【IS・クロスSS】シャル「うっ……ぐすっ……ひっく……」 ポロポロ…

1 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:07:50 ID:nctz/DJ2

――放課後――

――IS学園・中庭付近――

一夏「」

一夏「お、おい!」

一夏「ど、どうしたんだ? シャル?」

シャル「!」

シャル「い、一夏……!?」

ゴシゴシゴシ…

シャル「な、何でもないから……!」 ///

タッ タッ タッ…

一夏「あ!? シャ、シャル!?」

2 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:08:23 ID:nctz/DJ2

一夏「…………」

一夏(……いったい、何があったんだ?)

一夏(あんな……)

一夏(シャルの泣き顔……初めて見た)

一夏(…………)

一夏(……!)

一夏(もしかして……)

一夏(フランスに強制送還される!?)

一夏(…………)

一夏(い、いや、まさか……特記事項だってあるし……)

一夏(…………)
3 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:09:05 ID:nctz/DJ2

――IS学園・職員室――

一夏「千冬姉!」

ゴスッ

千冬「織斑先生と言えと、何度……」

一夏「いつつ……いや、それよりも」

一夏「ち……織斑先生、シャルの事、何か知らないか?」

千冬「……? 何の事だ?」

一夏「た、例えば……フランス政府から連絡があったとか……」

千冬「そんなもの無い」

一夏「…………」

一夏「そ、そうですか……」

4 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:10:03 ID:nctz/DJ2

千冬「待て、事情を話せ。 何故、そんな事を聞く?」

一夏「う~ん、それを俺も知りたくて」
―――――――――――
千冬「実に下らないな」

一夏「……そんな言い方無いだろ」

千冬「デュノアの言う通りかもしれんし、恥ずかしい理由かもしれん」

一夏「恥ずかしいって何だよ?」

千冬「知らん」

一夏「あのなぁ……」

ゴインッ☆

5 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:10:41 ID:nctz/DJ2

千冬姉「それが教師に対する口の利き方か?」

一夏「ズミバゼンッ……」

千冬「とにかく、しばらく様子を見ておけ」

千冬「数日経っても変化が無いようなら、私に報告しろ」

一夏「わかった……」

バコンッ☆

一夏「ワガリマジダッ……」

千冬「……ふん」

6 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:11:25 ID:nctz/DJ2

テク テク テク…

一夏「ちくしょー……人の頭、ポコポコ殴りやがって……」

一夏「あれじゃあ、一生結婚できないだろうな……ったく」

一夏「……さて、これからどうするかな?」

一夏「…………」

一夏「!」

一夏「そうだ!」

一夏「同室のラウラなら……何か知ってるかも!」

タッ タッ タッ…

7 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:12:05 ID:nctz/DJ2

――IS学園寮・ラウラとシャルの部屋――

ラウラ「いや、何も知らないな」

一夏「そうか……」

ラウラ「だが、気になる事案ではある」

ラウラ「私もそれとなく、シャルロットに聞いてみよう」

一夏「ああ、すまんが頼む」

一夏「何かわかったら 教えてくれ」

ラウラ「もちろんだ」

キィ……パタン……

ラウラ(…………)

ラウラ(シャルロットが、泣いていた……?)

ラウラ(…………)

ラウラ(私が知らない内に、何か迷惑をかけたのだろうか?)

8 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:12:59 ID:nctz/DJ2

――夜――

――食堂――

ガヤ ガヤ…

一夏(……結局)

一夏(収穫は無し、か……)

一夏(…………)

一夏(千冬姉の言う通りなら……いいんだけど)

一夏「はあ……」

?「なに、深刻そうな ため息ついてるのよ?」

一夏「ん?」

9 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:13:39 ID:nctz/DJ2

一夏「鈴か……」

鈴「いきなりご挨拶ね……。 ここいい?」

一夏「ああ、いいぜ」

ストン(鈴、着席)

鈴「…………」

鈴「で? 何かあったの?」

一夏「んー……。 それが、よくわからん」

鈴「はあ? 何よそれ?」

一夏「実はな……」
―――――――――――
鈴「ふうん……。 シャルロットが……」

10 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:14:20 ID:nctz/DJ2

一夏「俺が思いつく限りの原因は、あたってみたんだが……」

一夏「全部空振りだった」

鈴「そうなの……」

鈴「まあ、千冬さんの言う通りかもしれないし」

鈴「しばらく様子見ね」

一夏「そうなんだよな……」
シャル「……あ」
一夏「! シャル……」

鈴(……別に普通そうじゃない)

11 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:15:03 ID:nctz/DJ2

シャル「一夏、こんばんは」

シャル「い、今、食じ……」

ジワッ……!

一夏「」

鈴「」

シャル「……!」 ポロポロッ

シャル「……うっ……ぐすっ……!」 ポロポロッ

ダッ……!

一夏「お、おい! シャル!?」

鈴「待って、一夏」

一夏「!? で、でも……!」

鈴「……今は、そっとしておいた方がいいわ」

一夏「…………」

12 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:15:39 ID:nctz/DJ2

鈴「それよりも……」

鈴「今のシャルロット、明らかにあんたを見て泣き出したわね?」

一夏「……おう」

鈴「ホントに心当たり無いの?」

一夏「ない」

鈴「…………」

一夏「…………」

鈴「……ま、一夏が女の子をわざと傷つける様なマネ、するわけない、か」

一夏「当たり前だ」

鈴「でも、知らず知らずの内に……という事は、ありえるかも」

一夏「…………」

13 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:16:21 ID:nctz/DJ2

鈴「後……考えられる可能性は……」

鈴「…………」

一夏「何か、思い当たるフシがあるのか?」

鈴「…………んー」

一夏「……?」

鈴「一夏、後であんたの部屋に行ってもいい?」

一夏「え!?」 ///

鈴「ば、ばか! 何、顔を赤くしてんのよ!?」 ///

鈴「ここじゃ話しにくいって意味よ!」 ///

一夏「ああ、そういう事か……」

一夏「いいぜ、鈴」

鈴「じゃ、後でね……」 ガタッ…

14 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:17:18 ID:nctz/DJ2

――IS学園寮・ラウラとシャルの部屋――

カチャ……パタン……

ラウラ「シャルロット」

ラウラ「!?」

シャル「ううっ……ぐすっ……」 ポロポロ…

バタ バタ バタッ! ドサッ……(ベッドにイン)

ラウラ「ど、どうした!? シャルロット!?」

シャル「ごめん……ラウラ……ほっといて……」

ラウラ「…………」

ラウラ(シャルロット……どうしたのだ?)

15 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:18:05 ID:nctz/DJ2

――IS学園寮・一夏の部屋――

一夏「来たか、鈴」

鈴「お邪魔しまーす」

一夏「ほい、お茶」 スッ

鈴「ありがと……」 ズズッ…

鈴「ふう……」

一夏「それで? いったい、どんな原因が考えられたんだ?」

鈴「…………」

鈴「……言いにくいんだけどね」

一夏「…………」

鈴「もしかしたら、シャルロットは……」

16 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:18:43 ID:nctz/DJ2

鈴「いじめられているのかもしれない」

一夏「!?」

鈴「…………」

一夏「…………」

一夏「……バ、バカ言うなよ、鈴」

一夏「昨日まで、俺は普通にシャルと話していたんだぜ?」

一夏「それから仮にその通りだとして……」

一夏「誰がシャルを いじめているんだよ?」

鈴「……あくまで可能性の話だけど」

17 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:19:35 ID:nctz/DJ2

鈴「あんたと仲良さそうに話してるシャルロットを うっとうしく思っているのが動機なら」

鈴「あたしも含めて、IS学園の女子全員、容疑者になれるわ」

一夏「!?」

鈴「一夏、あんたはね、ブランドなの」

鈴「世界唯一の男性IS適正者だし、『あの』千冬さんの弟でもある」

鈴「そんなあんたと『特別に仲良く』なりたい女の子は、大勢居るって事」

一夏「…………」

一夏「で、でも、どうしてシャルなんだよ!?」

鈴「……そうね」

鈴「あんたと仲の良い専用機持ちの中で」

鈴「特に雰囲気良さげだし、何より、シャルロットは可愛いし」

鈴「そして一番、大人しそうだから……かな」

18 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:20:22 ID:nctz/DJ2

一夏「……!」

鈴「もし、あたしやセシリア、箒にラウラをいじめた、としても」

鈴「全員、反撃されるって考えるんじゃない?」

一夏「確かに」

鈴「……即答されると、腹立つわね」

一夏(お前は生身の俺に、ISの武器をぶっぱなしたじゃねえか……)

鈴「まあ、これはあたしの推測に過ぎないけど……」

鈴「あんたの顔を見て、あんなに思いつめた表情で泣くシャルロットを見ると……」

鈴「どうしても、そんな事を考えちゃうわ」

一夏「…………」

19 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:20:53 ID:nctz/DJ2

鈴「とにかく、あたしもそれとなく情報を集めておくわ」

一夏「……ああ、頼む」

鈴「…………」

鈴「……あたしの予想」

鈴「外れてるといいね……」

一夏「同感だな……」

鈴「うん……」

鈴「じゃ、お休み、一夏」

一夏「ああ、お休み、鈴……」

パタン……

一夏「…………」

一夏(シャル……)

一夏(どうしたんだよ……)

21 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:28:35 ID:nctz/DJ2

――翌日の朝――

――IS学園寮・ラウラとシャルの部屋――

ラウラ「……シャルロット」

シャル「ん……おはよう、ラウラ」

ラウラ「大丈夫か?」

シャル「? 何が?」

ラウラ「!? ……何がって、昨夜、お前は……」

シャル「……! あ、ああ……うん! もう大丈夫だから!」

ラウラ「……今日ぐらいは、休んだらどうだ?」

シャル「ホントに大丈夫だって……でも、髪を整えて登校するから」

シャル「先に行っててくれる?」

ラウラ「……わかった」

22 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:29:14 ID:nctz/DJ2

――1組教室――

一夏「おはよう」

セシリア「おはようございます、一夏さん」

箒「うむ、おはよう、一夏」

ラウラ「……おはよう、一夏」

一夏「……どうしたんだ? ラウラ?」

ラウラ「う、うむ。 後で話す」

箒・セシリア(……? 後で?)

一夏(シャルの事……何か、わかったのかな……)

ガラガラ……

23 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:29:49 ID:nctz/DJ2

シャル「おはよう、みんな」

セシリア「あら、おはようございます、シャルロットさん」

箒「おはよう」

ラウラ「…おはよう」

一夏「おはよう、シャル」

シャル「うん、おはよ、う、……い、ち……」

ジワッ……!

シャル「……っ!」

セシリア・箒・ラウラ「……!?」

一夏「…………」

24 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:30:41 ID:nctz/DJ2

シャル「ご、ごめん! ……やっぱり……今日、休むっ……」

タッ タッ タッ…

セシリア「…………」

箒「…………」

ラウラ「…………」

一夏「…………」

セシリア「一夏さん……」

一夏「……はい」

箒「何をしたんだ……シャルロットに……」

一夏「こっちが知りたいです……」

箒「嘘をつくな! 今、明らかにお前を見て、泣いていたじゃないか!」

ラウラ「待て、箒」

箒「!? ラウラ……?」

25 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:31:52 ID:nctz/DJ2

ラウラ「実は昨日、一夏からシャルロットの様子がおかしいから」

ラウラ「それとなく彼女を見ておいてくれと頼まれていたのだ」

箒「……! そうなのか……」

箒「私はてっきり一夏が、シャルロットにハレンチな行為をしたのかと」

一夏「するか! 箒の中で、俺はどれだけ信用が無いんだよ!?」

セシリア「でも……だとしたら、何が原因ですの?」

一夏「それがわからないから、困っているんだよ……」

ラウラ「……私としても皆目、見当がつかない」

ラウラ「一夏の言う通り昨日突然だった」

ラウラ「シャルロットが、ああなったのは……」

セシリア「……あ、先生がいらっしゃいましたわ」

セシリア「また後で話しましょう」

一夏「そうだな……」

26 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:32:40 ID:nctz/DJ2

――IS学園寮・ラウラとシャルの部屋――

シャル(…………)

シャル(……どうしよう)

シャル(絶対、変に思われたよね……)

ゴソゴソ……

シャル(ラウラの持ってるアニメをこっそり見て)

シャル(泣くほどキャラクターに感情移入してるってバレたら……)

シャル(絶対に笑われる……) ///

シャル(…………)

シャル(せっかくだし、続き見ようかな……?)

27 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:33:20 ID:nctz/DJ2

シャル(…………)

シャル(……でも)

シャル(ここまで見てて何だけど……)

シャル(たぶん……このキャラ、不幸な目に合うんだろうな……)

シャル(…………)

シャル(…………)

シャル(どうしよう……)

シャル(も、もし……)

シャル(このキャラが、死んじゃったら……)

28 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:34:09 ID:nctz/DJ2

シャル(…………っ) ブルブルッ

シャル(だ、大丈夫、だよね?)

シャル(こ、こんなに、不幸な目にあってきたんだし)

シャル(ここから、上り調子に、なるよね?)

シャル(…………)

シャル(! そうだよ! 友達のまどかが、きっと何とかするんだ!)

シャル(ここまで魔法少女にならなかったのは)

シャル(その為の伏線!)

シャル(魔法少女は、夢と希望を与える存在なんだから!)

シャル(きっと……きっと!)

シャル(ギリギリの所で)

シャル(さやかを救ってくれる!)

シャル(よし! 続きを見よう!)

29 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:38:32 ID:nctz/DJ2

――昼休み――

――屋上――

鈴「――って、あたしは考えたんだけど……」

セシリア「…………」

箒「……いくらなんでも、それは無いだろう?」

ラウラ「……そう思いたいな」

一夏「あのシャルが? って感じだよな……」

セシリア「シャルロットさんは社交的で」

セシリア「どなたとでも分け隔てなく、お付き合いされておりますわ」

30 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:39:27 ID:nctz/DJ2

箒「それに、一夏の前に現れるのも変だ」

箒「私が、鈴の言う動機でいじめる立場なら……」

箒「一夏に話しかけるな、と言うぞ?」

鈴「そうなのよね……言っといて何だけど」

鈴「あたしもそう思う」

鈴「それから2組の中で、シャルロットの事を特に気にしてる様な娘は」

鈴「居なかったわ」

ラウラ「……ふむ」

ラウラ「だが、いじめを完璧に否定は出来ないな……」

ラウラ「ここは、私がクラリッサに助力を要請して」

ラウラ「24時間体制の警護を……」

一夏「ラウラ……気持ちは分かるけど、それは最終手段だ」

一夏「学園内でそんな事をしたら、千冬姉が鬼の形相になるぞ?」

31 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:40:06 ID:nctz/DJ2

ラウラ「むう……それは避けたいな」

一夏「まだ、よく解らない事が多い」

一夏「理由が不明だけど……俺が、話しかけると泣き出してしまうから」

一夏「シャルに直接聞くことは、俺には出来無い……」

セシリア「…………」

箒「…………」

鈴「…………」

ラウラ「…………」

一夏「頼めるか? みんな……」

32 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:40:38 ID:nctz/DJ2

セシリア「ふふ、まあ、ご学友の悩みですからね」

セシリア「相談に乗るのは、当たり前の事ですわ」 ニコ

箒「……正直、モヤモヤして気になる」

箒「頼まれなくてもやるつもりだ」 ニコ

鈴「まあ、乗りかかった船だしね」

鈴「最後まで付き合うわよ」 ニコ

ラウラ「友人の危機だ」

ラウラ「当然、私は救ってみせるぞ」 ニコ

一夏「みんな……ありがとうな」

33 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:42:38 ID:nctz/DJ2

――放課後――

――IS学園寮・ラウラとシャルの部屋――

ラウラ「ただいま、シャルロット」

ラウラ「気分はどうだ?」
ううっ……ぐすっ……ひっく……
ラウラ「……!?」

ラウラ「ど、どうした!? シャルロット!?」

ラウラ(何だか……昨日より酷くなってる!?)

34 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:43:17 ID:nctz/DJ2

シャル「うっ……っ……ひうっ……」

ラウラ「な、泣いているだけでは、解らない!」

ラウラ「話してくれ、シャルロット!」

ラウラ「何があったんだ!?」

シャル「なんでもっ……ないっ……」

ラウラ「そんな訳あるか!」

ラウラ「こんなに泣いて……どこか痛いのか?」

シャル「ぐすっ……」 フルフル……

ラウラ「ならば、何だと言うのだ!」

ラウラ「はっきり言ってくれ……私は」

ラウラ「お前の力になりたいんだ……!」

シャル「……っ! ………ラウラ」

35 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:44:02 ID:nctz/DJ2

シャル「…………」

シャル「ごめん……ラウラ」

シャル「これは、ボクの問題だから……」

ラウラ「…………」

シャル「……でも」

ラウラ「……!」

シャル「良かったら、夕御飯……ここに持ってきて欲しい」

シャル「頼んでいい?」

ラウラ「…………」

ラウラ「……わかった」

ラウラ「だが……本当に大丈夫なのか?」

36 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:44:41 ID:nctz/DJ2

シャル「うん……心配かけてごめん。 大丈夫だから」

ラウラ「……そうか」

ラウラ「メニューは何にする?」

シャル「……軽いもの……サンドイッチなんかいいかな」

ラウラ「よし、了解した」

ラウラ「待っていろ、今もらって来てやる」

シャル「うん……ごめんね、ラウラ」

キィ……パタン……

シャル(…………)

シャル(……さやかぁ)

シャル(酷いよ……こんなのって……あんまりだよ……!)

シャル(さやかぁ……さやかぁ……!)

37 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:45:42 ID:nctz/DJ2

――食堂――

ラウラ「…………」

ラウラ「! 一夏……!」

一夏「おう、ラウラ」

一夏「ここ、座るか?」

ラウラ「……そうだな、座るとしよう」

一夏「…………」

一夏「シャルの様子は、どうだ?」

ラウラ「う、うむ」

ラウラ「……あまり芳しくない」

38 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:46:28 ID:nctz/DJ2

一夏「…………」

ラウラ「はっきりと言ってくれないが……」

ラウラ「何でも無いと……自分の問題だと……」

一夏「……そうか」

ラウラ「それから」

一夏「うん?」

ラウラ「食事を部屋に運んでくれと頼まれた」

一夏「うん……」

ラウラ「……もしかしたら」

ラウラ「一夏と」

ラウラ「顔を合わせたくないのかも、しれない……」

一夏「っ!!」

39 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:47:12 ID:nctz/DJ2

カチャン……

一夏「…………」

ラウラ「……すまない」

ラウラ「くだらない推測だった……」

一夏「…………」

一夏「……いや」

ラウラ「…………」

ラウラ「……ともかく、これからも観察を続ける」

ラウラ「何かわかったら、すぐに連絡を入れよう……」

一夏「……ああ、頼む」

ラウラ「じゃ……」

40 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:47:49 ID:nctz/DJ2

一夏「…………」

一夏(シャル……)

一夏(俺……お前に何かしたのかよ……?)

一夏(…………)

一夏(あんな泣き顔……)

一夏(もう見たくねーよ……俺)

41 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:48:38 ID:nctz/DJ2

――IS学園寮・ラウラとシャルの部屋――

ラウラ「…………」

シャル「…………」 モクモク

シャル「……ふう」

ラウラ「もういいのか?」

シャル「あ、うん……また後で食べるね」

ラウラ「そうか……」

ラウラ「…………」

ラウラ「……ん?」

42 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:49:30 ID:nctz/DJ2

ラウラ「…………」 ガサゴソ……

ラウラ「シャルロット、お前、この辺りのDVDを見たのか?」

シャル「!!!!」 ビクンッ!

シャル「ご、ごめん! ラウラ!」

シャル「勝手に見ちゃって……」 アセアセ……

ラウラ「いや……別に構わないのだが」

ラウラ「この作品は、あまり気が滅入っている時に見るものではない……余計に気が滅入る」

ラウラ「きっと、可愛いパッケージに騙されたのだな」

シャル(……そうだよ。 その通りだったよ……)

シャル「……ラウラは、平気だったの? それ……」

ラウラ「? アニメはアニメだろう? 魔法少女など存在しない」

シャル「ううん、そういう意味じゃ……もう、いいや」

ラウラ「……?」

43 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/26(月) 22:50:32 ID:nctz/DJ2

シャル「シャワーを浴びて 横になるね……」

ラウラ「あ、ああ……」

キィ……パタン……

ラウラ(…………)

ラウラ(…………)つ(まどマギ)

ラウラ(……どうやら、悪化した原因はこれの様だな)

ラウラ(後は、大元の原因だが……)

ラウラ(それはまだ、皆目見当もつかない)

ラウラ(…………)
51 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:17:15 ID:rv0Nxl9o

――翌日・休日の朝――

――IS学園寮・談話室――

ラウラ「――というわけで、悪化した原因はわかった」

ラウラ「鬱アニメを見てしまったからだ」

一夏「鬱アニメって……何で、そんなもん見ようと思ったんだよ……」

ラウラ「一見すると、そうとは思わないからだ」 スッ…

魔法少女 まどか☆マギカ

一夏「……確かに見えないな」

一夏「どんな内容なんだ?」

ラウラ「一人の少女をめぐって様々な鬱が展開する物語でな」

ラウラ「その中心人物が「まどか」という名の少女だ」

―――――――――――

一夏「……うわぁ」

52 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:18:07 ID:rv0Nxl9o

一夏「なんて言うか……話を聞く限りじゃ、救いのない物語だな……」

ラウラ「極端な解釈はされていると思う」

ラウラ「だが、実際『ありそう』な展開でフィクションのはずなのに」

ラウラ「妙なリアリティがあるんだ」

一夏「ふうん……」

一夏「…………」

一夏「なあ……今回のシャルの一件」

一夏「このアニメが原因とは、考えられないか?」

ラウラ「……その可能性は私も考えた」

53 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:18:51 ID:rv0Nxl9o

ラウラ「しかしそれだと、一夏を見て泣く理由が解らない」

一夏「あ……そうか……」

ラウラ「何かあるはずなんだ……他に原因が……」

一夏「…………」

一夏「シャルは、どうしてる?」

ラウラ「今日は普通だった」

ラウラ「前日の有様が、無かったみたいに……」

一夏「…………」

一夏「何なんだよ……ったく」

ラウラ「そう言うな、一夏」

ラウラ「人の悩みなど他人から見れば、下らない様に見える事もある」

ラウラ「むしろ、明るい兆しが見えてきた事を喜ぼう」 ニコ

一夏「…………」

一夏「そうだな」 クスッ

54 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:19:44 ID:rv0Nxl9o

――午前中――

――IS学園・中庭付近――

鈴「シャルロット」

シャル「ん? 鈴? それに箒とセシリア」

鈴「……思ったより元気そうね」

シャル「え……ああ、うん、元気だよ?」

箒「き、昨日は……どうしたのだ?」

セシリア(箒さん……ストレートに聞きすぎですわ……)

シャル「あ、あはは……な、何でも無いから……」

55 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:20:43 ID:rv0Nxl9o

箒「そうなのか? 一夏に、ハレンチな事をされたのでは無いのか?」

シャル「ぶっ!! さ、されてないよ! そんな事!」 ///

セシリア「……では、どうして一夏さんを見て」

セシリア「お泣きに なられたのですか?」

鈴(あんたも大概、ストレートに聞きすぎよ……セシリア)

シャル「え、えっと……」

箒・セシリア・鈴「…………」 ジー……

シャル(ど、どうしよう……!)

シャル(や、やっぱり変に思われてる……!) 汗ダラダラ…

56 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:21:47 ID:rv0Nxl9o

シャル「…………」

シャル「えっと……ね、その……」

箒・セシリア・鈴「…………」

シャル「な、なんか心配かけちゃったけど……」

シャル「本当に何でも無いの」

シャル「強いて言うなら……ちょっと下らない事を考えちゃった……」

シャル「それだけ、なの……」

箒・セシリア・鈴「…………」

シャル「あ、後ね! たぶん、少し時間はかかるだろうけど……」

シャル「ボクの中で区切りはつけてるから、一夏を見て泣く事は無くなると思う」

箒・セシリア・鈴「…………」

57 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:22:32 ID:rv0Nxl9o

シャル「……納得、出来ないかな?」

鈴「…………」

鈴「まあ、正直を言えば、ね」

シャル(ふえ~ん……)

箒「でも……シャルロットがそう言うのなら……納得するしかあるまい」

セシリア「ですけどシャルロットさん?」

セシリア「お力になれるかどうか、わかりませんが……」

セシリア「悩み事があるのなら遠慮なさらずにおっしゃって下さいね?」

箒「そうだぞ? シャルロット……」

箒「みんな心配している」

シャル「う、うん……本当にごめん」

58 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:23:19 ID:rv0Nxl9o

鈴「じゃあ、この話題はおしまい!」

鈴「もうすぐお昼だけど……みんなで食べる?」

箒「そうだな」

箒「天気もいいし……皆で景色のいい屋上で食べたいな」

セシリア「そうですわね♪」

シャル「うん、いいね。 ボクもそうしたい」

シャル(真相知ったら……みんな大笑いするんだろうなぁ……)

シャル(……はあ)

59 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:24:23 ID:rv0Nxl9o

――正午――

――食堂――

一夏「……詳しい事は解らずじまい、か」

鈴「なんかシャルロット自身は、区切りをつけたって言ってたし」

鈴「それほど心配ないんじゃない?」

一夏「それもそうだな……。 サンキュー、鈴」

鈴「どういたしまして」

鈴「じゃ、あたし、シャルロットと約束してるから……」

一夏「ああ。 よろしく言っといてくれ」

一夏「…………」

一夏(とは言うものの……気になるなぁ)

一夏(…………)

一夏(まどマギ……俺も見てみるかな?)

60 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:25:10 ID:rv0Nxl9o

――屋上――

箒「その卵焼き、美味しそうだな……この唐揚げと交換してくれないか?」

鈴「ええ、いいわよ。 はい」

シャル「気持ちのいい天気だね」 クスッ

ラウラ「そうだな。 日光浴は大切だ」

セシリア「……そう言う意味では無いと思いますが」

ラウラ「そうだ、シャルロット」

シャル「ん? なに?」

ラウラ「まどマギはどうだった? 感想を聞きたい」

シャル「ぶっ!?」

61 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:26:30 ID:rv0Nxl9o

シャル(どーして今! ここで! このメンバーの前で!)

シャル(それを聞くの!! ラウラ!!)
セシリア「まどマギ?」

ラウラ「正式名は『魔法少女 まどか☆マギカ』というタイトルのアニメだが」

ラウラ「2011年に放送されてから、世界中でコアなファンを作った」

箒「ほう……世界中で、か」

ラウラ「何しろ……作中で銃器等の近代兵器が使われるのだが」

ラウラ「米兵などが、是非これを使ってくれ!とか、武器をあげるから頑張れ!という内容の」

ラウラ「応援メッセージ画像が、あちこちのサイトでUPされている程の人気なのだ」

鈴「……米兵もアニメを見るのね」

ラウラ「そういう偏見はよくないぞ、鈴」

ラウラ「むしろ、米兵も見るほど人気なのだ、と言える」

62 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:27:44 ID:rv0Nxl9o

セシリア「それで、どの様な内容なのですか?」

ラウラ「一言で言うなら、鬱アニメだ」

鈴「はあ!? ちょっとシャルロット! 精神的に不安定な時に何でそんな物見たのよ!?」

ラウラ「落ち着け、鈴。 シャルロットは、パッケージに騙されたのだ」

箒「パッケージ?」

ラウラ「一見すると、明るい内容の変身魔法少女っぽいのだ」

箒「なるほど……そうだったのか」

セシリア「では、今回のシャルロットさんの騒動は、そのアニメが?」

シャル「…………」 ドキッ

ラウラ「いや、気分転換にこれを見て、症状を悪化させたんだと思う」

ラウラ「そうなのだろう? シャルロット?」

シャル「う、うん! そ、そうなんだ! いやーパッケージからは想像も出来なかったよ!」

63 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:28:39 ID:rv0Nxl9o

セシリア「そうなのですか……」

ラウラ「で? どうだった? まどマギは?」

シャル(ひーん……! どうしよう……!)

シャル(……!)

シャル(そうだ!)

シャル「……えっと、せっかくだから、みんなも見てみたらどう?」

鈴「え?」

シャル「ボクが今話すと、ネタバレになっちゃうし……どうかな?」

ラウラ「……確かに一理あるな」

箒「だが……鬱アニメなのだろう?」

セシリア「ちょっと、身構えてしまいますわね……」

64 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:29:34 ID:rv0Nxl9o

ラウラ「だが、予備知識がある分マシだろう。 シャルロットの様になる事はあるまい」

鈴「…………」

セシリア「…………」

箒「…………」

鈴「……じゃ、じゃあ、見てみようかしら?」

箒「モノは試し……と言うしな」

セシリア「少し怖いですけど……」

シャル「うん、ボクもまどマギを語れる仲間が出来るのは、嬉しいよ」

シャル(よ、よし! 何とかごまかせた!)

ラウラ「よし……ではこの食事の後、私の部屋でみんな見るといい」

65 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:30:18 ID:rv0Nxl9o

鈴「な、なんか、妙な流れになったわね……」

箒「まあ、単なるアニメだろう? 鬱、と言っても、たぶん大した事はない」

セシリア「所詮、フィクションですし……気負う必要などありませんわね」

ラウラ「…………」

シャル「…………」

ラウラ「……皆がどんな反応するのか、本気で知りたくなってきた」 ヒソヒソ…

シャル「うん。 ボクもだよ」 ヒソヒソ…

シャル「見終わった後でも、同じ事が言えるかな?」 ヒソヒソ…

ラウラ「楽しみだな」 ヒソヒソ…

66 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:31:18 ID:rv0Nxl9o

――IS学園寮・ラウラとシャルの部屋――

一夏「お、ラウラ」

一夏「ちょっと頼みたい事が……」

シャル「…………あ」

一夏「」

一夏「わ、わりぃ! シャル!!」 ダッ!

シャル「あ! 待って! 一夏!!」

一夏「……え?」

シャル「…………」 ジッ…

一夏「…………」 ドキドキ

67 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:32:06 ID:rv0Nxl9o

シャル「……うん、もう大丈夫みたい!」

一夏「へ?」

シャル「心配かけてごめん、一夏。 それにみんなも」

シャル「どうやら、完全に区切りがついたみたい」 ニコ

一夏「…………」

一夏「……な……なんだよ……それ……」 ヘナ ヘナ ヘナ…

鈴「まあ良かったじゃない」 クス

箒「肩の荷は降りたな」 フフ

セシリア「これで一安心ですわ」 クスッ

ラウラ「何にしても めでたい事だ、嫁よ」 フフ

ラウラ「それで? 私に頼みたい事とは何だ?」

一夏「いや、大した事じゃないんだが……」

68 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:33:11 ID:rv0Nxl9o
―――――――――――
ラウラ「それならば嫁も一緒に見ればいい」

一夏「え?」

ラウラ「実はちょうど、みんなでまどマギを見よう、という話になってな」

一夏「ああ……そういう事か」

一夏「俺、邪魔なら後でもいいぜ?」

セシリア「そ、そんな! 全然邪魔などではありませんわ!」 ///

箒「むしろ一緒に見てくれ!」 ///

鈴「そ、そうよ! 一緒に見なさいよ!」 ///

一夏「……どうして命令口調なんだよ」

69 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:34:08 ID:rv0Nxl9o

シャル「まあまあ、一夏。 こういうのは大勢で見ても楽しい物だよ」

ラウラ「鬱アニメだがな」

シャル「水を差さないでよ、ラウラ……」

一夏「じゃ、そういう事なら見させてもらうよ、みんな」

セシリア・鈴・箒(よし(ですわ)!)

シャル「それじゃあみんな、どうぞ入って?」

オジャマシマース

―――――――――――
70 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:35:15 ID:rv0Nxl9o

カワシタ ヤ、クソク、ワスレ、ナイヨ、メ、ヲトジ、タシカメル~

セシリア「……OPから泣き顔で始まってますわね」

鈴「このピンクが主人公?」

シャル「そうだよ。 主人公のまどか」 ニコ

箒「曲調も微妙に鬱ってる様な……」

ラウラ「それは先入観があると思う。 まあ見ていけば解るだろう」

一夏「…………」

一夏(雰囲気的に男の俺が居て、いいのだろうか……)

71 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:35:56 ID:rv0Nxl9o

鈴「わ……いきなり謎の冷血キャラが出てきた」

セシリア「こんなに可愛らしいQべえを殺そうとするなんて……! なんて酷いのでしょう!」

箒「まったくだ!」

シャル「…………」 ウズウズ…

ラウラ「我慢しろ、シャルロット」

シャル「わかってる……ああ、でも、すごくムズムズするっ……!」

一夏(確かにプ○キュアとかじゃ、無い展開だよな)

72 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:36:59 ID:rv0Nxl9o

セシリア「どんな願いも一つだけ叶う……」

箒「確かに悩むな……」

鈴「あたしだったら……」 チラ

一夏「……?」

一夏「何だよ? 鈴?」

鈴「……なんでもないわよ」

ラウラ「ここに居るみんなは、同じ願いを叶えそうだな」

シャル「そうだね……でも、やった後、すごく後悔しそう……」

ラウラ「……ありえそうだから困るな」

一夏「???」

73 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:37:42 ID:rv0Nxl9o

鈴「……中三であれは無いわ」

箒「そうか? 私は、あれくらいあったぞ?」

セシリア「わたくしもですわ」

シャル「ボクも」

ラウラ「……何だ、この謎の敗北感は……!」

鈴「ぐぬぬ……!」

一夏(今笑ったら、俺、絶対、ボコられるな……)

74 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:38:52 ID:rv0Nxl9o

鈴「」

セシリア「」

箒「」

ラウラ「……ついに来たな」

シャル「……始まったね」

セシリア「こ、こここ、こん、こんな……こんな事って!」

箒「せっかく……いい雰囲気になってたのに……」

鈴「く、くくく、首、首がっ……!」

ラウラ「落ち着け、みんな」

シャル「解釈にもよるけど……これでもまだ、軽い方だったりするんだよ……」

鈴・箒・セシリア「はあ!?」

一夏(確か……これを『マミった』とか言うんだよな)

75 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:40:00 ID:rv0Nxl9o

セシリア「……わたくし、何だかこのQべえという存在が、不気味に思えてきました」

鈴「そうね……。 そういえば、あの冷血キャラ……暁美ほむらだっけ?」

鈴「あいつはどうして、Qべえを殺そうとしているのかしら?」

箒「まどかとさやかに魔法少女になるな、と言ってる事と何か関係があるのだろうか……?」

シャル(うふふ……みんな、もうすっかり のめり込み始めてる)

ラウラ(このあたりが、この作品の凄い所だな)

一夏(一応、ラウラにあらすじ聞いているんだけど……気になる展開だな)

76 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:40:46 ID:rv0Nxl9o

鈴「さやか……」

セシリア「叶えたのですね、あの人のために……」

箒「これは……幼馴染なら誰でも」 ハ!?

一夏「? 何だ? 箒?」

箒「な、何でも無い!」 ///

一夏「????」

シャル(……まあ、一夏らしいと言えば、そうなんだけど……)

ラウラ(箒と鈴、さやかと同じ幼馴染という立場なのだから、人事ではあるまい……)

77 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:41:35 ID:rv0Nxl9o

鈴「また一人、謎キャラが出てきたわね」

箒「魔法少女なのは間違いないだろうが……」

セシリア「それにしても、Qべえの目的は何なのでしょう?」

鈴「魔女と戦わせる事でしょ?」

セシリア「うまく言えませんけど……それだけでは無い気がするのです」

箒「魔女を駆逐するする以外に、何かメリットが……?」

シャル(すごい……この段階で、それに薄々でも気が付けるなんて……!)

ラウラ(こう言っては何だが……意外な人物が鋭い洞察力を見せたな)

一夏(続きが気になるな……)

78 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:42:20 ID:rv0Nxl9o

箒「…………」

鈴「…………」

セシリア「…………」

シャル(……みんな、言葉を失ってる)

シャル(そうだよね……魔法少女が、こんな存在だったなんて知れば……)

ラウラ(衝撃の展開だろうな)

一夏(でもさらに、それを上回る事実が待ってるんだよな……)

80 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:43:26 ID:rv0Nxl9o

箒「さやか……何をしている! そうではないだろう!?」

鈴「せっかく……杏子が手を差しにべてくれたのに……!」

セシリア「どうして……どうして、そんな捉え方をするのですか!?」

シャル(それはボクも思ったよ……)

ラウラ(さやかのやった事は、結局、自分を追い詰めるだけだったからな……)

一夏(責任感の強い娘なんだろうな……)

81 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:44:33 ID:rv0Nxl9o

セシリア「さやかさん……!」

鈴「……なんて事……Qべえ……インキュベーターの目的は、そんな事だったなんて!」

箒「許せん! 人類の敵ではないか!」

シャル(みんな、本当にのめり込んでるなぁ……ちょっと嬉しい)

ラウラ(もう最初に言ってた事は忘れているな) クスクス

一夏(……そういやほむらは、どうしてこの事を知ったのだろう?)

82 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:45:33 ID:rv0Nxl9o

鈴「……杏子……あんた……どうしてもっと早く、素直にならなかったのよ……」 グスッ

箒「どうしてだ……どうして……こんな事になった……」 ウルッ

セシリア「こんなの……あんまりですわ……」 グスッ…

シャル(……みんな、感じる事は同じだね)

ラウラ(知り合いがこんな事になったら……誰もが同じ事をするかもしれないしな)

一夏(普通は奇跡が起こってハッピーエンド、が王道だけど……)

一夏(こっちの方が、リアリティあるな……)

83 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:47:19 ID:rv0Nxl9o

箒「ほむら……こんな事をずっと抱え込んでいたのか……」

鈴「マミさんとかが、一気にクズキャラに見える……不思議」

セシリア「冒頭のあの言動や行動が、ようやく理解できましたわ……」

シャル(クズは言いすぎじゃないかな……鈴)

ラウラ(みんな『無かった事』になるのだから、仕方ない事なのだがな……)

一夏(なるほど……こういう事だったのか)

84 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:48:24 ID:rv0Nxl9o

ラウラ「さて」

ラウラ「いよいよ物語もラストスパートに入り、この11話、12話でおしまいだ」

セシリア「ラウラさん、早く続きを見せてください!」

鈴「そうよ! 気になるじゃない」

箒「ここに来て、お預けは止めてくれ……」

ラウラ「わかっている」

ラウラ「だが放送当時、東日本大震災が起こってしまい」

ラウラ「多くの視聴者が、実に一ヶ月以上も」

セシリア・鈴・箒「は・や・く!!」

一夏・シャル(これはラウラが悪い……)

85 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:49:32 ID:rv0Nxl9o

箒「…………」

鈴「…………」

セシリア「…………」

ラウラ「これで終了だ」

シャル「どうだった? みんな?」

シャル「ボクは、ラストには違和感があったけど……、一応納得はしてる」

シャル「ただ……さやかの扱いが酷過ぎて、そこだけは納得できないかな……」

鈴「そうよ! あれは酷過ぎよ!」

鈴「さやかが不幸になった事で、杏子にもそれが飛び火してる!」

セシリア「しかし……それは自業自得ですわ」

セシリア「それを選択したのは杏子さん自身ですし……それよりも」

セシリア「まどかさんの為とはいえ、人格まで凍りつかせてしまった、ほむらさんが可愛そうですわ」

86 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:51:10 ID:rv0Nxl9o

箒「待て。 それこそ自業自得ではないか」

箒「私としては、Qべえの存在は許せないが……奴の言ってた事には一理あると思うし」

箒「最終的には、魔法少女になる事でしか生き延びる選択肢がなかった」

箒「巴マミが一番不幸だと思う」

鈴「……不幸を語り合ったら魔法少女全員って事になるし、結論が出そうにないわね」

鈴「でもこれだけは言える。 上条恭介だけは、絶対許せないわ……」

箒「私も同感だし、志筑仁美も許せん」

箒「後から来て美味しい所を持っていった挙句、幸せそうにしていた」

箒「思わず画面を殴りたくなったぞ!」

セシリア(……お二人のソウルジェムが黒くなっておりますわ)
88 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:52:35 ID:rv0Nxl9o

シャル「んー……ボクとしては、ラストでさやかが『これでいいんだ』的な事を言ってたのは」

シャル「おかしくない?って思ったかな?」

鈴「わかるわ。 それ、すっごくわかる」

箒「さやかに力があれば、世界を滅ぼしても納得できないだろうな」

セシリア「そうでしょうか?」

セシリア「彼女は、上条恭介さんの幸せを第一に考えておられたのですから」

セシリア「あれはあれで、よろしいのでは?」

ラウラ「実は私もそう思ってる。 さやか自身で納得したのなら、それでいいのではないか?と」

シャル「それはそうなんだけどね……」

セシリア「わたくしは、ラストの方が納得できませんわ」

セシリア「暁美ほむらさんのしてきた事は、結局、何だったのですか?」

セシリア「いくらまどかさん本人が望んだとは言え……あれで納得する方がどうかしてます!」

シャル「でもそれは、本人から直接言われてる事だし……」
90 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:54:22 ID:rv0Nxl9o

セシリア「わたくしは暁美ほむらの努力に見合う結果ではない、と言いたいのです」

シャル「なるほど……それもわかるね」

鈴「杏子……どうして素直になれなかったのかしら」

箒(……お前がそれを言うか?)

箒「それを言うなら、巴マミもだ」

箒「恥ずかしがらず、素直に自分の心の内を吐露すれば良かったのだ」

箒「そうすれば、あんな結末は回避出来たかもしれないのに」

鈴(……あんたがそれを言いますか?)

シャル・ラウラ・セシリア(どちらも自覚無しですか……)

一夏(キリがないなぁ……わかるけど)

―――――――――――

91 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:55:45 ID:rv0Nxl9o

――数日後の放課後――

――屋上――

一夏「シャル」

シャル「あ、一夏……」

シャル「話って……何かな?」

一夏「あー……その……な」

シャル(も、もしかして、告白だったりして……!?) ///

一夏「まどマギ談義でウヤムヤになってたけど……」

一夏「シャル、どうして俺を見て泣いてたんだ?」

シャル「ああ……それの事ね」

一夏「言いたくなければ、もう聞かないけど……」

シャル「…………」

92 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:56:45 ID:rv0Nxl9o

シャル「……笑わない?」

一夏「へ?」

シャル「教えてもいいけど、笑ったりしない?」

一夏「お、おう! もちろんだ!」

シャル「じゃあ言うけど……」

一夏「…………」 ゴクッ

シャル「まどマギのさやかに、すごく感情移入したから……なの」 ///

一夏「…………」

一夏「…………は?」

シャル「や、やっぱり、あきれるよね……」 ///

93 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:57:35 ID:rv0Nxl9o

一夏「いや、そんな事はないんだけど……」

一夏「それと俺が、どう結びつくのかがわからなくて」

シャル「…………」

シャル「一夏は……『好き』の反対の言葉って、何かわかる?」

一夏「好きの反対? 『嫌い』じゃないのか?」

シャル「正解は」

シャル「『無関心』だよ」

一夏「無関心……」

シャル「……さやかは、恭介のために願い事をするけど」

シャル「それ以前から恭介の傍にいて、恭介の身の回りの世話をそれとなくやって来てた」

シャル「でも……」

一夏「…………」

94 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:58:35 ID:rv0Nxl9o

シャル「そういう描写が無かっただけかもしれないけど……」

シャル「恭介は、さやかにお礼を言わないんだよね」

一夏「…………」

シャル「もちろん……幼馴染とか、そういう親しい間柄だから、とも取れるんだけど」

シャル「まるでさやかを居ないかの様に扱ってる恭介は……『無関心』そのものだった」

一夏「…………」

シャル「さやかは、色々と固執しちゃって自滅したけど……わからなくはない」

シャル「恭介が、少しでもさやかに何か言葉を掛けてあげてたなら……」

シャル「もっと違ってたのにな、って思う」

一夏「…………」

95 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 17:59:38 ID:rv0Nxl9o

シャル「でね」

シャル「ボクも考えずには、いられなかったんだ……」

シャル「さやかの気持ちを」

一夏「…………」

シャル「もしも一夏が」

シャル「恭介みたいに、ボクに対して『無関心』だったら……って」

一夏「……!」

シャル「ボクは……」

シャル「…………っ」 ポロッ

シャル「……うっ……ぐすっ……ひっく……」 ポロポロ…

一夏「……シャル」

シャル「ご、ごめん……、一夏。 なんか……また、ぶり返しちゃった……」 グスッ

シャル「もう、大丈夫だから……」 ゴシゴシ

96 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 18:00:29 ID:rv0Nxl9o

一夏「……そういう事だったのか」

シャル「心配かけてごめん……」

シャル「なんて言うか……こんな事で泣いてたのがバレたら」

シャル「みんなに笑われると思って……」 ///

一夏「ハハ……ま、そりゃそうかもな」

シャル「あっ、酷い! 一夏! 今ちょっと笑ったでしょ!?」 ///

一夏「ごめんごめん。 でも……シャルを笑ったわけじゃないよ」

シャル「え?」

一夏「うーん……そうだな、安心したって意味の笑いかな?」

シャル「安心……?」

97 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 18:01:32 ID:rv0Nxl9o

一夏「そう。 俺に心当たりは無かったけど……」

一夏「気がつかない内に、シャルを傷つけていたのかな?とか思ってたし」

シャル「……それは……ごめん」

一夏「もういいさ、シャル」

一夏「……それよりも」

シャル「うん?」

一夏「その……さやかって、恭介が好きだったんだよな?」 ///

シャル「うん。 ……あ」 ///

一夏「…………」 ///

一夏「もしかして……シャルは……」 ///

一夏「俺の事を――」 ///

????「ティロ・フィナーレ!!」

一夏・シャル「へ!?」

98 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 18:02:48 ID:rv0Nxl9o
ズギュウウウン!!
一夏「」

セシリア「……何をしておりますの? 一夏さん」 ニコ

一夏「そ、そりゃこっちのセリフだよ!!」

一夏「何がティロ・フィナーレだよ!? スターライトmkⅢだろ! それ!?」

一夏「当たったら俺、死んでるよ!?」

セシリア「脱皮すればよろしいのでは?」

一夏「俺は、お菓子の魔女じゃない!!」

99 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 18:03:47 ID:rv0Nxl9o

ラウラ「と言うか、嫁よ。 私という夫が居ながら」

ラウラ「何をこそこそシャルロットと話していたのだ?」

一夏「え?」

鈴「そうね……あたしも聞きたいわね」 プルプル…

箒「私にとっては、上条恭介ばりに無関心だと思うのだが……気のせいか?」 ピクピク…

一夏「え? え!?」

シャル「……というか、みんな聞いてたの!?」 ///

ラウラ「安心しろシャルロット。 笑ったりはしない」

シャル(うう……知られただけで十分恥ずかしいよぉ……) ///

100 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 18:04:29 ID:rv0Nxl9o

ラウラ「さて、嫁よ……」 ゴゴゴ……

セシリア「一夏さぁん……」 ゴゴゴ……

鈴「一夏ぁ……」 ゴゴゴ……

箒「一夏……」 ゴゴゴ……

シャル「あ~あ……」

一夏「ひいいいいいっ……! どうしていつも、こうなるんだー!!」 ダッ!!

ラウラ「待てー!!」 ヒュンッ

セシリア「お待ちなさーい!!」 ヒュンッ

鈴「殺すー!!」 ヒュンッ

箒「今日という今日は、許さーん!!」 ヒュンッ

シャル「みんなー、程々にねー!」
101 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/11/27(火) 18:05:13 ID:rv0Nxl9o

シャル「…………」

シャル「一夏……あの後、なんて言おうとしたのかな?」

シャル「……でも」

シャル「少なくとも、無関心じゃない……それがわかっただけでも嬉しい」 ///

シャル「えへへ……」 ///

シャル「…………」

シャル「一夏……ボク……」 ///

シャル「もう、何があっても……くじけないよ?」 ///

おしまい

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