【アナザーSS・クロス】メカ沢「ここが夜見山北中学か」

1 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 21:02:27.24 ID:EgWxnNz90
※注意事項

・>>1にとっての初ss

・「Another」と「魁!!クロマティ高校」のクロス

・キャラ崩壊有り

・Another本編のネタバレ有り

以上でよろしければ、少々お待ちください
2 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 21:06:30.82 ID:EgWxnNz90
久保寺「皆さんに新しい仲間を紹介します。転校生のメカ沢恒一君です」

メカ沢「親父の仕事の都合で転校してきたメカ沢恒一だ。みんな、よろしくな」

見崎(着ぐるみ……じゃないよね)

勅使河原(頭でけぇな)

桜木(第2ボタンが取れてる……)

綾野(ちっちゃくて、かわいい)

川堀(あいつ、体カタそうだな)

杉浦(何だか、若本さんに声がそっくりね)
3 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 21:10:01.62 ID:EgWxnNz90
第1話 「未来世紀夜見山」

~教室~

勅使河原「災厄を止める方法が録音されたテープが見つかったぞ!」

望月「さっそく聞いてみよう」

カチッ

『えと、オレの名前は松永克己……』

『1983年度の3年3組の生徒だ……』

『……オレがこのテープを残そうと思ったのには2つの意味がある……』

『1つはオレが犯した罪の告白……そして、もう1つは……後輩である……君たちへのアドバイス……』

プツンッ

4 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 21:14:06.67 ID:EgWxnNz90
勅使河原「あれっ?」

風見「どうしたんだ?」

勅使河原「再生が止まっちまった。クソッ、壊れてんのか?」

風見「どうする?修理に出すと金かかるぞ」

望月「誰かコレ直せる人いないかな?」

勅使河原「そんな奴、ウチのクラスにいないだろ」

望月「でも、大抵クラスには一人くらい機械に強い人っているよね」

勅使河原「うーん、機械に強い奴ねぇ」

勅使河原「あ!!アイツは機械に強いんじゃねぇか?」
5 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 21:21:05.36 ID:EgWxnNz90
勅使河原「おーい、メカ沢」

メカ沢「あ?」

見崎「……」

勅使河原「お前、このテープレコーダー直せるか?」

メカ沢「あ、ムリムリ!オレ、機械オンチだから……」

見崎(機械オンチ……?)

小椋「メカ沢君、ちょっといいかな?」

メカ沢「ん?」

小椋「兄貴からお古のパソコンもらったんだけどさ、使い方がイマイチ分からなくて……」

小椋「せめてインターネット見れるようにしたいんだけど……できるかな?」

メカ沢「だから、ムリだって!!オレ、機械苦手なんだよ」

見崎(……なワケないでしょ)
6 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 21:24:03.07 ID:EgWxnNz90
勅使河原「なんとなく、お前は機械に強そうな気がしたんだけどな……」

メカ沢「そりゃ、単なる先入観だろ」

メカ沢「たとえばさ、ムンクの『叫び』って絵があるだろ」

望月「うん」

メカ沢「実はアレ、叫んでいるのは男じゃなくて、男の周りの世界のほうなんだよな」

勅使河原「えっ、そうなのか?」

望月「うん、そうだよ。男の人はその叫びにおののいて、耳をふさいでいるの」

風見「そうだったのか……」

メカ沢「世間の大半の連中は絵のタイトルを見て、男が叫んでいるものだと、思い込んでいる」

メカ沢「つまり、先入観だけで勝手な思い込みをしちゃ、マズイっつーこった」ペコッペコッ

見崎(油さしてる……)
7 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 21:27:11.51 ID:EgWxnNz90
桜木「メカ沢君、ちょっといいですか?」

メカ沢「ん?何だよ」

桜木「私、メカ沢君を初めて見たときから、気になって気になって仕方ない事があるんです……」

見崎(ついにツッコむの……!?)

桜木「たぶん、クラスの全員が同じ事を思っています……世間の人たちもメカ沢君を見て気づいていると思います……」

桜木「ひょっとしたら、メカ沢君自身だって気付いているんじゃないかと思うくらいなんです……」

桜木「というより、むしろ……気付いてない?」
8 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 21:30:39.04 ID:EgWxnNz90
メカ沢「水クセェなー、何の話だよ?」

桜木「何か、その……言いにくくて……」

メカ沢「オレはお前らの事をファミリーだと思ってる」

見崎(ファミリー……?)

メカ沢「何を言われてもオレは気にしねぇよ」

桜木「……分かりました」

桜木「じゃ……ハッキリ言わせてもらいます、メカ沢君」

見崎(お願い、ツッコんで……)

桜木「ホックが外れっぱなしですよ」

メカ沢「え?別にいいじゃん」

桜木「ダメです!校則はちゃんと守ってください」

メカ沢「仕方ねぇなぁ」パチン

見崎「そこじゃないでしょ……」

9 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 21:36:00.52 ID:EgWxnNz90
第2話 「ロスト・イン・夜見山」

~合宿所~

メカ沢「死の色?」

見崎「そう。この左目は死んだ人や死にかけの人にしかない色を見ることができるの」

メカ沢「てことは、見崎はもう誰が死者なのか分かっているのか?」

見崎「うん……」

メカ沢「そして、ソイツは……この合宿所に来ているのか?」

見崎「」コクッ

メカ沢「そうか……ありがとう、見崎。よく勇気を出して告白してくれたな」

メカ沢「お礼にオレも秘密を打ち明けよう」

見崎「あなたにも秘密があるの?」

メカ沢「ああ。オレにはベータという名前の弟がいるんだが」

見崎「ベータ……?」

メカ沢「弟のほうがオレより先に生まれたんだ」

見崎「……へぇ、そうなんだ」

ピンポンパンポーン

10 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 21:39:41.67 ID:EgWxnNz90
メカ沢「ん?何だ?」

杉浦『皆さん、こんばんは。対策係の杉浦です』

メカ沢「杉浦?一体何をするつもりなんだ?」

杉浦『災厄を止める方法が録音されたテープを入手しました。今からそれを流したいと思います』

メカ沢「何!?テープのことがバレただと!?」

見崎「教室で勅使河原君たちが普通に聞こうとしてなかったっけ?」
11 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 21:44:15.31 ID:EgWxnNz90
『死者を死に還すんだ……』

杉浦『今年の死者は見崎鳴です』

杉浦『何故なら、私は小学生のときに眼帯をしていない彼女と会っているからです』

メカ沢「おい、杉浦が言っているのはまさか……」

見崎「うん、未咲のことだと思う」

杉浦『おそらく、一度死んで不完全な状態で復活したんだと思います』

杉浦『ですから、皆さん』

杉浦『死者を死にぃっ!!』

プツンッ
12 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 21:47:59.18 ID:EgWxnNz90
メカ沢「チッ、最悪のシナリオの完成ってワケか……」

見崎「メカ沢君……」

メカ沢「安心しろ、見崎。お前は必ずオレが守ってみせる」

メカ沢「絶対に死なせはしねぇよ……!!」

見崎「メカ沢君……ありがとう」ギュッ

メカ沢「オイオイ、見崎。後ろから抱きつくなよ。照れるじゃねぇか」

見崎「あっ……こっち背中だったんだ」

見崎(お腹と背中の違いが分からない……)

メカ沢「それにしても……」

見崎「何?」

メカ沢「どうして、杉浦はここの放送室の使い方と場所を知っているんだ?」

見崎「さぁ?」
13 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 21:50:20.49 ID:EgWxnNz90
辻井「いたぞ、死者だ!!」

小椋「兄貴の敵ぃ……!!」ギリッ

メカ沢「やめろ、お前ら!!見崎は死者じゃない!!」

メカ沢「クラスメイトを死者扱いして殺すなんて間違ってる!!目を覚ますんだ!!」

小椋「うるさい!邪魔するなら、まずアンタから……!!」

見崎(メカ沢君は人間)

見崎(そう、私と同じ赤い血が流れている人間)

見崎(こんなに義理人情に厚い人が人間じゃないわけがない)

見崎(東京に行けば、メカ沢君みたいな人がきっとたくさん……)

小椋「うああああああっ!!」ブンッ

メカ沢「くっ!!」

パキン
15 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 21:53:16.46 ID:EgWxnNz90
小椋「……な!?」

見崎(いや、やっぱり人間じゃないって……)

小椋「ど、どういうこと?カミソリが折れた……」

川堀「何だと!?カミソリが折れただと!?」

小椋「あたし達、今までメカ沢を普通の中学生だと思ってきたけど……ひょっとして、コイツ……」

見崎(早くツッコんで……)

小椋「コイツが本当の死者なんじゃないの!?」

辻井「ああ!カミソリが折れるなんて、普通の人間じゃありえない!」

見崎(おしい……けど、違う……)

メカ沢「フフ、お前らの中にはオレらの話をちゃんと聞こうという落ち着きのある奴はいねーのかよ?」

川堀「な、何ィ!?」

メカ沢「昔から、話し上手は聞き上手と言ってな」

メカ沢「人の話をちゃんと聞かない奴はロクな死に方しねーんだぞ」

16 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 21:55:56.32 ID:EgWxnNz90
赤沢「あんた達!何やってるの!!」

小椋「あっ……泉美!!」

赤沢「いくら、自分の命が惜しいからといってクラスメイトを殺そうなんて、何考えてるのよ!!」

有田「で、でも……」

赤沢「でもも、ヘチマもないわよ!」

赤沢「1人の女の子を10人がかりで殺そうだなんて、酷いと思わないの!?」

柿沼「えっ、5人しかいないんですけど……」

赤沢「まったく、あんた達には3年3組としての誇りってものが……」

赤沢「えっ……えええええええっ!?」
17 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 21:58:57.49 ID:EgWxnNz90
見崎(ひょっとして、この人ならツッコんでくれる……!?)

赤沢「わ、私……どうして今まで気付かなかったのかしら……」

赤沢「あ、あなたは……まさか……」

見崎(お願い……早くツッコんで……)

赤沢「1年半前に空き缶をぶつけた恒一きゅんじゃないのー!!」

メカ沢「え……ひょっとして、お前はアカザー!?」

見崎「えぇ……うっそぉ……」

18 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 22:02:02.30 ID:EgWxnNz90
第3話 「Shocked」

見崎「小椋さん達には何とか分かってもらえたね」

メカ沢「ああ」

メカ沢「だが、杉浦の奴を早く止めねぇと……」

杉浦「……アンタ達のせいよ」フラッ

メカ沢「杉浦っ!!」

杉浦「アンタ達のせいよ!アンタ達のせいで中尾は……!!」

メカ沢「杉浦……お前、中尾のことを……」

杉浦「死者を死にぃぃぃぃぃぃ!!」ブンッ

メカ沢「やめろぉぉぉぉぉぉぉ!!」バッ

ガンッ

杉浦「金串が折れた……!?」

見崎(また、このパターン……)
19 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 22:04:36.72 ID:EgWxnNz90
メカ沢「杉浦、これ以上バカなマネはよせ!!」

メカ沢「お前は大きなカン違いをしている!お前が昔会ったのは見崎の妹だ!!」

杉浦「妹?そんなハッタリが通じると思っているの?」

メカ沢「ハッタリなんかじゃねぇ。ちゃんと証拠だってある」

メカ沢「映像再生」ピカー

杉浦「!?こ、これは……」

見崎「メカ沢君の目から映像が……」

杉浦「見崎鳴が……二人!?」

見崎「そっち?」
20 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 22:07:22.05 ID:EgWxnNz90
メカ沢「眼帯をしているのが今、オレ達の目の前にいる見崎鳴」

メカ沢「そして、眼帯をしていないのが妹の藤岡未咲だ」

メカ沢「杉浦、お前が小学生のころ会ったのはこの子じゃないのか?」

杉浦「あっ!?ああっ……」ガクガク

見崎「……」

メカ沢「図星のようだな……」

メカ沢「実はな、彼女は今年の4月に病気で亡くなっているんだ」

杉浦「えっ!?じゃあ、災厄は……」

メカ沢「4月の時点で既に始まっていたのさ……」

杉浦「そ、そんな……」ガクッ
21 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 22:10:19.62 ID:EgWxnNz90
メカ沢「人は誰しも過ちを犯すもの」

メカ沢「悔い改める時間はあとでタップリとくれてやる」

メカ沢「皆のところへ戻るぞ。アカザーもお前のことを心配している」

杉浦「……いかない」

メカ沢「なに?」

杉浦「私、ここに残る……」

メカ沢「何言ってんだ、オマエ!!」
22 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 22:12:50.29 ID:EgWxnNz90
杉浦「だ、だって……私のカン違いのせいでこんな事態になっちゃって……」ウルウル

杉浦「私なんか……死んだほうが……」ポタポタ

メカ沢「バカヤロー!!」バキィッ

杉浦「ぶべらっ!?」

メカ沢「死ねば罪が許されるとでも思っているのか!?」

杉浦「ご……ごめん、メカ沢君……」

メカ沢「オレは別にお前なんかどうなろうと知ったこっちゃねぇ……けどな」

メカ沢「お前がいなくなったら、誰がアカザーの相棒役を務めるんだよ!?」

杉浦「私が悪かったわ……」グスン

見崎「メカ沢君は誰よりもあなたのことを心配してるんだよ?」

赤沢(なんか、盛り上がってる……)
23 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 22:15:02.07 ID:EgWxnNz90
第4話 「エレクトリック・ウォリアー」

望月「それにしても、本当の死者は誰なんだろう」

メカ沢「知りたいか?」

望月「えっ、メカ沢君……まさか、死者の正体を知っているの!?」

メカ沢「厳密に言えば、思い出した」

メカ沢「アカザーがオレの中に眠っていたメモリーを呼び起こしてくれたんだ」

望月「い、一体誰なの?教えてよ!!」

メカ沢「どうしても知りたいか?」

望月「分かっている……真実を受け止める覚悟はできているよ……」

メカ沢「……そうか。なら、教えよう」

メカ沢「今年の死者は……」

ドォォォォォォォン!!

勅使河原「た、大変だ~!!合宿所に隕石が落ちてきたぞォ!!」

メカ沢「何ィ!?」

望月「ええー……」

24 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 22:17:53.41 ID:EgWxnNz90
ゴォォォォォォォッ

勅使河原「あぁっ!火事だっ!!」

有田「あれっ?松井さんと金木さんがいない……まさか、二人ともまだ中に……!?」

メカ沢「くっ、こうしちゃおれん!!」ダッ

望月「あっ、メカ沢君!!」

松井「うう……私たち、ここで死んじゃうのかな……」

金木「亜紀、しっかりして!」

「お前ら、無事か!?」

金木「その渋い声は……まさか!」

メカ沢「助けに来たぜ!!」

金木「メッ、メカ沢!!」

松井「メカ沢君!!」

メカ沢「二人とも、ケガは無いか?」

金木「うっ、うん……なんとか」

メカ沢「よしっ、早くここから脱出を……ムッ!?」

ヒュッ

25 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 22:20:18.17 ID:EgWxnNz90
メカ沢「危ないっ!!」ガンッ

金木「ナ、ナイフを……」

松井「頭突きで落とした……」

メカ沢「一体どこから……いや、誰がこんなことを……」

風見「やぁ、メカ沢君」

メカ沢「風見?まさか、今のはお前の仕業か?何のマネだ!!」

風見「僕は前から思っていたんだ、君が死者じゃないかって」

メカ沢「なに、オレが死者だと?」
26 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 22:22:07.51 ID:EgWxnNz90
風見「病院で初めて会ったときに握手したこと、覚えてるよね?」

メカ沢「ああ、そんなこともあったな」

風見「あのとき握った君の手は恐ろしく冷たかった」

金木「だって、こいつロボッ」

風見「つまり、君が死者なんだろう?」

メカ沢「ハッハッハ、風見。お前、知らないのか?」

風見「何だと!?」

メカ沢「手が冷たいっていうのはその分、心が暖かいっていう証拠なんだぜ?」

風見「う、うるさい!!お前のせいでゆかりは……!!」

メカ沢「ゆかり?そうか、風見。お前、桜木のことを……」

風見「死者は死に還れぇぇぇぇぇぇ!!」

松井「あっ、危ないっ!!」

メカ沢「……仲間に対してコイツは使いたくなかったが、仕方ねぇ」

メカ沢「放電」

風見「うわあぁぁぁぁぁぁぁ!!」ビリビリビリビリ

金木「」

松井「」
27 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 22:24:51.76 ID:EgWxnNz90
風見「」バタン

メカ沢「ふぅ……」

金木「いっ、一体何が……」

メカ沢「気絶する程度に電流を流した。安心しろ、ちゃんと生きてる」

松井「手から電気を出せるなんて……メカ沢君、超能力者だったの?」

金木「いや、だからこいつロボ」

メカ沢「何の取り柄も無いつまらない男さ」フッ
28 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 22:27:27.23 ID:EgWxnNz90
メカ沢「よっこいしょっと」

風見「」ダラーン

金木「風見も連れて行くの?」

メカ沢「当然だ。人の命を助けるのに理由がいるか?」

金木「……うん、そうだね」

メカ沢「それと、松井、金木、お前らに頼みがある」

松井「何かな?」

メカ沢「どうか、風見のことを許してやってほしい」

松井「えっ……」
29 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 22:29:40.51 ID:EgWxnNz90
メカ沢「コイツは愛する女を失った悲しみと自分がいつ死ぬか分からない恐怖で気がおかしくなっただけなんだ」

メカ沢「ムチャな頼みだということは分かっている。それでも、オレは……」

松井「メカ沢君がそう言うなら……」

金木「まぁ、やられそうになった本人が言うなら許さないワケにはいかないからね……」

メカ沢「ありがとう、二人とも。さぁ、行くぞ」

松井「うんっ」

松井「……」

松井「メカ沢君、カッコイイ……」ボソッ

金木「なっ!?まさか、亜紀ってば、あの茶筒野郎のことをっ……!!」
30 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 22:34:45.31 ID:EgWxnNz90
第5話 「The End」

怜子「う…うう……」

見崎「今年の死者は三神先生よ」

赤沢「先生が……死者……」

メカ沢「生徒ではなく、教師が死者。盲点だったぜ……」

怜子「恒一……くん……見崎さん……二人とも、無事だったのね……」

怜子「お願い……ここから出してほしいの……」

メカ沢「怜子さん……」

見崎「……」

赤沢「恒一きゅん、ここは私が」チャキ

メカ沢「いや、その必要は無い」

赤沢「えっ?」
31 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 22:40:40.30 ID:EgWxnNz90
./^i
/  l
/   l
/    |    |
ゞ、  ,ノ!  _ 人 _
/ヘ  ̄_ノ.|   `Y
,ィ、   ̄ ,ノj    |
/ゝ ヽ __,,ァ´ノ|
,,,…、、,ィヽ `” -‐’´ l ….,, _
,、 ‐ ‘””´   ,/、 ヽ      /1     ”  ,,
,. ‐'”     /フ/ ヽ `ー-一’´/|        ’i
,、‐”     ,ィァ’ソ / ,ハ  ` ー–一’  j-、       |
|      / ,/ ,’ ,’ /ト、ヽ       ノノ! ヽ      |
|     / ノ ! i ヘ  ヽ`ー __  -‐彡’゙ 」 ,iヽ      ,..|,
|     .〉’゙  l .l ヽ  `ー- 一’  _ノ.|  .!|    /::  ヽ
|    /    ‘, ’,   `ヽ __  __,  ‘゙ , ゙ , ゙| |   i::::   i
|    |   ハヘ. ヘ、      ̄    / / ,ノ    !:::   |
|    ヽ ./ / 厂/`ー-  _ _,,ィ′/ .,′    ::;:  .,
|    , -‐{ ,/  | ./ r-、r,,,、    }`’i’´ハ,′     ヽ_ノ
| \// |`^   l /「”|   !  |`”’ァ、 .j l ,’ ソ       |
〉,’  ヽ.  l/ヘl l __,,|_ l / 〉| j ソ …,, _      |
.\/ i   /`’ー|゙[、r’´,-一ミヾ〈 /ソ|ノ .       ゙゙ ‘ ‘  |
..`ナ .!   ,’    ̄¨ゝ`ー一’  ゙}ソ’1           |
 ̄} l   i         `¨”¬”¨´  j            |
j !  .l              ,’            |
 ̄ヽ,l   |              .,’            |

メカ沢「オレの手でケリをつける」

見崎「いや、いくらなんでも、その手は……」
32 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 22:46:31.66 ID:EgWxnNz90
赤沢「どうして?どうしてよッ!?」

赤沢「死者を死に還すことで災厄を止めれるなら、それを行うのもまた、対策係の役目よ!」

赤沢「それに、三神先生はあなたにとって……!!」

メカ沢「アカザー、お前は美しい」

赤沢「えっ///」

見崎「はっ?」

メカ沢「頭のてっぺんから、足のつま先まで美しい女だ」

赤沢「なっ、何言っているのよ、こんなときに///」ドキドキ

見崎「」イラッ
33 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 22:49:12.16 ID:EgWxnNz90
メカ沢「オレは美しすぎるお前の体を血で汚したくねぇ。ただ、それだけだ」

赤沢「こ、恒一きゅん……」

見崎「本当にいいの?」

メカ沢「……オレの叔母、三神怜子はとっくの昔に死んだ」

メカ沢「今、オレ達の目の前にいるのは、ただの幻だ」

見崎「そう……」

メカ沢「さて、始めるか……」キュイーン

怜子「こっ、恒一君!?」

メカ沢「さようなら、オフクロ……」

キュイイイイイイイイイン…………
34 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 22:58:09.52 ID:EgWxnNz90

メカ沢「終わったな……」

見崎「うん……」

赤沢「これで私たちは苦痛から解放されるの?」

メカ沢「ああ……」

メカ沢「もう、誰も疑わなくていい。もう、誰も傷つかなくていいんだ……」

見崎「メカ沢君……」

赤沢「恒一きゅん……」

メカ沢「……さぁ、皆のところへ戻ろう。今年の災厄が終わったことを知らせなきゃな」

見崎「うん……んっ?」

見崎「そんな……これは!?」

赤沢「見崎さん、どうかしたの?」

見崎「メカ沢君に死の色が……」

赤沢「えっ?」

ゴロゴロゴロ……
35 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 23:01:18.88 ID:EgWxnNz90
ピシャアアアアアッ!!

メカ沢「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」バリバリバリバリバリ

見崎「!?」

赤沢「!?」

メカ沢「う……が……ぐっ……」バタン

見崎「メカ沢君!!」

赤沢「恒一きゅん!!」
36 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 23:08:20.44 ID:EgWxnNz90
メカ沢「う……うう……」

見崎「メカ沢君、しっかりして!!」

赤沢「どうして!?今年の災厄は終わったのに……」

メカ沢「違う……これは……災厄じゃあ……ねぇ……」

メカ沢「天……罰だ……皆を守れなかった……オレへの……」

見崎「何言っているの?あなたは皆を救ってくれたじゃない!」

赤沢「そうよ!由美も多佳子も、あなたのおかげで正気に戻ったわ!!」

メカ沢「オレは……クラスの皆のコトをファミリーと言っておきながら……誰も守れなかった……」

メカ沢「桜木も……中尾も……ちゃんと守れていれば、アイツらは……ううっ……」

赤沢「恒一きゅん、もう喋らないで!!」

メカ沢「オ、オレのことはいい……」

メカ沢「それより……学校の……平……和……を……」

メカ沢「」ガクッ

赤沢「恒一きゅん!?恒一きゅううううううううん!!」

ピーーーーーッ
見崎「あっ、バッテリーが切れてる……」
38 : ◆v/rTh0HxaQ 2013/05/09(木) 23:13:45.70 ID:EgWxnNz90
~1週間後 とある電気店の前~

見崎「無事に退院できて良かったね、メカ沢君」

赤沢「ホント、私たちも安心したわ」
メカ沢『音声ガイダンスに従って、名前を入力してください』

メカ沢『パスワードを設定します』

メカ沢『ここには誕生日などの個人情報はなるべく使わないでください』

見崎&赤沢「データが消えてるよーっ!!」

おしまい

元スレ:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1368100947/

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