【クロスSS・まどマギ】マミ「…こ、ここは…?」ゆり「…ようこそ死んでたまるか戦線へ」【エンジェルビーツ】

1 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 20:41:57 ID:Dd3Rw2Ng

マミ「…こ、ここは…?」

マミ「……はっ!」

マミ「…そうだ!私は…!」

ゆり「…目が覚めた?」

マミ「あなた…」

ゆり「ようこそ、死んでたまるか戦線へ」

3 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 20:44:32 ID:Dd3Rw2Ng
ゆり「……」カチャ

ゆり「唐突だけど、あなた入隊してくれないかしら?」

マミ「……え、にゅ…入隊…?」

ゆり「…ここにいるってことはあなた…死んだのよ」

マミ「あ…え…ああ…うん…」

マミ「…ええ…死んだ記憶は…確かにあるわ…」

ゆり「そうなの、なら後は理解できるわね」

ゆり「ここは死んだ後の世界、何もしなければ消されるわよ」

マミ「え…消される……誰に?」

ゆり「そりゃ神様でしょうね」
4 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 20:46:14 ID:Dd3Rw2Ng

マミ「じゃあ…にゅ、入隊っていうのは……?」

ゆり「『死んでたまるか戦線』によ、まあ部隊名はよく変わるわ、最初は『死んだ世界戦線』、でも『死んだ世界戦線』って」

ゆり「死んだことを認めてることになるんじゃね?ということで破棄、以降変成を続けてるわ」

ゆり「今は『死んでたまるか戦線』その前は『生きた心地がしない戦線』」

ゆり「ま、完全にネタだっかから一日で変わったけど」

マミ「え、ああ…その…それって本物の銃…?」

ゆり「…はあ、ここに来た奴ってみんなそんな反応するのよね…」
マミ「…あ、あなた、もしかて魔法少女…?だから、そんな武器を…」

ゆり「へ?」

5 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 20:47:31 ID:Dd3Rw2Ng
ゆり「…魔法少女…?」

ゆり(何、この子…?大人っぽい頭の良さそうな子なのに、中身はオタクなのかしら…?)
マミ「あ、ああ、いきなり変なこと聞いてごめんなさいっ」

ゆり「と、とりあえず、あなたは死んだの、そしてここは死んだ後の世界」

ゆり「あなたがするべきことは何かわかる?」

マミ「……え、ええ…っと…?」

ゆり「…神に抗うのよ、天使を倒して、こんな人生を強いた神に反抗するのよ」

マミ「…神に抗う…」

6 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 20:49:12 ID:Dd3Rw2Ng
…ダダダタッ!
日向「お~い!ゆりっぺ!新人勧誘の手はずはどうなってんだ?」

日向「人手が足りない今だ!どんな汚い手を使ってでも…!」

日向「…って、あれ?」
マミ「……」

ゆり「…あなたねえ…少しは空気を読んだら…?」

日向「…この子が、新しいメンバーなのか?」

ゆり「ええ、まだこの世界のこと、理解してないみたいだけど…」

ゆり「まあ、私たちといれば、自ずとわかってくるでしょ」

ゆり「…とりあえず自己紹介ね、私の名前はゆり、この戦線のリーダーをしているわ」

マミ「…私は…私の名前は…と、巴マミ、よ、よろしく」

7 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 20:52:13 ID:Dd3Rw2Ng

ゆり「巴さんね、それと、これが…」
…バッ

日向「どうも!俺は日向って言います、ひなっちって呼んでくださいっ」

マミ「あ、ああ…ど、どうも…」

ゆり「ほら、あなたが変なこと言うから対応に困ってるじゃない」

日向「なんでだよ、普通に自己紹介しただけだろっ」

ゆり「まあ、こんなアホは放っておいて、戦線のメンバーは他にもたくさんいるわ」

日向「アホじゃねーよ!」

マミ「…ところで、今は一体何をして…」

ゆり「今は、天使との戦闘中ね」

マミ「…え!?天使…?」

ゆり「ええ、もちろん神に抗うんだから、その手下の天使を倒すのよ」

マミ「て、天使って…」

ゆり「あれよ、あれ」

ゆり「…私達の敵…天使よ…」

8 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 20:54:02 ID:Dd3Rw2Ng

マミ「え?あ、あれって普通の女の子じゃ…」

ゆり「ええ、まあ、見た目はね」

日向「あんなんに見えても、能力は人間離れしてるんだぜ」

マミ「…そ、そうなの」

マミ(ま、まあ、それについては私も同じことかしらね…)
ゆり「…今夜はみたところ戦意は無いようだし、新人はゲットしたから一応目標は達成ね」

日向「…おい、この子、もう入るって言ったのかよ」コソコソ

ゆり「入るに決まってるでしょ、ちゃんと人間なんだし」

日向「…相変わらず無理矢理だなあ、うちのリーダーはあ」

ゆり「なんか言った?」

日向「いいえ、別にぃ」

9 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 20:56:20 ID:Dd3Rw2Ng
ガッ…
ゆり「こちらゆり、新人勧誘に成功、目標達成と判断、遊佐さん、全員に撤退命令を」

ゆり「それと、今夜は遅いのでそのまま各自解散ということも忘れずにね」

遊佐「こちら遊佐です。了解しました」
…プツ
ゆり「さあて、作戦も終わったところで今日は解散っ…と」

ゆり「この子の紹介は明日、本部にて行うわ」

日向「へいへい」

ゆり「…寮の部屋は用意されてるでしょうけど、今日は戦線の保健室に寝てもらうわ」

ゆり「ついてきて、巴さん?だったかしら」

マミ「…ええ」
日向「さて、俺も部屋に戻るか」

10 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 20:57:47 ID:Dd3Rw2Ng
医局(閉鎖中) 保健室
マミ「……」
マミ(この世界は本当に死後の世界なのかしら、天国って、イメージとたいぶ違うわ…)

マミ(ママやパパもいないみたいだし…あの人たちも悪い人たちじゃないようだけど)

マミ(それにしても…神に抗うって……)

11 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 21:11:34 ID:Dd3Rw2Ng

翌日 対天使用作戦本部
ゆり「…と言うわけで、今日から戦線で共に戦うことになった巴マミさんよ、みんな仲良くしてあげてね」

マミ「ど、どうも…よろしくお願いします…」

ゆり「それじゃあ、あんたたち、『死んでたまるか戦線』に変わる新しい部隊名はちゃんと考えてき…」

マミ「…ま、待って……ゆりさん…わ、私は……」

ゆり「ん?」

マミ「…私はまだこの世界についてイマイチ何が何だか…あなたたちのことも…」

一同「……」

日向「あーあ、やっぱ、ゆりっぺが無理矢理勧誘なんてするからこうなるんだよな」

藤巻「…どうもこいつ、まだ何も理解してないみたいだぜ、ゆりっぺ」

高松「完全なる説明不足ですね」クイ

大山「やっぱり、きちんとした説明したがいいんじゃないかなあ」

松下「我々と共に戦うならきちんと説明せんとなあ」

ゆり「何よ、あんたたち、説明はちゃんとしたわよ、ねえ?巴さん」

12 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 21:15:17 ID:Dd3Rw2Ng

マミ「…え、う、うん…消されるとか…天使とか…」

ゆり「ああー、うん…?」

ゆり「とりあえず、ここは死んだ後の世界、それは理解できてるわね?」

マミ「うん…」

ゆり「なら後はわかるわね」

マミ「…え?」

日向「いや、わからねーから!」

日向「大方、昨日もそんなアバウトな説明しかしてないんだろ!」

ゆり「なによ!どこがアバウトなのよ!」

日向「アバウト過ぎますから!むしろ説明にすらなってないですから!」

ゆり「じゃあ、あなたが説明しなさいよ!」

日向「…うう、そう言われると弱いんだが…しゃあねえなあ!」

椎名「あさはかなり」

藤巻「あ~あ、日向のやつ、地雷踏んだな」

大山「日向君、頑張って」

13 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 21:16:47 ID:Dd3Rw2Ng

日向「…ゴホン」

日向「とりあえずここはさっきもゆりっぺが言ったとおり、死んだ後の世界なんだ」

日向「みんなここにいる奴は俺も含めて死んでるんだ」

大山「そう、僕も死んでるし、みんな死んでるんだよ」

日向「だからここは死後の世界なんだ」

マミ「…っていうことは天国ってことかしら…?」

日向「い、いやあ、天国ってわけじゃない、もちろん地獄でもないけど」

日向「まあ天国の一つ前の世界って感じかな」

マミ「…そうなの」

日向「んで俺たちは…」

ゆり「待って、ここからは私が説明するわ」

日向「なんだよ、最後は結局するんじゃねえか」

ゆり「いいじゃない、何か文句ある?」

日向「いいえ、ありません」

14 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 21:19:49 ID:Dd3Rw2Ng
ゆり「いい?よく聞きなさい、とりあえず大事なのはね」

ゆり「私たちが、かつて生きていた世界では人の死は無差別に無作為に訪れるものだった」

ゆり「だから抗いようもなかった」

マミ「……」

ゆり「でも、この世界は違うのよ」

ゆり「天使にさえ抵抗すれば存在し続けられる、抗えるのよ」

マミ「!」
マミ「…で、でも、待って、その先にあるのは何なの…?」

マミ「あなたたちは何がしたいの…?」

15 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 21:20:23 ID:Dd3Rw2Ng
ゆり「…私たちの目的は…天使を消し去ること、そして、この世界を手にいれる!」

マミ「え?」

ゆり「まだ来て間もないから混乱するのも無理ないわ」

ゆり「…順応性を高めなさい、そしてあるがままを受け止めなさい」

マミ「…そして戦うの?天使と…?」

ゆり「そうよ…共にね…」

ゆり「今日からあなたは私たちと共に天使と戦う仲間よ」

マミ「……仲間…」

16 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 21:24:15 ID:Dd3Rw2Ng

バンッ!

野田「女だからと言って早まるな!!ゆりっp…」
ヒュッ…
ドガッ!!
野田「うああああああああぁぁぁ~…」
日向「…アホだ」

藤巻「自分の仕掛けた罠にはまってやがる…」

マミ「…な、何なのあれ…」

17 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 21:24:58 ID:Dd3Rw2Ng

ゆり「ここに無事に入るには合言葉が必要なのよ」

ゆり「対天使用の作戦本部というわけ」

ゆり「ここ以外に安全に話し合える場所などないわ」

マミ「……」

ゆり「んん?」

マミ「わかったわ、私なんかでよければ、仲間に…」

一同「おおっ」

マミ「それで合言葉は…?」

ゆり「…神も仏も天使もなし」

18 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 21:26:55 ID:Dd3Rw2Ng

ゆり「私はゆり、昨日も自己紹介はしたわね、この戦線のリーダーよ」

ゆり「で、彼は日向君、昨日も紹介した通り、ただのちゃらんぽらんよ」

日向「ああ、ってフォローしろよ~!これじゃただのちゃらんぽらんじゃないか!」

ゆり「彼は松下君、柔道五段だから敬意をもってみんなは松下五段と呼ぶわ」

松下「よろしくな」

マミ「どうも」

日向「って無視かよ……」

ゆり「彼は大山君、特徴が無いのが特徴よ」

大山「ようこそ、戦線へ」

TK「OK!Very Cute Girl!」

マミ「えっ??」

ゆり「この人なりの挨拶よ、みんなTKと呼んでるわ、本名は誰も知らない謎の男よ」

マミ「えっ?…大丈夫なのかしら」

19 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 21:28:55 ID:Dd3Rw2Ng

ゆり「眼鏡をいちいち持ち上げて知的に話すのは高松君、本当は馬鹿よ」

マミ「えっ」

高松「…よろしく」

マミ「…どうも」

ゆり「後、彼が藤巻君」

藤巻「藤巻だ」

マミ「…ど、どうも」

ゆり「で、さっき飛んでったのが野田君」

ゆり「影であさはかなりって言い続けてるのは椎名さん」

ゆり「こっちに座ってるのは岩沢さん、陽動部隊のリーダー」

20 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 21:29:25 ID:Dd3Rw2Ng

ゆり「後、ここにいないだけで、戦線のメンバーはまだ何十人と校内に潜伏してるわ」

マミ「…結構、大きな組織なのね…」

岩沢「この子に制服渡さなくていいの?ゆり」

ゆり「ああ、そうね、忘れてた」

マミ「そういえば、どうして私は、あなたたちとは違うの…?」

ゆり「あなたが違うんじゃないわ、私たちが違うのよ」

ゆり「それは模範生の格好、これが私たち、クラススリーエスの格好ってわけ!」

21 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 21:30:58 ID:Dd3Rw2Ng
夕方

学習棟A棟  屋上
マミ「…大きな学校ね」

ゆり「総生徒数、2000人強、全寮制のマンモス校よ」

ゆり「一体どこの誰が、こんな大きな学園を設置したのか未だにわからないわ」

マミ「…あの、こんなとこで話をして大丈夫なの、天使に聞かれたりは…?」

ゆり「ええ、作戦の話以外ならね」

マミ「そう…あの人たちも戦線の仲間なの?」

ゆり「今は部活やら帰宅やらの真っ最中ね」

マミ「私たちはしなくていいの?」

ゆり「そんなことしたら消えちゃうじゃない」

マミ「…え?」

ゆり「天使の言いなりになって授業や部活を真面目に受けると、私たち人は消えちゃうの」

22 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 21:32:47 ID:Dd3Rw2Ng
マミ「え…人は?」

マミ「あの人たちは人じゃないの?」

ゆり「その通り、彼らはNPCよ」

マミ「N…P…C…?」

ゆり「知らない?ノンプレイヤーキャラクター」

マミ「もしかして、ゲームの話かしら?」

ゆり「例えよ、連中はこの世界に始めからいる模範って意味」

マミ「じゃ、じゃあ、自意識は無いの?話しかけても同じことしか返さないとか…?」

ゆり「試してみたら?来たばかりのあなたには私たちとの違いは見抜けないと思うわ」

マミ「え…会話が成り立つの?」

23 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 21:34:56 ID:Dd3Rw2Ng
ゆり「ええ、適当な男子にでも告白してきたら?」

マミ「えっ!?告白!?」

ゆり「満面の笑みでOKされるわよ」

マミ「…よ、よくできてるのね…」

マミ「先生もなの?」

ゆり「そ、ちなみにNPCは歳をとらない、死なない、それは私たちも同じ」

マミ「……」

24 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 21:35:48 ID:Dd3Rw2Ng
ゆり「他に質問は?」

マミ「…あの、天使って、やっぱり強いの…?」

ゆり「そうね…戦闘力だけで言うなら尋常じゃないわ、昨日も言った通り」

ゆり「見た目はただの小さな女子生徒会長だけど」

ゆり「異常とも言える戦闘力をもっているわ」

マミ「…だからあんな銃で戦ってたってわけね…」

マミ「でも、いきなり襲ってくることはないのよね?」

ゆり「ええ、模範通りに校内活動を行わない生徒に対しては、まず口頭注意」

ゆり「逃げれば追ってくるし、先周りをして行く手を阻む」

マミ「…実力行使は?」

ゆり「目には目を!こっちが仕掛けたときはね」

マミ「やられることもあるってことね…」

ゆり「もちろん」

25 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 21:37:53 ID:Dd3Rw2Ng
ゆり「あと、模範通りには”ふり”だけでもしないことね、それで消えた奴もいるわ…」

マミ「…わかったわ、じゃあ最後に…」

マミ「神様について…本当にいるの…?」

ゆり「…私は信じるわ、まだ見たことはないけど」

マミ「天使は何か知らないの…?」

ゆり「この世界の根幹に関する質問にはノーコメントみたいよ」

マミ「……」

ゆり「…以上!勉強会は終了ね」

マミ「…うん」

ゆり「本部に戻りましょ」

マミ「…」

マミ「…ま、待って!ゆりさん」

ゆり「ん?」

マミ「私…私ね…本当は…」

マミ「魔法少女なの…」

26 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 21:48:07 ID:Dd3Rw2Ng
ゆり「えっ」

ゆり「……ああ…」

ゆり「好きなの?巴さん」

マミ「え!?」

ゆり「…い、いや、あなたのような見た目で、中身はオタクなんてちょっと意外だったから」

マミ「あ、えっと…もしかして…信じてない?」

ゆり「何を?あなたがオタクだってこと?」

マミ「…私が魔法少女だってこと」

ゆり「ちょ、ちょっと、ほんとに大丈夫!?」

マミ「…そうよね、信じてもらえないよね…天使との戦いに役に立てばって思ったんだけど…」

マミ「ここへ来て、一度も変身してないから、使えるかすらわからないし…」

27 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 21:50:52 ID:Dd3Rw2Ng

ゆり「……」

ゆり「じゃあ、何?あなたは魔法が使える魔法少女なの?」

マミ「…え、ええ、一応、生きてた頃はね…」

ゆり「じゃあ今ここでやってみなさいよ、そしたら私も馬鹿にしたりしないわ」

マミ「…でもここに来て一度も使ってないから、変身できるかすら…」

ゆり「いいから、やるの」

ゆり「このままじゃ、あなたはただの頭のおかしいオタクってことになるわよ」

マミ「…うう…」

29 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 21:53:49 ID:Dd3Rw2Ng

……

キン!…シュイーン…

ゆり「なっ…!!」
シュイーン…!

…スタッ

マミ「良かった…変身できたわ」

マミ「どう?これで信じて…」

ゆり「す、すごい…!!」

ゆり「な…何よ…これ…!こんなことが…この世界に…!!」

30 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 21:55:15 ID:Dd3Rw2Ng

ゆり「と、巴さん、あ、あなた…本当に魔法少女なの…!?」

マミ「ええ…生きていた頃はこうして魔女と戦っていたの…」

ゆり「…魔女…?と、とういうことは戦う魔法もあるの!?」

マミ「ええ、例えば…」
シュイーン…

バッバッバッバッバッ…

シュルルル…

ガチャン…!
マミ「こんな風にしてみたり」

マミ「私の魔法は、リボンによる拘束魔法と、このマスケット銃による戦闘スタイルなの」

31 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 21:58:33 ID:Dd3Rw2Ng
ゆり「……」

ゆり(こ、こんな力が使えるなんて…!こんな魔法さえ使えれば、天使なんて一撃だ…!!)

ゆり(今までチャーや椎名さんの戦闘力ですら敵わなかった天使でもこれなら圧倒できる…!完璧だ…!完璧過ぎる…!!)

マミ「…どうかしら、天使がどのくらい強いのかよくわからないけど…」

マミ「私のこの力は少しは役に……」

ゆり「立つ!!」

ゆり「立つどころか、この力はこの戦線の戦闘力を大幅に底上げするほどのものよ!」

ゆり「これなら絶対天使に勝てるわ!」

ゆり「今夜のミッションは決まったわ!!」

ゆり「急いで本部に戻るわよ!巴さん!!」
グイ

マミ「あっ」

ダダダダダダッ

32 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 22:02:04 ID:Dd3Rw2Ng
対天使用作戦本部
ゆり「…全員集まったわね、今夜のオペレーションを発表をするわ」

ゆり「今夜のオペレーションは単純よ……」

ゆり「…オペレーション名…『フォーリンエンジェルス』」

一同「!!」

高松「…そ、それは初めて聞くオペレーション名ですね…」クイ

野田「それっぽい名前であることはわかるが…」

藤巻「俺たちに似合わねーくらいカッコイイが…どーゆー意味だ、ゆりっぺ」

ゆり「相変わらず、あなたたちはアホね、そのままの意味よ…」

ゆり「『堕ちた天使』って意味…」

ゆり「つまり天使は今日の作戦で堕ちる!ってこと」

大山「え、それってどういう意味?」

ゆり「私たちの全戦力を以って天使を倒すってことよ」

ゆり「一回で理解しなさい、せっかくのカッコイイオペレーション名が台無しだわ」

33 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 22:03:33 ID:Dd3Rw2Ng
一同「え…はああああ!?」

日向「い、いきなり何言ってるんだ、ゆりっぺ」

大山「そ、そうだよ、普通にトルネードとかじゃないの!?」

ゆり「もちろん、トルネードも兼ねた作戦よ」

ゆり「作戦の概要としてはいつも通り、岩沢さんたちにライブをしてもらうわ」

ゆり「ただし、いつもより長く時間稼ぎをしてもらい、その間に外で私たちが全力で天使と戦う」

ゆり「今回は私と巴さんも天使の進行を阻止するバリケード班として戦闘に加わるわ」

ゆり「だから高松君、ライブ会場の指揮をお願い」

日向「ちょ、ちょっと待て!ゆりっぺ、いきなりすぎはしないか?」

大山「そ、そうだよ、ゆりっぺ、それに来て間もない女の子を戦列に加えるなんて」

松下「それに、武器だって足りないんじゃないか」

高松「そうですね、全力で戦えるほどの武器弾薬の備蓄は無いかと…」

野田「けっ、てめーらは相変わらず弱気だな、ゆりっぺの命令なら従うのが当然だろう」

日向「お前はいつも最初に殺されるからいいだろ…」

野田「なんだとぉ…!?」

34 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 22:05:05 ID:Dd3Rw2Ng

椎名「…過去に全員で挑んでも勝てなかったはずだが、何か得策があるのか…?」

一同「…」

一同「おおおぉっ!!」

藤巻「椎名がしゃべった!!」

大山「やっぱり、この作戦は中止するべきだよ!!」
ゆり「…ふ」

ゆり「…私が何の得策もなしにこんなオペレーションを実行すると思う?」

日向「ま、まさか、何か得策があるのか…!?」

ゆり「この子よ」

一同「…は?」

ゆり「この子はとんでもない能力を持っているわ」

藤巻「どこをどう見てもそうは見えないが…?」

ゆり「ま、説明するより実際に見たが早いわ、百聞は一見にしかずって言うでしょ」

35 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 22:07:22 ID:Dd3Rw2Ng

ゆり「オペレーションは予定通り行うわ」

ゆり「概要はさっきも言ったように、いつものトルネードでお願い、ただし今回は私もバリケード班として参加する」

ゆり「食堂を取り囲むように、それぞれ指定のポジションで武装待機」

ゆり「天使が現れたら各自発砲、それを増援の合図にして、全員で集中砲火」

ゆり「ライブが中止されるまで全力で戦うわ」

ゆり「さっきの力、期待してるわよ、巴さん」

マミ「う、うん」
ゆり「作戦開始時刻は18:30」

ゆり「オペレーション…フォーリンエンジェルス!スタート!!」

36 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 22:09:11 ID:Dd3Rw2Ng
日向「ま、待て、ゆりっぺ」

ゆり「なによ、まだなにか?」

日向「いや、天使は一人なのになんで複数形なのかな~と思って」

日向「だって『フォーリンエンジェルス』じゃ『堕ちた天使たち』にならないか?」

ゆり「……」ムカッ

ゆり「小さいことなんてどうでもいいでしょ!!さっさと作戦に取り掛かりなさい!!」

37 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/19(木) 22:11:46 ID:Dd3Rw2Ng
……

ゆり「…もう…全く、うちのアホ連中は…」

ゆり「ん?どうしたの…?巴さん、目を輝かせて…みんな作戦の準備に…」

マミ「え?」

マミ「あ、ああ!ゆりさんのオペレーション名のセンスに感動しちゃって…」

ゆり「へ?」

ゆり「ま、まあカッコよくは付けたつもりだけど…そ、そんなによかったかしら?」

マミ「ええ!とっても最高だわ!私でも考えつかないようなセンスですもん!!」
ゆり「…そ、そう…それはありがとう…」

ゆり(こんな名前で喜んでるって…この子意外と中二なのかしら…)
39 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 19:12:10 ID:co2jGLaI

~学園大食堂 18:30~

SSSメンバー「ガルデモライブ会場はこちらで~す」

……

ゆり「巴さん、あなたは私とここに、天使が現れたらすぐに変身して駆けつけてね」

マミ「わかったわ」

ゆり「日向君、あなたは第二連絡橋付近に展開して、天使が現れた場合はできるだけ広いとこに誘導を」

日向「へいへ~い、ったく人使いが荒いというか、なんというか」

学園大食堂 内部
遊佐「こちら遊佐です、照明班、音響班ともにスタンバイ完了、そろそろ頃合かと…」

遊佐「気が付いたファンが集ってきています」

ゆり「OKね」

岩沢「OK、じゃあ始めるとするか……」

40 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 19:14:37 ID:co2jGLaI
フッ…
カッカッカッ
ダカカカカカ!

♪~~~
一般生徒たち「うおおおお!!」
一般生徒たち「きゃー!!」
岩沢「背後にはシャッターの壁 指先は鉄の匂い」

一般生徒「おい、ガルデモだ!」
一般生徒「ライブ始まったよ!」
♪~~~

岩沢「find a way ここから」

ファン「find a way ここから~!」
♪~~~~
岩沢「found out 見つける」

ファン「found out 見つける~!」
♪~~~

41 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 19:16:33 ID:co2jGLaI
~第二連絡橋~
日向「ライブ始まったか…」

日向「…あ」

日向「…はあ、なんでここから来るかねえ…」

日向「おい、生徒会長、ライブ止めにきたんだろ、おらおら~、こっちだ、こっち」

日向「止めたきゃ俺たちを倒してみろ~」

スタスタ

天使「……」

日向「さて、そろそろ…」

パンッ!

全員「!!」
ゆり「銃声だわ、いくわよ!巴さん!」

マミ「うんっ!」
シュイン!

42 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 19:19:47 ID:co2jGLaI
日向(さて、広いとこには誘導したぞ、後はゆりっぺの得策とやらを…)
天使「……」

…ヒュルルルルッ!!

天使「!」
天使「…ガードスキル…ハンドソニック…」

バキッ!
ガキン!!

野田「…ちっ、外したか…」

日向「野田!」

藤巻「待たせたな」

大山「まだ、ハンドソニックだけだよ」

松下「後退しながら加重攻撃、余裕のある奴は回りこんで十字砲火!」

日向「おう!つかゆりっぺは!?」

藤巻「いくぞ……」

ガチャ…

43 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 19:20:47 ID:co2jGLaI

ゆり「待って!」

一同「!」

ゆり「巴さん!お願い!」

マミ「ええ!」
シュルルルル…
バッバッバッバッ…

天使「!!」

スギューン!
ガギン!
スギューン!
ガキン!

マミ「!」

マミ「くっ…!」

スギューン!
ガキキン!
スギューン!
ガキン!

ガガガガガガッ!

44 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 19:22:54 ID:co2jGLaI

日向「な…なんだよ…あれ…!!」

バキンッ!
ガキン!!
ゆり「…ちっ!全部跳弾させてる…!」

ゆり「全員、巴さんを援護!!遠距離から囲んで加重攻撃よ!」

ゆり「あんたたち、なに呆けてんの!!」

日向「あ…ああ!!」

ゆり(まだディストーションは発動していないはず、それならまだ勝機はある…!)

日向「くっ」

ゆり「いい……?」
ゆり「撃えっ!」

45 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 19:24:05 ID:co2jGLaI
ドガガガガガガガ!!

バキン!ガキン!
ガキキン!
ガキン!

藤巻「クソッ!」

日向「ディストーションは使ってねえっ!しっかり狙え!」

野田「これだから銃は!!」
シュルルルル…!!

ゆり「!」

ゆり「ナイス!巴さん!」
ガシッ!

天使「っ…」
マミ「ふっ、捕まえた」

マミ「…おとなしくしてね、天使さん」
47 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 19:42:16 ID:co2jGLaI
グググッ…

天使「っ!」

ゆり「そのまま拘束してて、巴さん」

マミ「ええ」

スタスタ…
ゆり「さあて、ついに捕まったわね、生徒会長さん」

ゆり「これでライブは止められないわ…どうするのかしら?」

天使「…くっ」

天使「……」

天使「…魔法少女なのね…」

49 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 20:59:54 ID:co2jGLaI

マミ「!!」
マミ「…ど、どうして私のことを…!」

天使「あなたのような人を見るのは初めてじゃないわ…」

マミ「…そ、そんな…!!」

ゆり(そんな…!以前にも巴さんのような力を持った人がこの世界にいたの…!?)

ゆり(でも、今はそれどころじゃないわ…神への糸口を探さないと…)

ゆり「…」

ゆり「おとなしく私たちに負けを認めて早く神に会わせなさい」

天使「まだ、そんなことを言っているの…?」

天使「それに…」

天使「私は負けてないわ」

天使「…ガードスキル…ディストーション…」

50 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:02:02 ID:co2jGLaI
…シュルルル!

バッキン!
ザシュッ!
マミ「!」

ゆり「くっ…やっぱりディストーションで弾かれるか…!」

ゆり「全員、遠距離から一斉射撃!」

日向「い、いいのか!?」

大山「ディストーションが発動してるよ!」

ゆり「いいから、やるのよ!」

51 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:09:14 ID:co2jGLaI
ドガガガガガ!!

キキン!キン!キン!
キキキン!キン!

椎名「…ふんっ!」
ヒュッ!

ガギン!

バシュー!
ドカーン!
日向「クソ!無理だったか!」

野田「ええい!」

藤巻「まだかよ!巻き上げは!!」
ダカカカカ!!
ドガガガガ!!

52 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:13:33 ID:co2jGLaI
ゆり「こちらゆり、聞こえる?遊佐さん」

遊佐「はい」

ゆり「そっちの状況を教えて」

遊佐「盛り上がりは最高潮と判断します、今のところ妨害は確認できません」

ゆり「了解、じゃあ今すぐ回して」

遊佐「了解」

遊佐「回してください」
ブウウウン…

ヒラヒラ…
ヒラヒラ…
日向「ようやくか…」

マミ「…こ、これは…」

ゆり「それでいいの?いくわよ、巴さん」
ダッダッダッダッダッ……

53 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:14:50 ID:co2jGLaI
~学園大食堂~

…シーン…
一同「……」

ゆり「…どうしたの?みんな、早く食べないの?」

日向「いや…今この状況を理解してるのはお前だけだ、ゆりっぺ」

マミ「あはは…」

ゆり「仕方ないわねえ…」

ゆり「ゴホン…」

ゆり「みんな、新しく戦線に入った巴さんのことは説明したわね」

ゆり「彼女はね、実は生前、魔法少女だったの」

一同「……」

一同「はああああ~!!?」

54 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:16:17 ID:co2jGLaI
マミ「…ちょ、ちょっと、ゆりさん!」

ゆり「なによ、いいじゃない、どうせみんなの前で戦ってみせたんだし」

マミ「そ、そうだけど……いきなり言わなくても…」

日向「つ、つまり、さっきのは全部魔法だったってわけか!?」

マミ「…ま、まあ」

藤巻「う、嘘だろ…」

大山「漫画の世界とかの話じゃないの…?」

野田「…魔法少女ってなんなんだ?」

日向「いや、お前はそこからかよっ」

松下「まさかとは思ったが…」

高松「…有り得ないですね」

ゆり「まあまあ、みんな」

ゆり「私も最初は信じられなかった、でもこうして見せられたら信じざるをえないじゃない?」

ゆり「少なくとも彼女は今こうして変身できるわけだし…」

ゆり「巴さん、変身してみて」

55 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:17:33 ID:co2jGLaI

マミ「え!こ、ここで!?」

ゆり「もっちろん」

マミ「…うう…」
…シュイン!
一同「おおおぉ!!」

日向「…こ、こんなこともありなんだな、この世界は…」
ゆり「とりあえずこの力は天使を倒す上でも大きな戦線の戦力となるわ」

ゆり「今回は取り逃がしたけど、この先も彼女のこの能力を活かせれば」

ゆり「必ず天使を倒すきっかけになると思うの」

ゆり「だからみんな改めて、よろしくね」

マミ「よ、よろしくお願いします」

56 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:23:15 ID:co2jGLaI
ゆり「さあさあ、説明会はこれくらいにして、食堂に来てるんだし、早く食べましょ、みんな」

モグモグ…
ガヤガヤ…

日向「しっかし、魔法少女なんて驚いたなあ」

大山「うん、漫画の世界だと思ってたよ~」

藤巻「信じられねえ…」

野田「ま、魔法少女とは何なのだああ!」
日向「もしかして、魔法少女って他にもたくさんいたのか?巴さん」

マミ「え、ええ…他にもたくさんいたわ」

大山「も、もしかして巴さんよりも強い子もいるの?」

マミ「もちろん、私なんかまだまだね」

藤巻「剣とか使う奴もいるのかよ」

マミ「ま、まあ武器はみんなそれぞれ違うわ」

野田「まさか、ハルバート使う奴はいねえだろうな」

マミ「さ、さすがにそれはいないと思うわね」

57 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:24:25 ID:co2jGLaI

ゆり「ちょっとあんたたち、巴さんに質問し過ぎ、困ってるじゃない」

日向「別に困ってないだろ」

ガヤガヤ
マミ「あははは…」
マミ「……」

マミ(…結局、私はこの人たちに魔法少女ということを明かし、共に戦っていくことにしたけれど)

マミ(この先にあるのは一体何なのかしら…)

マミ(…この時の私はまだこの世界が何なのかもイマイチ理解できていなかった…)

58 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:25:21 ID:co2jGLaI
同時刻
~学習棟A棟前~
………

??「…こ、ここは…?」
??「あれ、あたし確か…駅に…」
??「何だろう…この制服…それに、ここは一体…」

59 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:26:34 ID:co2jGLaI
数日後
~対天使用作戦本部~

ガヤガヤ
ゆり「…巴さん、ちょっといいかしら?」

マミ「え?あ、うん」
______

~教員棟 3階 空き部屋~

ゆり「…そこに座って」

マミ「う、うん…」

60 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:27:55 ID:co2jGLaI

ゆり「…あなたの生前の過去にまで立ち入る気はないけど」

ゆり「私たちはあなたのような人を見るのは初めてなの」

マミ「……」

ゆり「だから私にだけでも、『魔法少女』ってのについて詳しく教えてほしいの」

ゆり「もちろん、あなたの死因や話したくないことは無理に話さなくていいわ」

ゆり「でも、あなたは今の戦線にとって重要な存在なの、それだけはわかってほしい…」

マミ「……」

マミ「わかったわ…」

61 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:30:14 ID:co2jGLaI
マミ「…私が魔法少女になったのは交通事故で家族を亡くして、私の命もそこで契約していなかったら死んでいたの」

マミ「私は…『命を繋ぐ』契約で魔法少女になったの…」

ゆり「…契約…って?どういうことかしら」

ゆり「あなたは魔法少女になりたくてなったんじゃないの?」

マミ「誰も…好き好んで魔法少女になる子なんていないわ…」

マミ「私たちは自分の祈りを叶える代償として魔法少女となり、魔女と戦う運命を背負うの…」

ゆり「……なるほどね」

ゆり「そうして巴さんは魔女と戦ってたわけか」

マミ「ええ…」

ゆり「そして、その…魔女に負けたの…・?」

マミ「…そういうことね」

マミ「私には後輩がいたの…」

マミ「同じ中学の後輩でね、その子たちも魔法少女に選ばれた子だったんだけど」

マミ「願い事が決まらずに躊躇ってたみたい」

マミ「…今ごろどうしてるのかな…」

62 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:32:16 ID:co2jGLaI
ゆり「……」

マミ「…ゆりさん、あのね…私はね…」

マミ「家族が事故で死んじゃって、それから魔法少女をやるようになって」

マミ「普通の友達とも遊んだりする時間無くなっちゃって」

マミ「魔法少女の子も他にもいたんだけど、私みたいな子って少なくて」

マミ「魔法少女の友達もできなかったの…」

ゆり「……」

マミ「だから、今のこの戦線のみんなが羨ましいの…」

マミ「…あんな風に私も仲良くなれらなって思うの…」

ゆり「それなら心配いらないわ」

マミ「…え?」

63 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:34:04 ID:co2jGLaI
ゆり「…ここにいる連中はみんな巴さんのような過去を持った奴ばかりなの」

ゆり「夢半ばにして、両親の喧嘩のとばっちりをうけて死んだ子や」

ゆり「全力でしてた部活を自分のせいで失敗して、自分を責めながらそのまま事故で死んだ奴とか」

ゆり「生まれつきの全身麻痺で、やりたいことが何ひとつ出来ずに死んだ子とか」

ゆり「ここにいるみんなは、理不尽な人生を送って、そんな人生を強いた神に抗おうという連中ばかりなのよ」

ゆり「だからあなたも、すぐに仲良くなれるはずよ」

マミ「…うん、ありがと、ゆりさん」

64 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:34:54 ID:co2jGLaI

ゆり「あ、でも、あなた男子苦手でしょ?」

マミ「へ…?」

マミ「あ…う、うん…ばれてた…?」

ゆり「もちろん、だって男子と話す時、明らかに顔違うし、なんか違和感だらけだったし」

ゆり「男子と仲良くするのは無理かもね」

マミ「えぇ!?」

ゆり「んふっ、冗談よ、冗談、まっ慣れるまでは戦線の女の子やガルデモと仲良くなりなさいよ」

ゆり「みんないい子ばっかりだから」

マミ「…うん」

65 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:36:28 ID:co2jGLaI

ゆり「それと、こないだの戦闘の時に天使が言っていたけど」

ゆり「『あなたのような人を見るのは初めてじゃない』って、これって…」

マミ「…ええ、おそらく今までに私と同じような魔法少女に遭遇したことがあるってことでしょうね…」

ゆり「…となると状況は最悪ね」
マミ「え?」

ゆり「あなたのような特殊な能力を持った人間と天使が既に遭遇しているなら」

ゆり「天使は魔法少女に対する能力も有しているということになるわ…」

マミ「…確かに、そうかもしれないわ…」

66 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:38:06 ID:co2jGLaI
ゆり「……」
ゆり(イレギュラー過ぎるほど、すごい能力を持った子が現れてくれたのに、天使がそれを既に知っていたなんて…!)

ゆり(もっとイレギュラーだわ、イレギュラー過ぎよ…でも、それならこの間の戦闘だって納得がいく)

ゆり(いくら天使とはいってもあんなのを見せられたら少しは驚くはず…でも動じてすらいなかった)

ゆり(それに巴さんの能力に対応しきっていたところを見ると…やはり過去に魔法少女と会っていたと考えるのが妥当か…)
ゆり「巴さん」

マミ「?」

67 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:40:04 ID:co2jGLaI

ゆり「魔法少女の能力ってみんな同じなのかしら」

マミ「契約によって発現する魔法はみんなそれぞれ違うわ」

マミ「私の場合は『命を繋ぐ』契約で魔法少女になったから、リボンによる拘束魔法が得意だけど」

マミ「契約者の願い事によってそれは大きく変わってくるわ」

ゆり「…つまり、みんなそれぞれ違うのが、基本ってことかしら」

マミ「ええ、そうなるわね」

ゆり「…じゃあ、仮に天使が過去に魔法少女に遭遇していたとしても、その魔法少女は巴さんと違う能力ってことかしら」

マミ「100%じゃないでしょうけど、ほぼ、そうなるわね」

68 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:40:59 ID:co2jGLaI

ゆり「…なるほどね」

ゆり「それじゃ、行くわよ、巴さん!」

マミ「えっ、ど、どこに…?」

ゆり「私たちだけじゃ埒があかないから、直接聞きにいくのよ」

マミ「だ、誰に…?」

ゆり「何言ってるの、決まってるじゃない」

ゆり「…天使によ」

69 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:43:19 ID:co2jGLaI
学習棟A棟 廊下

スタスタ…
マミ「え、ええっ、ちょっと天使に会うって!?大丈夫なの?」

ゆり「大丈夫よ、生徒会長に会って話を聞くだけなんだし」

マミ「そ、そうだけど…」

ゆり「そう言えば一つ気になったんだけど」

マミ「?」

ゆり「その…『契約』ってやつで魔法少女として魔女と命がけで戦うのはわかるんだけど」

ゆり「それ以外に大変なことってないの?魔女に負けさえしなければ魔法は使い放題なの?」

ゆり「もしそうなら、魔法少女になりたいって子がいてもおかしくないと思うんだけど…」

マミ「いいところに気付くわね、ゆりさん」

70 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:44:32 ID:co2jGLaI

マミ「確かに、自分の願いを叶えて魔法少女になって、魔法が使いたい放題なら」

マミ「魔女にさえ気をつけてれば、とても都合のいい話だわ」

ゆり「ええ、そうでしょうね」

マミ「でも、魔法を使うためには、魔女を倒さなくてはならないの」
スッ…

マミ「これを見て」

ゆり「これは…!」

マミ「これは『ソウルジェム』と言って魔法少女の証であり、魔力の源なの」

ゆり「ソウル…ジェム…」

マミ「今はこんな風にして透き通って綺麗だけど、魔力を使えば使うほど、穢れを溜め込んで、色が濁っていくわ」

マミ「そして魔女を倒すとたまに、魔女が『グリーフシード』というものを落とすわ」

マミ「それを使って穢れを浄化して魔力を回復させるの」
72 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:48:49 ID:co2jGLaI
ゆり「な、なんだか、とても複雑ね…」

ゆり「つまり魔力は使い放題ってわけじゃなくて、使った分はちゃんと回復させないとダメってことかしら」

マミ「うん、そういうことね」

ゆり「ん?ちょっと待って、それならあなたは大丈夫なの!?」

ゆり「この間の戦闘であんなに魔力を使ったけど…!?」

マミ「…うん、それを私も心配してたんだけど、この世界に魔女はいないみたいなの」

ゆり「おそらくそうでしょうね、私もこの世界で魔女みたいな存在は今まで見たことないわ」

ゆり「まあ生きてたときも見たことないけど…」

マミ「一度変身したときに思ったの、ソウルジェムが全く濁ってなかったから…」

マミ「まだ、はっきりわからないけど、もしかしたらこの世界では魔法は使い放題なんじゃないかって」

ゆり「……なるほどね、この世界では魔法少女にそんなメリットが発生するってわけ…」

マミ「まだ決まったわけじゃないけどね」

ゆり「……」

ゆり「…着いたわ、ここよ」

73 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:51:02 ID:co2jGLaI
~学習棟A棟 教室~

…ガラララ

ゆり「休み時間か、ちょうど良かったわ」

スタスタ…
ゆり「生徒会長さん、ちょっといいかしら」

天使「…何かしら、もうすぐ授業が始まるのだけど…」

ゆり「至急の議題があるんですけど、生徒会室に今すぐいいかしら」

天使「先生が来るわ、早く席について」

ゆり「…っ!」ムカッ

マミ「ちょ、ちょっとゆりさん、落ち着いて…」

74 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:52:17 ID:co2jGLaI
ガラララ…

NPC教師「おーい、授業始めるぞ、席つけー」

NPC教師「ん?おい、そこ、どうした」
ゆり「先生、この子体調悪いみたいなので、保健室で休ませてあげてもいいですか?」

NPC教師「そうなのかー、わかった、連れていってやれ」

ゆり「はーい」

ゆり「ほら、行こう」ニコ

天使「……」
スタスタ…

ゆり「行くわよ、巴さん」

マミ「う、うん」

75 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:53:29 ID:co2jGLaI
~学習棟A棟 生徒会室~
ゆり「ようやく来てくれたわね」

天使「早く授業に戻りたいのだけど…」

天使「で、何かしら至急の議題って」

ゆり「魔法少女についてよ…」

ゆり「こないだ巴さんに言ってたわよね」

ゆり「あなたのような人を見るのは初めてじゃないって」

ゆり「それってやっぱり過去にここで魔法少女に会ったことがあるってことかしら」

天使「…そんなことを聞くためにわざわざ授業を抜けさせてここに呼んだの」

ゆり「いいから質問に答えて」

76 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:55:23 ID:co2jGLaI

天使「……」

天使「そうね…確かに私は過去に『自分は魔法少女だ』と名乗る子に会ったわ」

ゆりマミ「!」

ゆり「…その子はどうしてこの世界に来たの」

天使「それだけの理由があったからよ」

ゆり「……」

ゆり「その子は今どこにいるの?」

天使「さあ、そこまでは知らないわ」

ゆり「…もしかして、もうこの世界にいないの…?」

天使「…知らないわ」

天使「もう授業に戻っていいかしら」

77 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:56:36 ID:co2jGLaI
ゆり「待って、最後に一つだけ答えて」

天使「…?」

ゆり「あなたはその子に負けたの?」

天使「……」

天使「一度だけ…」

天使「でも、それからは対処したわ」

ゆり「!!」

マミ「……」

天使「それじゃ…私は授業に戻る…」

ガラララ…
ゆり「…」

ゆり「一度だけ、負けたことがあると言っていたわね…」

マミ「ええ…その魔法少女の子がどんな能力だったのかはわからないけど…」

ゆり「…作戦次第ってことかしらね」

78 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:58:22 ID:co2jGLaI
~学習棟A棟 廊下~
スタスタ…

ゆり「はあ~…聞くだけのことは聞いたし、本部に戻りましょ、巴さん」

マミ「うん」

マミ「これからどうするつもり、ゆりさん」

ゆり「そうね、とりあえず考えなきゃならないことがたくさんあるわ…色々とね…」

マミ「そっか」

ゆり「……」
スタスタ…
??「あ、あの、マミさん…?マミさんですよね!?」
マミ「え?」

マミ「み、美樹さん!!」

84 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:04:41 ID:MIU4C.bU

マミ「ど、どうしてここに!?」

ゆり「!」
さやか「いやあ、やっと本当の知り合いに会った気分ですよ~!」
さやか「ん~、でもマミさんがいることってことは」

さやか「あたしもやっぱり死んじゃったのかあ…」

さやか「天国って、本当にあるのかと思ってたら、まさかの学校なんてビビリました!」

マミ「あ、あの、美樹さん」

さやか「…でも、良かった、マミさんに会えて…なんか周りは知らない奴ばっかで…」

ゆり「…あの、巴さん、この人は知り合いかしら」

マミ「え、ええ」

ゆり「ということはこの子は人間ってこと?」

マミ「もちろんよ」

85 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:06:04 ID:MIU4C.bU

さやか「ん?なんだかよくわかんないけど、天国でのマミさんのお友達ですか?」

マミ「ま、まあ」

ゆり「あなた、ちょっといいかしら」

さやか「え?あたし?」

ゆり「あなた、生きていた頃の記憶あるんでしょ?」

さやか「うん、もちろん」

ゆり「なら話は早いわ、入隊してちょうだい」

さやか「へ?入隊?って」

マミ「こ、ここは私が説明したほうが…」

ゆり「そう?じゃあお願い、巴さん」

86 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:10:10 ID:MIU4C.bU

……………
さやか「ええぇぇ~っ!!」

さやか「ここは天国じゃないの!?」

さやか「そ、そしてここには天使って奴がいて」

さやか「そいつを倒せばこの世界を手に入れれるの!?」

ゆり「ええ、それが私たち『死んだ世界戦線』の目的よ」

さやか「な、なるほど…それでマミさんはその人たちと一緒にいるわけですかあ」

マミ「そんなとろね」

ゆり「そういうこと、どう?あなたも入隊する気になったかしら?」

さやか「もちろん…マミさんがいるなら、あたしもそれについていきます!」

87 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:11:54 ID:MIU4C.bU
ゆり「じゃあ決定ね、私はゆり、この戦線のリーダーをしているわ」

さやか「あたしは『美樹さやか』、マミさんの後輩やってます」

ゆり「美樹さんね、これからよろしく」

さやか「はいっ、ゆりさん」

ゆり「それと…参考までに聞いておきたいんだけど、もしかして美樹さんも魔法少女なのかしら」

さやか「おお、よくぞ聞いてくださいましたあ!」

スッ
さやか「じゃじゃーんっ」

ゆり「これは…」

マミ「…水色のソウルジェム…」

マミ「…美樹さん、やっぱり契約を…」

さやか「う、うん、あの後いろいろあってね…あたしも色々考えたんだけど…やっぱり…」

マミ「そ、そう…」

88 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:12:52 ID:MIU4C.bU

ゆり「とりあえず、あなたも魔法少女なのね、美樹さん」

さやか「うんっ」

ゆり「それは良かったわ、あなたも戦線の重要な存在ってことね」

さやか「へへっーんっ!そりゃ天下のさやかちゃんですからね~」

ゆり「期待してるわ」

ゆり「じゃあ、戦線のみんなに挨拶にいくわよ、本部へ戻りましょ、二人とも」

マミさや「うん」

89 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:15:13 ID:MIU4C.bU
対天使用作戦本部
ゆり「ということで、戦線に新たな仲間が加わることになったわ」

ゆり「巴さんの後輩である、美樹さやかさんよ」

さやか「美樹さやかです、これからガンガン天使倒すために活躍するんで、よろしくお願いしますっ」
藤巻「おいおい、ガンガン天使倒すって…」

日向「…まさか…」

野田「ハッ!何がガンガン天使倒すだ!まずは俺を倒してから言いな!」
ジャキン!

さやか「あの~、ゆりさん、この人はどうすれば…」

ゆり「ああ、その人はアホだからほっといてあげて」

野田「……」

野田「勝負しろ!新入り!!」

90 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:17:11 ID:MIU4C.bU
日向「あ~あ、また始まった…」

さやか「…やってやろうじゃん!さやかちゃんなめたら痛い目見るからねっ」

大山「無視してあげて、その人はアホなんだ、そっとしといてあげて」

ゆり「そうね、せっかくの機会だし、野田君、美樹さんと勝負してみたら」

ゆり「美樹さん、全力でそのアホを倒してみて」

さやか「え、いいんですか」

ゆり「大丈夫よ、どうせこの世界じゃ死にはしないから」

さやか「じゃあ、遠慮なく…」

シュイン!
一同「!!」

野田「ハッ!やっぱり、てめえも魔法なんたらか!」

野田(ここでコイツを倒せば、ゆりっぺも少しは俺のことを…)

91 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:18:43 ID:MIU4C.bU
…ザシュッ!

野田「って…あれ…?」

ドタ…

日向「ああ、アホだ…」

さやか「へへ~ん、さやかちゃんにかかればこんなもんなんですからね~」

藤巻「…よ、容赦ねえんだな…魔法少女って…」

さやか「さあて、次は誰が相手かな~」

チラッ

大山「ひいっ!」

92 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:19:50 ID:MIU4C.bU

さやか「な~んてね、冗談、冗談っ」

マミ「…ちょ、ちょっとやり過ぎじゃないかしら、美樹さん…」

さやか「あ、ははは、ちょっとやり過ぎちゃいましたかね~」
ゆり「とりあえず、これで魔法少女が2人も戦線に加わってくれたわ」

ゆり「これは戦線にとっても大きなことだし、この2人は重要な存在なの」

ゆり「だから、みんなよろしくね」

93 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:21:38 ID:MIU4C.bU
学習棟A棟 屋上
さやか「…みんな思ったほど悪い人じゃないみたいですね、マミさん」

マミ「ええ、みんないい人たちばかりよ」

さやか「面白い人たちみたいだし」

マミ「うん」

さやか「…大きな学校なんですね」

マミ「…うん、まさか死んだらこんな世界に来るなんてね」

さやか「……」

さやか「とりあえず、マミさんに会えてよかったです」

さやか「あたし、マミさんに会ったら謝りたかったんです」

マミ「え…?謝るって…」

94 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:23:24 ID:MIU4C.bU
さやか「ごめんなさいっ」ペコッ

さやか「あたしのこと、心配してあそこまで、忠告してくれたの…結局あたし契約しちゃって…」

マミ「……」

マミ「でも、自分で決めたことでしょ…」

さやか「はいっ、もちろん、あたしは他人の願い事を叶えたこと後悔してないですよ」

マミ「そう…彼の願いを叶えたのね…あなたが後悔してないならそれは意味があったってことよ…」

さやか「はいっ」

さやか「まあ、でもあたし死んじゃったんですけどね」

さやか「あはは……」

マミ「……」

95 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:24:49 ID:MIU4C.bU

さやか「あたし、あたし…死んじゃったんですよねっ…ひっく…」

さやか「も、もう…恭介にも…まどかにもっ…家族にも…会えないんですよねっ……ううっ…ひっくっ…」

マミ「美樹さん……」

さやか「マミさんっ…!あたしっ、あたしっ…!」
ダキッ

マミ「大丈夫、大丈夫よ…美樹さん…私はいつまでも美樹さんといるから」

さやか「ううっ…ひっくっ…ぐすっ…」

さやか「…久しぶりに会ったのに、ごめんなさい…マミさん」

マミ「ううん、いいのよ…」

マミ「…そうよね…後悔があって当然だわ…私だってそうだった…」

さやか「……うん」

96 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:26:29 ID:MIU4C.bU

マミ「でもね、ここはみんなそうなの…」

マミ「みんな同じような人生を送ってここにいるの…」

マミ「あの人たちもみんな、ああして笑っているけど、それでも理不尽な人生を送ってきているの…」

さやか「…そうなんですよね、あたしだけじゃないんですよね…」

マミ「ええ、だから私はあの人たちといると決めたの…」

マミ「この世界のことも、まだよくイマイチわからないけど、それでもあの人たちといると私は楽しいわ」

さやか「そうですよね、あたしもみんなと早く仲良くならなくっちゃっ」

マミ「美樹さんなら大丈夫よ、すぐに仲良くなれるわ」

マミ「だって、美樹さんは私と違って友達作るの上手そうですもん」

さやか「いやいや~そんなことないですよ~」

97 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:28:10 ID:MIU4C.bU
数日後
~対天使用作戦本部~
ゆり「それじゃ、総員に通達する」

ゆり「美樹さん、カーテン閉めて」

さやか「はーい」
ゆり「今回のオペレーションは天使エリア侵入作戦を行う」

ゆり「決行は三日後」

一同「おおぉ!」

日向「だいぶ前から話はしていたが…」

藤巻「いよいよ決行の時が来たか…」

松下「う~ん、これは難しいのがきたなあ」

高松「天使エリアへの侵入ですか…」

大山「計画はしてたけど、実際大丈夫なのかなあ」

椎名「あさはかなり」

98 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:29:32 ID:MIU4C.bU

ゆり「まあまあ、魔法少女という戦力がありながら、これを持て余しておくのはあまりにももったいなすぎる」

ゆり「今をおいて決行のチャンスは無いと思うの」
ゆり「予定通り、陽動部隊であるガルデモに体育館で時間稼ぎをしてもらい、主力部隊が天使エリアへ侵入」

ゆり「そして、一番の要である天使の侵攻阻止にあなたたち2人であたってもらうわ」

99 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:30:34 ID:MIU4C.bU

マミ「その、『陽動』ってのは何なの?」

ゆり「トルネードの時に聞いてなかったの?」

マミ「天使との戦闘に気を取られてて…」

ゆり「岩沢さんは校内でロックバンドを組んでいて、一般生徒の人気を勝ち得ている」

ゆり「私たちは彼らに直接危害を加えないけど、時には利用したり、妨げになる時は」

ゆり「その場から排除しなくてはならない、そういう時に彼女たちが陽動するの」

さやか「ええ!?バンドしてるんですか!?」

岩沢「ああ…」

日向「つまり彼女たちのバンドにはそれだけの実力と魅力があるってことだ」

マミ「…すごいのね」

100 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:32:34 ID:MIU4C.bU

ゆり「それじゃ気を取り直して、作戦の概要を説明するわ」

ゆり「作戦参加部隊は大きくわけて三つ、一つは私を中心とする天使エリアに侵入する主力部隊」

ゆり「天使エリアの防衛体制、また規模も不明なため必要人員は6名か7名と判断するわ」

ゆり「もちろん各自武装してね」

ゆり「次は岩沢さんを中心とする陽動部隊、ガルデモのライブでの一般生徒の陽動が任務となるわ」

ゆり「ただし、今回、トルネードと違うのはゲリラライブと違い、告知での体育館占拠ライブを行ってもらうわ」

一同「!!」

日向「大丈夫なのか!?それ!?」

ゆり「もちろんリスクは伴うわ、告知ライブだから、おそらく天使も事前に何か手を打ってくるかもしれない」

ゆり「それに、天使は足止めできたとしても、問題はNPCの教師」

ゆり「作戦決行は夜を予定しているし、告知での体育館占拠、生徒会長が動いて、それでもライブが続いていれば」

ゆり「次は間違い無く、教師が動くことになるわ」

ゆり「もちろん陽動部隊の別働班に教師たちの時間稼ぎはしてもらう予定だけど」

ゆり「それでもどこまでもつかは不明だわ」

102 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:33:52 ID:MIU4C.bU

ゆり「万が一、教師、もしくは天使の介入でライブを中止された時点で作戦は中止、各自タイミングを見計らって撤退」

ゆり「天使エリアでの作戦行動時間確保のためにも、ガルデモには多数の一般生徒を陽動してもらい」

ゆり「時間を稼いでもらう必要がある、今回の作戦はいつも以上に重要になるわ、岩沢さん、派手によろしくね」

岩沢「オーケー…」

ゆり「そして、最後が巴さんと美樹さんによる、天使の侵攻阻止部隊よ」

ゆり「ライブが始まって、天使がどんな対策に出るかは、不明だわ」

ゆり「でも天使発見の報せを受けたら、あなたたちは即天使に接触」

ゆり「そして、場合によっては武器を使用して天使を誘導、侵攻を阻止してもらうわ」

103 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:35:25 ID:MIU4C.bU

マミ「うん」

さやか「これは、あたしたちにしかできない役目だね」

ゆり「以上!これが作戦の概要よ」

ゆり「作戦決行はさっきも言った通り、三日後の18:00、ライブの開始は19:00を予定しているわ」

ゆり「各部隊の行動の詳細については各自、折り入って連絡する」

ゆり「今回のオペレーションは戦線始まって以来の大掛かりなオペレーションになる」

ゆり「全員、気を引き締めてかかりなさい!」

一同「おお!!」

104 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:39:38 ID:MIU4C.bU
翌日
~学習棟B棟~
スタスタ…
さやか「おっしゃあ、初のオペレーションだあ、燃えてきたあっ!」

マミ「いくら死なないからって油断しちゃダメよ、美樹さん、天使だって強いんだから」

さやか「もっちろんっ、わかってますよ~っ」

105 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:41:18 ID:MIU4C.bU
学習棟B棟 掲示板
??「っと、ほっ…と、よっと…」ペタペタ

さやか「へえ、これが派手な陽動ってやつかあ」

??「へっ!」

??「おあ!?」

さやか「ああ、ごめん、驚かせた?」

ユイ「ああ、あなたたちでしたか」

さやか「え?あたしたちのこと知ってるの?」

ユイ「はいっ」

ユイ「いつもデカイ斧持って歩いてる先輩が、奴らは最悪をもたらすから注意しろとかなんとか言ってました」

マミ「あははは…野田君ね…」

さやか「ところで…ええっと…」
106 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:43:08 ID:MIU4C.bU
ユイ「『ユイ』です!まだ陽動班の下っ端ですが…ガルデモのお手伝いができるなんてそれだけで満足ですっ!!」

さやか「へえ…じゃあ『ユイ』って呼んでいい?」

ユイ「はいです!」

ユイ「でも、どうしてですか?いきなり私のこと名前で呼ぶなんて…ま、まさか…!」

ユイ「も、もしかして女の子にしか興味ない…とか?」

さやか「んなわけあるかっ」

ユイ「じゃあ、どうしてですか?」

さやか「ん~…なんでだろ、あたしにもよくわかんないけど…なんかあたしに似てるなあ~と思って…」

ユイ「ええ?私がですが?」

マミ「あ、言われてみれば確かに、あなたたち声がそっくりだわ!」

さやか「おお、なるほど、だからなんか似てると思ったんだあ~」

107 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:44:49 ID:MIU4C.bU

ユイ「ええ?そうですかあ~?似てますかあ~?」

ユイ「ユイの方が可愛いと思うんですけどねえ~」

さやか「……」ムカッ

さやか「ああ、やっぱり似てないわ、あたしこの子みたいに自信過剰じゃないし~」

ユイ「んだとこらああああ~」

さやか「何よ~自分で可愛いって言ってたじゃん~」

マミ「まあまあ、2人とも落ち着いて」

112 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:12:51 ID:yM.26Z3Y

~作戦開始日~

18:00
ゆり「各員、準備はいいわね、オペレーションスタート!!」

113 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:15:41 ID:yM.26Z3Y
~女子寮前~
ゆり「だいぶ人は減ってきたようね…」

日向「しかし…まさかこの人数で女子寮に侵入することになるとはなあ…」

ゆり「遊佐さん、そっちの状況は?」

遊佐「こちら遊佐です」

遊佐「ライブ開始一時間前ですが、一般生徒が集まり始めています」

ゆり「了解」

ゆり「巴さん、聞こえる?」

マミ「え!あ、うん、びっくりした…」

ゆり「インカムの使い方、遊佐さんに習ったでしょ、いい加減覚えなさい」

ゆり「あなたたちは予定通り体育館にて待機ね、おそらく天使発見の報が入るから」

ゆり「それが入ったらすぐに現場に向かって」

マミ「うん」

さやか「さやかちゃんがいるからだいじょぶ、だいじょぶ!」

ゆり「美樹さんも期待してるわ」

114 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:16:46 ID:yM.26Z3Y

19:00

~体育館~
岩沢「時間だ」

岩沢「さあ、派手にやろーぜ!」
ギュイィィン!

115 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:18:41 ID:yM.26Z3Y

~女子寮~
コソコソ…

ゆり「主力部隊、女子寮侵入に成功」

ゆり「日向君、よろしく」

日向「…あいよ」
ガチャガチャ…

日向「クソ…なかなか開かねえな…」
ガチャガチャ…

ゆり「何してんの!早くしなさいよ!」コソコソ

日向「やってるよ!」

116 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:19:58 ID:yM.26Z3Y

日向「ったく…ピッキングなんて早々できるかよ」
ガチャガチャ

ゆり「あれだけ練習させたじゃない!」

大山「ええ!日向君ピッキングの練習してたの!?」

日向「ゆりっぺに強制させられたんだよっ」

野田「こういうコソコソしたのには貴様がピッタリだ」

日向「そりゃてめーは目立つからな!」

ガチャガチャ…

カチャ!
日向「お!開いた!!」

117 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:21:24 ID:yM.26Z3Y

松下「……」
ガチャ…

ドタタタタ!

…ジャキ!
野田「クリア!」

日向「クリア!」

ゆり「よし、侵入成功ね」

ゆり「天使エリアへ侵入、電気は消したままにしといて」

日向「見たところ、前に来たときと変わらないみたいだが…」

ゆり「とりあえず私はパソコンのデータを漁ってみる」

ゆり「後は部屋に怪しいものがないかどうか、探してみて」

高松「どう見ても普通の部屋ですが…」

ゆり「いいから、何か怪しいものが無いか、探すのよ!」

118 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:23:22 ID:yM.26Z3Y
その頃
~体育館~


ギュイィィィン!

NPC「おおおお!!」

NPC「きゃああ!!岩沢さ~ん!!」

NPC「イエイ!イエイ!ヒュー!ヒュー!」
マミ「すごい…」

さやか「ほんとにすごいですよ…女の子だけでこれだけの演奏力なんて…」

ユイ「ね?言ったでしょ!?これがガルデモなんだから」

さやか「ユイ!どうしてあんたがここに」

ユイ「そりゃ私は陽動班ですから、ライブを見守るのも任務ですしっ」

さやか「あんたが言ってた通りホントにすごいね、ガルデモは…」

ユイ「ふんっ、でしょ!でしょ!」

119 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:24:18 ID:yM.26Z3Y

岩沢「はあ、はあ、はあ」

岩沢(どうして、もっと集まってくれ)

…キュィィィイイイン…!
ひさ子(アルケミー!?こんな序盤で…)
ユイ「いいぞっ~!」
~~♪
岩沢「無限に生きたい 無限に生きられたら 全て叶う」

岩沢「でもいろんなものが あたしを追い込んでく」
~~♪

120 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:25:28 ID:yM.26Z3Y

遊佐「こちら遊佐です、体育館の盛り上がりは最高潮と判断します」

遊佐「今のところ、妨害は一切確認できません」

ゆり「了解」

遊佐「それと天使発見の報がありました」

遊佐「天使は現在、学習棟前を通過、こちらに向かっているようです」

ゆり「聞いたわね、巴さん、後は頼むわよ」

マミ「わかったわ」

121 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:26:24 ID:yM.26Z3Y

マミ「行くわよ、美樹さん」

さやか「ええ~、ちょうどいいとこなのに~」

ユイ「天使が出たんですか!?」

マミ「ええ」

さやか「…大丈夫だよ、ユイ、あたしたちがここに来るのを止めてみせるから」

ユイ「期待してます!」

122 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:27:35 ID:yM.26Z3Y

~学習棟A棟前~
天使「……」
スタスタ

スッ…
マミ「悪いけど…」

さやか「体育館には行かせないよ、天使さん」
天使「…またあなたたち…」

天使「ガードスキル…ハンドソニック…」
マミ「準備はいい?美樹さん」

さやか「はい、いつでもオッケーですよ」
シュイン!
シュイン!

バッ!

ガキン!

123 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:28:59 ID:yM.26Z3Y

女子寮 天使エリア
ゆり「ダメね…コンピュータにはパスワードがかかってるわ…」

ゆり「そっちはどう?」

日向「いや、こっちも怪しいものな何もねえ、前来た通りだ」

大山「中身も普通の女の子の部屋だね」

高松「…何もかも普通ですね」

野田「クソッ」

松下「ここまで来て戦果無しか…」
ゆり「いえ、ここまで来たのよ、何かあるはずよ、何か必ず…」

124 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:30:20 ID:yM.26Z3Y

~体育館~
♪~~
岩沢「歩いて来た 道振り返らない」

岩沢「嫌なことばかりでも 前へ進め」
♪~~

___

ガチャ!
ドタドタ!

NPC教師「コラ!お前たち!」

NPC教師「何してる!大人しく寮に戻れ!!」
NPC「やだよ!ぜってぇ見てーもん!!」

NPC「そうよ!!お前らこそ帰れ!!」

NPC「そうだ!そうだ!」

125 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:31:44 ID:yM.26Z3Y
遊佐「教師が現れました、天使の姿は見えません」

ゆり「そう…中止になるのも時間の問題ね」

ゆり「各員、撤退準備、散らかしたものは元の位置にきちんと戻しておいて」

126 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:32:41 ID:yM.26Z3Y

~学習棟A棟前~

……
ガキン!
ガギキン!

ズササー…!

さやか「っ!」

さやか「何なんだよ、コイツ」

マミ「天使よ、私たちの力でも手に負えないわ…」

さやか「くっ…でも、まだまだっ!」

バッ!

127 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:34:20 ID:yM.26Z3Y

遊佐「陽動班、全員撤退しました」

ゆり「ちっ、ここまでね」

日向「ここまでして…得るもの無しか…」

ゆり「…撤退するわよ」

ゆり「各自撤退、巴さん、聞こえる?」

128 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:35:03 ID:yM.26Z3Y

~学習棟A棟前~
マミ「え?撤退?」

さやか「ゆりさん、なんですって?」

マミ「撤退ですって」

さやか「…仕方ないかあ」
さやか「じゃあ、今日はここまでだからね、天使」

さやか「次会ったら覚悟しときなよっ」
天使「……」

129 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:36:28 ID:yM.26Z3Y

その後
対天使用作戦本部

日向「わかったことをまとめてくれ、ゆりっぺ」

ゆり「とりあえず、天使の寮の部屋は普通であったこと」

ゆり「これは私たちが前にあの部屋に入ったときに確認済だったけど」

ゆり「今回も部屋の様子に大きな変化は無かったわ」

ゆり「次に、パソコンにはパスワードがかけてあったこと」

ゆり「…あれだけの規模と人員での作戦だったけど…」

ゆり「恥ずかしい話…これぐらいかしらね…」

130 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:37:58 ID:yM.26Z3Y

日向「しっかし…パスワードなんて誰のパソコンにでもかけることが出来たか?」

高松「確か、あのパソコンは学校から生徒に一人一台支給されたもので」

高松「インターネットの閲覧制限を始め、様々な制限があるはずですが…」

藤巻「そんな規制ばっかのパソコンにパスワードなんかかけれんのかよ」

ゆり「そう…問題はそこなのよ、パスワードがかけてあったと言うことは」

ゆり「必ず、見られてはならない情報があるということよ」

松下「…パスワードか…それをどうするかだな…」

大山「適当な数字とか打ってみちゃダメかな」

ゆり「おおまかな組み合わせはだいたい試したわ、おそらく個人的な何かの数字に設定してあると思う」

一同「……」

ゆり「陽動班と巴さんたちから何か報告は?ある?」

131 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:39:41 ID:yM.26Z3Y

岩沢「いや…特には…」

岩沢「あっ、出来れば天使はいいんだが、教師をどうにかしてほしい」

ゆり「…確かに天使は足止めできたとしても、教師は難しいわね」

日向「NPCに直接危害を加えるのは戦線のモラルに叛するからなあ」

岩沢「そうか…私たちは別にいいんだが、そっちの作戦に影響が出る可能性が今後もある」

ゆり「それは心配しないで大丈夫よ、あなたたちにはいつも頑張ってもらってるから」

ゆり「あなたたちが時間を精一杯稼いでる間に作戦を完遂させるのも私たちの仕事なの」

ゆり「今回はライブが中止になったから戦果がなかったわけじゃないわ、心配しないで、岩沢さん」

岩沢「わかった、それならいいんだ」

132 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:41:31 ID:yM.26Z3Y

ゆり「巴さんの方から何か報告は?」

マミ「別に、何も…」

ゆり「今回は見てないけど、2人で戦ってみて、どうだったの?」

マミ「……対抗しては見たけど、やっぱり難しいわね…」

ゆり「…そう」

さやか「だいだい、あのわけわかんない能力があるから勝てないんだよね」

さやか「マミさんの撃った弾は弾かれるし、あたしの剣は全部止められるし」

さやか「一体アイツはなんだって話なんだよね…」

ゆり「でも、あなたたちなら少なくとも互角には戦えるわ」

マミ「確かにダメージも与えられないけど、こっちが負けるってこともないと思うわ」

ゆり「また機会は必ずある、よろしくね、2人とも」

マミ「ええ」

さやか「もちろん!」

133 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:42:57 ID:yM.26Z3Y
数日後
~学習棟A棟 屋上~

さやか「…どうですか?マミさん」

マミ「え?何が…?」

さやか「この生活ですよ、慣れました?」

マミ「ああ、そのことね…そうね…来た頃に比べればだいぶ…ね」

マミ「どちらかというと美樹さんの方が遅れてきたんだけど…」

さやか「あたしはもう慣れましたよっ」

さやか「なんだかんだで楽しいし、みんな面白い人ばっかりだし」

マミ「ふふ、そうね…」

さやか「でも、まだやっぱり気になるかなあ、まどかのことや…杏子も…」

マミ「…そうよね」

134 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:44:54 ID:yM.26Z3Y

マミ「杏子って…まさか?佐倉さんのこと!?」

さやか「え?あ、そっか…マミさんは杏子に会ってないんだ…」

マミ「…私はあの子のことをよく知ってるわ」

さやか「え!?そうなんですか!?」

マミ「ええ…実はね…」

…………

さやか「そ、そんなことがあったんですか…」

さやか「あ!だからあいつ…」

マミ「自分と重なるところを感じたから、佐倉さんは美樹さんのこと心配してたんじゃないかしら」

さやか「……杏子…」

135 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:46:24 ID:yM.26Z3Y

マミ「……」

さやか「でも…もう会えないんですし…考えたって仕方ないやっ」

マミ「美樹さん…」

さやか「…あたし、ずっと考えてたんです…本当に神様がいるとして…どうしてこんな世界があるのかなって…」

さやか「もし…本当に神様がいるなら…どうしてこんな世界にあたしたちを連れてきたのかなって…」

マミ「……」

さやか「それってやっぱり、昔のことを忘れて、ここで楽しめってことなんじゃないかな~と思って…」

さやか「…だからあたし、昔のことは忘れて、ここでの生活を楽しもうと思うんです!」

マミ「…そうね…それでいいんじゃないかしら…」

さやか「ですよねっ」

マミ「それじゃ、そろそろ戻りましょっか」

さやか「はいっ」

136 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:47:48 ID:yM.26Z3Y

~対天使用作戦本部~

ガヤガヤ
TK「one two let’s dance!」

松下「わん、つー、れっつ、ダンス…っと」
クルクル
藤巻「ぐかああ…」zzz
高松「……」フキフキ
テクテクテクテク
大山「可愛いですね~、ねっ?椎名さん」

椎名「あ、あさはかなり…」

137 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:48:53 ID:yM.26Z3Y

さやか「ああ~ユイ、そこはあたしの席なんだけど」

ユイ「ユイが先に座ってたんですけど~」

さやか「いいから、どいて」

ユイ「ええ~ひどい~ひなっち先輩、コイツどうにかしてくださいよ~」
ブンブン

日向「…ったく、ここは小学校かよ、ガキばっか増えてくなあ…」

ユイ「ひなっち先輩ってばあ~」

日向「おいおい、魔法少女様なんだし、席くらいどいてやれよ」

ユイ「えっ!?ひなっち先輩まで魔法少女の味方っすか!?」

ユイ「まさかの裏切りですか!?私だけの味方になってくれるって言ったじゃないですかあ~!」

日向「…いつ言ったよ、そんなこと…」

138 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:50:05 ID:yM.26Z3Y

さやか「とりあえずそういうことだから、どいて、ユイ」

マミ「ま、まあまあ、美樹さん、私たちは別のとこに座りましょうよ」

ユイ「いやあ、やっぱりともっち先輩はいい人っすね~!」

ユイ「それに比べてこっちの青いのときたら、魔法少女のやりすぎで頭どうかしちゃったんすかね~!?」

さやか「…」ムカッ

さやか「んだとこらああ~!」

ユイ「やるかこらあああ~!」
日向「ほんとにガキばっかだな…」

マミ「あははは…」
ガヤガヤ…

139 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:52:02 ID:yM.26Z3Y

ジリリリリリリリリリ!!!
一同「!!」

日向「な、なんだ!?非常ベル!?」

大山「なになに!?何が起きたの!?」

松下「地震か!?雷か!?火事か!?親父か!?」
放送アナウンス「校内に刃物を持った人物が徘徊しています」

放送アナウンス「校内の生徒はすぐにグランドに避難してください」

放送アナウンス「繰り返します!校内に刃物を…」

マミ「え?刃物を持った」

さやか「…人物って…」

140 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:54:24 ID:yM.26Z3Y

…バタン!

一同「!」

日向「お!ゆりっぺ、これはどういう…」

ゆり「何してんの!あんたたち、武装して!すぐに向かうわよ!」

一同「お、おう!」
____
ダッダッダッダッ…

野田「ゆりっぺ、これは一体どういうことなんだ!?」

ゆり「私にもよくわからないわ、でもまた誰かががこの世界に来たってことに間違いないでしょうね」

日向「けど、チャーが銃で校長脅した時は教室待機だったよな」

大山「全校生徒グラウンドに避難なんて前代未聞だよ!」

藤巻「一体、どんなヤバイ奴なんだよ、今回の奴は!」

マミ「とりあえず、また誰かこの世界に来たってこと?」

ゆり「ええ、それに間違いは無いと思う」

141 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:55:59 ID:yM.26Z3Y

~学習棟B棟 教室~
NPC教師「き、君!今すぐその武器を放しなさい!」

??「…なんなんだよ、てめーらは…!」

??「一体なんなんだよ!この学校はああ~!!」

??「会ったことも無いような奴がアタシの名前呼んで、知ったような口聞いて!!」

??「アタシは死んだんだ、なんでこんなとこにいるんだ!!」
ザシュ!
ガキン!!
NPC教師「き、君!お、落ち着け!!」

142 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:57:10 ID:yM.26Z3Y

…スタスタ

NPC教師「な…せ、生徒会長…!」

天使「……」

…スタスタ

??「な、なんなんだ、てめー?アタシを止めるってか?」

??「ふんっ、やってみなよ」
ジャキン…

天使「…ガードスキル…ハンドソニック…」

??「な…!?」

??「なんだよ…その剣は…」

??「て、てめえ…魔法少女か…!?」

天使「……」

143 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:58:42 ID:yM.26Z3Y
…ザシュッ!

??「!」

ガキン!

??「残念だったな、そんな剣じゃアタシは倒せないよ」

天使「…またなのね…」

??「ああん?」

ヒュッ!
ザシュ!

ガキン!
ガギキン!

ガキキン!
ガキン!

144 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 20:59:58 ID:yM.26Z3Y

??「チャラチャラ踊ってんじゃねぇよウスノロ!」

??「そんなんじゃ、アタシは倒せないって!」

天使「…ガードスキル…ディレイ…」
ヒュッ!
ブンッ…

??「なっ…!?」

…ザシュ!
??「ぐはっ…!」

??「…く、クソッ…て、てめえ…何もんだよ…っ!!」
ドタ…

145 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 21:01:57 ID:yM.26Z3Y
医局(閉鎖中) 保健室
??「…こ、ここは…」

ゆり「目が覚めたみたいね、魔法少女さん」

??「…何もんだ、アンタ」

ゆり「私のことは後でいいとして、まずは彼女たちと話してみたら?あなたもその方が話しやすいでしょうし」

??「…はあ?どういう…」
スッ…

??「!!!」

??「さやか…!それに…マミ…!ど、どうして、ここに…!?」
さやか「あんたねえ……」

マミ「佐倉さん…」
ゆり「じゃあ、私は外で待機しているわ、後は頼むわよ、巴さん、美樹さん」

マミ「ええ…」

…ガララ

146 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 21:03:45 ID:yM.26Z3Y

杏子「どういうことなんだ…」

マミ「…実は」

さやか「この世界はね…」

…………

杏子「はああぁぁ!?」

杏子「この世界は死んだ後の世界で、天使を倒そうとしてるんだって~!?」

杏子「てめーら2人とも頭おかしくなりやがったのか?」

杏子「ここが死んだ後の世界ってのは認めるけど、天使だ?神だ?そんなもんいるわけねーじゃん!」

マミ「神はまだわからないわ、でも、天使はあなたが戦ったあの生徒会長よ」

杏子「!」

マミ「あの生徒会長に負けたんでしょ、佐倉さん」

147 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 21:06:16 ID:yM.26Z3Y

杏子「っ…」

さやか「あいつの力はあたし達の力とも違うし、普通の人間の力でも無いでしょ?」

さやか「だからあいつは神に力を与えられた天使ってわけ」

杏子「……」

杏子「で、そいつを倒す仲間を集めて、戦ってるってのか?」

マミ「…まあ、そんな感じよ」

さやか「だからあんたも仲間になってほしいの」

杏子「……」

杏子「お前らは、もうそいつらと一緒にいるんだよな…」

さやか「うん」

杏子「…じゃあ、お前らと一緒にいるよ」

さやか「…良かった」

マミ「決まりね…」

148 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 21:07:35 ID:yM.26Z3Y
…ガララ!
ゆり「話はまとまったようね、入隊ってことでいいのかしら?」

杏子「ああ…よくわからんが…よろしく頼む…」

ゆり「私はゆり、この戦線のリーダーをしているわ」

杏子「あ、ああ…佐倉杏子だ、こいつら」

149 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 21:09:49 ID:yM.26Z3Y

杏子「と同じように魔法少女だ、よろしく」

ゆり「ええ、よろしくね、佐倉さん」

151 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 21:36:19 ID:yM.26Z3Y

対天使用作戦本部
ゆり「…ということで、また巴さんの後輩の魔法少女さんが戦線に加わることになったわ」

ゆり「自己紹介よろしく、佐倉さん」

杏子「佐倉杏子だ、別に天使や神に興味は無いが、さやかもマミもいるってことだから」

杏子「アタシも仲間に入れてもらう、よ、よろしく…」

さやか「…杏子の奴、なんか緊張してないですか?」コソコソ

マミ「佐倉さん、緊張してるのよ」コソコソ
ゆり「そうゆうことだからみんな、またよろしくね」

152 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 21:37:44 ID:yM.26Z3Y

日向「しっかし…魔法少女様が三人になっちまうとはなあ…」

大山「これで天使なんか楽勝なんじゃない?」

藤巻「けど、立て続けに三人も来るかよ?普通」

松下「うむ…三人も揃うと可憐だ…」

高松「三人とも色が綺麗に揃っていますね…」

日向「おいおい、こいつらキャラぶっとんでねえか?」

椎名「あさはかなり」

野田「……」

大山「野田君が恐怖のあまり硬直してるよ」

藤巻「よ、容赦ねえ魔法少女が三人もいるんだからな…そりゃ少しはびびるぜ…」

ユイ「あたしはその青鬼以外なら歓迎だよ」

さやか「っ」ムカッ!
ボカッ!

さやか「誰が青鬼だ、このガキぃ」

ユイ「うう…痛いです…先輩…痛いですう」

153 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 21:40:52 ID:yM.26Z3Y

松下「それにしてもゆりっぺ、三人立て続けに来たということには、何か意味があるのか?」

ゆり「私もそれが気がかりなの、あなたたち三人が来てくれたのは嬉しいことなんだけど」

ゆり「『魔法少女』の存在すら知らなかった私たちの前にあなたたちが立て続けに三人も来るなんて」

ゆり「偶然にしては出来すぎていると思わない?」

ゆり「だから私は何か意味があるんじゃないかと思うの」

日向「…魔法少女が三人も来たからもうすぐ神が現れますよってか…まさかな…」

大山「まさか…これから、この世界に魔法少女の子しか来ないってこと…ないよね…?」

ゆり「考えられる可能性はたくさんあるわ…この世界に異常が起き始めているのかもしれない…」

ゆり「まだはっきりはわからない…三人が知り合いだと言う点から偶然という可能性もまだ拭えないし…」
ゆり「とりあえず、いつも通り行動を続けましょ、以上」

156 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 22:27:01 ID:yM.26Z3Y
学習棟A棟 屋上
杏子「……」

…スタスタ

さやか「ああ、ここにいたんだ」

杏子「…さやか、マミ…」

さやか「何してんの、こんなとこで」

杏子「べ、別に何でもいいだろ」

さやか「ふーん、そういえばさ、自業自得の人生送ってくって言ってたあんたが」

さやか「どうして死んだの?」

杏子「そ…それは…!」

杏子「…どうでもいいじゃん、そんなこと!」

157 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 22:28:05 ID:yM.26Z3Y

杏子「あーあ、どうして死んだのに、まだてめーらに会うかなあ」

さやか「はあ?何その言い方、心配してあげてんだけど~」

杏子「マミが死んで縄張り奪って、好き勝手やろうと思ってたのに」

マミ「…佐倉さん、まだあなたそんなことを…」

杏子「てめえは相変わらずだな、マミ」

杏子「どうせ、こいつにも正義だの、人の為だの吹き込んで契約させたんだろ」

さやか「ちょ!ちょっと!あんたねえ!」

158 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 22:29:51 ID:yM.26Z3Y

マミ「確かに…そうよ…」
杏子「!」

さやか「マミさん…!?」

マミ「私はね…佐倉さん」

マミ「あなたがいなくなってから本当に寂しかったの…せっかく慕ってきたあなたを助けれなくて」

マミ「そのあなたが私から離れていくのが寂しかったの」

マミ「契約がいけないことなんて、最初からわかってたわ」

マミ「あなたを見てきて、あなたのような子がこれ以上生まれないようにしなきゃいけなかったのに…」

マミ「でも…でも私はそれ以上に魔法少女の友達が欲しかったの、それだけ寂しかったの」

杏子「…」

さやか「…」

159 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 22:32:13 ID:yM.26Z3Y

マミ「だから鹿目さんと美樹さんがQBに選ばれたと知った時はすごく嬉しかった…」

マミ「また、佐倉さんみたいに仲良く一緒に魔女退治ができるって」

マミ「……」

マミ「自分の寂しさを紛らわせるために、まだ願い事も決まっていなかった2人に魔法少女がどんなものであるかを教えて」

マミ「契約を急がせたのは私よ、それに嘘は無いわ…」

杏子「…マミ…」

さやか「…マミさん、別にあたしは…」

160 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 22:34:21 ID:yM.26Z3Y

マミ「そして、私は魔女に殺されて死んだ、それはそんな行いをした私に対する天罰だと思ったわ」

マミ「でもね…」

マミ「死んで、いきついた先がここよ…」

マミ「美樹さんに会えて、佐倉さんにも会えた、それに戦線のみんなにも」

マミ「だから私はとりあえずここにいようって決めたの」

マミ「生きてた時は言えなかったけど、佐倉さん」

マミ「あなたのこと、助けてやれなくて、ごめんなさい」

杏子「…けっ…何を…今さら」

マミ「…あなたに恨まれても仕方ないわ、でもせっかくここにいる以上は仲良くしたいの、佐倉さん…」

杏子「…べ、別にアタシは恨んでるわけじゃ…」

杏子「…ただ、一緒に魔女退治はできない」

マミ「この世界ではソウルジェムも濁らないし、魔女もいないわ」

161 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 22:36:29 ID:yM.26Z3Y

杏子「そうなのか!?」

マミ「ええ、だから仲良くしてくれる?前みたいに…」

杏子「……仕方…ねーな…」

マミ「ありがとう…美樹さんもごめんなさい、私が契約を急がせたばかりに…」

さやか「そ、そんなこと別に気にしてないですよっ!」

さやか「あたしはマミさんに言われてなくても、魔法少女って選択肢があったら」

さやか「多分、この願いで契約してました、それに後悔はしてないですし」

マミ「美樹さん…」

杏子「…さやか」

162 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 22:37:57 ID:yM.26Z3Y

さやか「だからさ、杏子とマミさんも仲直りしたんだし、あたしもこれからはあんたと仲良くしていく」

杏子「…ちっ…よえーくせに、言葉だけは一丁前だな」

さやか「何あんた、せっかく仲良くしてあげようって言ってるのに」

杏子「…べ、べつにい」

さやか「…ま、いいや、どうせあたしたちはもう戦線の仲間なんだし」

杏子「そうだな…とりあえず今は魔女の代わりに天使って奴を倒すのが目的なんだろ?」

マミ「ええ、そうね」

杏子「…アイツは一体何ものなんだ?本当に天使なのかよ」

マミ「佐倉さんも戦ったんでしょ?それならわかるはずよ」

杏子「確かにあれは普通じゃねえ…」

さやか「だからこそ、あたしたち三人で協力すんでしょっ」

マミ「うん、そうね」

杏子「…仕方ねーなあ」

163 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 22:48:11 ID:yM.26Z3Y
~対天使用作戦本部~
ゆり「さあて、全員揃ったわね、じゃあ今日は佐倉さんも慣れてもらうためにいつもやっている簡単な作戦に参加してもらうわ」

ゆり「作戦名…オペレーショントルネード」

杏子「…トルネード」

ゆり「生徒から食券を巻き上げる!」

杏子「へえ、面白そうじゃん」

ゆり「作戦はいつも通り、魔法少女三人にはチームを組んでもらって天使の侵攻阻止をお願いするわ」

日向「なあ、ゆりっぺ、それなら俺たちいらないんじゃないか?」

ゆり「あなたたちも一応外で待機よ、場合によっては彼女たちを援護して」

日向「へいへーい」

ゆり「岩沢さん、今日も期待してるわ」

岩沢「ああ」

ゆり「天使が現れたら各自攻撃、それが増援要請の合図になるわ」

ゆり「作戦開始時刻は18:30」

ゆり「オペレーション、スタート!」

164 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 22:49:53 ID:yM.26Z3Y

~第二連絡橋~
杏子「…はあ~腹減った、そういや飯まだ食ってなかったな」

さやか「もう、あんたはさっきから腹減ったばっかり!」

さやか「どうせこれで食券たくさん手に入るんだから、いいでしょ」
~~♪
~~~♪

さやか「あ、ライブ始まったみたい」

杏子「お、おい…」クイクイ

さやか「ん?」

杏子「あ、あれ…」

165 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 22:52:06 ID:yM.26Z3Y

スタスタ…

天使「……」

杏子「で、出やがった!」
天使「…ガードスキル…ハンドソニック…」
杏子「」シュイン!

さやか「」シュイン!

さやか「…この間の借りは返してもらうよ、天使さん」
バッ!

ヒュッ!
ガキン!

さやか「くううっ!またか!何してんの、杏子!手伝って!」
杏子「お、おう!」

ガキン!
ガギキン!

166 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 22:53:42 ID:yM.26Z3Y

~学園食堂前~
マミ「大丈夫かしら、あの子たち」

日向「お~い!連絡橋付近で、あの2人が天使と戦ってんぞ~!」

マミ「すぐに援護に行くわ!」
~連絡橋付近~
ガギギン!
ズササー

さやか「くっ!」

杏子「クソッ!」

ガチャ…

マミ「ティロ…」

天使「!」

マミ「フィナーレ!!」

ドーン

167 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 22:55:34 ID:yM.26Z3Y

天使「!!」

ガキン!
ドガーン!

マミ「2人とも離れて!」
さやか「了解!」

杏子「ああっ!」
マミ「みんな、広い場所へ!後退しながら加重攻撃よ!」

一同「おう!」
天使「…ガードスキル…ディストーション…」
日向「撃えっ!!」

ダカカカカカカカ!!
………
168 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 22:57:30 ID:yM.26Z3Y
~学園大食堂~
おばちゃん「はいよ、肉うどんお待ち」

ガヤガヤ…
杏子「おっしゃああああ!肉うどんにカツ丼だあ!」
ガツガツ

さやか「あんたさあ、いくらなんでも食べ過ぎでしょ」

杏子「何いってんだ、タダで飯が食えるなんて最高だろ!」
モグモグ

さやか「…あんたねえ…はあ…マミさんも何か言ってやってくださいよ」

マミ「いいじゃない、一仕事したんだし、佐倉さんもお腹空いてるのよ」

169 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 22:59:26 ID:yM.26Z3Y

ユイ「そうそう、さやかも素直に食べればいいじゃん」
モグモグ

さやか「…あ、あたしは別にいいけど…って、ユイ!いつからいたの!?」

ユイ「最初からいましたけど~」

杏子「ん?誰だコイツ」
モグモグ

ユイ「ユイって言います!まだ陽動班の下っ端ですが…」

さやか「ああ、杏子、こいつには構わないがいいよ」

ユイ「人が自己紹介してる時に何言ってんじゃこらああああ」

さやか「やるかああああ、くそがきいいい」

杏子「な、なんなんだよ、コイツらは…」

マミ「この2人そっくりだと思わない?佐倉さん」

杏子「あ、言われてみれば、確かに…そうかも」

杏子「お前らお似合いの姉妹だな!」

170 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 23:02:10 ID:yM.26Z3Y

さやか「はあ、なんでこんな奴と!」

ユイ「ユイだっていやですよ、こんな青鬼と!」

マミ「でも、あなたたち本当に姉妹みたいよ」

さやか「ええ~マミさんまで酷いですよ~」

ユイ「私もこんな青鬼より、ともっち先輩と姉妹の方がいいで~すっ」

さやか「…」ムカッ

さやか「喧嘩売ってんのかこらああああ」

ユイ「本気でこいやこらあああああああ」

杏子「…火に油だったな…マミ」

マミ「あ、あははは…」

171 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/22(日) 23:02:50 ID:yM.26Z3Y

マミ「……」

マミ(佐倉さんまでここに来て、私はここの生活も悪くないって思った…)

マミ(むしろこんな日々がずっと続けばいいのになって思ってた)

杏子「何、ぼーっとしてんだ?マミ」

マミ「え?う、ううん、なんでもないわ」

175 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 16:59:26 ID:NB6jxjFI
対天使用作戦本部
ゆり「…全員集まったわね、それじゃあ総員に通達する…」

ゆり「…今回のオペレーションは天使消滅作戦のリベンジを行う」

一同「おお…」

176 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 17:01:54 ID:NB6jxjFI

日向「やっぱり…来たか…」

ゆり「武器弾薬はギルドから地上の武器庫に搬入してあるわ、だから各自必要なものはそこから取って」

ゆり「作戦の概要は前回と同じ」

ゆり「いつも通り、ガルデモ陽動班に時間を稼いでもらってる間に全力をもって天使を倒すこと」

ゆり「下手な小細工や作戦は考えていないわ、魔法少女三人の力を中心に全員での力押しでいくわ」

ゆり「総員全力で望んでもらう、決行は明日19:00」

ゆり「オペレーション、スタート!!」

177 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 17:04:20 ID:NB6jxjFI

翌日
~学園大食堂 18:30~
SSSメンバー「ガルデモライブ会場はこちらで~す」

……
ゆり「魔法少女班は、私とここに、天使が現れたらすぐに変身して駆けつけてね」

マミ「ええ」

杏子「ああ」

さやか「うん」

ゆり「各自、天使と遭遇したら即発砲、それが増援要請の合図になるわ」

178 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 17:05:48 ID:NB6jxjFI

~学園大食堂 内部~

一般生徒たち「うおおおお!!」

一般生徒たち「きゃー!!」
♪~~~
岩沢「背後にはシャッターの壁 指先は鉄の臭い」
♪~~~
一般生徒「おい、ガルデモだ!」

一般生徒「ライブ始まったよ!」

179 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 17:07:23 ID:NB6jxjFI

~学園大食堂前~
杏子「ライブ始まったか…」

さやか「…みたいだね」

マミ「…」

ゆり「……」

…パンッ!
ダカカカカ!

全員「!!」

ゆり「銃声だわ、いくわよ!」

シュイン!
シュイン!
シュイン!

日向「お~い!!こっちだ!」

180 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 17:10:55 ID:NB6jxjFI

…スタスタ

天使「……」

…ダンッ!

マミ「悪いけど、先に圧倒させてもらうわ!」

シュルルルル!
ガチャガチャガチャ!

マミ「ティロ・リチェルカーレ!」

バババババン!

天使「ガードスキル…ディストーション…」

ガギン!
キキキン!
バキン!

181 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 17:15:23 ID:NB6jxjFI

マミ「今よ!2人とも!」
さやか「うん!」

杏子「おう!」
スッ!
ヒュッ!

天使「!!」

ガキン!
ガキッ…ギギ…!
さやか「くっ…両腕で、抑えるとは…!」

杏子「…けど、これでもう腕は使えないぜ…!」

182 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 17:17:54 ID:NB6jxjFI

杏子「マミ!」

マミ「うん!」

シュルルルル!
ガシ!

ギュッ!

ギギギッ!
天使「っ!」
杏子「ふっ、両腕はアタシたちが抑えた上に、身体はリボンで拘束されてんだ」
杏子「これで動けないぜ…天使さんよ」

183 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 17:18:51 ID:NB6jxjFI

日向「…す、すげーな…あの天使が押さえこまれてる…」
さやか「ゆりさん、お願い!」
ゆり「わかったわ!」
スッ
ダダダダッ!

ゆり「これで終わりよ!」

184 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 18:43:39 ID:NB6jxjFI

天使(…このままじゃ、やられる…!)

天使「…ガードスキル…ハーモニクス…」
シュイン!


ズバシュ!
ゆり「きゃ!!」
ドタッ!

さやか「うあっ!」

杏子「大丈夫か!さやか!」

杏子「て、てめえ!!」

杏子「な…!!」

マミ「っ…!」

185 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 18:47:13 ID:NB6jxjFI

マミ「…そ、そんな…!!」
一同「て、天使が…」
ゆり「2人…!!!」

ゆり「ど、どういうことよ!な、何よこの能力は…!!」

暴走天使「…派手にやってくれたわね…あなたたち…」

暴走天使「それにこんな時間にお遊び?お仕置きしないとね…」

シュイン!
ダダダダッ!

ゆり「っ!!」
シュッ!

186 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 18:48:17 ID:NB6jxjFI

ガキン!
バキン!
ガキンン!
ゆり「ちいっ!」

ヒュッ!
ブン!
ゆり「!!」

シュキン!
ザシュッ!
ビシュッ!

ゆり「うああぁぁ!」

187 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 18:50:39 ID:NB6jxjFI

大山「ね、ねえ、これってどういうこと!?」

藤巻「見りゃわかるだろ、天使が2人になっちまったんだよ!」

マミ「ど、どうすればいいの!ゆりさん!」
さやか「半円で取り囲んで、全員で集中砲火しよ!」

杏子「ああ!ディストーションで曲げられても、時間稼ぎくらいには!」

野田「ああ?なんでてめらーが指揮を…」

藤巻「いいからやるぞ!」

松下「おうよ!」

日向「了解!!」

188 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 18:53:49 ID:NB6jxjFI

マミ「離れて!!ゆりさん!!」

シャキン!
ヒュッ!

ゆり「っ!!」
スッ…!
マミ「撃っ!!」

ドカカカカカカ!!
ダカカカカカカ!!

ガキン!
バキキン!
バキン!
ガキン!

日向「くそっ!!」

藤巻「やっぱりか!!」

189 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 18:55:00 ID:NB6jxjFI

ゆり「全員に通達する!現時点をもって作戦を放棄!」

ゆり「私が煙幕を張るから、射撃を中止して各自撤退!」

ゆり「遅れたものは置いていく!」

さやか「そ、そんな…!」

杏子「まだ、諦めるのは!!」

ゆり「命令よ!」

カチ
ヒュッ!

プシュー
モワモワモワ…

杏子「ちっ!」

ゆり「生き残ったものは、20:00に本部で合流を!!」

190 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 18:58:52 ID:NB6jxjFI

…モクモク…
モワモワ…
天使「…茶番ね…」

天使「…もういいわ」

暴走天使「詰めが甘いわ」

天使「いいから、戻って」

天使「…ガードスキル…アブソーブ…」

シュイン…
天使「……」
スタスタ…

191 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 19:00:26 ID:NB6jxjFI
~対天使用作戦本部~
ガチャ…

日向「ああ、クソ…今回も失敗とはなあ…」

藤巻「おお、日向、お前も生きてたか!」

大山「日向君!良かったよ、無事で」

日向「おう、今んとこ帰ってきてるのはこれだけか…」

野田「ゆりっぺは?」

日向「そういや、見てねーな…」

松下「…まさか」

高松「やられたのですか…」クイ

192 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 19:01:40 ID:NB6jxjFI

日向「いやあ、それはありえないだろ」

椎名「あさはかなり」

日向「それに、魔法少女様たちもまだみたいだしな…」

日向「しっかし、久しぶりに本格的な作戦だったな」

ユイ「いつもアホな作戦ばかりでしたからね!」

日向「てめーも生きてたのかよ」

ユイ「そりゃユイは陽動班ですからあ!」

大山「そういえば、岩沢さんたちも大丈夫だったの?」

岩沢「ああ、こっちは問題ない」

日向「…後はゆりっぺと魔法少女様たちだけか…」

193 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 19:02:38 ID:NB6jxjFI

ガチャ!
ドタドタドタ
ゆり「…全員無事なようね」

日向「おう、なんとかな」

日向「それよりゆりっぺたち、遅かったじゃないか」

ゆり「遅かったって、指示した時間には間に合ってるけど」

ゆり「それに美樹さんがケガしてたから保健室にいたのよ」

日向「ああ、なるほどな」

194 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 19:03:53 ID:NB6jxjFI

ゆり「それでは本題に移るわ、今回の作戦で得られたもの」

ゆり「…天使の新たな能力…」

ゆり「分身なのか、それとも始めから存在していて、あの時に介入してきたのか…」

ゆり「…さっぱり検討がつかない…みんなはどう思う?」
マミ「分身ね…でも、そっくりそのまま同じって感じじゃないと思わない?」

さやか「うん、そうですよ!」

さやか「…なんていうか、凶暴って言うか…」

杏子「好戦的だったな…」

さやか「そう!それそれ!」

195 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 19:05:14 ID:NB6jxjFI

ゆり「確かに、それは私も感じたわ…口数もいつもより多かったようだし…」

日向「ってことは、分身ってよりも、別物なのか?」

大山「実は始めから双子だったりとか?」

野田「あんな天使が2人もいるってことか…」

藤巻「おいおい、一人でも倒せやしねーてのに2人もいるんじゃ…」

高松「しかし、いくら双子でも性格以外に何か違いがあるのでは?」

松下「…どうするんだ、ゆりっぺ…」
ゆり「今のところは情報が少な過ぎるわ…」

196 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 19:06:46 ID:NB6jxjFI

ゆり「もし今後、天使との戦闘にあの別の天使が介入してくるとなると…」

ゆり「戦いは、より一層厳しいものになると思う…」

日向「2人の天使か…」

ゆり「……」

ゆり「考えなきゃいけないことが増えそうね」

マミ「…」

さやか「…」

杏子「…」
ゆり「とりあえず、いつも通り行動を続けましょ、以上!」

197 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 19:18:56 ID:NB6jxjFI
~学習棟B棟~
ドタバタドタバタ!

さやか「こらああああ~待てえええ!ユイ~!」

ユイ「あっかんべええ~だああ」

ドタドタドタ!

杏子「おい」
ガシッ

ユイ「うあっ!」

杏子「騒がしいと思ったらまたお前か…」

ユイ「うわあああああ、離せええええええ」
バタバタ

198 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 19:20:55 ID:NB6jxjFI

ドタドタ

さやか「ナイス!杏子!そいつ捕まえてて!」

さやか「さあて、さやかちゃんがしっかり説教してあげますね~」ニヤニヤ

ユイ「うあああ~ごめんなさい~」

マミ「美樹さん、あんまりユイさんいじめちゃダメよ」

ユイ「ともっち先輩!コイツにしっかり言い聞かせてくださいよ~」

マミ「美樹さん、一体どうしたの?」

さやか「コイツからあたしをからかってきたんですよ」

マミ「…どっちもどっちね」

杏子「ガキか…お前らは…」

199 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 19:22:40 ID:NB6jxjFI
スタスタ…

ゆり「あら、あなたたちこんなところにいたの、また新しい作戦考えたの、本部に来てもらえるかしら」

マミ「え、ええ…」

杏子「また作戦って…変なのじゃねーだろうな…?」

ゆり「変なのとは心外ね、佐倉さん」

杏子「ここ最近だって、どう考えたってネタみたいな作戦しかやってねーじゃねーか」

ゆり「ネタってなによ!仕方ないじゃない、私たちはアホなんだから!」

杏子「リーダーが言うなよ…」

ゆり「佐倉さん…前から気になってたことがあるんだけど…」

ゆり「あなた、私とキャラが少し被ってるからって人気のこと意識してない?」

杏子「はあ…?」

200 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 19:24:03 ID:NB6jxjFI

ゆり「…やっぱりそうね、あなたが戦線に入った時から薄々感じてはいたんだけど」

杏子「いや、別に意識とかしてねーし、まずキャラ被ってねーよ!」

ゆり「被ってるわよ!髪の色も一緒だし、悲惨な人生送ってきてるのも一緒だし、性格だって似てるわ」

ゆり「だから、あなたは間違いなく私を意識している、そしてそれ故人気を気にして、あたし文句ばっかり言うんでしょ?」

杏子「してねーから!つかそこまでキャラ無理に被らせんなよ!」
マミ「あ、ははは…」

マミ「……」

マミ(いつの間にか、この2人も仲良くなってる…美樹さんも佐倉さんも、戦線のみんなと仲良くなって…)

マミ(また、私だけ…一人ぼっちなのかな…最近はこんなことばかり考えている…)

マミ(そして、こんな日が続いて、作戦をやっては失敗の繰り返しの日々だった)

201 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 19:26:52 ID:NB6jxjFI

ある日夕方

学習棟A棟 屋上
さやか「はあ~今日も遊んだなあ~」

杏子「遊んだ、じゃなくて、一応作戦だろ~」

さやか「あ!あれって、マミさんじゃない?」

さやか「マミさ~ん!」
マミ「……」
スタスタ…

さやか「マミさん、こんなとこで何してるんですか」

マミ「…美樹さん、佐倉さん…」

202 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 19:28:01 ID:NB6jxjFI

さやか「あ、あれ…な、泣いてたんですか…?」

さやか「…な、なんかすいません…」

杏子「…なんかあったのか…?」

マミ「ううん、いいの…」

マミ「今までの自分のことを考えてたら勝手にね…」

マミ「私、ずっと一人ぼっちだったから…今のこんな生活にずっと憧れてたの…」

マミ「みんなと笑って、ふざけて、遊んで」

マミ「こんな学校生活が送れるなんて思ってもみなかったから」

さやか「……マミさん」

杏子「……マミ」

203 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 19:29:34 ID:NB6jxjFI

マミ「…でもね、あなたたちが笑って、ユイさんやゆりさんと仲良くしてることはいいことなんだけど…」

マミ「でも私、またここでも一人になっちゃったのかなっ…て思って…」

さやか「な…何言ってるんですか!」

さやか「マミさんは一人ぼっちなんかじゃないですよ!!あたしたちがいるじゃないですか!」

マミ「美樹さん……」

さやか「マミさんがいなきゃ、あたし魔法少女のことすら知ることなかったですし、ここに来ることも無かったと思います!」

さやか「こんな言い方あれですけど、マミさんがいたからあたしもこうしていられるんですよ!」

杏子「ああ、マミは一人ぼっちなんかじゃねえ…アタシたちがついてる、それにゆりたちだってマミの味方だろ」

杏子「アタシだってそうさ、マミがいなきゃアタシは死んでた、まあ結局はこっちに来たけど」

杏子「マミと出会ってなかったら、アタシはきっと自業自得の人生だって自分を呪ってた…」

杏子「誰かのために頑張ってるマミの姿を見たからアタシは変われたんだと思うよ」

マミ「佐倉さん…」

204 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 19:31:52 ID:NB6jxjFI

マミ「…ううっ…2人ともっ…あ、ありがと…ぐすっ…」

さやか「あたしの方こそありがとうございますっ!マミさんっ!」

杏子「礼を言うのはこっちだ…ありがとな…マミ…」

マミ「…ぐすっ…ううん…ううっ…」

さやか「…だから、これからもあたし達の先輩でいてくださいよ、マミさん」

杏子「アタシからも頼むぜ、マミ先輩っ」

マミ「…ううっ…うん…うんっ!」
マミ(私は幸せものね…こんなにも私のことを想ってくれてた子たちがいたなんて…)

マミ(私は最初から一人なんかじゃなかったんだわ…みんながいてくれた…)

マミ(やっと…やっと…見つけることができた…ありがとう…2人とも…)

205 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 19:32:32 ID:NB6jxjFI
………
さやか「…ま、マミさん…?」

杏子「お、おい…マミは…?マミはどこ行った…!?」

さやか「……マミさん」

さやか「…」

206 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 19:35:32 ID:NB6jxjFI

~対天使用作戦本部~
ドタドタドタドタ!

ガチャ!
バタン!

杏子「おい!ゆり!」

ゆり「なによ、そんなに騒いで、また作戦でも思いついた?」
さやか「ゆりさん、マミさんが…!マミさんが…!!」
ゆり「?」

ゆり「巴さん…?が、どうかしたの?」

207 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 19:38:13 ID:NB6jxjFI

………

ゆり「…そう…そんなことがあったの…」

さやか「…マミさんが…ううっ…マミさんがっ…!」

杏子「なあ、なんでだよ!天使の奴がマミを消しやがったのか!?」

さやか「天使がマミさん消したの!?ねえ!ゆりさん!」
ゆり「…いいえ…」

ゆり「…あの子が納得しちゃった…ただ、それだけの話よ…」

さやか「えっ…」

ゆり「…とりあえず、戦線のみんなには私から報告しておくから、あなたたちは…」

杏子「…ん、んだよそれ、マミが消えちまったのに…なんでそんなに落ち着いてられんだよ…!ゆり…!」

ゆり「…佐倉さん…」

208 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 19:39:40 ID:NB6jxjFI

ゆり「落ち着いてなどいないわ…巴さんは戦線にとってすごく大事な人だった…私だって…いなくなってほしくなかった」

ゆり「……でもね」

ゆり「…彼女は自分でその道を選んだのよ…」
杏子「ど、どういう意味だっ!!」

さやか「…ちょ、ちょっと落ち着いてよ、杏子、ゆりさんを責めても何も変わらないよ…」

杏子「こ、これが落ち着いていられるかっ!」
ゆり「……美樹さん、あなたは薄々気付いているんでしょ…この世界について…」

さやか「えっ…」

209 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 19:40:48 ID:NB6jxjFI

ゆり「…佐倉さんには私が説明するより、あなたが説明したほうがいいわ…」

さやか「…う、うん…」

ゆり「じゃあ…よろしくね…」

杏子「お、おい!どういう…!」

さやか「…とりあえず、今日はこのこと考えるのやめようよ…杏子」

杏子「…っ」
ガチャ…
バタン…
ゆり「……」

210 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 19:41:58 ID:NB6jxjFI

次の日

…キーンコーンカーンコーン

~学習棟B棟 屋上~
杏子「……」

さやか「……」
杏子「…そろそろいいか?」

さやか「…うん」

211 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 19:44:29 ID:NB6jxjFI

杏子「…昨日のこと、どういうことだ…」

さやか「…あのね、この世界は死んだ後の世界って言ったよね」

杏子「ああ、それが…」

さやか「そして、ここにはみんな理不尽な人生を送った人しかいないよね」

杏子「言われてみりゃ、確かに、アタシもそうか…だけど、それがマミとどういう関係…」

さやか「…杏子はさ、今のここの生活、楽しい…?」

杏子「…え、ま、まあそれなりにはな、さやかだっているし」
さやか「そ、そっか…それが答え…マミさんが消えた理由だよ」

212 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 19:46:21 ID:NB6jxjFI

杏子「…ど、どういうことだよ、意味がわからねえ」

さやか「…多分だけど、ここはね、理不尽な人生を送ってきた人が、その人生の代わりに」

さやか「この世界で楽しい学校生活を満喫して、消えていく場所なんだよ…」
杏子「!!」

杏子「つ、つまり…マミは…」

さやか「…うん、自分の人生に納得して…次の人生に歩んでいったってこと…」

杏子「……そ、そんな…」

さやか「あたしも最初はどうなんだろって思ってた…でも多分そうだと思う…」

213 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 19:47:56 ID:NB6jxjFI

杏子「ま、待て、じゃあ、ゆりたちはどうなるんだ…」

さやか「ゆりさんたちは…自分たちの人生に必死に抗おうとしてるんだよ…」

さやか「どれだけ理不尽な人生を送ってきたのかはわからない、あたしたちの人生よりも酷かったのかもしれない…」

さやか「だから、この世界がそんな世界だとわかってても、そんな人生を与えた神に抗おうとしてるんだよ」

杏子「……」

さやか「マミさん…最期笑ってた、泣いてたけど…とっても嬉しそうだった…」

杏子「ああ…」

さやか「あんなマミさんを見たら、止められないよ…もっとここにいてくださいって…」

さやか「…杏子なら止められる?あの時…」

杏子「……」

さやか「…だから…ここは卒業していくべき場所なんだと思う」

214 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 19:49:48 ID:NB6jxjFI

さやか「あたしたちも、いつか笑ってここを去っていく日が来るんだと思うよ…」

杏子「…で、でも…!」

さやか「…あたしもまだ自分の人生に納得できたわけじゃない…だからここにいるんだと思う…」

さやか「でもだからって、立ち止まってちゃいけないと思うんだ…」

杏子「……」

杏子(アタシは今のこの生活が終わっちまうのが嫌で仕方なかった…)

杏子「…か、考えさせてくれ…」

さやか「…うん、まだあたしも決めたわけじゃないよ…」

さやか「今のこの生活だってあたしの大事な宝物だから…」
杏子「……」

さやか「……」

215 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 19:54:30 ID:NB6jxjFI

~対天使用作戦本部~

ゆり「…」
ガチャ…

ゆり「…美樹さん、佐倉さん…」

ゆり「!」

ゆり「…どういうつもりその格好は…?」
さやか「…ゆりさん…あたしたち…」

杏子「……」

216 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 19:56:51 ID:NB6jxjFI
………
ゆり「…そう、それが答えなのね…」

さやか「…うん、ごめんなさい…」

杏子「今まで世話になったな…」

さやか「…制服お返しします…」

ゆり「…うん」

ゆり「…あなたたちがその答えを出したのなら、無理に引き止めはできないわ…」

ゆり「ここから旅立つことも一つの答えよ…」

217 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 19:58:49 ID:NB6jxjFI

さやか「……」

さやか「ゆりさんたちだって、わかってるんでしょ!ここがそんな世界かも知れないってことは…!」

ゆり「…ええ、もちろん、戦線を立ち上げてすぐに感じたわ…」

さやか「…な、なら…!」

ゆり「…でもね、そんなことはわかってるのよ…」

ゆり「私たちはここがそんな世界だとしても自分の人生を…まだ許せない連中ばかりなの…」

ゆり「神なんているのか正直わからない…でもこんな人生を強いた何かに必死に抗いたいのよ…」

ゆり「だから仲間を集めて戦線を立ち上げたの」

さやか「……」

ゆり「私たちが間違ってて、あなたたちの答えがこの世界では正しいのかもしれない…」

ゆり「でも私たちは、まだこの戦場で戦うわ」

ゆり「…あなただって、私の返答がわかってて聞いてるんでしょ…美樹さん」

218 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 20:00:28 ID:NB6jxjFI

さやか「…っ」

さやか「あたしだって、踏ん切りがつけれたのかは、自分でもイマイチよくわかりません…」

さやか「…でも、マミさんのあんな幸せそうな顔を見たら、あたしも…」

さやか「ここは長くいる場所じゃないんだって…思ったんです…」

ゆり「……」

ゆり「佐倉さんも賛成したのね…」

杏子「あ、あたしは…ちょっと反対だったんだがな…今の生活も楽しかったわけだし…」

杏子「けどさ」

杏子「さやかを一人にするわけにはいかないじゃんっ」

ゆり「ふっ…いい友達をもったわね、美樹さん…」

さやか「うん」
さやか「…じゃあ…そろそろ…」

219 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 20:02:34 ID:NB6jxjFI

ゆり「…待って、本当は戦線の皆には内緒のつもりで挨拶しに来たんでしょうけど…」

ゆり「この子が勘付いちゃったみたいで…」
スッ

さやか「ゆ、ユイ…!」

杏子「お、お前…!」

ユイ「…うう、2人とも…戦線抜けるんですかあ…」

ユイ「…ユイ、遊ぶ相手いなくなるじゃないですかあ…」

さやか「…ユイ…」

さやか「…ごめんね…ユイ、あんたと遊んででホントに楽しかった…」

杏子「ああ、すげー楽しかったぞ」

ユイ「…ううっ…でも…っでも…もうっ…ぐすっ…」

杏子「こーら…泣くなよ、いつものおてんばはどうしたんだ…」
ナデナデ

220 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 20:04:26 ID:NB6jxjFI

さやか「そうそう」

さやか「ユイはあたしの妹なんだから、次、生まれ変わったら本当の姉妹として生まれようね…」
ダキッ

さやか「あんたもちゃんと見つけなよ、あんたの人生の一番の宝物をさ…ユイ…」

ユイ「…うぅっ…ううっ…ぐすっ…う、うん…」
さやか「…じゃあ、そろそろ…」

ゆり「…うん、ありがとう…2人とも…」

ゆり「また、どこかで…!」

さやか「もちろん!」

杏子「ああ、またな!ゆり!」

221 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 20:05:26 ID:NB6jxjFI
………
ゆり「……2人とも…お疲れ様…」
ユイ「ううっ…ひっく…ぐすっ…!」

ゆり「ほーら、あなたもいつまで泣いてるの、陽動班の仕事はまだあるわよ」

222 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 20:06:24 ID:NB6jxjFI

数日後
~対天使用作戦本部~

ゆり「本日のオペレーションは新人勧誘ミッションを行う!」

ゆり「決行は深夜よ、オペレーションスタート!」

223 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 20:08:11 ID:NB6jxjFI

~学習棟A棟前~
ゆり「……」

ゆり(あれから数日が経ち、戦線は彼女たちが来る前の姿に戻りつつあった)

ゆり(彼女たちの話を戦線のみんなにしてから、彼女たちの気持ちを知ってか知らずか)

ゆり(戦線のみんなも彼女たちの話題を口にしなくなった…)

ゆり(美樹さんの言ったことも、間違いじゃない…いや、この世界では本当にそれが答えなのかもしれない…)

ゆり(でも…そんなことはわかっていても、私はまだ自分の人生を許せない…こんな人生を強いた存在を恨み続けている)

224 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 20:09:03 ID:NB6jxjFI
ゆり(そして、今日も理不尽な人生を送った人がこの世界にやってきた)
ゆり「目が覚めた?」

音無「あ、あんたは…」

ゆり「ようこそ、死んでたまるか戦線へ」
225 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/23(月) 20:10:04 ID:NB6jxjFI
以上で終わりです。
支援してくださった方、最後まで読んでいただいた方
ありがとうございました。

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