1 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 21:36:12.59 ID:0odjc9kB0
……
-765プロ事務所内
P「うーむ……このカードを抜くと……いやしかし」
ガチャッ
春香「おはようございまーす。あれ? プロデューサーさんだけ、ですか?」
P「おぉ、春香。他のみんなは、直接仕事入りだからな。というか、お前もそうして良かったはずだが」
春香「えへへ、なんだか一日一回は、ここに来ないと落ち着かないんです」
P「そうか……最近は、事務所でのんびりなんてできないもんな。みんなで集まることも……」
春香「はい……あ、でもいいことですよね! みんな、お仕事が忙しいっていうのは」
P「そうだな。けど、大晦日の生放送特番では、久しぶりに全員で集まれるぞ。……仕事だけどな」
春香「あはは……けど、それでも嬉しいですよ。年末もみんなでお仕事できるなんて」
P「春香……お前は本当にいい子だな」
春香「いえ! そんなんじゃ」
プルルルルル
P「っと、……はい、こちら765プロ」
春香「……? なんだろう、このカード」ピラッ
春香「IM……アイドル、」
P「なんですって!!?」ガタンッ
春香「ど、どうしたんですか? プロデューサーさん」
P「年末の特番が…………中止!?」
春香「え……えぇええええっ!!」
2 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 21:37:37.31 ID:0odjc9kB0
……
-テレビ局
律子「あっ、プロデューサー殿!」
P「律子! いったいどういう」
律子「それが…………どうやらまた、961プロが」
P「番組表を書き換えたのか……くそっ! でも、いくら961プロでも、この段階で番組を変えるなんて」
律子「……黒井社長自らが、デュエルで変えさせたみたいです」
P「黒井社長、自らが……!」
春香「あのー」
律子「……春香、あなたも来てたのね。仕事は?」
春香「まだ時間があるので。……それより、あの……デュエルで番組を……って」
P「黒井社長は業界でも有数のデュエリストだからな。以前からブラックマジシャンデッキや、アルカナフォースデッキで、アイドル業界をいいように牛耳ってきた」
春香「ブラ……アル……??」
律子「だからこそ961プロは、マネージャーやアシスタントのみで、プロデューサーをつけずにアイドルを売り出せる。……社長自身の、実力があるから」
春香「あの…………デュエルって、……カードゲーム、ですよね?? デュエルモンスターズの……」
P「あぁ、そうだ。インダストリアルイリュージョン社が開発した、カードゲーム」
律子「プロデューサーの仕事は、9割、デュエルの腕前で決まると言っていいわ」
春香「……????」
4 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 21:38:19.56 ID:0odjc9kB0
P「最近は嶺 開花や善羽 麻衣のようなアイドルデュエリストもかなり売れてきている」
律子「うちも、千早が海馬コーポレーションとのコラボ企画で、青き眼の乙女のコスプレでイベント参加しましたよね。確か映画の宣伝で……」
春香「なんでそんな仕事が……」
P「海馬社長もティンときたんだろうな。オーディションで名乗った途端、顔色を変えてたから」
律子「大抜擢でしたね。おまけに会場で歌まで歌わせてもらえて」
P「ブルーアイズに乗って歌うの、大変そうだったけどな」
春香「千早ちゃん……そんなことに……」
P「それどころか、デュエルモンスターズは、今や世界中の人々がプレイし、株価……経済、政治、そして戦争までもが、デュエルによって決められ、動かされている」
春香「」
P「そして……デュエルによって決められたことは、デュエルによってのみしか覆せない」
律子「……行く気ですか」
P「あぁ……やるしかない。春香達の年末特番……俺が取り返してみせる!」
P「この魂のデッキで!!!」カシュン
春香「デュエルディスクだ……」
律子「ここはプロデューサーに任せて、仕事に向かいましょう」
春香「えぇ……?」
律子「安心して、春香。……これでもプロデューサーは、元プロデュエリストだった社長がスカウトした人材よ。デュエルの腕だけは、確かだわ」
春香「は、はは…………そう、ですか」
5 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 21:39:29.43 ID:0odjc9kB0
……
-テレビ局内、デュエルフィールド
テレビ局社長「まさか、これほどとはっ……」ガクッ
黒井「では、年末年始の特番は、我が961プロの番組を」
テレビ局社長「えぇ……これだけの腕前を見せられては、文句もありません。」
黒井「有難うございます。今後とも、我が社のアイドルをぜひご懇意に……」
P「待てぇ!!」ドアバァーン!
黒井「……ハンッ、重役同士の会議に割って入る無礼な輩がいると思えば……765プロの凡骨プロデューサーではないか。お前のような者が出る幕はない! 去れ!」
P「確かに……プロデューサーとしては、口出しできるものではない」
黒井「……」
P「だが、デュエリストとしてならば!!」
黒井「ほぉう……まさかとは思うが、……デュエルを、挑む気かね? この私に」
P「その通りだ。……そして俺が勝ったら、年末の特番を元通り、765に返してもらう!」
黒井「フ……フフ」
黒井「フフフハハハ、フハハハハハハハハハハッ!!」
P「なにがおかしい!?」
黒井「貴様ごとき凡骨に、この私が相手してやる義理などあるかっ!」
P「なにっ……!」
黒井「代わりに…………我が社の新しいアイドルに相手してもらおう」
P「新しい、アイドル!?」
黒井「来い! 我がしもべのアイドルよ!!」
6 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 21:40:18.33 ID:0odjc9kB0
カツ……カツ……カツ…………
??「……」
P「お前はっ」
??「……この指の先に、何が見える?」スッ
テレビ局社長「……窓?」
P「いや……空?」
黒井「ノン! 答えは…………天!!」
??「んん~~~……ジョイン!!!」
吹雪「吹雪と申します」
吹雪「以後、お見知りおきを」
P「天上院、吹雪……!」
テレビ局社長「我が社のスタッフは、みな、こいつにやられたのだ……」
P「! なんだって……」
黒井「アカデミアの三天才が一人……フブキング! まさに! アイドルとしても、デュエリストとしても!! 王者となるに相応しい男だ」
P「アカデミア……? デュエルアカデミアのことか? しかし、あそこはまだ開校したばかり……」
吹雪「へぇ、こっちの次元ではそーなんだ」
P「次元?? いったいなにを」
吹雪「ま、そんなことは、僕にはどうでもいいけどね。僕はただ……」ズズ……
ダークネス吹雪「お前を倒せれば、それでいいっ……!!」
P(!! 仮面をつけた途端、雰囲気が変わった……!? 演技力表現力ともに、トップアイドルクラスかっ)
ダークネス吹雪「さぁ! デュエルだ!!」
黒井「ウィ。アクションフィールドON!! フィールド魔法、クリアーピラミッド!!」
キュィイイイン……
7 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 21:41:18.72 ID:0odjc9kB0
テレビ局社長「戦いの殿堂につどいしデュエリストたちが!」
黒井「モンスターと共に地を蹴り、宙を舞い! フィールド内を駆け巡る!!」
高木「見よ! これぞデュエルの最強進化形!!」
黒井、高木「「アクショーーーーンッ」」
P、吹雪「「デュエル!!!!」」
8 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 21:42:18.08 ID:0odjc9kB0
P(……アクションフィールドは、透明な巨大ピラミッド。その内部にアクションカードが3枚。そして……)
P「頂上に、一枚……!」
黒井「ウィ。アイドルピラミッドの頂点に立てるのは、常に一人!! 孤高の王者となる覚悟を持つ者のみが、手にすることができるのだよ」
高木「だが、ピラミッド内を進めば、必ず苦難が待ち受けている……」
黒井「フン……デュエルの一線を退いたお前が、見物にでも来たのか? 自分の会社のプロデューサーが、むざむざ敗北する様を」
高木「……黒井」
9 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 21:44:29.85 ID:0odjc9kB0
吹雪「先行はもらったぞ!! 俺のターン!」(LP4000)
吹雪「紅玉の宝札を発動! 手札のレッドアイズを捨て、二枚ドロー!」
吹雪「さらに、レッドアイズワイバーンを召喚!!」
ワイバーン【攻撃力1800】<ケェーェエン
吹雪「飛び上がれ! ワイバーンよ!!」シュタッ
P「ワイバーンの背に……! 空を行き、一気に頂上へと登り詰める気かっ」
P「くっ……急がなくては……俺のターン! ドロー!!」(LP4000)
P「俺は、手札から、IM(アイドルメイト)イタズラアーミーを召喚!!」
IMアーミー【攻撃力800】<ンッフッフ~
P「IMイタズラアーミーの効果発動! 仲間のIMを特殊召喚!! 来い!」
P「IM(アイドルメイト)イタズラマミー!!」
IMマミー【攻撃力600】<ウアウア~
P「さらにイタズラマミーの効果! アーミーとマミーを守備表示にして、デッキからPモンスター一体を手札に加える!」
IMアーミー【守備力1500】<アミマミチャーン
IMマミー【守備力1000】<アミマミチャーン
P「いくぞっ……俺は、」
P「P(プロデューサー)マジシャンと、レスキューハムスターで、プロデューサースケールをセッティング!!」
Pマジシャン【スケール2】<……エガオデス
レスキューハムスター【スケール5】<ジュイッ
P「これでレベル3~4のアイドルが同時に召喚(スカウト)可能!! 来い!」
P「IM(アイドルメイト)ドンガラリボン!!」
IMリボン【攻撃力1400】<エヘヘッ
P「IMドンガラリボンの効果発動!! フィールド上のIMのレベルを全て、自身と同じにできる!!」
IMリボン【レベル4】<ダンケツデスヨ! ダンケツ!
IMアーミー【レベル2→4】<ダンケツッショー
IMマミー【レベル2→4】<ブラジルイクヨー
P「三体のアイドルでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!!」
P「現れろ!! ハルシュタイン・カッカ!!」
ハルシュタイン【攻撃力2400】<ヒザマヅイテ!!
10 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 21:45:37.83 ID:0odjc9kB0
吹雪「なんだっ……!? ぐぉおっ、高度が下がっていく……!」
P「ハルシュタイン・カッカは、召喚された時、相手モンスターを守備表示にする効果がある」
吹雪「なにっ」
ワイバーン【守備力1600】<グルルゥウ…
吹雪「ワイバーンが翼を畳んでしまった……! これでは飛行できないっ」
P「それだけじゃない。カッカは、オーバーレイユニットを一つ取り除くことで相手モンスター一体を守備表示に変更できる!」
吹雪「厄介な……!」
P「降りてきたな! バトルだ! カッカでワイバーンを攻撃!! リボンウィップ!!」
ハルシュタイン【攻撃力2400】<ヤァーッ
ワイバーン【守備力1600】<ケェエーン
吹雪「ぬぉおっ!」
P「レッドアイズワイバーン、撃破!」
11 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 21:47:02.50 ID:0odjc9kB0
吹雪「おのれ……俺のターン!! ドロー! 愚かな埋葬を発動し、もう一体レッドアイズをデッキから墓地へ!」
P「今の内に……!」タッタッタ……
黒井「やつめ、自らの足でピラミッドを登る気かぁ? 愚かな!」
高木「プロデュースに王道なし……自分で一歩一歩進んでいくしかない。それはデュエルでも同じことだ」
黒井「ハンッ! 甘ぁい! そんなことだから貴様は……」
吹雪「魔法カード、復活の福音を発動! 墓地のレッドアイズを特殊召喚する!」
真紅眼の黒竜【攻撃力2400】<ギャォオオ!
P「くっ、飛ばせるか! カッカの効果!」
ハルシュタイン【ORU3→2】<モットナイテミセテ!
真紅眼の黒竜【守備力2000】<ギャゥウウ!?
吹雪「やはりな。ならば俺は伝説の黒石を召喚! 効果発動! デッキからレッドアイズトゥーンドラゴンを特殊召喚!!」
トゥーンレッドアイズ【攻撃力2400】<キャッキャッキャ!
P(トゥーン……召喚したターンに攻撃はできないが、飛行することは可能だ……ここは、使うしかない、か……!)
P「もう一度カッカの効果だ!」
ハルシュタイン【ORU2→1】<メイジルノツヨク!
トゥーンレッドアイズ【守備力2000】<ウキャー!?
吹雪「フフ……ここで俺は、二体のレッドアイズでオーバーレイ!!」
P「なにっ、まさか」
吹雪「エクシーズ召喚!! 現れろ! レッドアイズ・フレアメタルドラゴン!!」
真紅眼の鋼炎竜【攻撃力2800】<グギャオオオ!
P「っ……カッカの効果!」
ハルシュタイン【ORU1→0】<ヴァイッ!
真紅眼の鋼炎竜【守備力2400】<グゥウウ……
吹雪「これでもう効果は使えまい! フレアメタルの効果! オーバーレイユニットを一つ取り除き、レッドアイズを蘇生!!」
真紅眼の黒竜【攻撃力2400】<ギャォオオ!
P「しまった……!」
12 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 21:47:47.86 ID:0odjc9kB0
吹雪「飛べぇ! レッドアイズ! ピラミッドの外壁を破壊しろぉ!!」シュタッ
バサァッバサァッ
ズガァアアアンッ
P「うぉおっ! 壁がっ」
吹雪「残念だったな。お前が頑張って走ったこの高さまで、俺は一瞬で上がって来れる」
P「っ!」
吹雪「バトルだぁ! レッドアイズの攻撃っ、黒炎弾!!」
真紅眼の黒竜【攻撃力2400】<ギャアオオ!
ハルシュタイン【攻撃力2400】<モエアガレ!
ドガァアアアアン!!
P「ぐぉおっ……相打ち……!?」
吹雪「いいや」
真紅眼の黒竜【攻撃力2400】<ギャアアス!
P「そんなっ!」
吹雪「墓地の、復活の福音を除外し、戦闘破壊を無効にした。……形勢逆転だな」
P「……」タッタッタ……
吹雪「アクションカード狙いか? だがピラミッドの中を走り続けることが、お前にできるかな。俺はカードを一枚伏せ、ターンエンド」
P「俺のターン……ドロー!」
13 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 21:48:44.42 ID:0odjc9kB0
P(! あった! 一枚目! ……だが、高い……)
吹雪「場にモンスターのいない状態で、その岩壁を登りきれるか?」
P(やるしかない……アイドルたちは、いつもバラエティでこのぐらいこなしてる!!)
ガシッ
P「アイ、マスッアイ、マスッ」ガシッガシッ
吹雪「フン……その間に俺は上に向かわせてもらう」バサッバサァッ
P(くそっ、このままじゃ、俺がカードを取る前に、向こうが……)
??「行かせるかよ!!」
吹雪「!? 誰だ!」
冬馬「俺だ!! ぐうっ」(LP4000→2000)
P「ドーマ!?」
冬馬「冬馬だ!!! 天ヶ瀬冬馬!!」
14 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 21:49:36.31 ID:0odjc9kB0
黒井「……」
高木「乱入ペナルティを受けてまで、彼はなにを」
冬馬「おいおっさん。またアクドイこと、してるらしいな」
黒井「フン。だったら、どうした?」
冬馬「どうしたじゃねぇ! 315の年始番組まで潰しやがって……! ようやくオレたちの再スタートが叶ったんだ、邪魔はさせねぇ!!」
黒井「笑止!! 王者の道を外れた貴様に、なぁにができる」
冬馬「そこで見てやがれ……俺は手札から、暗黒騎士ガイアロードを特殊召喚!!」
ガイアロード【攻撃力2300】<トァッ!
吹雪「サイバードラゴンと同じタイプの特殊召喚か。だがレッドアイズの攻撃力には及ばないぞ」
冬馬「まだだぜ! さらに覚醒の暗黒騎士ガイアを生贄なしで召喚!」
覚醒ガイア【攻撃力2300】<ハッ!
冬馬「二体のガイアでオーバーレイ!! 行くぜ!! 迅雷の騎士ガイアドラグーン!」
ガイアドラグーン【攻撃力2600】<ウォオッ!
冬馬「バトル! ガイアドラグーンでレッドアイズを攻撃!! ドラグーンシェイバー!」
ガイアドラグーン【攻撃力2600】<デァアッ!
真紅眼の黒竜【攻撃力2400】<ギャォオン!
吹雪「ちぃっ!」(LP4000→3800)
吹雪「だが俺はフレアメタルの効果により、再びレッドアイズを蘇生する!」
真紅眼の鋼炎竜【ORU1→0】<グルルゥ
真紅眼の黒竜【攻撃力2400】<ギャォオオ!
吹雪「無駄な行為だったな。再び飛び上がれ!」シュタッ
バッサバッサ……
冬馬「これで充分だぜ。……そうだろ!」
15 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 21:50:11.15 ID:0odjc9kB0
P「はぁ……はぁ…………あぁ!」パシッ
吹雪「アクションカードをっ……あの岩壁を登ったのか!」
P「アクションマジック……メモリーバーストを発動! 墓地のアイドル一体を特殊召喚し、さらに攻撃力を500上げる!」
ハルシュタイン【攻撃力2400→2900】<ヒザマヅイテ!!
P「これでっ……!」
吹雪「フ……フフフ、残念だったな」
P「なにっ」
吹雪「リバースカードオープン!」
吹雪「奈落の落とし穴!!!」
P「っ!?」
ハルシュタイン【攻撃力2900】<アッ……!
P「危ないっ!!」ダッ
グイッ
P「プロデューサースケールにセッティングされたPマジシャンの効果発動!! アイドルの効果破壊を無効にし、その攻撃力ぶんのダメージを受けるっ……うぁああああっ」
ドシャアアッ
(LP4000→1600)
16 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 21:50:55.61 ID:0odjc9kB0
冬馬「お、おいっ!!」
ヘルカイザー亮「これ以上の介入は許さん。お前の相手は、俺だ」
冬馬「っ……いいぜ! 相手になってやる!!」
黒井「フフ、フハハハハハハ! ……ライフより先に、命が尽きるとはなぁ。しもべを庇って死ぬとは、マヌケがぁ!」
高木「! いや……! 彼はっ」
P「……ぅ、ぐ……俺は」
春香<……
P「はる、か……? 受け止めて……くれた、のか」
ハルシュタイン【攻撃力2900】<……
P(…………ふ、ソリッドビジョンに、所属アイドルの幻覚を見るとは……相当頭を打ったかな)
P(けど…………まだ生きてるっ)
P「カッカの攻撃!! リボンウィップバースト!!!」
吹雪「! なにっ」
ハルシュタイン【攻撃力2900】<ヤァアアッ!
真紅眼の鋼炎竜【守備力2400】<グギャオオッ
P「フレアメタル、絞殺!!」
吹雪「ちぃっ……!」
P「カードを一枚伏せ、ターンエンド!!」
P(またここから、駆け上がっていくしかない!)
タッタッタッタ……
17 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 21:51:51.82 ID:0odjc9kB0
吹雪「させるかっ……俺の、ターンっ!!」
吹雪「ドロー! フッ……俺は手札から魔法カード、レッドアイズフュージョンを発動!!」
P「!!」
吹雪「場のレッドアイズと、デッキのデーモンを融合! 現れるがいいっ……悪魔竜、ブラックデーモンズよ!!」
悪魔竜【攻撃力3200】<グヲォオオオ!!
P「攻撃力っ……3200」
吹雪「最早飛び上がる必要さえない。バトルだ!! ブラックデーモンズで攻撃!! デスメテオ・フレア!!!」
悪魔竜【攻撃力3200】<ガァアアアッ!!
ハルシュタイン【攻撃力2900】<キャァアアッ
P「うぐぁあっ……春香っ」(LP1600→1300)
吹雪「終わりだぁ!! ブラックデーモンズの効果!! 墓地のレッドアイズ、その元々の攻撃力ぶんのダメージを相手に与える!! 黒炎波!!!」
P「まだだ!!」
吹雪「!」
P「手札から、IM(アイドルメイト)モヤシイーターを特殊召喚し、効果ダメージを無効化する!」
IMモヤシ【守備力800】<ウッウー!
吹雪「……凌いだか。真紅眼融合を使ったターン、それ以外の召喚、特殊召喚はできない。……ターンエンドだ。そしてブラックデーモンズよ、飛び上がれ!!」
悪魔竜【攻撃力3200】<グヲォオオ!
バッサバッサァ……
18 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 21:52:43.52 ID:0odjc9kB0
P「はっ……はぁ、俺の、ターンっ……ドロー!」
ゴロゴロゴロゴロ……
P「? なんだ、この音は……」
IMモヤシ【守備力800】<ハワワッ!
P「なっ……あ、あれはっ」
高木「通路から、巨大な岩がっ……!?」
黒井「今度こそ、ここまでだなぁ、高木ぃ。あんな弱小モンスターでは、アクションフィールド内の仕掛けを乗り越えられまい」
P「俺は、IMモヤシイーターを生贄に捧げ、来いっ……IM(アイドルメイト)ブラックエージェント!」
IMエージェント【攻撃力2300】<マッコマッコリーン!
P「さらに、手札のIM(アイドルメイト)ホワイトコスモスを、自身の効果によりエージェントに装備! いけぇ! 転がってくる岩石を砕け!!」
IMエージェント【攻撃力2300】<タァアッ!!
ボガァアン!!
黒井「馬鹿め! 落石トラップを破壊したモンスターは、破壊される! これでやつのフィールドはがらあ……き」
IMエージェント【攻撃力2300】<ヤーリィ!
黒井「な、なにぃ……なぜだ、なぜ」
高木「IMホワイトコスモスは、ブラックエージェントに装備することで、エージェントの破壊を無効化できるのだよ」
黒井「なにをぉ、弱小カードが徒党を組みおって……!」
19 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 21:53:18.10 ID:0odjc9kB0
P「ターンエンドだっ! 早く……上へっ」タッタッタ……
吹雪「間に合うものか。俺のターン! ドロー!」バッサバッサァ……
吹雪「俺は墓地より、伝説の黒石の効果発動。墓地のレッドアイズ一体をデッキに戻し、黒石を手札に戻す」
吹雪「さぁ、ブラックデーモンズで攻撃!!」
P「はぁっ……は……ぁ…………あった、アクションカード!」パシッ
P「アクションマジック! ファンレター!! このターンのみ、攻撃力を1000上げる!」
吹雪「なにっ!」
悪魔竜【攻撃力3200】<グヲオォ!
IMエージェント【攻撃力2300→3300】<デリャアア!
吹雪「ぐっ……」(LP3800→3700)
P「はぁっ……はぁ……急、がないと」
吹雪「俺はエンドフェイズ時に墓地のワイバーンを除外し、レッドアイズを蘇生!!」
真紅眼の黒竜【攻撃力2400】<ギャォオ!
吹雪「危うくこちらが落ちるところだったか……やるな」
P「俺の、ターン……! ドローッ」
P「……俺はエージェントを守備表示に変更し、カードを一枚伏せる。……ターンエンド」
20 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 21:53:52.03 ID:0odjc9kB0
吹雪「俺のターン! ……頂上が近づいてきたぞ。ドロー!」
吹雪「伝説の黒石を召喚、そしてそれを除外し、出でよ! レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン!!」
ダークネスメタル【攻撃力2800】<ギィイイ……
吹雪「ダークネスメタルの効果! 墓地のフレアメタルを蘇生!!」
真紅眼の鋼炎竜【攻撃力2800】<グォオオッ
吹雪「さらに死者蘇生を発動! ブラックデーモンズ復活!」
悪魔竜【3200】<グヲォオオ
P(強力なドラゴンが、三体っ……だがエージェントはエンジェルの効果で破壊されない。まだ……)
吹雪「カードを一枚伏せ、ターンエンド。このまま頂上のカードを手に入れ、終わらせてやる!!」
21 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 21:55:03.29 ID:0odjc9kB0
P「マズいっ……俺のターン! ドロー!」
P「! ……俺は手札から、代役抜擢(キャストチェンジ)を発動! フィールドのIMを墓地へ送り、その数だけ、デッキからImを特殊召喚する!!」
P「来い! Im(アイドルメイジ)オニギリガール! Im(アイドルメイジ)ムーンプリンセス!」
Imオニギリ【攻撃力1400】<ナノッ
Imムーン【攻撃力1600】<ハヤー
P「ここでプロデューサースケールのレスキューハムスターの効果発動! 場にImが存在するとき、デッキからIm(アイドルメイジ)アニマルテイマーを特殊召喚する!」
Imアニマル【1500】<ダゾッ
P「オニギリガールの効果! 自分以外のImの数だけ、アフゥトークンを出現させる!」
Imオニギリ【攻撃力1400】<アフゥ
アフゥトークン【守備力200】<ナノー
アフゥトークン2【守備力200】<ハニー
P「レベル2のアフゥトークン二体に、レベル4、オニギリガールをチューニング! 眠れる才覚を呼び起こせ!! シンクロ召喚!」
P「覚醒の眠り姫(エンライトメントアイドル)!!」
覚醒の眠り姫【攻撃力2500】<ナノ……!
P「さらに、レベル4のムーンプリンセスとアニマルテイマーをオーバーレイ!」
P「レッドリベリオン・エクシーズアイドル!!」
レッドリベリオン【攻撃力2500】<ハイサイ!
P「レッドリベリオンの効果! エクシーズ素材を二つ取り除き、その合計レベルと同じレベルのシンクロモンスターを特殊召喚!」
P「舞い上がれ! シルバームーン・シンクロアイドル!!」
シルバームーン【攻撃力2500】<ハッ!
22 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 21:55:46.31 ID:0odjc9kB0
吹雪「その程度の攻撃力では、俺のレッドアイズ達の敵ではない」
P「だが黒竜だけでも! 撃ち落とせ! エンライトメントアイドル!!」
覚醒の眠り姫【攻撃力2500】<オニギリハー!
真紅眼の黒竜【攻撃力2400】<ギャォオン!
P「眠り姫の効果! 破壊した相手の攻撃力ぶん、ダメージを与える!!」
吹雪「ぐぁああっ……!」(LP3700→3600→1200)
高木「これでライフは互角!」
黒井「だぁが、場の状況は依然としてこちらが有利だ」
高木「ぬぅう……」
P「ターン終了っ……」タッタッタッタ……
吹雪「まだ走るか。無駄なあがきを」
シュタッ
吹雪「俺はもう頂上へ到達したぞ」
P「なっ……くそ……!」
吹雪「終わりだぁ! 全モンスターで攻撃!!」
P「いいや……ここからだ!!」
P「伏せカードオープン! 偶像超越(オーバーマスター)!! 」
吹雪「なんだとっ」
P「攻撃力が上の相手と戦闘する場合、アイドルの攻撃力に、その差をプラスする!」
悪魔竜【攻撃力3200】<グヲォオッ!
レッドリベリオン【攻撃力3200】<カンペキサー!
ダークネスメタル【攻撃力2800】<ギイィイ!
シルバームーン【攻撃力2800】<オカクゴッ!
真紅眼の鋼炎竜【攻撃力2800】<グォオッ!
覚醒の眠り姫【攻撃力2800】<ナノォー!
P「ぐぅっ……!」
吹雪「ぬぉおっ!」
23 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 21:57:40.91 ID:0odjc9kB0
吹雪「だが俺はトラップカード、闇次元の解放を発動! 除外されていた伝説の黒石を場に出し、その効果によってレッドアイズ・ブラックフレアドラゴンをデッキから呼び出す!」
真紅眼の黒炎竜【攻撃力2400】<グゴォオ!
吹雪「このターンのバトルフェイズは終了している……俺はこれでターンエンド」
P(また……レッドアイズが!)
P(しかも相手はもう、ピラミッドの頂点についている……アクションカードも、やつの手元に……。対して、俺の場には、モンスターも伏せカードもない……)
P(ここまでなのか……俺は…………ここまで来て……)
「プロデューサーさん!」
P「はは……まただ。春香の声が聞こえる……幻覚に続いて幻聴か。いよいよ俺も」
春香「諦めないで!! プロデューサーさん!」
P「…………ち、違う……あれは……春香!? ほんとうに……どうしてここにっ」
春香「えへへ、お仕事の休憩時間に、抜け出して来ちゃいました」
P「そんなことしたら……」
春香「時間は、まだ大丈夫です! それより……プロデューサーさん。立って、立ち上がって」
P「!」
春香「私たち、みんな、ここまで来れた。ここまで頑張って来れたのは、プロデューサーさんがいたから……年末に、みんなで出られる特番の枠が取れたのも」
P「けど俺は……その大切な年末特番を……」
春香「まだ勝負は、ついていないんですよね……? なら、諦めないで!」
P「春香……」
春香「私たちが、今までずっと、支えてもらっていたように。今度は私たちが、支えますから! ……これを!」カチッ
P「それは……」
「『ちょっと! 負けたら許さないんだからね!?』『完璧な自分が応援すれば、絶対勝てるぞ!』『ハニー! がんばってー! あふぅ』『うっうー! 応援しまーす! ふれー! ふれー!』『兄cなら勝てるっしょー』『信じてるかんねー』『あなた様の勝利を、願っております』『ガツーンと一発かまして』『勝ってください~』『あらあら~』『プロデューサー殿、託しましたよ。私たちの想い』」
春香「……律子さんが、みんなに連絡して、送ってくれたんです。……離れていても、私たちの心は、いつも一緒です! 765プローっ」
春香、P「「ファイトー! オー!!」」
24 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 21:58:54.57 ID:0odjc9kB0
P「ありがとう……春香、俺はもう、決して諦めない!」
吹雪「……茶番は終わりか? 早くここまで上がって来い。決着をつけるぞ!」
春香「頑張ってくだ――あっ」
ドンガラガッシャーン
カンッ、カターン……
P「お、おい! ……ん? 春香のケータイがアクションフィールド内に落ちて……ったく……どこまで転がっ…………!!」
P(これは……崩れた壁の中に……櫃が! 隠し部屋か!? さっきの相打ちの時に崩れたのか!)
P(櫃の中にあるのは……罠か? それとも…………)
……
26 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 21:59:57.14 ID:0odjc9kB0
……
亮「サイバードラゴン・インフィニティの攻撃力は、その効果により3100となる!」
冬馬「だが俺は、超戦士カオス・ソルジャーの宵闇による効果を発動! そいつを除外するぜ!」
亮「インフィニティのORUを一つ取り除き、その効果を無効にし、破壊!!」
冬馬「ちっ……! だがカオス・ソルジャーが破壊された時、ガイアロードを復活させる!」
……
-クリアーピラミッド、頂上
吹雪「……向こうも佳境のようだな。…………敗北する決心はついたか?」
P「いや、……俺は負けない」
吹雪「フン……ならば、見せてみろ! 最後のあがきを!!」
P「あぁ! いくぜ!!」
P「ドロー!!!」
P「IMブルーディーバを召喚!」
IMディーバ【攻撃力720】<クッ
吹雪「効果破壊、戦闘破壊を受け付けない壁モンスターか。だが、そんなものを攻撃表示で出したところで」
P「それだけじゃない! 俺はこのカードを発動! 約束のメロディ!!」
吹雪「! そのカードは」
P「墓地に眠るIMを、効果を無効にし、レベルを1にして可能な限り場に呼び出す!」
IMアーミー【レベル1】<イエーイ
IMマミー【レベル1】<コッカラッショー
IMリボン【レベル1】<ワッホイ!
IMモヤシ【レベル1】<ウッウー!
P「レベル1のIM4体に、レベル4ブルーディーバをチューニング! 絆の歌声よ、今一つとなりて、降臨せよ!! 覚醒の歌姫スヴェートディーヴァ!!」
覚醒の歌姫【攻撃力0】<ラァーー
P「レッドアイズに攻撃!!」
吹雪「攻撃力0でだと!?」
P「スヴェートディーバは、相手の攻撃力と自身の攻撃力を移し替える! 光の歌声!!」
真紅眼の黒炎竜【攻撃力2400→0】<ギャァオオ
覚醒の歌姫【攻撃力0→2400】<ラララァーー♪
27 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 22:04:04.32 ID:0odjc9kB0
吹雪「ならば! このアクションカードを使わせてもらう!!」
P「……!」
吹雪「トップ・アルティメイト!!!」
黒井「トップ・アルティメイトは、自身の場のモンスターを、一体残し全て破壊する代わり……そのモンスター自身は、あらゆる効果を受けつけなくなり、さらに! 墓地のモンスターの数×500攻撃力を上げる! ハハハハハハハハ!! これが王者の力! 絶対的な勝利者の、孤高の力よ!!」
真紅眼の黒炎竜【攻撃力0→2400→5900】<グギャォオオオオ!!
吹雪「とどめだぁっ!!」
P「それはどうかな?」
吹雪、黒井「「なにぃっ!?」」
P「俺はこのカード……櫃に収められていた、アクションマジックを発動する!!」
吹雪「まさかっ……!」
P「マスターピース!!!」
28 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 22:06:24.62 ID:0odjc9kB0
高木「……墓地のカードを使って、シンクロ・エクシーズ・融合召喚を行うカード」
P「墓地のImオニギリガール、アニマルテイマー、ムーンプリンセス、IMブラックエージェント、ホワイトコスモスを、全てレベル1扱いとして、シンクロ召喚!! 来い! シンクロチューナー、ハミングリトルバード!!」
黒井「シンクロ、チューナーだとっ」
リトルバード【攻撃力1000】<ピヨーッ
P「このカードは相手ターンでもシンクロ召喚を行うことができる! その場合、レベルは半分……3となる。レベル8スヴェートディーバにチューニング! ……全ての絆よ、今一つとなりて、頂点を超えろ!!!」
P「シンクロ召喚!! IM(アイドルマスター)ワンフォーオールアイドル」
IMオールアイドル【攻撃力4000】<ハァアッ!
吹雪「だが、こちらの攻撃力が上っ」
P「いいや……ワンフォーオールアイドルは、その召喚までに素材となったカードの数……×300、このターンのみ攻撃力を上げる」
IMオールアイドル【攻撃力4000→7600】<カガヤキノムコウガワヘ!!
吹雪「馬鹿な…………攻撃力、7600……だと」
P「バトル!!! …………いっけぇえ! ミラクルレインボーバーストォ!!!」
吹雪「うぁあああああああああっ……!!」
(LP1200→0)
……
30 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/29(火) 22:09:38.12 ID:0odjc9kB0
……
春香(こうして、私達の年末特番は、無事、プロデューサーさんが取り戻してくれました)
春香(それはきっと、みんなの団結……絆の力の、おかげだと思います。だから…………)
春香「年末は、地上波初放送! 『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』を、ぜひ見て下さいね!」
おわり。
元スレ:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1451392572/