い物しないと」

沙都子「わたくし達もお買い物して帰りますわ。キョンさん!荷物持ち係お願いしますわね!」

沙都子「梨花がどうしてもというから、泊めさせてますけど、このくらいの雑務をして当然のことですわよ!」

いかんな。この間、一緒に買い物に付き合わされたが、こいつら一度に尋常じゃない量を買い込むからな。
なんとか、理由を付けて逃げなければ。
172:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 13:23:16.28 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「すまんが、俺は圭一と一緒に行きたい。この辺は来たことないし、もっといろいろ見てみたいなぁと…」

沙都子「…しょうがないですわね。早めに帰ってくるんですのよ」

ほっ、助かった。なんだかんだで、沙都子は優しいからな。…計画通り!!ということだ。

キョン「サンキュー。次は付き合うからよ」

沙都子「どうだか。期待しないで待ってますわよ」

やっぱり可愛くない。

レナ 「それじゃあね!」

沙都子「梨花ー!行きますわよ!」

梨花 「分かりましたなのです」

圭一 「じゃあな!気を付けてな!」

キョン「さて、行くとするか」

梨花 「キョン…。キョンならもしかしたら…」
174:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 13:26:21.59 ID:WKB0Y3CJ0
俺と圭一は、近くのファミレスで軽く食べることにしたのだが…。

圭一 「すっげぇなこの店…」

キョン「ああ…」

なんだ、ここの店の制服は!けしからん!!こんな奇抜な制服の店がこの古い時代にはあったというのか!
ええい!なぜ今の時代にはないのだ!?いっそこの世界にずっといようか。
などと血迷ったことを考えていたら、見知った顔のやつがやって来た。

詩音 「いらっしゃいませ!エンジェルモートにようこ…って圭ちゃんにキョンさん!?」

圭一 「魅音?…いや、詩音か。お前ここで働いてたのかよ」

詩音 「う…うん///」

素晴らしい。恥らってるところがまたいい。
スタイルがいいから、とてつもなく目の保養になるではないか。
中学生とは思えん体つきだ…とじっと見ていたのがまずかった。

詩音 「じっと見るな!スケベ!!」

ドゴッ!

キョン「ぶるあぁぁぁぁぁ!! 」
175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 13:28:03.31 ID:oJNoVrQh0
若本さんなにやってんのしえん
176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 13:30:14.93 ID:WKB0Y3CJ0
席に案内され、パフェを注文することにした。
待つこと15分くらい経過し、詩音が3つパフェを持ってきた。whyなぜ?

詩音 「休憩に入ったんです。一緒に食べましょ!」

店長 「絶望した!詩音ちゃんが、男の子と一緒にいるところを見て絶望した!」

詩音 「て、店長!声大きいです!それに私の友達ですよ」

キョン「お前らのバイト先の店長は、ろくなやつがいないな」
178:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 13:33:40.31 ID:WKB0Y3CJ0
今冷静になってみると、さっきのビジョンがちらつく。
園崎家と北条家でのいざこざ、悟史と出会い…そして魅音を見て嫉妬。
たかが人形渡すか渡さないかで、ここまで展開が違ってくるだなんて。
世の中、どういうことがきっかけで、争いが起こるのか本当に分からんもんだな。

詩音 「キョンさん、どうかしたんですか?」

キョン「いや、なんでも」

詩音 「ふーん、何か深く考え込んでるように見えましたけど?」

どんな間抜け面してたんだろうな。写メに撮られなくてよかった。
あ、この時代にはケータイ無かったな。

キョン「悟史のことについてな。どこに行っちまったんだろうなって」

詩音 「本当にそうですよ。沙都子も…私を置いて…」

キョン「偉いな、今でも待ち続けてるんだからな。沙都子のことしっかり考えてるし。…沙都子のことは好きか?」

詩音 「もちろんです!…でも」
180:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 13:35:52.11 ID:WKB0Y3CJ0
詩音 「私時々同じ夢を見るんです。その…とても恐ろしい夢なんです」

キョン「!…どんな夢だ?」

こいつも圭一と俺と同じように無意識に覚えている。

詩音 「私がたくさん人を殺す夢なんです。鬼婆、公由のおじいちゃん、梨花ちゃま、…沙都子もお姉も…圭ちゃんまで…それに…」

圭一 「!」

キョン「いや、もういいよ。夢なんだから、気にすることはない」

俺が見たビジョンの中には、俺の姿はなかったが…。
もしその夢の中に俺まで含まれていたら…なんてことを考えると、怖くて最後まで聞けなかった。
181:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 13:37:33.77 ID:WKB0Y3CJ0
詩音 「夢にしては妙にリアルで…。本当にあったかのような」

キョン「その夢の中のお前はどうしてそんなことをしちまったんだろうな?」

詩音 「悟史君がいなくなったのが、きっかけなんだと思います」

詩音 「それで、悟史君がいなくなったのは、きっと園崎家によって隠されたんだと思って…。それで…」

詩音 「実際、今だって、そう思ってないって言えば嘘になります。もし本当にそうだったら…」

詩音はまるで鬼のような威圧感を放っていた。あのビジョンで見た年寄りも相当だが、こいつも引けを取ってない。
案外こいつが次の跡取りの器だったり…なんて悠長なことを考えていた。
183:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 13:40:25.00 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「その夢、お前の心の中からの警告なんじゃないのか?」

詩音 「警告?」

キョン「こういう言い方はあれだが、本当に夢の通りになる可能性があったんじゃないのか?」

キョン「悟史がどうなったのかは分からん。お前の言う通り、園崎家が何かをしたのかもしれない」

キョン「だが一つだけはっきり言えるのは、お前の大切な奴らにまで疑ったり、憎んだりしてしまったことは間違っていると思う」

キョン「全ての人間を信じろなんて言わん。ていうかそんなことは無理だ」

キョン「それでも、全ての人間を信じられなくなれば、周りの人間も自分自身も不幸にすることになる」

キョン「一人だけでもいい。せめてその一人だけでも疑わず、憎まないであげてほしいって俺は思う」

詩音 「…まるで私の夢の内容をすべて知っているかのような言い方ですね」

詩音 「キョンさんの言う通りですね。夢の中の私は本当に馬鹿なことをしていました」

詩音 「今は信じたいです。沙都子もお姉も…皆も。何があろうと絶対に」
184:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 13:42:10.02 ID:WKB0Y3CJ0
圭一 「…俺も、最近まで変な夢を見たんだ。魅音とレナを殺してしまう夢を」

圭一 「何もかも信じられなくなりそうになった時、キョンに言われて考え直したんだ」

圭一 「仲間を疑わない。互いを信じあわなきゃならないんだ」

詩音 「…不思議な人ですね。まだ出会って間もないのに、ずっと前から一緒だったような感じがします」

実際その通りなんだが、本当のことは言えないな。

圭一 「案外そうなのかもな」

キョン「俺もお前らの仲間だ。お前が悟史の帰りを信じて待っているなら、俺も一緒に信じて待つことにするよ」

キョン「ポケモンマスターになって帰ってくるその日までな…」

詩音 「なんですか?それ?」

圭一 「いい感じに決めようとして、台無しにしちまったな」

キョン「…うるさい」
185:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 13:45:11.17 ID:WKB0Y3CJ0
家に戻り、飯を食ってから、これからのことを考えることにした。
今までの経験からするに、ハルヒが一番の原因と考えやすいが…。

古泉 『僕も涼宮さんを信じましょう。…仲間ですからね』

古泉にも言ったことだしな。俺もハルヒじゃないと信じよう。
となると、こんな芸当ができる奴は、情報統合思念体くらいしか心当たりがないな。
もしくは、未だ見ぬ敵勢力。いずれにしても情報が少なすぎる。
この世界でどう動かなきゃいけないのか、さっぱり見当がつかん。どうしたものか…。
186:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 13:48:21.53 ID:WKB0Y3CJ0
沙都子「キョ…キョンさん!!」

キョン「うおわぁ!なんだ急に!」

考え事している時に急に大声出すな!顔を真っ赤にさせて一体何事だ?

沙都子「キョンさんはその…お年頃でございますし、しょうがないと言えばしょうがないですけど…」

沙都子「ですが、ここはわたくし達の家なんですから、せめて自分の家にでも置いといてくださいませ!」

キョン「何の話しかさっぱりだ。もっとはっきり言ってくれないか?」

沙都子「こ…この小説ですわよ!!」

キョン「…涼宮ハヒルの憂鬱?」
187: 忍法帖【Lv=8,xxxP】 :2012/01/05(木) 13:49:19.98 ID:wNAVLooG0
ハヒルwwww
189:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 13:51:04.64 ID:WKB0Y3CJ0
沙都子「どういう内容なのかと思ってみてみれば、こんな如何わしい小説だったなんて!」

キョン「ちょっと待ってくれ!俺のじゃない。こんなの知らん」

沙都子「キョンさん以外誰がいるっていうんですの!梨花の物だと言いたいんですの!?」

キョン「実はそうなんじゃないのか?ほら案外興味があったりs

梨花 「みぃ!違うのです!ボクのじゃないのです!」

沙都子「ほら見なさい!やっぱりキョンさんじゃないですの!」

梨花 「みぃ、キョンは変態さんのうえに嘘つきなのですよ」

本当に身に覚えがないんだが。痴漢してないのに、痴漢呼ばわりされた人の気持ちがなんとなく分かった。
それにしても涼宮ハヒルってお前…。もしかして…。

キョン「ちょっとそれ貸してくれ」

今までの経験通りなら、きっと長門がしおりを入れてて、それが手助けになるはずだ。
それにしたって、もうちょっといいチョイスできなかったかなぁ…。
191:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 13:53:01.76 ID:WKB0Y3CJ0
俺は如何わしい単語がびっしり並んだページを急いでめくり、しおりを見つけた。
そのしおりにはこう書いてあった。

―綿流しの祭りの日まで惨劇を回避せよ―

綿流し…確か連続怪死事件の。今年の事件を防いで、犯人を見つければいい…ということなのか?

梨花 「どうかしたのですか?」

梨花なら…ダメもとで話しをしてみるか。今のところ、頼りになりそうなのはこいつしかいない。
193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 13:54:50.58 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「しおりにこれが書かれているんだ」

梨花 「!…これ誰が書いたのですか?」

キョン「さあな、宇宙人でも書いたんじゃないのか」

キョン「お前にはいろいろ聞きたいことがある。お前しか頼りになれるやつがいないんだ」

梨花 「…分かりましたのです。沙都子、ちょっとキョンと出かけてくるのです」

沙都子「え?分かりましたわ」

キョン「すぐ戻ってくるさ。ほら、暇つぶしにこの小説でも読んでろよ」

沙都子「い、いりませんわよ!」
195:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 13:57:08.29 ID:WKB0Y3CJ0
梨花 「それで、何について聞きたいの?」

キョン「前にも聞いたが、お前の正体を聞こうか」

梨花から、かなりぶっ飛んだ内容を聞かされた。梨花は羽入というオヤシロ様とともに、世界を移動したり、
この雛見沢には風土病が存在し、村人全員が感染していて、梨花はその女王感染者だという。
梨花が死ねば、村人全体が錯乱し、どうなるのか分からんという事態になるようだ。

そして、今年の綿流しの日、富竹さんと鷹野さんが死に、その数日後には梨花が殺されるという恐ろしい内容だった。

梨花 「大体のことは分かったかしら?」

キョン「ああ、おかげさまでな」

まさか、こんなところで初の異世界人と会うことになるとはな。
196:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 13:59:19.97 ID:WKB0Y3CJ0
梨花 「信じるの?こんな話し」

キョン「まあな。元の世界じゃ、いろいろ非日常的な体験してきたし、今さら何も驚かねーよ」

梨花 「…あなたこそ一体何者なの?」

SOS団のことや、ハルヒの能力のこと、その能力を中心にいろいろな事件があったことを教えてやった。

梨花 「そうだったの。…こんなんだったら、もっと早くあなたに打ち明けるんだったわ」

キョン「それでそのオヤシロ様…羽入というのはどこにいるんだ?」

梨花 「それがいなくなってしまったのよ。あなたが現れるようになってから」

梨花 「どれくらい前の世界だったか忘れたけど、羽入は今までの世界とどこかが違うと言い出したの」

梨花 「それで様子を見に行ったきり姿を現さなくなったわ。きっと何かあったはずよ」
198:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 14:01:41.30 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「なるほどな。それで、心細くて台所で泣いてたわけだ」

梨花 「!!…見てたの?」

キョン「いやあ、偶然居合わせたというか…」

キョン「それにしても、精神的には何百年も生きるババアでも、子供っぽい一面もあるんだな」

キョン「これが世間一般で言うロリバb  バキッ

梨花 「次くだらないこと言ったら殺すって、今日言ったばかりよね?」

キョン「調子に乗り過ぎました、すみません」
199:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 14:04:33.29 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「それにしても矛盾してるな」

キョン「お前は羽入の力で、別の世界を行き来しているんだよな?」

キョン「しかし、羽入がいないのにも関わらず、お前は世界を行き来している」

梨花 「私もそれが分からないの。一体どうして…」

キョン「…別の世界に行ってるんじゃなく、同じこの世界で時間が巻き戻って、延々とループしてるっていう可能性はどうだ?」

梨花 「…あり得るかもしれない。羽入がおかしいと言っていたのはそれが原因?」

キョン「さあな。もしかしたら、この惨劇を回避できれば何か分かるかもしれない」
201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 14:06:22.55 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「今は犯人を見つけ出して、お前を救うという方向で話しを進めないか?」

梨花 「…そうね、あんたとならもしかしたら運命を変えることができるかもしれない」

キョン「俺だけじゃない。圭一たちにも話せば何か力になるかもしれない」

梨花 「信じてくれるかしら?こんな話しを」

キョン「信じてくれるのを信じるしかないさ」

沙都子「梨花、今のお話し本当ですの?」
203:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 14:08:51.21 ID:WKB0Y3CJ0
梨花 「沙都子!?」

げっ!いつの間に盗み聞きしてやがった。
どっかの家政婦の真似はやめなさい。ろくな大人にならねぇぞ。

沙都子「2人の様子がおかしかったので、気になってつけてきたんですの」

沙都子「正直、話しを聞いて混乱していますが…わたくしには梨花が嘘を言ってるようには思えないんですの!」

沙都子「梨花が何か悩んでいるのは気付いていましたわ。でも、聞いてもなんでもないと言うばかりで…」

沙都子「悔しかったんですのよ!わたくしでは梨花の助けにならないのかと」

沙都子「だから梨花の力になりたい!大事な親友なんですから!」

梨花 「沙都子…」
205:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 14:11:33.77 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「いい仲間がいるじゃねぇか」

キョン「お前はたくさん苦しんで、自分のことばかり考えるようになっちまうのも無理はない」

キョン「だがな、そういう時こそ仲間の存在を思い出さなきゃいけないんじゃないのか?」

キョン「俺の場合、仲間に頼り過ぎてしまったばっかりに、取り返しのつかないことになりかけたがな」

キョン「頼り過ぎても、全く頼らないのもだめだ。互いが協力しなきゃいけない」

キョン「大切な仲間ならもっと信じてやれ」

梨花 「…信じる。今度こそ皆と協力して、必ず昭和58年6月から抜け出してみせる!」

キョン「決まりだな」
208:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 14:14:23.64 ID:WKB0Y3CJ0
梨花 「キョン、これを受け取ってほしいのです」

キョン「なんだこれ?金玉?」

梨花 「…勾玉なのです。これを握れば心の声を届けて会話できるのです」

あれ?スルーですか、そうですか。

梨花 「きっと役に立つと思うのです」

キョン「どんなもんか、今試してみてもいいか?」

梨花 「はいなのです」

キョン『○ックスセ○クスセッ○スセック○○ックスセ○クスセッ○スセック○○ックスセ○クス』

梨花 「……ふふふふふふふふ」

梨花 「ここで息の根を止めて、先に次の雛見沢に送ってやるわ」

ドカ!バキ!グシャ!

キョン「うっ」 どさりっ

沙都子「やめてくださいませ梨花!もうキョンさんのライフはとっくに0でございますわよ!!」
210:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 14:17:04.66 ID:WKB0Y3CJ0
翌日、皆を呼び出し事情を説明した。意外なことに、すんなり受け入れてくれた。

圭一 「俺は梨花ちゃんの言うこと信じるぜ」

詩音 「私もです。なぜか、梨花ちゃまの言ってることが、信じてもいいと思えるんです」

キョン「…正直ここまで簡単信じてもらえるとは思わなかったな。オヤシロ様だとかありえん話しばかりだったし」

レナ 「……オヤシロ様はいるよ」

あれ?どうしちゃったんだ?俺また変なこと言ったか?

レナ 「あははははははははは!嘘だっ!!!」

急にどうしたんだ!?いつの間にメダパニをかけられたんだ?
気に障ったんなら、足の裏でも何でも舐めるから許してくれないかな。
211:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 14:19:23.62 ID:WKB0Y3CJ0
レナ 「…ごめん、もう大丈夫」

魅音 「じゃ、じゃあ話し進めるよ」

魅音 「梨花ちゃんが女王感染者で、梨花ちゃんが死ねば村人が錯乱してしまう…と」

圭一 「毎回富竹さんが奇妙な自殺、鷹野さんは焼死体で発見…か」

詩音 「梨花ちゃまも祭りの日以降殺されてしまう。犯人の目的はなんなんでしょうね」

キョン「梨花は村のマスコットキャラで、村人の人気者だ」

キョン「それに女王感染者であるならば、村人が梨花を殺すメリットがあるのか?」

キョン「俺には村の内部の犯行には思えない。きっと外部の…大きい組織の犯行のような気がする」

レナ 「梨花ちゃんは何か心当たりはないかな?かな?」

梨花 「分からないのです。でも大きい組織の方なら…」
212:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 14:21:44.56 ID:WKB0Y3CJ0
話しによると、入江診療所は実は雛見沢症候群を研究している入江機関であり、そのバックには東京という組織が絡んでいるらしい。
…めちゃくちゃ怪しいじゃねぇか。

梨花 「鷹野はこの病気に人一倍熱心で、山狗という特殊部隊を率いているのです」

梨花 「いざとなった時、助けてくれるのかもしれないのです」

キョン「…例えばの話しだ。鷹野さんが犯人だったとしたらどうする?」

梨花 「え?」

キョン「もし犯人だったとしたら、護ってくれるどころか、逆に殺されるかもしれないぞ」

魅音 「キョンは、鷹野さんが犯人だって言いたいの?」

…病院の時の恐怖感、もしかしたら犯人だと教えてくれたメッセージなのかもしれないが…。
しっくりこない。何か別の…。
213:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 14:24:05.40 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「例えばだって」

レナ 「でも、そう言ってたら、誰も信じられなくなっちゃうね」

圭一 「誰か信頼できる人がいれば…」

沙都子「監督はどうですか?わたくしは監督なら信じられると思いますの」

詩音 「確かに。監督は犯人というか、利用されるっぽいですしね」

レナ 「詩ぃちゃんひどいよ~、あははは!」

監督か…賭けてみるか。

キョン「あと1人だけ…」
214:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 14:26:47.56 ID:WKB0Y3CJ0
俺たちは、監督と富竹さんを呼び、事情を話した。富竹さんを呼びたいと提案をしたのは俺だ。
この人はおかしな死に方をしている。自殺なんかではなく、何者かにより狙われたはず。
おそらく、雛見沢症候群に詳しい組織の人間の誰かにだろう。
それに梨花によれば、番犬という戦闘部隊を呼べるそうだ。
味方になってくれれば、きっと力になるだろう。

富竹 「僕が死ぬ?まさか。あっはっはっは!」

入江 「聞くとその死に方はL5。末期症状ではないですか。あり得ません」

まあ普通はこうなるわな。

キョン「俺は、鷹野さんが何かを企ているように思います」

魅音 「キョン…あんたやっぱり鷹野さんを疑って…」

富竹 「鷹野さんが?何か根拠があるのかい?」

キョン「それは…」

根拠があったら苦労はしない。くそ、どうすりゃいいもんか。

大石 「彼らの話しを真剣に聞くべきだと思いますよ」
215:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 14:28:38.57 ID:WKB0Y3CJ0
あれは昨日の刑事じゃないか。一体何しに来たんだ?

圭一 「大石さん?大石さんじゃないですか!」

大石 「んっふっふっふ。前原さん、今日も一段といい尻してますねぇ」

圭一 「お、大石さん、皆見てますよ…」

頼むから俺の視界に入らないところでやってくれよ。

大石 「古手さんにお会いしたい方をお連れしました」

梨花 「ボクにですか?」

?  「やあ梨花ちゃん、久しぶりだね」ハアハア

梨花 「赤坂?赤坂ぁ!!」

赤坂 「少し身長が伸びたんじゃないかな?」ハアハア

この世界には変態しかいないのか?
218:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 14:30:17.39 ID:WKB0Y3CJ0
赤坂 「警視庁公安部の赤坂と申します。実は2人にお話がありまして…」

赤坂さんとやらの話しによれば、彼が追っていた裏金ルートのうちの一つが、入江機関に大量に流れ込んでいるらしい。

入江 「そんな…」

富竹 「…どうやら、君たちの言っていることが嘘だと言い切れなくなったね」

レナ 「嘘だよっ!!!」

キョン「お前それが言いたいだけだろ」
221:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 14:32:33.07 ID:WKB0Y3CJ0
富竹 「一つだけ教えてほしい。どうして君達だけでそこまで核心に迫れたんだい?」

梨花 「ボクたちにはオヤシロ様の加護があるのです」

富竹 「…今はそれで納得することにするよ」

富竹 「早速、僕のほうで調査をしてみるよ。」

キョン「ありがとうございます!」

富竹 「礼はいいよ。君たちを疑って申し訳ないくらいだよ」

赤坂 「私は、富竹さんの護衛に付きたいと考えています。探りを入れらているのに気付かれたら危ない」

富竹 「僕には、このカメラがあるから大丈夫だとは思いますが…ま、よろしくお願いします」
225:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 14:58:25.42 ID:WKB0Y3CJ0
赤坂 「入江先生も、できれば私たちに同行していただきたい。一人でいればきっと危険が迫るでしょう」

入江 「まだ鷹野さんが犯人だと決まったわけではありません!」

入江 「確かに、彼女は時々危険な言動をするときはありますが…それは、この病気に対して強い思いがあるからです!」

赤坂 「もしもの時のためです。何かあってからでは遅いのです」

入江 「しかし!」

赤坂 「あなたは、鷹野さんが無関係だと証明するために、私たちと共に行動する…ということでどうですか?」

入江 「……分かりました」

梨花 「赤坂…気を付けてほしいのです」

赤坂 「梨花ちゃんも気を付けるんだよ。必ずここに戻ってきてくる」ハアハア

…梨花は自分の身を気を付けたほうがいいのではないか、と思うのは俺だけか?
227:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:00:48.97 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「俺たちも祭りの日までに何か備えておかないとな」

沙都子「おーっほっほっほ!今こそわたくしの出番でございますわよ!」

沙都子「今まで仕掛けた罠は子供だましにすぎませんわ!本気を出したわたくしの前では、ありとあらゆる外敵から身を護って差し上げましてよ!」

大石 「私に何かできることはないですかなぁ?」

圭一 「俺に考えがあります。ぜひ大石さんに協力してほしいことがあるんです」

大石 「前原さんとは一夜を共にした仲です。なんなりと」

雀荘でだよな。頼むからそうだと言ってくれ。

魅音 「……ひどいよ…圭ちゃん…」

圭一 「…何で泣いてんだ?」

圭一の考えた作戦には度肝を抜かされた。なんと祭りの日に、警察のほうから梨花が死んだと嘘の情報を流させるというのだ。
これなら梨花を狙うやつが焦り、何らかの行動を仕掛けてくるということか。そこで、沙都子の仕掛けた罠により迎撃という流れか。
いい作戦かもしれんが…。
229:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:02:47.23 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「大丈夫なんですか?できればありがたいことですが…」

大石 「確かにやばいですね。私の退職金が、吹っ飛ぶどころでは済まないかもしれない」

大石 「しかし、これでおやっさんの敵がうてるのであれば…私の残りの人生を捧げたとしても惜しくはありません」

圭一 「すごく…かっこいいです…」

大石 「この件が終わったら、今度一緒に泊りがけで温泉にでも行きましょう」

圭一 「はい、ぜひ…」

魅音 「……やっぱりあの時殺しとくんだったなあ」
230:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:03:16.09 ID:lVs4DIUo0
魅音wwwwwwwwwwwwwwwww
232:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:03:59.48 ID:WKB0Y3CJ0
非常にまずい。そろそろ魅音がヤンデレキャラにジョブチェンジしそうだ。
早まったことだけはやめてくれ。お前はそんなキャラじゃないんだから。

キョン「決まりだな、大石さんよろしくお願いします」

早くこの話しを終わらせたい。俺の精神衛生上とてもよろしくない。

大石 「任せてください!こりゃあ、今年の祭りは忙しくなりそうだ」

後は祭りの日までに入念な準備をするだけ。…長門、これでいいのか?
233:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:05:27.42 ID:WKB0Y3CJ0
いよいよ祭りの日がやって来た。これで元の世界に戻れるのかどうかは分からんが、やれるだけのことをやるしかない。
これで元の世界に戻れるとしたら、こいつらともお別れか…。

魅音 「みんな準備はいい!?」

レナ 「ばっちりだよ!」

圭一 「よっしゃあ!派手に暴れてやるぜ!」

沙都子「おーっほっほっほ!わたくしが仕掛けた罠に抜かりはございませんわ!」

詩音 「それに、今日のために助っ人を呼びましたからね!」

?  「お任せください、詩音さん。私は後方から皆さんの援護をします」

キョン「…おい詩音、こちらの方は?」

詩音 「葛西です。見た目はあれだけど、すごく頼りになるんですよ!」

確かに頼りになりそうではあるが…、怖すぎだろ!
失礼なことを言ったら、LCLにぶち込まれるかもしれん。
234:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:07:05.15 ID:WKB0Y3CJ0
梨花 「これで本当に運命を打ち破れるかしら…」

キョン「梨花、仲間を信じろ。信じなければ、出来ることが出来なくなる」

梨花 「そうね…。私にはこんなにも心強い仲間たちがいる」

圭一 「結局、富竹さんたちはどうなったんだろう?」

レナ 「うん、なにかあったのかな?」

梨花 「…赤坂」

魅音 「大丈夫!今は信じて、あたし達のできることをやろうよ!」

詩音 「お姉の言う通りです!」

圭一 「そうだな。…後は大石さんがうまくやってくれれば」

士気は十分。さあ、いつでもかかってきやがれ!
235:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:09:35.64 ID:WKB0Y3CJ0
?side

雲雀4「報告!たった今、興宮で古手梨花の死体が見つかったと警察からの情報をキャッチしました!」

雲雀4「死後48時間が経過しているとのことです。かなり信憑性が高い情報だと思われます」

?  「そんな馬鹿な!古手梨花の自宅の監視はどうした!?」

雲雀4「監視を続けた結果、自宅からは出ていないようです」

?  「どうなってやがる…」

?  「面白そうなことになってるわね、小此木」

小此木「鷹野三佐…」
238:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:11:17.50 ID:WKB0Y3CJ0
鷹野 「その情報は嘘ね。梨花の自宅に突入させなさい」

雲雀4「はっ!」

鷹野 「…ここ数日、ジロウさんと入江先生の姿が見えないし…感づかれたかもしれないわね」

鷹野 「2人を探して捕えなさい。最悪の場合、殺してもいいわ」

鷹野 「私たちも梨花のところに向かうわよ」

小此木「了解」

鷹野 「…やるわねキョン君。先手をうたれちゃったわ」

鷹野 「もう少しで私の力が戻る。その時こそ始末するわ…」
239:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:13:34.30 ID:WKB0Y3CJ0
富竹side

富竹 「はい…はい…!分かりました。番犬部隊の待機を要請します」

赤坂 「何か分かりましたか?」

富竹 「ビンゴです。100億もの金が鷹野さんに流れ込んでいることが分かりました」

赤坂 「100億!?…なるほど、山狗部隊を買収するには十分だな」

入江 「……」

赤坂 「ここも危険かもしれません。移動をs  ドカーン!!

富竹 「!!」
241:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:15:25.21 ID:WKB0Y3CJ0
朱雀2「富竹ジロウ及び入江京介!おとなしく我々に投降しろ!」

富竹 「もう来たかのか!?」

赤坂 「窓から飛び降りて!早く!」

入江 「くっ!」

___________
富竹 「大丈夫ですか?」

入江 「ええ、なんとか…」

赤坂 「来た!」
243:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:17:19.65 ID:WKB0Y3CJ0
朱雀5「我々の要求に応じない場合はここで殺す!」

入江 「後ろは壁…逃げ場がありません!」

富竹 「…赤坂さん、10秒ほど時間を稼げませんか?10秒たったら伏せて目をつぶってください」

赤坂 「了解しました、ふんもっふ!」

朱雀5「うわあ!」

入江 「富竹さん、一体何を?」

富竹 「入江先生は目をつぶっててください!すぐ終わります」

富竹 (人間相手には使いたくなかったが、仕方ない…)

富竹 (…チャージ完了!)
244:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:19:06.15 ID:WKB0Y3CJ0
富竹 「赤坂さん伏せて!」

赤坂 「!」

朱雀9「何をするつもりだ!」

富竹 「と~み~た~け~フラーーーーーッシュ!!!」

朱雀 「うわあああああああああああ!!!」

入江 「一瞬で全員倒れた!?」

赤坂 「今のは一体…?」

富竹 「…やな事件だったね」
245:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:21:11.26 ID:WKB0Y3CJ0
赤坂 「敵側はすでに動いている。…梨花ちゃんたちが危ない!」

富竹 「ただちに番犬の出動要請をします!」

入江 「なんてことだ…まさか本当に鷹野さんが…」

___________
鶯3 『こちら鶯3。いまからターゲットの自宅に潜入する、どうぞ』

鳳7 『こちら鳳7。了解。心してかかれ』

ばたん!!

鶯3 「いない!?逃げられたか…」 ぐいっ

鶯3 「え?」 プシュー

鶯3 「うわああ!目がああ!!」

鳳7 『こちら鳳7。どうした応答しろ!?』

鶯3 『やられた!奴らはもう家の中にいない!』
246:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:23:11.56 ID:WKB0Y3CJ0
鳳5 「いたぞ!あそこだ!」

梨花 「み~☆見つかっちゃったのです~」

鳳4 「追え!!」 ずぼっ

鳳4・5「ぎゃああああああ!!」

沙都子「おーっほっほっほ!ざっとこんなもんですわね!」

キョン「こんな見え透いた落とし穴に引っ掛かるとは…案外たいしたことないな」

梨花 『危ない!後ろ!』

キョン「!」

鶯8 「死ねえええ!」 ぱきっ

鶯8 「ん?うわああああああ!!!」 ドゴォ!

キョン「丸太ってお前…殺す気かよ」

梨花 「気をつけなさいよね」

キョン「…すまん、助かった」
247:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:25:09.56 ID:WKB0Y3CJ0
レナ 「いやあ!助けて~!」

鶯6 「待ちやがれクソガキ!」

圭一 「レナ伏せろ!」

鶯6 「へ?ちょっ、まt」 ベキッ

レナ 「ふふ、ははははは、ざまぁないぜ!」

圭一 「キャラ違ってるぞ。もう少し加減しないと死んじまうぞ」

魅音 「甘い甘い!向こうだって、殺しにかかってんだから、死ぬ気でやらないとね!」

レナ 「一方的に追いつめられる恐さを教えてやろうよ!」

圭一 「…もういいですそれで」
249:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:27:11.72 ID:WKB0Y3CJ0
ズドォォン…

鳳2 「ぐわ…」

詩音 「葛西!ちゃんと外してるんでしょうね!?」

葛西 「もちろんそのつもりでやっていますが、相手もプロです」

葛西 「余裕がなくなれば、その時は仕方ありません」

詩音 「そりゃそうだけど…」

葛西 「…!次が来ました!援護をお願いします!」

詩音 「了解!」
250:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:29:28.55 ID:WKB0Y3CJ0
小此木「敵の罠によりほぼ壊滅状態…なんてざまだ!」

鷹野 「まだ敵は残っているわ。行きましょう」

小此木「三佐…この勝負我々の負けです。本部からの指示を待ちましょうや」

鷹野 「……。そう、残念ね。あなたの役割はここでおしまい」

小此木「は?」

鷹野 「お疲れ様。ゆっくり休むといいわ」

小此木「なっ!?」

鷹野 「やっと力が戻った」

鷹野 「今行くわ、キョン君」
251:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:31:00.98 ID:WKB0Y3CJ0
2時間くらい経過したか。罠はだいぶ使ったし、向こうさんの勢いがなくなった。
よく俺たちだけでここまでやったものだ。

圭一 「みんな無事か!?」

沙都子「おーっほっほっほ!わたくしの罠でほぼ全滅ですわ!」

詩音 「凄い凄い!」

魅音 「さあて、いっちょ仕上げにかかるとしますか!」

梨花 「もう少し…もう少しで…」

レナ 「行こう!梨花ちゃん!」

キョン「…これで本当に終わればいいんだが…」

キョン「…あれは!?」

鷹野 「……」
252:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:33:12.50 ID:WKB0Y3CJ0
魅音 「おいでなすったね」

―入江機関の全職員に告ぐ。本日、富竹二尉により、入江機関の全権限が凍結された。
直ちに武装解除し投降せよ。繰り返す…―

圭一 「あれは?」

富竹 「番犬部隊だ。遅くなってすまなかったね」

キョン「富竹さん!無事だったんですね」

赤坂 「梨花ちゃん無事か!?」ハアハア

梨花 「赤坂!良かった…」

その時、周りに番犬部隊がぐるりと囲んだ
253:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:35:03.58 ID:WKB0Y3CJ0
番犬 「鷹野三等陸佐、ただちに山狗部隊の武装解除をし、投降しろ」

キョン「チェックメイトだな」

鷹野 「……ふふふ。誰が?」

なんだこの余裕は?
この状況ではったりかましたって、悪あがきにしかならないだろ。

鷹野 「確かにここまでの勝負はあなたの勝ちね、キョン君」

鷹野 「でも、もう遊びはおしまい。そろそろ決着をつけるわね」
254:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:37:28.35 ID:WKB0Y3CJ0
番犬 「おい!聞いているのか!?」

番犬 「!!う…うわああああああ!!」

キョン「!!」

徐々に消えてやがる!…間違いない。
情報統合思念体の一味だったのか!

番犬7「どうなってやがる!?う…撃てえええ!」

キョン「よせ!!」

鷹野 「面倒ね…ステージを変えましょうか、キョン君?」

キョン「何!?」

その瞬間、周りの景色とともに、皆が消えてしまった。
255:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:39:42.31 ID:WKB0Y3CJ0
鷹野 「これで邪魔はいなく…なぜあなたまで残っているの!?」

キョン「?」

梨花 「……どうなってるのよ、これ…一体何が…」

残っているのは俺と梨花のみ。梨花は取り乱しているな。無理もない。
見たところ、いつぞや朝倉に殺されかけた時の空間に酷似しているな。

鷹野 「まあいいわ。ついでにあなたも一緒に消してあげる」

…病院の時の恐怖感、そしてこの空間、今対峙していてはっきり分かった。

キョン「またお前か、朝倉」
257:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:41:03.14 ID:WKB0Y3CJ0
鷹野の姿が変わっていく。うまく化けやがって。

朝倉 「気付かれちゃったか。今更気づいても遅いけどね」

キョン「みんなをどうした?また前みたいに、別の空間でも創り出して俺たちを閉じ込めたか?」

朝倉 「違うわ。この世界そのものが、私が創りあげたのよ」

朝倉 「涼宮ハルヒの力を利用してね」

朝倉 「本当はこんな人がいるよう世界ではなく、何もない空間の中にあなたを閉じ込める予定だったんだけどね」

ハルヒの思考に影響されてなのか、この世界が生み出されてしまったのか?

朝倉 「おかげでとてつもなく時間がかかってしまったわ」

キョン「お前だったら、俺を殺そうと思えばすぐに殺せたはず。遊びのつもりか?」

長門 「朝倉涼子は、長い時間封印されていた」
260:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:43:07.50 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「長門!!来てくれたんだな!」

梨花 「いつの間に後ろに…」

朝倉 「そろそろ来ると思っていたわ。それと余計なこと言わないで」

長門 「この創りだされた世界のイレギュラーな物により、私と朝倉涼子は長い時間封印された」

長門 「そして封印から解かれたものの、力を完全に戻すのに膨大な時間を要した」

自分が創り出した世界で、その駒に封印されてたとはな。何とも間抜けな話しだな。

キョン「何に封印されてたんだ?」

長門 「カメラに似て非なるもの」
261:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:44:41.32 ID:WKB0Y3CJ0
…まさかとは思うが、富竹さんが持ってた射影機とやらではないだろうな?
あれは、幽霊しか封印できないんじゃなかったか?

?  『あぅあぅ…梨花…梨花ぁ!』

なんだ?この声?

梨花 「羽入?羽入なの!?どこにいるの!?」

羽入 『僕は近くにいますのです』

羽入 『梨花、キョン。あなたたちの持っている勾玉の力を使って僕をここから出してほしいのです』

キョン「力を使えと言っても…」

羽入 『祈るだけでいいのです。早く!時間がないのです!』

梨花 「キョン!やるわよ!」

キョン「分かってる」
262:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:46:11.94 ID:WKB0Y3CJ0
オヤシロ様を助けてください、お願いしますお願いしますお願いします…
こんなもんでいいのか…ってすごい光ってるし!!

朝倉 「なに!?あの光!?」

羽入 「うぅ…やっと出られたのです…」

梨花 「羽入…羽入ぅぅぅ!!」

梨花 「馬鹿!どれだけ心配したと思ってるのよ!急に姿を消して…」

羽入 「あぅあぅあぅあぅ…ごめんなさいなのです…」
266:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:47:43.84 ID:WKB0Y3CJ0
あれがオヤシロ様か。なんだか立派な角が生えて…角?

富竹 『この間なんか、角が生えてたかわいい女の子の霊をとることができたんだよ!あれはものすごい霊力だったな』

お前のせいだったのかよ!!これは梨花には黙ってたほうがよさそうだな。

羽入 「富竹のカメラに封印されてしまったのです」

梨花 「…次会ったときは容赦しないわ」

あーあ、俺は知らねぇぞ。次の世界があるとするなら、のどを掻きむしって自殺ではなく、顔面青あざだらけの撲殺死体だな。
267:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:50:00.34 ID:WKB0Y3CJ0
朝倉 「またイレギュラーが1人…いいわ、まとめて相手をしてあげる」

キョン「来るぞ!」

長門 「あなたたちは下がってて」

朝倉 「たとえあなたでも、今の私には勝てないわ」

前にも似たようなセリフをきいたな。これは死亡フラグじゃないのか?

長門 「dkっじゃjhdふぁsじおjふkjwれf;rjふぁ」

朝倉 「無駄」

長門 「!」

効いてない!いや、そもそもちゃんと攻撃当たったのか?

長門 「……実体がない」

キョン「へ?」
268:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:50:52.99 ID:yUMVymRI0
長門wwwwwwww
270:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:52:19.36 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「何だよそれ…。あいつは幽霊だとでもいうのかよ!?」

長門 「厳密に言えば違う」

朝倉 「分かった?あなたたちがいくら攻撃しても私には通じないわ」

なんだそりゃ。そんなの反則だ!これじゃ勝ち目が…

羽入 「僕に任せてくれませんか?」

梨花 「何か策があるの?」

羽入 「人外の者よ。どんなまやかしも、この鬼狩柳桜の前では無力に等しい」

羽入 「私たちの愛する世界、大切な友人たちを弄んだ罪、その身に刻むがいい!!」

朝倉 「そんなおもちゃで何ができるのか見せてもr  ズバッ!

朝倉 「えっ…?」

キョン「よしっ!効果は抜群だ!!」
271:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:54:24.05 ID:WKB0Y3CJ0
やった!真っ二つだ!原理はよく分からんが、なるものはなるって
伊藤四朗も言ってたし、とにかくこれで終わりだ!

朝倉 「いつ私を倒したと錯覚したの?」

とまあ、そうは問屋が卸さないと。お前らはこの展開読めてたんだろうなあ…。
ついでに、どうすれば倒せるのかも教えてくれ。

朝倉2「まさか私に攻撃を加えられるなんて…」

朝倉 「でも、これで本当に分かったでしょう?私には勝てないわ」

キョン「分裂しやがった!」

梨花 「この役立たず!余計不利になったじゃない!」

羽入 「あぅあぅあぅあぅあぅあぅ…そんな…」

すっかり戦意喪失しちまった。こりゃあ、マジでやばいな。

朝倉 「そろそろいいかしら?」

朝倉2「ここからずっと私たちのターンよ」
273:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:56:13.08 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「くそ…何か…何か方法は…」

富竹 『キョン君…』

キョン「えっ!?富竹さん!?」

富竹 『僕たちはまだ完全に消えていない…。射影機を…』

そうか!あれならもしかしたら…

富竹 『シャッターを長押しして、対象をレンズのピントに合わせるんだ』

富竹 『必殺技は富竹フラッシュだ。ちゃんと高らかに言うんだよ』

だせえ。

富竹 『君ならきっとできる…信じて…』

声が聞こえなくなった…。今はこれにかけるしかない!
275:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 15:58:07.62 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「羽入!カメラはどこにある!?」

羽入 「え…えっとぉ…あそこです!」

あんなところに!間に合え!

朝倉 「あれは!?させない!」

長門 「私もさせない」

朝倉2「いくら長門さんでも1人を止めるのが精いっぱいね」

長門 「!」

キョン「よし!カメラGETだぜ!」

梨花 「キョン逃げて!!」

朝倉2「遅いわ」

キョン「!?」 ドスッ

梨花 「キョーーーーーン!!!」
277:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 16:00:05.32 ID:WKB0Y3CJ0
この野郎…心臓めがけて…

どさっ

梨花 「キョン!キョン!いやあああああああ!!」

羽入 「はあああああああああああああ!!」

朝倉2「無駄よ…」

梨花 「キョン!しっかりして!起きてよ!」

梨花 「仲間を信じれば、出来ないことが出来るようになるんでしょ!?」

梨花 「あなたがいなくなれば…、私は何を信じればいいのよ…」

梨花 「キョン……キョン……」

キョン「うるせえな、勝手に殺すな」

梨花 「え?」
278:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 16:01:26.17 ID:WKB0Y3CJ0
梨花 「あなた…どうして…?」

キョン「俺も一瞬分からなかったが、こいつのおかげだ」

梨花 「…トランプ?」

キョン「部活で使ってた傷物のトランプだ」

キョン「こいつをポケットに入れてなかったら、今頃あの世行きだったな」

キョン「それにしてもお前、ピーピーピーピー泣きわめいて、モザイクでもかけてるつもりだったのか?」

梨花 「……馬鹿。本当に死んだのかと……」

キョン「…すまん」
281:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 16:03:53.04 ID:WKB0Y3CJ0
ふざけてる場合ではなかった。2人が危ない。
今はこのカメラにかけてみるしかないだろう。えっと、確かシャッターを長押しして…。

キョン「よし!充電完了!」

キョン「長門!羽入!どいてろ!!」

長門・羽入「!」

朝倉 「しまった!」

朝倉2「くっ!」

キョン「くらえ!!キョンフラーーーーーッシュ!!!」

富竹 『…………』
285:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 16:05:58.65 ID:AAsxEFs40
富竹wwwwwwwww
284:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 16:05:54.92 ID:WKB0Y3CJ0
朝倉・2「きゃあああああああああああああああ!!!」

梨花 「やったの!?」

長門 「……」

キョン「!」

朝倉 「ぐっ…」

梨花 「そんな…」

キョン「いや…」

よく見ると上半身しか残ってない。2号も消えちまったし。

朝倉 「ユルサナイ…。コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロ…」

キョン「ならもう一発だ!キョンフラーーーッシュ!!!…ってあれ!?」 カチッ カチッ

どうなってやがる!故障か?こんな時に!
286:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 16:07:22.05 ID:WKB0Y3CJ0
梨花 「どうしたのよ!?」

キョン「こっちが聞きたい!」

やばい、このままじゃ…

?  『あなた…生きたい?それともここであきらめて死ぬ?』

誰だ?

?  『選ばせてあげるわ。さあ、どうする?』

生きたいに決まってるだろ。俺には、帰らなきゃいけないところがある。
こんなところで死ぬわけにはいかない!

?  『本当にそれでいいのね?……ならこれをあげるわ』

キョン「…これは?フィルム?」

フィルムがなくなってただけかよ!
こんな初歩的なことに気付かなかったなんて…。
287:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 16:08:46.91 ID:WKB0Y3CJ0
朝倉 「コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス…」

腕で這いずって、徐々に近づいてやがる。どこのゾンビだよ…。
ラクーンシティー辺りで、うろうろしてればいいのに。

キョン「もうちょい…もう少しだけ…」

朝倉 「ツカ…マエタ…」

キョン「くっ!」
288:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 16:10:02.36 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「充電完了!これで終わりだああ!!」

キョン「キョンフラーーーッシュ!!!」

朝倉 「グワアアアアアアアァァァァァァァァ……」

きょん「うお!!」

射影機が粉々に砕けちまった…。
それにしても、さっきとは比べ物にならない威力だ。あのフィルムのおかげなのか?

キョン「……今度こそ本当に終わったよな?」

梨花 「キョン!」

キョン「よお、無事だったみたいだな」

羽入 「この空間にいるのは僕たちだけなのです」

長門 「朝倉涼子の消滅を確認した」

キョン「そうかい」
290:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 16:11:26.15 ID:WKB0Y3CJ0
長門 「創造主が消滅したことにより、この空間はもうじき崩壊する」

キョン「……」

梨花 「キョン…」

キョン「俺たちは元の世界に帰ろうと思っている。お前たちはこれからどうするんだ?」

梨花 「私たちも元の世界に行くわ」

梨花 「ここは運命の袋小路どころか、まったく違う道に迷い込んでいたみたいね」

梨花 「とんだ遠回りだったわ」

梨花 「でも…あなたに会えてよかった」
291:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 16:12:35.81 ID:WKB0Y3CJ0
羽入 「梨花、そろそろ行きますのです」

梨花 「ええ。キョン…」

長門 「脱出する」

キョン「ああ、頼む」






292:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 16:14:03.00 ID:WKB0Y3CJ0
…………。瞼を開けば、そこは見慣れた天井だった。
どうやら戻ってこれたらしい。ここは喜ぶべきところなんだろうが…。
…あいつらはもういないんだよな。
たとえ朝倉によって創りだされた存在だったとしても、一緒に過ごせて楽しかった。
あいつらとは、どれだけの時間を一緒に過ごしたんだろう?長門にでも聞いて…

梨花 『キョン』

キョン「!!」

俺は急いで勾玉を取り出した。

キョン「梨花、無事脱出できたみたいだな」

梨花 『ええ、…私たちはこれから本来の世界に向かうわ』

キョン「そうかい、まあ何かあればこうして連絡くれよ」

梨花 『それはもう無理よ』
293:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 16:15:51.45 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「なぜだ?」

梨花 『勾玉の力が限界に達しようとしているのよ』

梨花 『だから、これが最後になると思う』

キョン「……そうかい。寂しくなるな」

梨花 『図太そうなあなたでも、寂しく思う時があるのね』

キョン「失礼なことを言うな。俺ほど繊細な人間はそういねえよ」

梨花 『そうかしら?』
294:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 16:18:55.31 ID:WKB0Y3CJ0
梨花 『…私は今まで、大切な仲間と幸せに暮らしたくて、必死に戦ったつもりだった』

梨花 『でも、その大切な仲間を見下していたのね。あの人たちでは何も出来やしないと』

梨花 『あなたのおかげでそれに気付くことが出来た』

梨花 『約束する。今度こそ仲間を信じて、共に最後まで戦い抜くことを』

キョン「今のお前ならやれるさ。俺にできることと言ったら、お前らの無事を祈るくらいしかないがな。」

梨花 『祈っててちょうだい。あなたが祈っててくれ……私は……なん…」
295:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 16:20:22.90 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「梨花?よく聞こえねぇよ」

もうお別れの時間か…

梨花 「キョ…」

梨花 「だい…き」

キョン「…………」

キョン「だいきって誰だよ……」

勾玉が砕け、音もなく消さった。
勾玉が砕けても、俺たち部活メンバーの絆は永遠に砕けやしない。
そうだろ?梨花…

キョン「……やれやれ」
296:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 16:21:44.98 ID:WKB0Y3CJ0
時間というのは、俺の気分に関係なく、無情にも時を刻み続ける。
とりあえず学校に行かないと。

___________
今日は誰とも合わないな。いつもだったら、この辺で谷口あたりが出てきて、
うざったいトークを聞きながら通うものだが。

どん

キョン「あっ、すみません」

?  「こっちこそごめんなさい」

なかなか綺麗な人だな。どれどれおっぱいは…
297:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 16:23:05.29 ID:WKB0Y3CJ0
?  「あまり人の胸をジロジロ見るものじゃないわ」

キョン「いっ!?いや見てませんよ」

?  「顔におっぱいバカって書いてあるわ」

そんなに顔に出てるかな、俺は…。

キョン「見てませんって。だいたいそんなに胸大きいわけでもないのに、じっと見る理由g

?  「生きるか死ぬか選ばせてあげるわ」
298:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 16:24:47.21 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「あの、本当にすみま…」

キョン「あんただったのか…あの時助けてくれたのは」

?  「さあ?あなたが何を言ってるのかよく分からないわ」

キョン「そうかい。あんた一体何者なんだ?」

?  「時をかける美少女とでも言っておくわ」

キョン「年齢を考えてから言ったほうがいいな。どう見ても少女じゃねえだろ」

?  「死ぬほうを選んだみたいね」

キョン「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
299:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 16:25:58.21 ID:WKB0Y3CJ0
キョン「…一つ聞きたい。あの射影機を富竹さんにあげたのはあんたか?」

?  「よく分からない話しだけど、理由を聞こうかしら?」

分からないのに聞くのか…。

キョン「あの渡してくれた射影機のフィルムを持ってたってことは…そういうことだろ?」

?  「想像にお任せするわ」

キョン「そうかい。…俺そろそろ行かないと。学校あるし」
300:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 16:27:27.68 ID:WKB0Y3CJ0
?  「あなたは生きることを選んだ。それは、これから待ち受ける試練を受けることに同意したのと同じ」

?  「その試練で受けた傷が、一生心に残って苦しむことになるかもしれない。覚悟はできているかしら?」

キョン「構いやしないね。とっくに覚悟はできてる。なぜなら…」

キョン「俺を待ってる仲間たちがいる。その試練とやらに、俺一人で怯えて、立ち止まってるわけにはいかねぇだろ」

?  「…そう。気を付けて。試練はすぐやってくるわ」

キョン「肝に銘じとくよ。それじゃあ。…助けてくれてありがとな」
?  「当然よ…。仲間なんだから」

?  「私もあなたの無事を祈ってるわ」

?  「さよなら…キョン…」
302:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 16:28:55.02 ID:WKB0Y3CJ0
無駄なことですか?
花瓶を眺めていた行為が

無駄なことですか?
花瓶を眺めていた時間が

無駄なことならば
もう花瓶を眺めたりはしない

旅人は答えた
まだ分かりませんか?

あなたは無駄なことをしていません
無駄なのはあなたの考え方なのです

Frederica Bernkastel
303:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 16:30:06.14 ID:WKB0Y3CJ0
___________
ハルヒ「おっはよう!キョン!相変わらず間抜け面ね!」

第一声からそれかよ。俺から見れば、久しぶりの再会だというのに。

ハルヒ「今日は重大なニュースがあるわ!放課後、絶対部室に集まること。いいわね!」

キョン「はいはい」

ハルヒ「返事は1回!!」

そして放課後…嫌な予感しかしない。俺の嫌な予感はほぼ当たっているからな…。
はずれてくれていいのに。

古泉 「やあ、どうも。調子はどうですか?」

キョン「近づくなと、昨日言ったばかりだろうが」

俺にとっては、昨日ではないのだがな。
306:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 16:31:30.35 ID:WKB0Y3CJ0
みくる「こんにちは~。すぐお茶を入れますね」

キョン「ありがとうございます」

ああ、やっぱり朝比奈さんは可愛らしい。腐ってしまったが、それでも俺のエンジェルであることに変わりはない。

長門 「…」

キョン「長門、大丈夫なのか?お前相当疲労したんじゃ?」

長門 「問題ない。私はほとんど活躍できなかった」

なんか怒っているような気がする。だんだん感情が出てきているのはいい傾向だが、俺に怒ってもらっても困る。
技量のないどっかの誰かさんにでも、その怒りを向けてくれ。

ハルヒ「みんな集まったわね!」

ハルヒ「みんな知ってのとおり、私は昨日ひぐらしのなく頃にをやり終え、非常に感銘を受けました」

ハルヒ「世の中には素晴らしいものを作りあげる人がいる、そう思うといても立ってもいられません!」

ああ、嫌な予感がビンビン感じる。さっきの姉ちゃんが言ってた試練ってこれか?
307:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 16:33:03.20 ID:WKB0Y3CJ0
ハルヒ「そこで今日からみんなにやってもらうことがあるわ!」

キョン「……言ってみろ」

ハルヒ「ゲームを作るわよ!!」

予想通りすぎる。昨日の時点で、そうなるんじゃないかと思ってはいたが…。
このハルヒの発言により、俺たちSOS団は、またとんでもない事件に巻き込まれることになるのだが、
それはまた別の話しだ。
キョン「……やれやれ」

309:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 16:33:33.44 ID:lnzSJ9Ne0

楽しかったぜ
317:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/05(木) 16:36:16.76 ID:XYxM1FTw0
ひぐらしSSもハルヒSSも最近見なくなって寂しかったんだが良作にあえてよかったよ乙

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする