1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 11:00:31.10 ID:HQGvdf55O
ー星ノ海学園ー
熊耳「能力は金縛り……。その他色々」
乙坂「はぁ?」
熊耳「…………」スタスタ
友利「おいちょっと待て、色々ってどういう意味だ!」
熊耳「…………」ガチャ
柚咲 「出て行ってしまいましたね」
高城「そうですねゆさりん♡」
乙坂(しゃべり方キモい……)
友利「あのヤロー、ちゃんと説明してけよ!」
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 11:02:20.91 ID:HQGvdf55O
柚咲「…………!」
美砂「よーし、今から私があいつをふん捕まえて、白状するまでタコ殴りにしてこようか!」
高城「うう……。せめて口調だけでもゆさりんのままでいてほしいのですが」
美砂「うっせー!なんの権限があってそんなこと言ってんだああーん?」
高城「はい……。そのままで良いです。良いですから首を絞めるのはやめてください……」
乙坂「結局あいつの言った色々ってどういう意味だよ」
友利「私に聞かれても困ります。まあでも多分、能力を金縛り以外にも複数持ってるってことだと思いますが」
美砂「能力を二つ以上ってか。そんなことありえんのか?」
乙坂(いや、お前も発火と口寄せの二つ持ってんじゃねーか)
友利「黒羽さんの場合は特殊ですからね。うーん、なんで金縛りの一つだけしか教えなかったんだろうなー」
乙坂「取り合えず考えるより先に、その能力者の居場所を確認した方が良いんじゃないのか?」
友利「そうッスね。ええーと、地図によるとこの場所は……。ちょうど天下一武道会会場にいるみたいです」
乙坂「天下一武道会ってあの武道家たちが集まって戦う大会のことか?」
友利「ええ、そうです」
高城「またなぜ、そのようなところにいるのでしょうか?」
乙坂「僕に聞かれても困る」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 11:03:29.46 ID:HQGvdf55O
美砂「武道会っつーことは強いやつらがいっぱいいるのか?」
友利「目を輝かせてるところ悪いですけど、天下一武道会は三年に一度しか開かれません。ついこの間、開催されたばかりなので、しばらくはやらないでしょうね」
美砂「ちっ!ならそんなとこ行ったって面白いことなんてなさそうだな」
柚咲「……。あれ?ええと結局どこに行くんですか?」
乙坂(大会にでも出場するつもりだったのか……?)
友利「よーし、今から会場に向かうぞお前ら」
乙坂「ああ」
高城「わかりました」
柚咲「……。会場?」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 11:05:55.16 ID:HQGvdf55O
ー武道会場ー
天津飯「やはり久しぶりにきてみると懐かしいなチャオズ」
チャオズ「うん。悟空たちは第25回の大会に出場してたみたいだけど僕たちは出なかったからね」
天津飯「関係者に無理を言って、会場を開けてもらった甲斐があったものだ」
チャオズ「でも誰もいないっていうのも少し寂しい感じがするね」
天津飯「それは仕方あるまい。大会はこの前やったばかりだからな」
チャオズ「いつも大勢の人がいるときにきてたから、なんか新鮮な感じもする」
天津飯「確かにな」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 11:12:53.02 ID:HQGvdf55O
高城「ようやくつきましたね」
乙坂「ああ、しかし会場の中に能力者がいるのか?」
友利「ここに来るまでにすれ違った人もいませんし、多分そうではないかと。もっとも簡単に入れそうもないですけど」
警備員「…………」
乙坂「思いっきり入り口の前に立ってるな」
柚咲「どうしましょう?入れてくださいなんて頼んでも絶対断られるでしょうし」
高城「大丈夫です!ゆさりんの仲良くなるおまじないで、あの警備員さんと仲良くなればきっと……」
乙坂(いやいやいや、さすがにそれは無理だろ……)
友利「安心してください。一応手は考えてあります」
乙坂「ほう、どんなだ?」
友利「まあ、ここは私に任せてください」スタスタ
友利「………」 スッ
警備員「……あれ?あの女の子どこいった?」
友利「フンッ!」グキッ!
警備員「うっ……」 ドサッ!
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 11:13:51.76 ID:HQGvdf55O
乙坂「お、おいあいつ警備のおっさんをノックアウトさせちまったぞ」
友利「おーい、お前ら行っくぞー」
柚咲「うう、警備員さん可愛そうです……」
乙坂「無茶苦茶するなぁ。あいつ」
高城「いつものことじゃないですか」
乙坂(否定出来ない……)
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 11:15:28.66 ID:HQGvdf55O
友利「会場内は結構広いッスねぇ。迷子になりそうです」
高城「一応入り口に置いてあったパンフレットに地図が載ってありますが、見てみますか?」
友利「おお、高城にしては気が利くじゃないッスか。どれどれ……」
柚咲「……。それにしても友利さんすごいですよね。警備員さんに防御されることなく、お腹にけりを一発入れただけで気絶させてしまうだなんて」
乙坂「なんだ、気付かなかったのか?あいつ警備の人を倒すときに能力を使って透明になってたはずだぞ」
柚咲「え?そうなんですか」
高城「ええ、我々の目には彼女が普通に攻撃したように見えても、あの警備員さんにとってはいきなり腹部に衝撃が走ったでしょうからね」
乙坂「それに警備のおっさんが、急に呆然とした顔になってただろう?あれは友利が見えなくなって戸惑ってたって証拠だよ」
柚咲「は、はぁ。なるほど」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 11:16:48.79 ID:HQGvdf55O
友利「お!あんなところに2人ほど人をはっけーん」
柚咲「あ、本当です。ええと、スキンヘッドのお方ともう1人は……。ずいぶん変わったお顔の方ですね。ずいぶんと背も小さいですし」
友利「うーん、確かになんだかキョンシーみたいな顔してるッスねぇ」
乙坂「キョンシー?なんだそれ」
友利「あれ?ご存知ないですか。一昔前に流行ったじゃないですか」
乙坂「いや知らん。流行ったってどれぐらい前だ?」
友利「八十年代後半ってところッスかね」
乙坂(お前としいくつだよ……)
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 11:18:52.80 ID:HQGvdf55O
チャオズ「なんだ、お前ら。ここは立ち入り禁止だぞ」
乙坂「!」(話しかけてきた……)
友利「いやぁ。実はわけあって人を探してるんッスよ」
天津飯「ほう。そうなのか」
乙坂(よく見ればこっちのスキンヘッド男は、目が三つあるじゃないか。どうなってるんだまったく……)
天津飯「その制服を見るにきみらは学生かな?」
友利「ええそうです。星ノ海学園一年の友利奈緒です」
天津飯「ふむ礼儀の正しいお嬢さんだ。俺は天津飯。こっちはチャオズだ」
チャオズ「よろしくなお前ら」
乙坂「チャオズとはまた変わった名前だな」
高城「ええ、北京語で餃子という意味になりますし」
乙坂(天津飯に餃子……ずいぶんと美味そうな名前だ)
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 11:20:29.93 ID:HQGvdf55O
天津飯「それできみたちはどのような人物を探しているのかな」
友利「うーん、実はですねぇ、この辺で超能力みたいなのを使える方っていられますかね?」
天津飯「超能力?」
友利「ええ、特に金縛りとか使う……」
天津飯「うちのチャオズは超能力者だぞ」
乙坂(さらっととんでもないこと言い出したー!)
友利「え!?マ、マジッスか?」
天津飯「ああ、金縛りも使えるしクジに細工をすることだって出来るんだ」
チャオズ「昔、その能力を使用して天下一武道会の抽選クジを操作したこともあるよね」
柚咲「て、天下一武道会……?」
天津飯「ああ、こう見えても俺は昔、優勝したことがあるんだぞ。一度だけだがな」
高城「それは素晴らしい。よほど腕が立つのでしょうね」
天津飯「俺なんて全然さ。世の中にはもっとすごいやつらが、ゴロゴロしているからな」
乙坂(どうでも良いがこの天津飯という男。スカイハイ斉藤と声が似ている気が……)
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 11:21:31.87 ID:HQGvdf55O
天津飯「それできみらが探しているのはチャオズということで良いのかな?」
友利「ええ、多分そうだと思います。でも一応確認のために、今から私に金縛りをかけてもらいませんか?」
天津飯「別に構わないさ。なあチャオズ?」
チャオズ「うん。よーし、じゃあいくぞ。えいー!」ビィイイ!
友利「ぐ……。本当にこれは……全然動けませんね……」
乙坂(……まじかよ)
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 11:25:41.03 ID:HQGvdf55O
天津飯「信じてもらえたかな」
友利「ええ、確かに超能力があるようですね。そしてこれからチャオズさんに忠告しなければなりません」
チャオズ「忠告?なにをだ?」
高城「実は我々も全員能力者なのです」
チャオズ「そうなのか。それはすごい」
乙坂「そして世の中にはその能力者を捕らえて、モルモットにしようとする悪い科学者たちがいるんだ」
チャオズ「おそろしい話だな」
乙坂「だから科学者たちに捕まらないためには能力を使わず、一般人を装う必要があるんだ。わかるな?」
チャオズ「いや、わからん」
乙坂「……は?」
チャオズ「別に一般人を装わなくても、僕は科学者なんかに捕まらないよーだ」
乙坂(捕まらないよーだ、ときたか……)
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 11:32:39.59 ID:HQGvdf55O
天津飯「その科学者というのは普通の人間なのだろう?特別戦闘力が高いというわけでもあるまい」
友利「ええ、多分そうだと思いますが」
乙坂(戦闘力って単語にはだれも突っ込まんのか……)
天津飯「だったら心配無用だ。チャオズは強いし、俺もそこそこの腕があると自負している。ただの人間に負けるほどやわじゃないさ」
柚咲「で、ですけど。一応念のために能力を使うのをやめた方が……」
チャオズ「うるさいなー。僕は捕まらないって言っただろう。これ以上文句を言うならもう口利いてやらないぞ!」
柚咲「うぐっ!……。ううひどいです。キョンシーさん……」シクシク
高城「ああ、柚咲さん!大丈夫ですか?安心してください。例え世界中の人間がゆさりんに口を利いてくれなくなっても、私だけはゆさりんと延々と会話してみせますから!」
乙坂(予想以上に精神的ダメージを負ったみたいだな……柚咲)
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 11:33:59.24 ID:HQGvdf55O
友利「うーん、困りましたねぇ。そこまで意地を張られるとは……」
天津飯「ふむ……。もし良かったら一つ賭けでもしてみないか?」
柚咲「賭け……?」
天津飯「ああ、今からきみたち四人とこのチャオズが、天下一武道会のリング上で戦うんだ」
高城「リングの上で……ですか?」
天津飯「ああ。ルールは天下一武道会と一緒。どちらか片方が参ったと言うか、リングから落ちる、10カウントダウンを喫した場合負けというわけだ」
乙坂「ああそれで?」
天津飯「チャオズが負ければ潔くきみたちの忠告を受け入れて、超能力を使用しないことを誓おう。ただしきみたちが負ければ、これからも超能力を使わせてもらおう」
友利「ふーむ、でもどうしてそんなことを?」
天津飯「実はこのチャオズも武道会の本戦に出れるほどの実力を持っている。その実力を知ってもらいたくてな」
高城「なるほど、そういうことですか」
チャオズ「しかもだ、1対1じゃなくて4対1で構わないぞ」
柚咲「というと?」
チャオズ「おまえたちが一斉に襲いかかってきても良いってことだ。だから4人全員を敗北状態にさせないと僕は勝てないというわけだな」
乙坂(どうやら腕にかなりの自信があるみたいだなこいつ)
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 11:35:00.32 ID:HQGvdf55O
天津飯「それでどうするんだ?この賭けに乗るか?」
友利「乗ります!」
乙坂(返答はや!)
高城「少しは我々に相談してもらいたかったのですが……。まあ良いでしょう」
柚咲「でも勝手にリング上で戦って平気なんでしょうか?」
天津飯「安心しろ。知り合いに絶大な権力を持っている人間がいる。そいつに頼んで特別に許可してもらうさ」
乙坂(誰のことなんだろう)
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 11:36:14.24 ID:HQGvdf55O
天津飯「さっそく今からそいつに電話をしてくる。きみたちはここで待っていてくれ」スタスタ
チャオズ「逃げるなよー」スタスタ
乙坂「……。で、どうするんだ?」
友利「なにがです」
乙坂「お前がなんの勝算もなくあんな賭けに乗るとは思えない。なにか策があるんじゃないのか?」
柚咲「そうなんですか友利さん?」
友利「策ってほど立派なもんじゃないですけどね。まあ事前にみなさんに説明しておきます」
乙坂「ああ頼む」
友利「まずあなたがチャオズさんに乗り移ってください」
乙坂「……。なんか嫌な予感がするがまあいい、それで?」
友利「そのスキに高城の瞬間移動で、チャオズさんごとリングの外にぶっ飛ばすッスよ」
乙坂(やっぱそれかー)
友利「高城は負けますが、リングの上には我々3人が残ってるので必然的に私たちの勝利というわけです」
乙坂「だが僕が乗り移る前に例の金縛りを使ってきたらどうする?」
友利「金縛りは動きを封じるだけだと思うので身動きが取れなくても躊躇せず乗り移ってください。ああ、そして高城が金縛りにあっている状態で乗り移ったらすぐに両腕を降ろしてくださいね」
乙坂「?なぜだ」
友利「気づきませんでしたか。さっき私に金縛りをかけたとき、チャオズさんは両手を前にかざしていたんですよ」
柚咲「そうでしたっけ?」
友利「ええ、つまり金縛りをかけるには、対象物に手をかざさないといけないというわけです」
乙坂「ふむ、なるほどな」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 11:37:09.99 ID:HQGvdf55O
柚咲「…………!」
美砂「なあ、私の出番はねえのかよ!」
乙坂「うぉ!急に出て来るなよお前……」
友利「今説明した通り、今回活躍するのは男性陣2人だけですので、あなたはお帰りください」
美砂「ちっ!つまんねー。せっかく私の発火能力であのチビを焼き餃子にしてやろうと思ったのによ」
乙坂(上手いこと言ったつもりか、こいつ)
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 11:39:43.82 ID:HQGvdf55O
天津飯「そうだ。会場を使わせてほしい。ん?そうか、すまないな。ああ、そう言ってくれると助かるよ。それじゃあな。ミスターサタン」ガチャ
チャオズ「サタン、なんて言ってた?」
天津飯「どうぞご自由に使ってくれってさ。オマケに多少会場が壊れても弁償してくれるとのことだ」
チャオズ「良かったー。これであいつらと戦えるね」
天津飯「ああ」
柚咲「あ、帰ってきましたー」
天津飯「待たせてすまなかったな、ちゃんと許可が下りた。さっそく向かおう」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 11:43:16.27 ID:HQGvdf55O
ー武舞台ー
柚咲「うわーすごーい!TVで見てた印象よりもだいぶ広いですね」
乙坂(確かに……。リングも思ってた以上にでかいな)
チャオズ「さっさとリングの上に乗れ。勝負するぞ」
友利「わかっていますよ。さあ、みなさん上がりましょう」ザッ
天津飯「よし全員位置についたな。じゃあ俺の合図で試合開始といく。いいな?」
乙坂「ああ」
チャオズ「いいよ天さん」
天津飯「うむ、では…………試合始め!」
乙坂(よし、乗り移……)
チャオズ「……」ヒュン!
乙坂「い!?」
柚咲「き、消えました!」
高城「いえ、違います。これは……超高速で動いているんです!」
チャオズ「ふふん、その通りだ」
友利「くっ……。なにやってるッスんか!早く乗り移って!」
乙坂「む、無理だ。僕が乗り移れるのは視界に入っている人間だけ。今のあいつの位置がわからん以上どうにもできん!」
チャオズ「うん?こんなスピードでもう視認出来なくなったのか。ずいぶん目が悪いな、お前ら」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 11:44:25.09 ID:HQGvdf55O
柚咲「…………!」
美砂「なめてんじゃねえぞ、この餃子野郎!」ボッ!
チャオズ「わあ、火が出せるのか。でも残念だったな。そんな攻撃当たらないよー」
美砂「クソが……。声を頼りに火を放ってるが、まったくかすりもしやがらねえ」
乙坂「この高速移動もあいつの能力の一つなのか?」
チャオズ「なに言ってるんだ、これぐらいのスピード、ちょっと修行をすればだれでも出せるぞ」
乙坂(いやいやいや絶対無理だって……)
高城「どうしましょう。まさかこんな事態になるなんて」
友利「ええ、まったくです。そして悪いですけど、なんの策も思いつきません。完全に私の判断ミスです。申しわけありませんでした」
乙坂(くっ、なにか突破口はないのかよ……)
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 11:45:54.59 ID:HQGvdf55O
チャオズ「はは、なんだお前らてんで対したことないな。なんだったらもう少しスピードを落としてやっても良いぞ?」
天津飯「チャオズ!試合が終わるまで相手をみくびるんじゃない!まだ残り3人の能力がどのようなものか、わかっていないんだぞ!」
チャオズ 「!……わ、わかったよ天さん」
友利(……。チャオズさんは天津飯さんの言うことはすんなり聞くんですね)
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 11:48:51.52 ID:HQGvdf55O
チャオズ「天さんに怒られちゃったじゃないか。えーいこれでも食らえ!」ビッ!
美砂「うおおお!なんだ今の!?空からビームが降ってきたぞ!」
チャオズ「ドドン波という指から放つ技だ。もっともお前らに合わせて威力もスピードもかなり落としているがな」
乙坂「なんてやつだ……。うん、まてよ?指から放つ?でもビームは上から来たような」
チャオズ「僕が武空術で宙を浮いた状態で、上空からドドン波を撃ったに決まってるだろ。なに言っているんだ」
乙坂(なに言っているんだはこっちのセリフだわ……)
高城「空も飛べてビームも出せるというわけですか。やっかいな能力をたくさんお持ちですね」
チャオズ「言っておくが武空術もドドン波も超能力じゃないぞ。修行すればだれでも出来る技だ」
乙坂(だから絶対無理だって……)
友利「く……。縦横無尽に高速移動出来るなんて、完全に高城の上位互換じゃないッスか」
高城「ちょっと今の発言、ひどくありませんか!?」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 11:49:52.72 ID:HQGvdf55O
チャオズ「ふふ、どうだすごいだろう。あきらめて降参した方が良いじゃないか?」
美砂「ざけんじゃねー!だれがあきらめるかよ!」
友利「……。いえ、私としましては降参した方が賢明に思えてきました」
高城「なんですって」
乙坂「友利?」
美砂「なに言ってやがるんだ、てめー。そんな根性なしの女じゃねえだろ!」
友利「勝手に私の性格を決めつけないでください」
美砂「なっ!……この野郎」
チャオズ「なんだ、なんだ仲間割れか?仲良くしろよ、お前ら」
友利「少し時間をくれませんか?他の3人にも降参するよう説得してみますから」
チャオズ「うーん……。よし良いぞ。だけどあんまり待たせるのはなしだからな」
友利「ええ、わかりました。みなさん円を組んで話し合いましょう」スタスタ
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 11:51:01.63 ID:HQGvdf55O
乙坂「どういうつもりだ友利。そんなにあのチャオズとかいうやつが……」
友利「時間がありませんから、作戦だけ説明します」
美砂「あん?」
高城「ふ、やはり降参するというのはウソですか」
友利「ええ、もちろんそうです。本当の狙いはこうやって私の作戦をみなさんに
こっそり伝えることッス」
美砂「わ、私は最初からお前が降参する気がないことはわかってたぞ」
乙坂・友利(見え透いた見栄を張るな)
乙坂「で、その作戦ってのは?」
友利「良いですか?まずあなたが天津飯さんに乗り移って……」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 11:51:52.58 ID:HQGvdf55O
チャオズ「説得は終わったか?」
友利「残念ながら説得は失敗してしまいましたー。というわけですのであなたを倒すことになりました」
チャオズ「ふーん、まあ別に良いけど。どっちにしろこのスピードの前じゃ……」
乙坂「…………」 カッ!
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 11:52:55.96 ID:HQGvdf55O
天津飯「!……」
天津飯(乙坂)「チャオズ、止まれ!」
チャオズ「!な、なに、天さん?止まったけど……」
友利「今です!」
美砂「やっとこさ、焼き餃子に出来るぜー!」ボッ!
チャオズ「うわー!?あちちちち!」 ドサッ!
友利「よしリング上に落ちた!決めろ高城!」
高城「了解です!」ビュッ !
チャオズ「う……。うわああ!お前来るな!」ビィイイ!
友利「なに!」
美砂「クソが……」
高城「ぐ……まったく動けません……」
乙坂「……!なんだ試合はどうなった?」
友利「見ての通り、高城が瞬間移動で突っ込もうとしたのをチャオズさんが金縛りで止めたんですよ」
チャオズ「ふう危ない、危ない。あやうくこのままこの男と一緒にリング外に飛ばされるところだったよ。惜しかったな。一瞬のスキを狙ったつもりだったんだろうが」
乙坂「ふ、ふふふふ……」
チャオズ「?お前変なやつだな。なにがおかしいんだ」
乙坂「安心するにはまだ早いってことさ。キョンシーさんよ!」 カッ!
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 11:54:15.80 ID:HQGvdf55O
チャオズ「!……」
チャオズ(乙坂)「……」 スッ
高城「!ぐおおおおおおお!!!」ドゴーーーン!
天津飯「なに!?チャオズのやつ、なんで金縛りを解きやがったんだ」
チャオズ「いてててて……。あれここって」
友利「リングの外です。私たち3人はまだリングの上にいますから、結果的にあなたの負けです」
チャオズ「……。負けた?僕が?」
天津飯「なんということだ……」
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 11:55:27.50 ID:HQGvdf55O
チャオズ「うう、ごめんなさい天さん。負けちゃった。僕もう超能力を……」
天津飯「気にするな、チャオズ。超能力が使えなくなっても俺とお前の仲は永遠だ」
チャオズ「天さん……」
友利「あのーそのことなんですけど」
天津飯「なんだ?」
友利「戦ってわかったんですけど、チャオズさんって金縛りとか以外にも、いろいろと人間を超えた力を持ってるじゃないッスか」
チャオズ「そうか?」
天津飯「まあ普通の人から見たらそう映るだろうな」
友利「それでちょっと学園と交渉してみたんですよ。その結果、特別にチャオズさんだけは能力を使ってもOKってことになったんッス」
チャオズ「ほ、本当か!?」
友利「本当です」
天津飯「良かったな、チャオズ」
チャオズ「うん!」
天津飯「ありがとう。勝負に負けたのに情けまでかけてもらって」
友利「そんなんじゃないッスよ。ただチャオズさんみたいな超人は科学者には捕まらないだろうと私と学園側が判断したんです」
天津飯「そうか……これでお別れだがみんな元気でな」
友利「はい……。ああそうだ、最後に一つ聞いておきたいことがあるッスけど」
天津飯「なんだ?」
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 11:56:39.01 ID:HQGvdf55O
友利「チャオズさんって能力いくつぐらい持ってるんですか?ええと、ドドン波みたいな技系統は除いて」
天津飯「うーん、そう言われれば何個なんだろうな、チャオズ」
チャオズ「さあ?よくわかんないや」
高城「そんなに多くの能力を持っているのですか?クジに細工をほどこす以外にも?」
チャオズ「ああ。一応補足しておくとクジに細工をするのは念動力を利用したものだ。他にもテレパシーとか色々あるよ。全部説明すると長くなるがな」
柚咲「チャオズさん、すごいですー」
チャオズ「へへ、そうだろ」
乙坂(あのずぶぬれ男が、金縛り以外の能力を言わなかった理由がようやくわかった。全部口に出すとなると、時間がかかるからそれを嫌がったんだろうな)
乙坂(まったくいろいろ規格外なやつだ、キョンシー……いやチャオズという男は)
END