1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/13(月) 22:33:13.76 ID:hpoB4zKN0
櫻子「み、道に捨てられてたんだよ…」
撫子「…………」
櫻子「外寒いから…かわいそうで」
撫子「…………」
櫻子「ほらねーちゃん、真っ白でかわいいでしょ!?飼っていいでしょ!?」
キュゥべえ「わんわん」
花子「かわいいし!」
櫻子「ほら花子もかわいいって!」
撫子「いや…でもさぁ、母さんは絶対ダメっていうと思うよ」
キュゥべえ「くぅーん」
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/13(月) 22:37:48.15 ID:hpoB4zKN0
キュゥべえ「わんわんわん」
花子「真っ白でかわいいし!飼いたい飼いたい!」
櫻子「ほら花子もかわいいって!」
撫子「…はぁ」
撫子「ちゃんと散歩とかしろよ…」
櫻子「やったぁー!!」
花子「わーい!わーい!!」
撫子(どうやって母さん達説得しようかな…)
キュゥべえ「くぅーん」
櫻子「よしよし♪」
撫子(…頑張るか)
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/13(月) 22:41:49.13 ID:hpoB4zKN0
櫻子(その日から私たちと犬の素晴らしい日々が幕を開けたのだ!)
櫻子「ふっわふわでかわいいなぁ~」ナデナデ
花子「櫻子!花子にも撫でさせろし!」
キュゥべえ「わふわふ」
撫子「犬にしては小さいなぁ…子犬?」
キュゥべえ「きゃんきゃん!!」
撫子(うるせえ…)
櫻子「こら犬!あんまり吠えると飯抜きだぞ!」
キュゥべえ「わーん」
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/13(月) 22:45:37.25 ID:okKdGuHk0
ちょっと脳内のえみりんが忙しすぎる
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/13(月) 22:45:54.62 ID:hpoB4zKN0
撫子「それにしても犬って…名前無いの?」
櫻子「犬でいいんじゃね?」
花子「だめに決まってるし、花子がつけるし!」
櫻子「いや!私がつける!」ギャーギャー
撫子「……プリンとかどうだ、犬」
キュゥべえ「わんわん」
櫻子「杉浦先輩に食べられそうだから却下ー!」
櫻子「お前の名前はぽち!どうだ!?」
キュゥべえ「くーん」
花子「伊達正宗之助とかいいと思うし」
キュゥべえ「わけがわからないよ」
撫子「なんか嫌がってるっぽいよ」
花子「うーん…」
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/13(月) 22:50:05.41 ID:hpoB4zKN0
撫子「…チョコ」
キュゥべえ「わふ」
櫻子「ジロ!」
キュゥべえ「くーん」
花子「平将門太郎」
キュゥべえ「どうかしてるよ」
花子「…なかなか振り向いてくれないし」
撫子「どうしようか」
櫻子「…うーん」
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/13(月) 22:59:59.81 ID:Kf4vm6qlO
花子ちゃんのセンスェ……
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/13(月) 22:55:24.36 ID:hpoB4zKN0
向日葵「で、私が呼ばれたんですの?」
花子「花子たちじゃ埒があかないし、ひま子ねーちゃんにビシッと決めて欲しいし」
櫻子「特別に犬を触らせてやるぞ!」
向日葵「ふふ、かわいいですわね」ナデナデ
キュゥべえ「わんわん」
向日葵「真っ白で…目が赤くて…まるで」
向日葵「雪うさぎみたいですわ」
向日葵「…そうだ!ユキとかどうかしら」
キュゥべえ「わんわんわん!」
撫子「おぉ、吠えた」
櫻子「よーし!今からお前はユキだー!」
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/13(月) 23:00:14.78 ID:hpoB4zKN0
櫻子(私たちはユキとすぐ仲良くなった)
櫻子「よーしユキ!とってこいー!!」フリスビーーー
キュゥべえ「わんわんっ!」ダッシュ
…
花子「こらユキ逃げちゃだめだし、外で遊んだらお風呂に入るのが決まりだし」シャワーー
キュゥべえ「わふーー」
…
撫子「よく食べるなーお前…おかわりするか?」
キュゥべえ「わうわう」モグモグモグ
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/13(月) 23:09:22.60 ID:hpoB4zKN0
七森中学校
一年二組
あかり「櫻子ちゃん、犬を飼い始めたってほんと?」
櫻子「うん!ユキっていうんだ!」
ちなつ「ふーん」
向日葵「真っ白でふわふわで…とってもかわいいですわ」
あかり「いいなぁ、あかりもユキちゃんに会いたいなぁ」
櫻子「じゃあ今日うち来る?ユキ触らしてあげるよ!」
あかり「いいの!?わぁい!」
ちなつ「私も行っていい?」
櫻子「いいよー!」
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/13(月) 23:13:54.33 ID:hpoB4zKN0
放課後
大室さんち
キュゥべえ「わふわふ」
あかり「かわいい~!!」ナデナデ
キュゥべえ「わん!」
ちなつ「すごい、本当に真っ白だね」
ちなつ「何犬なのかな」
櫻子「さぁ?雑種じゃね?」
あかり「なんだか血統書とかついてそう…」ナデナデ
向日葵「確かにこの子…高貴な感じがしますわ」
向日葵「本当に捨て犬なのかしら…」
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/13(月) 23:19:42.44 ID:hpoB4zKN0
櫻子「……え?」
向日葵「…珍しい見た目ですし、もしかしたら…その」
向日葵「……どこかの飼い犬…かも」
櫻子「す、捨て犬だもんっ!!」
キュゥべえ「わふぅ…」
ちなつ「さ、櫻子ちゃん、落ち着いて…」
向日葵「ご、ごめんなさい…でも、もしかしたらってことも…」
向日葵「櫻子、この子どこに捨てられてましたの?」
櫻子「………道端で寝てた」
櫻子「でも首輪無かったし!飼い主もいなかったもん!捨て犬だもん!」
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/13(月) 23:28:28.50 ID:Ct0QXUCo0
QBさん何してんのw
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/13(月) 23:29:58.41 ID:hpoB4zKN0
櫻子「ゆ、ユキは…」
櫻子「ユキは、うちの子だもん!」
あかり「…………」
ちなつ「…………」
向日葵「…………」
キュゥべえ「………」
キュゥべえ「わん!」
向日葵「そ、そうですわね…変な事言ってごめんなさい」
向日葵「この子は櫻子の犬ですわ」ナデナデ
櫻子「ふふん!分かればいいのだ!!」
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/13(月) 23:34:51.10 ID:hpoB4zKN0
櫻子(それから、色々な事があった)
櫻子(ユキが杉浦先輩のプリンを食べちゃったり)
櫻子(花子のお布団をよだれまみれにしたり)
櫻子(向日葵のおっぱいに挟まったり)
櫻子(色々なことがあって…全部、楽しかった)
櫻子(でも)
櫻子(それもいつまでも続くわけじゃなかった)
櫻子(…お別れの日は、唐突にやってきたんだ)
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/13(月) 23:40:43.72 ID:hpoB4zKN0
キュゥべえ「わんわん!」
櫻子「ユキの散歩行ってくる!」
撫子「車に気をつけなー」
キュゥべえ「わふ!」
櫻子「ねーちゃん!ユキが返事した!」
撫子「ユキは頭いいから大丈夫だよ、櫻子に言ったんだよ」
櫻子「なんだとこのペチャパイ姉!潰れろ!」ガァッ
櫻子「行ってきまーす」ガチャ
撫子「…お前だって無いだろが」
32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/13(月) 23:44:57.89 ID:hpoB4zKN0
櫻子「よーしユキ!今日は学校の裏まで行くか!!」
キュゥべえ「わんわん!」
ほむら「…………」キョロキョロ
櫻子(ん?誰だろあの子)
櫻子(同い年…くらいかな、でも七森中の制服じゃない…)
ほむら「……あ」
櫻子「?」
ほむら「それ……」
櫻子「あ、あぁ!?この犬!」
櫻子「かわいいだろー!ユキっていうんだ!」
キュゥべえ「…………」
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/13(月) 23:46:12.68 ID:+D4gUMY50
ほむらに見つかってしまった・・・・・・・・
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/13(月) 23:48:46.71 ID:hpoB4zKN0
ほむら「その犬…どこで?」
櫻子「道で拾ったんだー、捨て犬だった」
櫻子「でも、なんだっけ…けっとうしょ?付きみたいだろー」ナデナデ
キュゥべえ「…………」
櫻子「あれ?ユキ?」ワシワシ
ほむら「その…言いにくいのだけれど」
櫻子「?」
ほむら「その犬…」
ほむら「私の…犬、なの」
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/13(月) 23:53:27.52 ID:hpoB4zKN0
櫻子「…………え」
ほむら「…前に逃げ出して、探してたのよ」
櫻子「ま、待って…!」
ほむら「…………」
櫻子「こ、この子は…!私が拾ったんだよ…!」
(…珍しい見た目ですし、もしかしたら…その)
櫻子「首輪もつけたし…!うちの子だよ!」
(……どこかの飼い犬…かも)
櫻子「犬違いだよ!ユキは…!」
ほむら「…おいで、キュゥべえ」
キュゥべえ「………わん」スタスタ
櫻子「……!!」
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/13(月) 23:58:35.22 ID:hpoB4zKN0
櫻子「ゆ、ユキ…?」
ほむら「この子、キュゥべえって言うの」
ほむら「急にいなくなっちゃって…ずっと探してたのよ」
ほむら「あなたが預かっていてくれたのね」
ほむら「ありがとう」
櫻子「違う!違うよ!!」
櫻子「ユキはうちの子だもん!」
櫻子「ほらユキ!おいで…!」
キュゥべえ「…………」
ほむら「あ、あの………」
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 00:06:45.71 ID:xSZtgip90
櫻子(そこからは、あんまり覚えてない)
櫻子(気が付いたら部屋で泣いてた)
櫻子(ちょっとだけ覚えていたのは)
櫻子(ユキの飼い主…ほむらちゃんとうちで話して)
櫻子(ユキ…キュゥべえは、ほむらちゃんのところに帰ることになったって事)
櫻子(からっぽになった犬小屋が、私の心と同じだった…)
49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 00:12:27.07 ID:xSZtgip90
コンコン
櫻子「…………」
撫子「櫻子、入るよ」ガチャ
櫻子「………な゛に゛」グスッ
撫子「いつまで泣いてるつもり?」
櫻子「…ほ゛っどけよ」グスグス
撫子「ユキ、もう行っちゃうから…呼びに来た」
撫子「見送らなくていいの?」
花子「仕方ないし、ユキはよそのうちの子だったんだから」
花子「最後は笑って、見送るし」
櫻子「………い゛がない゛」グスグス
撫子「…そう」
52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 00:17:49.85 ID:xSZtgip90
ほむら「…櫻子さんは」
撫子「…来ないって」
撫子「ごめんね、なんか」
ほむら「いえ…キュゥべえのこと、ありがとうございました」
ほむら「後日、またお礼に伺います」
花子「…元気でね、ユキ」
キュゥべえ「わん!」
ほむら「…おじゃましました」ペコ
ガチャ バタン
花子「………」ガシッ
撫子「……?」
花子「…うわあああああああん!!」
撫子「……」ギュッ
花子「うわああん!うわあああああああん!!」
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 00:22:36.30 ID:ueaKDO9m0
ハナコチャン……
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 00:24:49.94 ID:xSZtgip90
ほむら「……いったい何をしているのかと思ったら」スタスタ
ほむら「驚いたわ」
キュゥべえ「いやぁ、魔法少女の才能に惹かれて来たら…」
キュゥべえ「あんな事になっちゃったからね、僕もびっくりだよ」
ほむら「そこじゃないわ」ピタッ
キュゥべえ「?」
ほむら「あなた、ここの少女を誰一人として魔法少女にしていない」
ほむら「どういう風の吹き回しなのかしら?」
キュゥべえ「…僕も、少女を契約させるつもりでにここにきたんだけどね」
キュゥべえ「予想外の介入があって」
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 00:29:49.06 ID:xSZtgip90
ほむら「介入…」
キュゥべえ「この地に強力な結界が張り巡らされている」
キュゥべえ「流石の僕も怖かったよ、誰か一人でも契約させようものなら」
キュゥべえ「インキュベーターという存在自体を根底から消滅させられるところだった」
ほむら「……は?」
キュゥべえ「くらげの形をしたなにかがこの地を守っているんだよ」
キュゥべえ「こんなところにはもういたくないね、さっさといこうよほむら」スタスタ
ほむら(…こいつでも怖いと思うものがあるのね)
キュゥべえ「…………」ピタッ
ほむら「…キュゥべえ?」
63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 00:33:44.15 ID:Xajthg4SO
流石はなもり神
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 00:35:20.32 ID:xSZtgip90
キュゥべえ「わん!わんわんわん!」
ほむら「っ!?」ビクッ
櫻子「ユキーーーー!!!」タッタッタッタッ
ほむら(大室櫻子!?)
櫻子「はぁ…!はぁ…!」
キュゥべえ「わんわんわん!」
櫻子「ユキ…ごめんね」ナデナデ
櫻子「お別れ、言わないままなんてやだよ」グスッ
ほむら「…………」
櫻子「ありがとね、元気でね」ワシワシ
櫻子「また会おうね」ワシワシワシ
ほむら「…櫻子ちゃん」
櫻子「ん?」グスッ
ほむら「…ユキも、『また会おうね』って言ってるわ」
66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 00:40:45.98 ID:xSZtgip90
櫻子「…へへ、そっかぁ」ニコッ
櫻子「絶対、絶対だからな、約束!」ワシワシ
キュゥべえ「わんわん!」
…
キュゥべえ「変なところだったよ、まったく」スタスタ
ほむら「そうね」スタスタ
ほむら「喋るの苦手なのよ…緊張したわ」
キュゥべえ「ところで僕、犬に見えるかい」
ほむら「黙って歩きなさい」
キュゥべえ「やれやれ」
ほむら「帰ったらたくさん、グリーフシード食べてもらうから覚悟なさい」
キュゥべえ「きゅっぷい」
キュゥべえ「………」ピタッ クルッ
キュゥべえ「じゃあね、櫻子」
キュゥべえ「また会おう」
67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 00:41:02.90 ID:xSZtgip90
おしまい